経営企画から転職したい方へ|主な転職先や評価されやすい経験を解説

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公開日:2025/08/20 / 最終更新日: 2025/08/20

経営企画は、企業の中枢で戦略を描き、成長を牽引するポジション。近年では、その経験を活かしてハイクラス転職を目指すビジネスパーソンが増えています。では、経営企画職からのキャリアパスとして、どのような職種・業界が注目されているのでしょうか。

本記事では、経営企画経験者の転職動向にフォーカスし、主な転職先や評価されやすいスキルセットなどを、ハイクラス転職支援に強みをもつJAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。

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経営企画からの転職を検討する理由


経営企画経験者が転職を目指す理由には次のようなものがあります。

  • ●専門性を高められる職に転職したい
  • ●裁量権が与えられる業務に就きたい
  • ●キャリアアップをしたい

専門性を高められる職に転職したい

経営企画は、会社全体の成長目標に合わせ、全社に関わる経営計画の立案や予算管理などを行います。また、組織全体の業務効率の改善やDX化の推進などを担うケースもあります。

経営層に近いポジションで、経営に必要な情報や企画を提供できるやりがいの大きい業務ではあるものの、業務内容が多岐に渡るため、専門性を身に付けられないと考える人もいます。そのため、より専門性を高められる職へのキャリアチェンジを目指し、転職するケースが少なくありません。

裁量権の範囲が限定される場合もあります。

裁量権が与えられる業務に就きたい

経営企画は、さまざまなデータを分析したうえで経営目標の進捗度合いや市場状況などを経営層に報告し、経営判断のサポートを行います。

しかし、経営企画で最終的な意思決定を下すことはなく、経営の判断に関与するのは経営層です。経営企画は、経営に近いポジションで業務を行うものの、他の職種に比べると裁量権の範囲が限定される場合もあります。そのため、自己判断で業務を進められる職種へ転職する例も見られます。

キャリアアップをしたい

経営企画は少数精鋭で構成されることが多く、昇進やマネジメント経験の機会が限られるケースもあります。こうした環境下で、より広い裁量や責任を求めて転職を検討するケースが多くみられます。

近年では、戦略立案だけでなく事業推進や意思決定に関与できるポジションへの関心が高まっており、経営企画経験を活かしてキャリアの幅を広げたいという前向きな志向が転職理由の一つとなっています。2025年の転職市場でも、こうした志向をもつ方へのニーズは高まっています。

経営企画経験者の主な転職先


経営企画経験者の主な転職先を5つご紹介します。

  • ●経営企画
  • ●財務
  • ●営業
  • ●マーケティング
  • ●コンサルタント

経営企画

経営企画職のやりがいは感じているものの、会社の経営方針と合わない場合もあります。また、経営企画といっても担当する業務はさまざまです。そのため、管理業務をメインに担当している場合などは、経営戦略の策定など、より難易度の高い業務に携わりたいという希望から新たな環境での経営企画を目指すケースが多く見られます。

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財務

経営企画では、財務諸表を分析し、自社の課題を見つけ、経営目標達成にむけた戦略と計画を策定します。そのため、経営企画は、財務諸表を作成する経理や財務と連携する機会の多い職種です。経営企画の職に就く人の中には、財務に近いポジションで業務をする中で、より資金契約や資金調達など、財務部門の知識や経験を習得したいと考える人もいます。特に、将来のキャリアビジョンとしてCFOを目指したい場合などは、経営企画から財務への転職を志望する傾向にあります。

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営業

経営企画から営業部門への転職を希望するケースも見られます。営業は、経営戦略に基づいた販売戦略に則し、クライアントと実際に対応する業務です。営業職では、クライアントのニーズを見極め、それぞれに適したサービスや商品を提案する能力も求められ、ある程度、自分の判断で業務を進められる場合があります。そのため、裁量権の大きな業務に就きたい場合などは、営業職を転職先として選ぶケースが多いようです。

経営企画で培った、戦略を立案する能力は営業活動でも活かしやすいでしょう。

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マーケティング

マーケティングも経営企画職のキャリアチェンジ候補の一つです。経営戦略を立案する際には、財務諸表はもちろん、市場動向などの分析も行います。経営企画で培ったデータを分析する能力や情報を収集する能力はマーケティング職でも活かしやすいものです。また、組織全体を見る俯瞰的な視点もマーケティングに役立てられます。

コンサルタント

コンサルタントも経営企画経験者の転職先としてよく見られる職種です。経営企画で培った、財務データや市場データを分析し、課題を見極め、課題改善のための戦略を立案する能力は、コンサルタティング業務でも存分に発揮することができます。自社の成長だけではなく、より多くの企業の成長をサポートしたいという意向が強い方には、コンサルタントが向いているでしょう。

経営企画からの転職で評価される経験・スキル            


JACが取り扱っている求人情報を見ると、経営企画経験者が転職をする場合、次のような経験やスキルが評価される傾向にあります。

  • ●プロジェクトマネジメントの経験
  • ●データ分析能力と戦略立案の経験
  • ●新規事業の企画・開発の経験

プロジェクトマネジメントの経験

経営企画では、全社的な施策を進めるプロジェクトを進行させるケースも多くあります。プロジェクトを成功させるうえでは、適切な計画の立案はもちろん、社内の各部門との調整が必要であり、プロジェクトの進行中に見えたリスクや課題を解決する能力が求められます。経営企画で培ったプロジェクトマネジメントの実務経験は、さまざまな分野に応用することが可能です。

データ分析能力と戦略立案の経験

経営目標を実現する経営戦略を策定する際には、現状を分析し、将来のニーズを予測する必要があるため、自社の業績に関連するデータだけでなく、顧客データや市場データなど、膨大なデータを読み解く能力が養われます。これらのデータを読み取り、戦略を立案してきた経験は、経営企画出身者の大きな武器だといえます。経営企画だけでなく、営業やマーケティングなどでも高く評価される経験となるでしょう。

新事業の企画・開発の経験

顧客のニーズや社会の価値観が目まぐるしく変化するVUCAの時代と呼ばれる現代では、現状維持では企業の成長は望めません。そのため、多くの企業が新たなビジネスチャンスの創出を目指し、新規事業の開発に取り組んでいます。経営企画で新規事業の企画や開発に取り組んだ実績などは、転職時の評価につながる可能性が高くなります。

【年代別】経営企画からの転職事情        


経営企画経験者の転職事情を年代別に分けてご説明します。

20代経営企画からの転職事情

20代の場合、経営企画部門で担う役割は、データの収集などのサポート業務が中心です。そのため、直接、自身のアイデアを経営戦略に活かせる経験は少ないものの、戦略立案の基礎となるデータを取り扱い、データ分析をサポートすることで、データ分析の素養が身に付きます。従って、経営企画の経験を活かした転職の場合、転職先としては経営企画や事業企画、マーケティングなどの職種が考えられます。

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30代経営企画からの転職事情

30代になると経営企画担当者として、経営環境の分析や経営戦略の立案、資金調達、設備投資、組織改革など、幅広い業務に携わるようになります。さまざまな情報を分析したうえで課題を見極め、課題解決につながる戦略を立案する論理的思考力と戦略立案力は、さまざまな業界で役立つスキルです。

30代では、経営企画や事業企画、マーケティングのほか、コンサルタントとしての転職も選択肢に入ってくるでしょう。

40代経営企画からの転職事情

40代になるとマネジメントのポジションに就くケースも多く、経営戦略を取りまとめ、計画を実行するとともに、メンバーを育成するなど、部署全体をまとめる役割も担います。また、経営層と直接やりとりをする機会も増えるため、より経営に必要な視点を習得できるでしょう。40代の転職では、より条件の良い経営企画職やコンサルタントなどが選択肢になるでしょう。また、スキルと経験を活かし、経営コンサルタントとして独立するケースも見られます。

50代経営企画からの転職事情

50代になると、ほとんどがマネジメントのポジションでの転職となります。JACの事例を見ると、経営企画を統括するポジションだけでなく、戦略立案のスキルを活かし、営業部門の統括に就任するケースも見られます。そのほか、転職でCFOを初めとした役員に就任することも可能です。

しかしながら、50代の転職は簡単なわけではありません。50代で経営企画からの転職を検討する場合、若い世代に比べて選択肢は狭まり、前職でのマネジメント経験は必須になる点を十分に理解しておく必要があるでしょう。

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経営企画からの転職を成功させるためのポイント


経営企画経験者が転職を成功させるために重要となる3つのポイントをご紹介します。

戦略の立案や業務改善による成果を具体的にアピールする

経営企画部門において、経営戦略を立案したり、業務改善プロジェクトなどを推進した場合、どのような成果を得られたのかを具体的にアピールすることが重要です。数値目標に対する達成割合や改善率などとともに工夫した点を伝えると、採用後の活躍イメージを抱かせやすくなります。

経営からの視点と経営層とのリレーションシップ構築経験を活かす

経営企画では、経営者の視点に立ち、中長期的な成長を見据えた経営戦略を立案します。組織全体を見る俯瞰的な視点と将来まで予測する能力は、経営企画だけでなく、コンサルタントなどにも必要な能力です。さらに、経営層と良好な関係を築いた経験も営業など、多方面で活用できます。

経営層をサポートする経営企画だからこそ習得できるこれらの経験は転職時に有利に働く可能性があります。転職時には、具体的なスキルだけではなく、経験から養った学びも合わせてアピールすることが重要です。

経営企画経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

経営企画から転職を希望する方にとって、転職エージェントの活用も転職を成功させる重要なポイントの一つとなります。経営企画の業務は幅広く、経営企画で培ったスキルはさまざまな分野で転用が可能です。しかしながら、一人での転職活動では、自身のスキルをどのような業界や職種で活かせるのかを十分に把握できない可能性があります。転職を成功させるためには、幅広い選択肢の中から自身の理想のキャリアを実現できる求人を見極めることが重要です。

転職エージェントに相談すると、これまでの経験だけでなく、志向性や適性なども加えた総合的な判断から、最適な求人を提案してもらえる可能性があります。経営企画からの転職を検討する場合は、視野を広げる意味でも転職エージェントへの相談をおすすめします。

>>JACの転職コンサルタント一覧(経営企画)

経営企画からの転職事例

実際にJACが転職をサポートし、経営企画からの転職を成功された方の事例を3つご紹介します。

経営企画から化学メーカーの経理・財務への転職事例①

Yさん(女性/40代後半)

 業種職種年収
転職前部品メーカー経営企画980万円
転職後化学メーカー経理・財務1,200万円

Yさんは、部品メーカーにおいて2度の海外駐在を経験され、経営企画を中心に、管理会計や調達、生産管理、PMIなど、幅広い経験をお持ちの方です。1社で長く勤めてこられたため、異業種でキャリアアップできる環境へチャレンジしたいとの気持ちが強くなり、当社にご相談をいただきました。

当社からご紹介したのは、女性管理職候補者を募集していた大手化学メーカーの経理・財務の求人です。経営企画としての豊富な経験はもちろん、Yさんの快活なお人柄も高く評価され、見事、管理職候補者として採用が決定しています。

経営企画からコンサルタントへの転職事例③

Iさん(男性/40代後半)

 業種職種年収
転職前タイヤメーカー経営・事業企画1,700万円
転職後コンサルティング会社戦略コンサルタント2,200万円

Iさんは、管理会計や一般会計、財務システム開発、海外地域統括会社での経営企画など、会計や経営企画などに関する実務経験を積み、日本における経営企画の事業責任者として活躍されてきた方です。経験を活かし、さまざまな企業の経営課題を改善できるコンサルタント業務に携わりたいとの意向をお持ちでした。

当社からご紹介したのは、コンサルティング会社の戦略コンサルタントのマネジメント職です。大手企業の経営層が抱える課題の改善を使命とする部署であり、Iさんの豊富な経験を存分に発揮できる業務であったことから、双方合意のもと、入社が決定しています。

経営企画から総務・広報への転職事例③

Sさん(男性/30代後半)

 業種職種年収
転職前化粧品メーカー経営・事業企画720万円
転職後化学メーカー総務・広報1,100万円

Sさんは、化粧品メーカーにてサステナビリティの推進に関わる業務に携わってこられた方です。グローバル拠点において生産と物流の過程におけるCo2削減戦略を策定し、各拠点の進捗に応じた対策を実施し、CO2削減に取り組まれてきました。今回、より積極的にサステナビリティの推進に関われる業務を希望し、転職を検討されたとのことです。

当社では、化学メーカーの総務・広報内のサステナビリティ推進部のマネージャー業務をご紹介しました。紹介先はサステナビリティ推進活動に組織全体で積極的に取り組まれている企業であり、Sさんのこれまでの経験を存分に発揮できる業務です。Sさんの意向と企業が求める人物像がぴたりと符合し、面接後、すぐに入社が決定しました。Sさんはすでにプロジェクトマネージャーとして、意欲的に業務に取り組んでいらっしゃるとのことです。

実際、経営企画出身者はどのような業種/職種に転職している?


JACが転職をサポートした経営企画出身者は、どのような業種や職種に転職しているのでしょうか。経営企画出身者の転職先の業種と職種のトップ10を以下の表にまとめました。

【経営企画出身者が転職先として選んだ業種トップ10】

経営企画経験者の転職先を見ると、EMC業界が39.4%と最も多く、消費財、IT・通信、メディカル・バイオ、サービスと続いています。

順位業種割合(%)
1EMC39.4%
2消費財8.3%
3IT・通信7.7%
4メディカル・バイオ7.4%
5サービス7.2%
6建設・不動産6.0%
7金融5.8%
8商社4.4%
9WEB3.8%
10コンサルティング・シンクタンク・事務所3.7%

【経営企画出身者が転職先として選んだ職種トップ10】

経営企画出身者の44.6%は、転職後も経営・事業企画の職へ転職をしています。また、営業職へ転職されたケースが11.5%、親和性の高い経理・財務の職へキャリアチェンジされたケースが10.0%と続いています。

順位職種割合(%)
1経営・事業企画44.6%
2営業11.5%
3経理・財務10.0%
4コンサルティング・アドバイザリー5.8%
5マーケティング・商品開発4.9%
6技術系4.2%
6IT3.3%
8金融系3.2%
9総務・広報3.1%
10購買・物流・生産管理2.0%

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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