教育研修の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

  1. 管理部門(経理/人事/法務)
  2. 転職マーケット×管理部門

公開日:2025/08/12 / 最終更新日: 2025/08/18

人を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで企業の価値向上を目指す人的資本経営を推進する企業が増える中、社員の育成を担当する教育研修職が担う役割の重要性が増しています。注目を集める教育研修の職に転職を希望する場合、どのような経験や資格が優遇されるのでしょうか。

今回は、教育研修職に求められるスキルや経験、最新の求人情報など、転職に役立つ情報をご紹介します。

業界のプロがあなたにあった転職支援を行います

今現在、

  • 経験を活かして異業界への転職を検討している
  • 業界内でより自分にあった企業へ転職したい
  • より年収を上げたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

教育研修の転職動向


JACが取り扱った教育研修職の求人数の変化を見ると、2024年の新規求人数は前年の1.13倍に増加しています。特に、EMC(電気・機械・化学)業界での募集が目立ちます。EMCの中でも教育研修職の求人が多いのは、自動車・自動車関連部品メーカー、化学メーカー、機械・装置メーカーです。そのほか、サービス業での教育研修職の募集も多く、中でも人材派遣・人材サービス業、ホテル・旅行関連業などでの求人が増加中です。

教育研修職を募集する多くの企業が、募集背景に人的資本経営の推進を挙げています。人的資本経営の実現には、従業員のキャリア開発支援や教育研修が欠かせません。

そのため、組織開発や人材開発に関わった経験をもつスペシャリストを募集する企業が増加していると考えられます。

  • サービス/物流/商社転職情報

    サービス(HR・教育研修/商社・海運/リテール・フードサービス)の転職市場においても、JAC Recruitmentは多くの方々の転職を成功させてきました。当社のコンサルティングは1人のコンサルタントがご登録者と企業の両… 続きを読む サービス/物流/商社転職情報

  • 自動車業界転職情報

    自動車業界の転職ならJAC Recruitment ハイクラス・ミドルクラス転職 顧客満足度 7年連続 2019~2025年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 ※1 No.1 自動車業界に特化したプロがいる登録して転職支援を受け… 続きを読む 自動車業界転職情報

  • 化学メーカー・素材メーカー転職情報

    化学メーカー・素材メーカーは、業界の変革期を迎えています。そのため、異業界からの採用も増加傾向です。この記事では、化学メーカー・素材メーカーの転職サポートを専門に扱うコンサルタントが、最新の転職市場動向や転職成功事例、採… 続きを読む 化学メーカー・素材メーカー転職情報

教育研修で求められるスキル・経験・マインド


JACが取り扱う教育研修の求人を見ると、次のようなスキルや経験を求められる傾向にあります。

組織開発や人材開発に関わった経験

人的資本経営においては、従業員一人ひとりの能力やスキルを向上させ、組織力全体を高めることで企業の価値向上を目指します。従業員のパフォーマンスを最大限に引き出し、組織の成長を目指すためには、多角的なアプローチによる研修の実施やキャリア支援などが必要です。そのため、教育研修の職では、組織開発や人材開発に関わり、研修や人材育成に関する企画提案の経験をもつ方が優遇される傾向にあります。

人材採用やタレントマネジメントに関する実務経験

少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、人員強化と同時に従業員の離職率を低下させることが、あらゆる業界において重要な課題となっています。また、人的資本経営において、人は資本です。従業員の能力を最大限に発揮させ、企業の成長につなげていくためには、従業員一人ひとりのスキルや志向を正しく把握し、適切な部署・ポジションへの配置やスキルに応じた育成を行うマネジメントが必要となります。そのため、人材採用やタレントマネジメントに関連する経験をもつ方を求める求人も増加中です。

コンサルティングファームでの人事・組織コンサルティング経験

事業会社における組織開発や人事開発に携わった経験ではなく、コンサルティングファームで人事・組織コンサルタントとしてクライアントの人事面における課題解決に取り組んだ経験を求める求人も少なくありません。コンサルティングファームで、経営の視点から人事戦略や組織戦略を立案した経験は、事業会社における教育研修の職においても存分に役立てることができるでしょう。

  • コンサルティングファームの転職情報

    業界のプロがあなたにあった転職支援を行います 今現在、 経験を活かして異業界への転職を検討している 業界内でより自分にあった企業へ転職したい より年収を上げたい 上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談… 続きを読む コンサルティングファームの転職情報

教育研修の想定平均年収は743.1万円


2023年1月~2025年6月の間にJACが転職をサポートした実績を見ると、教育研修職の平均年収は743.1万円です。600~900万円で転職を決定された方が最も多くなっています。

転職者の事例を年代別にみると、従業員の育成や教育に関わる業務であることから、実務経験が重視される傾向にあるため、豊富な経験をもつ40代以降の平均年収が高くなっています。しかしながら、中には30代で1,000万円を超える年収を得ている方も複数名いらっしゃるため、年齢だけではなく、経験やスキルも十分に評価されやすい職種だといえるでしょう。

※当社実績(2023年1月~2025年6月、想定年収)より

平均年収
日系企業717.3万円
外資系企業902.5万円
役職平均年収
メンバークラス679.5万円
管理職908.0万円

一般的な教育研修職の平均年収は、500万円前後になるとされています。教育研修職に関連する求人の内容を見ても、経験の少ない20代の平均年収は低く、年齢を重ねるごとに年収は上がる傾向にあるようです。また、JACの事例でも、管理職の平均年収が高くなっていることから、年齢とともに年収がアップする背景には、管理職の割合が増える点も関係していると考えられます。

教育研修の最新求人情報


JACでは、教育研修の求人を多数取り扱っています。ここでは教育研修の求人の中から一部をご紹介します。

日系コンサルティングファーム:教育研修スタッフ

非公開:人事グループの採用および教育研修を管理する担当者

非公開:教育・研修トレーナー管理職候補

アイリスオーヤマ株式会社:【人事】社員教育・新入社員研修担当

プライム上場・総合精密機器メーカー:教育・人材育成担当

検査装置メーカー■東証プライム上場企業:人事担当(教育・研修業務など)

カナデビア株式会社:【人材開発】

株式会社ラーニングエージェンシー:コンサルタント(営業)兼人材・組織開発研修講師

大手鉄鋼専門商社:【人事】人材育成・研修の企画

JACでは、このほかにも多数の教育研修関連職の求人を取り扱っています。しかしながら、当社が取り扱う求人の70%超は、ご登録いただいた方のみにご紹介が可能な非公開求人です。

JACにはさまざまな業界に詳しいコンサルタントが在籍しています。ご登録の際には、転職にあたっての希望や目指すキャリアプランなどをお伺いしたうえで、一人ひとりに最適な求人をご紹介します。転職に関する不安や将来のキャリアに関する悩みの相談も承っておりますので、教育研修職への転職をお考えの際には、ぜひJACにご登録ください。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

教育研修への転職で有利となる資格



教育研修の転職にあたって必要となる資格はありません。しかし、JACが取り扱う求人を見ると次のような資格を所有している方を歓迎する傾向が見られます。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行う専門家であることを証明する資格であり、厚生労働省が認定する国家資格でもあります。キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、登録試験期間が実施するキャリアコンサルタント試験を受験し、合格後、指定登録機関による登録が必要です。

厚生労働大臣認定の養成講習の受講修了者、または、キャリアコンサルティングに関する3年以上の実務経験がキャリアコンサルタント試験の受験要件となっています。そのほか、技能試験キャリアコンサルティング職種の学科試験または実務試験に合格した人もキャリアコンサルタント試験の受験が可能です。試験は学科試験と実技試験に区分されており、資格は5年ごとの更新制となっています。

厚生労働省:キャリアコンサルタントになりたい方へ

産業カウンセラー

産業カウンセラーとは、従業員のメンタルヘルス対策の支援、職場における人間関係や職場環境改善への支援、キャリア形成支援などを行う専門家です。産業カウンセラーになるには、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催する産業カウンセラー試験に合格する必要があります。

産業カウンセラー試験の受験資格は、日本産業カウンセラー協会などが行う産業カウンセラー養成講座を受講し、修了した人に与えられます。また、大学院研究科において心理学や心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学を専攻した人など、一定の条件を満たす人は養成講座を受講せずに受験することが可能です。

一般社団法人:日本産業カウンセラー協会

衛生管理者

常時50人以上の労働者を使用する事業者には、事業場専属の衛生管理者を選任しなければならない義務があります。衛生管理者とは、職場の安全衛生を守る管理者であり、職場環境の改善や従業員の健康管理を統括し、安全で健康に働ける環境づくりを推進する役割を担います。

衛生管理者の資格を取得するためには、公益財団法人安全衛生技術試験協会が主催する衛生管理者試験の受験と合格が必要です。衛生管理者には第一種と第二種があります。第1種はすべての業種において衛生管理者になることができる資格であり、第2種は有害業務と関連の少ない情報通信業や金融・保険業など、一定の業種の事業者で衛生管理者になれる資格です。

公益財団法人安全衛生技術試験協会:第一種・第二種衛生管理者

教育研修のキャリアパス


教育研修の代表的なキャリアパスをご紹介します。

組織マネジメントを目指す

教育研修職として、人材育成につながる研修の企画や運用、研修カリキュラムの作成などの経験を積むと、組織全体が目指す方向性への理解も深まります。さらに、組織をより発展させる組織開発手法についての知識も習得できます。そのため研修教育職からより視野を広げた組織マネジメントに関連するポジションを目指すことが可能です。

グローバルタレントマネジメント業務を目指す

JACの取り扱う求人を見ると、教育研修職は自動車や自動車関連部品メーカーや機械装置メーカー、化学メーカーなどでの募集が多い傾向にあります。これらのEMC業界では、グローバル展開が急速に進んでいます。そのため、教育研修職として国内での経験を積んだ後、グローバル環境下での適切な人材配置や人材教育などを担う、グローバルタレントマネジメント業務を目指す選択肢もあるでしょう。

経営に携わるポジションを目指す

人的資本経営において、人材開発は企業の成長に関わる重要な課題であり、経営の視点にも人材の教育や研修、能力を最大限に発揮させる適切な人材配置などが求められます。そのため、教育研修職として従業員のキャリア支援や能力開発に携わった経験を活かし、企業の経営戦略と連携した人事戦略を策定・実行する、経営に携わるポジションを目指すことも可能です。

教育研修への転職を成功させる3つのポイント


教育研修への転職を成功させるために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

研修の企画や運営に携わった経験をアピールする

JACへ寄せられた求人を見ると、人材育成に関連する研修の企画や運営に携わった経験を応募の必須条件にしているものが多数あります。研修といっても、階層研修やスキルアップ研修など、研修内容や研修の実施方法などはさまざまです。面接時などには、どのような研修の企画や運営に携わったのかを具体的に示すようにしましょう。

さらに、研修を行ううえでは、他部署との連携が必要になるケースも多くなります。各部門のニーズに合わせた研修企画を立案した経験がある場合などは、転職時に大きなアピールとなるでしょう。

人事評価制度の設計や運用経験をアピールする

人を育成するうえでは、適切な研修を実施し教育を行うだけでなく、教育研修によって得たスキルや知識を業務に活かし、成果を上げた人を適正に評価する人事評価制度の存在も重要です。積極的に新たな知識やスキルを身に付け、パフォーマンスを向上させても、正当な評価を得られなければ従業員のエンゲージメントは低下します。

そのため、人事部門において、人事評価制度の設計や運用に携わった経験も、教育研修職への転職時に大いに役立つものです。

人事データの分析に携わった経験をアピールする

現在、さまざまな業界・分野においてDX化が進められています。教育研修職分野においても、従業員のスキルや経歴、パフォーマンスといったあらゆるデータの収集・分析をし、より効果的な人材開発を進めるデータドリブン人事が進められています。そのため、人事データを分析し、研修の企画や人事戦略などに活用した経験がある場合などは、面接時に具体的な施策の内容やデータの活用によって得られた成果などをアピールすると、面接官に良いインパクトを与えられます。

教育研修の転職事例


JACでは、教育研修への転職を希望する多くの方をサポートしてきた実績があります。ここでは、当社が教育研修への転職をサポートした50代男性の事例をご紹介します。

Lさん(男性/40代前半)

  業種 職種 年収
転職前 ITサービス業 採用・教育担当 660万円
転職後 自動車メーカー 研修企画・運営担当 950万円

Lさんは、ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせたのち、グローバル共有システムの開発や品質管理、経理など、幅広い経験を積まれてきた方です。さらに、企業の発展の基本は人にあると考え、人事部門への異動を自ら志願され、教育研修企画から運用、新卒・中途採用まで幅広い業務に携わってこられました。熱意をもって業務に取り組んでこられましたが、人事部門内での教育研修だけではなく、経営と連携しながら人材開発に取り組む業務に就きたいという思いが強くなり、当社にご相談をいただきました。

Lさんの希望を尊重し、当社がご紹介したのは、大手自動車メーカーの研修企画・運営担当職です。同社が求めていたのは、組織全体の技能職の研修の企画と運営を担当でき、現場におけるDX推進業務も担える方でした。

Lさんは、ITエンジニアとして活躍した経験があったため、DXに関する知識やスキルも豊富にあり、さらに、研修の企画・運用に携わったことから、ご紹介後すぐに採用が決定しました。

Lさんからは、人の育成が会社の成長につながることを実感しながら、日々やりがいをもって業務に邁進しているとご報告をいただいています。

教育研修への転職なら、JAC Recruitmentへ


教育研修職は、企業を支える従業員の育成に関わる重要な役割を担う職種です。適切な教育機会や研修機会の提供により、従業員がスキルアップし、組織全体の生産性が高まれば、従業員と企業、双方の価値を高められます。

教育研修職は、人に関わる仕事だからこそさまざまな配慮が求められる難易度の高い業務ですが、得られるやりがいも大きな仕事です。JACには、さまざまな業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、これまでに多くの教育研修職への転職を希望される方をサポートしてきた実績があります。教育研修職への転職をお考えの際にはぜひ、JACにお気軽にご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。