ブリッジSEの転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/08/08 / 最終更新日: 2025/08/15

ブリッジSE(ブリッジシステムエンジニア)は、日本企業と海外の開発拠点をつなぐ橋渡し役として、プロジェクト管理や設計書の翻訳、進捗調整など幅広い業務を担う職種です。近年、国内エンジニア不足やコスト削減を背景にオフショア開発が拡大し、ブリッジSEの需要は急速に高まっています。グローバルなITスペシャリストの確保が課題となる中、語学力やマネジメント力を活かせるポジションとして注目されています。

ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントがブリッジSEの年収相場や求められるスキル・経験を解説します。

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ブリッジSEの転職動向


近年のブリッジSEの転職市場は、ITスペシャリスト不足や企業のグローバル化が進む中で、国内外の多くの企業から注目を集めています。特にオフショア開発の拡大により、現地エンジニアとの円滑なコミュニケーションやプロジェクト推進を担うブリッジSEの需要は年々増加傾向です。

求人はIT・Web業界にとどまらず、製造業やサービス業など多様な分野に広がっており、英語や中国語などの語学力や異文化理解、さらにはマルチタスク能力をもつ方が求められています。現地スタッフとの連携や交渉が日常的に発生するため、技術力だけでなく高いコミュニケーション能力も重視される傾向です。

キャリアパスも多様化しており、プロジェクトマネージャーやITコンサルタント、管理職へのステップアップも期待でき、30〜40代の中堅層から部長クラスまで幅広い層が活躍しています。今後もいっそうオフショア開発や海外展開が進むと見込まれ、ブリッジSEの転職市場はさらに活発になるでしょう。

AIやDX推進といった新たな技術領域でもグローバルな橋渡し役としての役割が期待されており、語学力やマネジメント経験を活かしてキャリアアップを図るチャンスが広がっています。ブリッジSEは、企業のグローバル戦略を支える重要なポジションとして、今後も高い需要が続くと想定されます。

ブリッジSEで求められるスキル・経験・マインド


ブリッジSEの転職時に求められるスキル・経験・マインドは、以下のとおりです。

  • ・オフショア開発マネジメント経験
  • ・プロジェクトマネジメントの経験
  • ・要件定義・基本設計・詳細設計などの開発工程経験
  • ・ソフトウェア開発経験(Javaや.NETなど)
  • ・外部ベンダーを活用した開発管理の経験

ここから、それぞれの内容を解説します。

オフショア開発マネジメント経験

近年、多くの企業が、オフショア開発体制を活用しており、そのマネジメント経験は必須とされています。特に、ベンダー管理や品質管理、開発工程のスケジュール調整などを海外拠点と連携して進めた実績が重視される傾向です。日本語・英語を含めた多言語での意思疎通能力や、異文化理解力も求められ、開発拠点との信頼関係構築ができる方が好まれています。

プロジェクトマネジメントの経験

ITシステム開発におけるプロジェクトマネジメント経験も高く評価されます。要件定義、進捗管理、課題解決、チームビルディングなど、一連のマネジメント経験があると、即戦力として見なされるでしょう。特に、オフショアを含む多拠点でのプロジェクト運営経験や、開発リソースの最適配分を行った実績があると、採用可能性が大きく高まります。

要件定義・基本設計・詳細設計などの開発工程経験

システム開発において、要件定義からテストまで一通りの工程に携わった経験が求められます。特に、基本設計や詳細設計を自ら行い、設計書を作成した経験がある方は、ブリッジSEとして現場に即対応できると評価されます。開発工程に精通していることで、開発側とビジネス側の認識の橋渡しがスムーズに行えるためです。

ソフトウェア開発経験(Javaや.NETなど)

ブリッジSEの転職では、プログラミング言語の選定にかかわらず、5年以上のソフトウェア開発経験を有することが望まれます。JavaやNETなどのオープン系言語での開発経験が重視され、開発の現場に深く関与してきた方が求められる傾向です。開発現場の課題や制約を理解したうえで、現実的な調整ができる点が、ブリッジSEに必要な資質といえます。

外部ベンダーを活用した開発管理の経験

外部ベンダーとの協業に関するマネジメント経験も重要です。国内外問わず、協力会社との契約管理、成果物の品質チェック、納期調整などを行った実績が求められます。社内の開発体制を整えるだけでなく、外部リソースとの連携を戦略的に行い、プロジェクトの成功に導ける能力が高く評価される傾向です。

ブリッジSEの想定平均年収は776.5万円


JACの実績※では、ブリッジSEの平均年収は約776.5万円です。年収のボリュームゾーンは650万円~850万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が500万円を超えるケースや30代で1,000万円以上、40代で1,200万円以上のケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス708.3万円
管理職961.5万円
平均年収
日系企業698.7万円
外資系企業843.2万円

※当社実績(2023年1月~2025年6月、想定年収)より

ブリッジSE最新求人情報


本章では、ブリッジSEの最新転職・求人情報を紹介します。

株式会社ラクス:ブリッジエンジニア

中国トップクラス通信機器メーカー:端末開発プロジェクトマネージャー

ハコベル株式会社:システムエンジニア(マネージャ候補)

非公開:テクノロジーコンサルタント(公共サービス・医療健康領域)

三菱電機ソフトフェア:航空・防衛システム開発エンジニア(リーダー候補)

株式会社Datachain:リード・フロントエンドエンジニア【グローバル向けFinTechプロダクト】

株式会社BREXA Technology:<インフラ>PM/PMO

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

ブリッジSEへの転職で有利となる資格


ブリッジSEの転職時に取得していると有利な資格は、以下のとおりです。

  • ・情報処理技術者試験(応用情報技術者試験)
  • ・TOEIC
  • ・PMP(Project Management Professional)
  • ・日本語能力試験(JLPT N1)
  • ・基本情報技術者試験

ここから各資格の内容を解説します。

情報処理技術者試験(応用情報技術者試験)

応用情報技術者試験は、ITエンジニアの中・上級者向け国家資格で、システム開発やマネジメントの基礎知識を網羅しています。特に要件定義、設計、プロジェクト管理などの知識が問われ、ブリッジSEに必要な幅広い技術理解を証明することが可能です。応募時に保有していることで選考通過率が上がる傾向があります。学習期間は3~6カ月程度、難易度は中程度です。

参照:独立行政法人情報処理推進機構「応用情報技術者試験」

TOEIC

ブリッジSEでは、英語による要件ヒアリングや仕様書作成が求められるため、英語力は必須です。特にTOEICスコア800点以上は、ビジネスレベルの英語力を有する証として多くの求人で評価されています。基準値を満たしたTOEICスコアを明記している転職希望者は、英語案件での転職成功率が高い傾向です。学習期間は3カ月以上、スコア取得には継続的な英語学習が求められます。

参照:IIBC「TOEIC Listening & Reading Test」

PMP(Project Management Professional)

PMPは、米国PMIが主催するプロジェクトマネジメントの国際資格です。要件定義から納品までの工程をマネジメントするスキルは、オフショア開発でブリッジSEが担うべき役割と合致します。PMP保有者がプロジェクト責任者候補として、優遇される例もあります。取得には実務経験が前提となり、学習期間は3~6カ月、難易度は高めです。

参照:一般社団法人 PMI日本支部「PMP資格について」

日本語能力試験(JLPT N1)

海外在住者や外国籍エンジニアがブリッジSEを目指す場合、日本語能力の証明としてJLPT N1は重要です。クライアントとのコミュニケーションにおいて高い日本語力が求められ、日本語での仕様理解や会議参加ができることが前提となるためです。N1は最上位レベルであり、保有者が内定を得た事例がみられます。学習期間は1年程度が目安です。

参考:Japan Foundation 国際交流基金「日本語能力試験 JLPT」

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はIT基礎スキルを証明する国家資格で、ブリッジSEとして開発プロセスを理解するうえで有用です。開発経験が浅い方でも、この資格を取得しておくことで、業務に必要なITリテラシーを示せます。実務未経験者が基本情報を保有していることで書類通過したケースもみられます。学習期間は2〜4カ月程度、初心者向けの難易度です。

参照:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」

ブリッジSEのキャリアパス


ブリッジSEは、技術とビジネス、言語の架け橋として活躍する職種です。その経験は多様なキャリアにつながります。ここでは、5つの代表的なキャリアパスをご紹介します。

プロジェクトマネージャー

ブリッジSEとして培ったマネジメント力や多国籍チームとの調整経験を活かし、プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーへとキャリアアップする道があります。全体を俯瞰しながら進捗や品質を管理し、関係者の調整を円滑に進めたい志向の方に向いています。このキャリアを歩むには、まずブリッジSEとして開発現場での調整や進行管理を経験し、さらにPMPなどの資格取得や大型案件でのリーダー経験を積むことが有効です。

  • PM(プロジェクトマネージャー)の職務経歴書サンプルと書き方

    「PM(プロジェクトマネージャー)」の職務経歴書を作成する際に役立つサンプル・テンプレートをご用意。職種別の書き方ポイントも解説しています。 書類選考官がまず見るポイントは、プロジェクトの規模感(人数、金額、期間)、どの… 続きを読む PM(プロジェクトマネージャー)の職務経歴書サンプルと書き方

ITコンサルタント

ブリッジSEで培ったシステム開発や業務改善の知見、異文化間コミュニケーション力を活かして、企業のIT戦略策定やシステム導入支援を行うITコンサルタントになる道も一つです。課題解決や提案型の業務にやりがいを感じる方に適しています。ステップとしては、SEやブリッジSEとして多様な業界やプロジェクトを経験し、IT全体の流れや業務知識を深めることが重要です。

  • ITコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

    日本では、国を挙げて社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進しており、多くの企業がITシステムの導入や見直しを検討しています。IT全般に関する深い知識をもつ適任者が不足しているため、専門的な知見をもとに最適… 続きを読む ITコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

外資系・海外企業への転職

語学力とグローバルな視点を活かし、外資系企業や海外現地企業で活躍するキャリアも選択肢となります。異文化環境でのチャレンジや高収入を目指す方、国際的な環境で自分を試したい方に向いているキャリアパスです。まずはブリッジSEとして海外プロジェクトにかかわり、語学力を磨きながら現地での業務経験やネットワークを広げていくステップとなります。

フリーランスとして独立

多様な案件や働き方を求める方には、フリーランスとして独立する道もあります。自分の専門性や語学力を活かし、自由に案件を選びたい方や収入アップを目指す方に適しているでしょう。まずは企業で経験を積み、実績や人脈を作ったうえで、フリーランス案件に参画しながら徐々に独立を目指していくのが一般的です。

専門特化型エンジニア

技術志向が強く、特定分野での専門性を高めたい方は、AIやクラウド、セキュリティなどの先端技術領域に特化したエンジニアを目指す道もあります。ブリッジSEで得た幅広い知識を活かしつつ、特定分野のスキルを深めることで、市場価値を高めることが可能です。現場でさまざまな技術に触れ、興味のある分野の資格取得や実務経験を積むことが重要です。

  • システムエンジニア(SE)の職務経歴書サンプルと書き方

    「システムエンジニア(SE)」の職務経歴書を作成する際に役立つサンプル・テンプレートをご用意。職種別の書き方ポイントも解説しています。 システムエンジニア(SE)の職務経歴書を通じて採用担当者が知りたいのは、プロジェクト… 続きを読む システムエンジニア(SE)の職務経歴書サンプルと書き方

ブリッジSEの転職を成功させる5つのポイント


ブリッジSEの転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえなくてはなりません。

  • ・「調整力」を“マルチステークホルダー対応力”へ昇華させる
  • ・「国際経験」を“クロスボーダー案件の即戦力”として提示する
  • ・「技術スキル」を“課題解決型の技術応用力”へ変換する
  • ・志望動機に“スキルの拡張性”と“貢献意欲”を組み込む
  • ・転職エージェントを活用する

ここから、各ポイントについて解説します。

1.「調整力」を“マルチステークホルダー対応力”へ昇華させる

ブリッジSEの要である調整力は、開発チーム、クライアント、海外パートナーといった多様な関係者の利害を調整する力に他なりません。このスキルは、PMやITコンサル職など幅広い職種で求められます。「日中英の三言語を使いながら要件調整を主導した」など、具体的な成果とともに職務経歴書で表現することで、実務能力をより明確にアピールすることが可能です。

2.「国際経験」を“クロスボーダー案件の即戦力”として提示する

海外拠点やオフショア開発の経験を、単なる開発補助ではなく「グローバルプロジェクトを動かす推進力」として位置づけることが重要です。例えば「中国開発拠点と連携し、納期を2週間短縮」など、定量的な成果や苦労した異文化調整エピソードを交えて表現すれば、外資系や海外案件にも強い印象を残せます。

3.「技術スキル」を“課題解決型の技術応用力”へ変換する

単に技術を知っているだけでなく、それをどう活かして問題解決に導いたかを伝えることも大切です。例えば「不具合の多かった仕様に対し、開発言語と設計思想の違いを翻訳して改善提案を行った」といったストーリーを通じて、技術と業務をつなぐ“橋渡し力”があることを示しましょう。

4.志望動機に“スキルの拡張性”と“貢献意欲”を組み込む

「語学力を活かしたい」「グローバルな環境で成長したい」といった抽象的な動機ではなく、「異文化チームとの開発経験を、今後は戦略立案フェーズで活かしたい」など、自分のスキルがどう発展し、企業にどう貢献できるかを具体的に語ることが重要です。キャリアの一貫性と成長意欲を明確に示しましょう。

5.転職エージェントを活用する

ブリッジSEのような専門性の高い職種は、求人サイトなどに公開されている求人だけでは適切な職を見出すことが困難な場合があります。JACのような転職エージェントを活用すれば、非公開求人の紹介に加えて、ブリッジSEの強みを活かした職務経歴書の書き方や、面接対策の支援も受けられます。限られた時間を有効に使い、キャリアアップの選択肢を広げていきましょう。

ブリッジSEの転職事例


ここからは、JACを活用してブリッジSEへ転職した事例をご紹介します。

Nさん(男性/40代前半)

業種職種年収
転職前SIerプロジェクトマネージャー750万円
転職後コンサルティングブリッジSE1,000万円

Nさんは、20年以上にわたりIT業界でキャリアを重ね、公共分野におけるシステム開発から提案活動、プロジェクトマネジメントまで一貫して経験してこられたスペシャリストです。これまで、自治体向けの業務システムを中心に、要件定義から導入支援、運用設計に至るまで多岐にわたる業務に携わってこられました。

近年では部門の責任者として新サービスの企画や組織マネジメントにも取り組まれていましたが、より上流フェーズから課題解決に向き合える環境を求め、転職を決意。JACのコンサルタントは、Nさんの公共領域における業務知識とシステム開発の現場経験、さらに営業的な視点も併せもつ点に注目し、医療・行政分野を支えるテクノロジー系企業のコンサルティングポジションをご提案しました。

ご入社後は、顧客と開発部門の橋渡し役として、業務要件の整理やプロジェクト推進に携わり、大規模プロジェクトにも参画。システムと現場業務の両面に精通するパートナーとして、早くも信頼を得ながら活躍をスタートされています。

ブリッジSEへの転職なら、JAC Recruitmentへ


JACは、IT業界やグローバル分野に精通したコンサルタントが多数在籍し、業界ごとの専門知識と豊富な経験をもとに、個々のキャリアやスキルを深く理解したうえで最適な提案を行えるのが強みです。特に、海外展開や多国籍チームでの経験を活かしたい方には、JACの国際ネットワークやバイリンガル対応力が大きな支えとなります。

JACのコンサルタントは企業の採用背景や組織文化にも精通しており、単なる求人紹介にとどまらず、応募者の強みや志向性を活かせるキャリアパスを一緒に描きます。IT・デジタル領域に特化した専門チームもあり、最新の業界動向や非公開求人の情報も豊富です。ブリッジSEとしての経験を新たなフィールドで発揮したい方にとって、JACは信頼できるパートナーとなるでしょう。転職を検討している方は、ぜひJACにご相談ください。

  • IT業界の転職ならJAC Recruitment

    JAC Recruitmentはロンドン発祥の転職エージェントでイギリスとドイツ、アメリカ、アジアなど11カ国、33拠点に広がる独自のグローバルネットワークを背景として、IT系企業への転職支援でも豊富な実績を重ねてきまし… 続きを読む IT業界の転職ならJAC Recruitment

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。