システム監査への転職は未経験でも可能?転職市場動向や最新求人を解説

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公開日:2025/08/07 / 最終更新日: 2025/08/12

企業・組織のシステム環境に対して信頼性・安心性・効率性・コンプライアンスなどの観点を客観的に評価するプロセスであるシステム監査。

本記事では、システム監査技術者の転職市場動向や転職で求められる主な転職先候補、経験・スキル・マインド・資格をJAC Recruitmentが解説いたします。

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システム監査の転職市場動向


システム監査の求人数は前年比1.7倍以上。特に「監査・コンサルティング」で前年比2倍となっており、ほか「法律・会計事務所」「銀行・信組・信金」が増加傾向です。

本章では、システム監査の転職市場動向を下記2点から解説します。

  • ●内部監査のなかでも「システム監査領域」への求人・需要が特に強い
  • ●金融業界を中心に、システム監査の需要・採用ニーズは今後も拡大の見通し

内部監査のなかでも「システム監査領域」への求人・需要が特に強い

JACが取り扱う求人データによると、内部監査全体の求人は、過去10年間で約6倍に拡大しています。なかでもシステム監査に特化した求人はおよそ7倍に伸びており、多くの企業が高い採用意欲を示している様子がうかがえます。

この背景には、企業のDX推進にともない、事業の根幹をなすITシステムへの依存度が高まっていること、そしてサイバー攻撃などの外部リスクが増大していることが挙げられます。さらにJ-SOX法の改正やグループ企業間での不正防止対策の強化も、システム監査の必要性を押し上げる要因となっていると考えられます。

  • 内部監査の転職事情

    内部監査の求人が活発化しており、内部監査および内部統制の経験を持つ方に転職のチャンスが広がっています。内部監査の転職市場動向、求められる経験・スキル、年収相場、転職成功のポイント、転職成功事例などについて、JAC Rec… 続きを読む 内部監査の転職事情

金融業界を中心に、システム監査の需要・採用ニーズは今後も拡大の見通し

システム監査の採用が特に活発な業界として、銀行・証券・保険などの金融機関が挙げられます。金融庁による監督強化やシステムの老朽化といった課題を背景に、ITガバナンスの見直しが急務となっており、システムの再構成や統制環境の整備に長けた監査担当者の需要が継続的に高まっています。

また、サイバーセキュリティ対策の強化を図る企業は、ほかの産業でも増加しており、システム監査に対する採用ニーズは業界問わず増加しています。今後は、リスクコンサルティング会社やサイバーテロ対策に積極的な先進企業を中心に、システム監査職の新規採用がいっそう進むことが予想され、システム監査に対する需要はより拡大することが推察されます。

システム監査が求められる主な転職先候補


本章では、システム監査が求められる、次の4つの転職先候補について解説します。

  • ●監査法人(会計監査・IT監査)
  • ●金融機関(銀行・証券・保険)
  • ●大手企業の内部監査・内部統制部門
  • ●リスクコンサルティングファーム

監査法人(会計監査・IT監査)

大手監査法人(BIG4)などでは、会計監査の一環として、企業の財務報告にかかわるITシステムの内部統制が適切に整備・運用されているかを評価する役割を担います。さらに近年は、IT監査そのものを独立したサービスとしてクライアント企業に提供するケースも増えており、DX・クラウド化の進展にともないITリスクのカバーに至るまで、役割の裾野を広げています。

監査法人では会計スキルに加え、技術的視座を有する経験者が評価の対象になりやすく、制度改正やセキュリティ法規対応の波に乗り、システム監査専門部門の拡充が続いています。

情報セキュリティ体制の評価や特定のシステムの信頼性検証など、高度な専門性を生かし、多様な業界のITガバナンス向上に貢献したいと考える方にとって、魅力的なキャリアといえます。

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金融機関(銀行・証券・保険)

金融機関におけるシステム監査は、内部監査部門に所属し、自社のITシステムのリスク管理とガバナンス体制の維持・向上を担います。具体的には、勘定系システムやオンライントレーディングシステムなど、社会インフラともいえるミッションクリティカルなシステムの安定・安全稼働を、独立した立場から検証・評価します。

特に、DX推進やサイバーセキュリティへの対応が業界全体の経営課題として浮上する昨今においては、専門的知見をもっていればガバナンス強化の中核を担う存在として重宝される傾向があります。極めて高いレベルの専門性が求められる領域ですが、スキルと経験の向上を目指したい方にとって挑戦しがいのあるキャリアです。

  • 金融業界の転職ならJAC Recruitment

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大手企業の内部監査・内部統制部門

デジタル化の加速やグローバル展開にともない、大手事業会社においてもシステム監査の重要性は高まっています。大手企業のシステム監査は、内部監査部門や内部統制を専門に担う部署に所属します。自社の基幹システム(ERP)や、生産管理システム、顧客管理システムなど、事業運営に不可欠な各種ITシステムのリスクの評価を担当することになります。

自社のビジネスプロセスを深く理解し、ITの視点から業務の効率性と統制の有効性を検証する役割が求められるため、業務プロセスとガバナンスを結びつける視点が不可欠です。

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リスクコンサルティングファーム

監査法人や事業会社でシステム監査の実務経験を積んだ後のキャリアとして、リスクコンサルティングファームに転身する道もあります。リスクコンサルティングファームでは、ITリスクやサイバーインシデント対応の専門性に加えて、DXや生成AIの導入にともなう新たなガバナンス確立支援を担う需要が急増しています。

具体的な業務としては、クライアント企業に対して、ITリスクの評価、情報セキュリティポリシーの策定、インシデント対応体制の構築など、アドバイザリーサービスを提供します。監査という立場から一歩進んで、クライアントとともに、より高度なITガバナンス体制を構築するという、より上流の戦略的な役割を担える点が魅力です。

企業の経営戦略や変革を支える役割を担いたいと考える方にとって、ビジョンに合致するキャリアの一つです。

システム監査の最新転職・求人情報


システム監査の転職市場は、企業のガバナンス強化とDX推進という二つの大きな潮流を背景に、活況を呈しています。

一方で、求人内容は、より高度かつ戦略的な要件へと進化しており、「DX推進」「サイバーセキュリティ」「IT統制」「リスクマネジメント」などのキーワードが目立ちます。企業がシステム監査を単なるチェック機能ではなく、経営戦略と一体となった重要な機能として位置づけている様子がうかがえます。

また、技術の進展にともない、「クラウド監査」や「DevSecOps監査」など、先進的な技術への対応を前提とした求人も登場しており、従来型のIT監査と比較して求められるスキルの幅も広がっています。

ここからは、システム監査の最新求人・転職情報を紹介します。

なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含めシステム監査に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。

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大手監査法人:システム監査、システムリスクコンサルタントとして採用

三菱HCキャピタル株式会社:[監査部] システム監査・経営監査・業務監査(国内・海外)

東証プライム上場メーカー:システム監査

大手監査法人:システム監査

株式会社三菱UFJ銀行:【監査部】システム監査

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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

未経験からシステム監査に転職できるのか


システム監査は、ITと監査という二つの異なる専門領域の知見が求められる、極めて高度な専門職です。そのため、職種経験者を対象とした求人が中心であり、実務経験のない状態からいきなりシステム監査の職に就くことは、極めて難易度が高いといえます。

特に監査法人や金融機関などの組織では、情報システムの構造理解や統制評価・監査基準に基づく実務経験を経ていることが前提になっているケースが多く、「職種未経験者:不可」と記載された求人が大多数を占めます。

一方で、急速なDXの浸透やJ-SOX改正を背景とした監査機能強化の動きにより、即戦力となる経験者の採用が思うように進まない企業では、一定の素養を持った監査未経験者の採用に踏み切るケースもあります。例えば、情報システムの管理経験や社内での統制設計・文書化支援など、システム監査に関連する業務を経験している転職希望者を育成前提で採用する動きも見られます。

このような求人に応募する場合、システム監査という職務に対する高い意欲と、システム監査に求められる素養をもち合わせているかを、厳しく見極められるでしょう。そのため、採用選考では、ネットワークやデータベースといった基本的なIT技術、リスク評価や内部統制のフレームワーク、そして監査の手法などを、自ら進んで学習する姿勢を示すことが大切です。

未経験からシステム監査への転職を成功させるには、単に熱意をアピールするだけに終始するのではなく、計画的にキャリアを設計するとともに、監査業務と親和性の高い経験を整理し、監査業務にどう生かせるのかを明確に語れるように準備しておくことが必須となります。

システム監査への転職で求められる経験・スキル・マインド・資格


ここでは、システム監査への転職で高く評価される、次の4つの経験やスキル、資格について解説します。

  • ●内部監査・内部統制経験(特にJ-SOX対応など)
  • ●ITガバナンス・システム開発工程への知識や社内外関係者との折衝・ヒアリング力
  • ●常に問題点を想定できるリスク思考
  • ●CIA/CISAやシステム監査技術者などの資格

内部監査・内部統制経験(特にJ-SOX対応など)

システム監査の領域では、業務全体の統制状況を把握し、仕組みとしてのリスク管理を可視化できる経験が強く求められます。なかでも上場企業に義務付けられている財務報告に係る内部統制報告制度(J-SOX)への関与経験は、企業の信頼性を担保するガバナンスの基盤を理解している証左になります。

このような経験をもつ転職希望者は、監査計画の策定、内部統制評価手法の選定、報告書の作成などの監査業務を円滑に担うことができるとみなされ、高く評価されるでしょう。また、過去に制度対応をリードした経験がある方は、マネジメントクラスへの登用も視野に入ります。

ITガバナンス・システム開発工程への知識や社内外関係者との折衝・ヒアリング力

監査対象となるITシステムは、開発から運用、保守に至るまで広範囲にわたります。そのため、業務の全体像を把握できるITガバナンスへの理解や各工程におけるリスクポイントを的確に捉える知識が不可欠となります。

また、監査の過程では、システム開発者や運用担当者、そしてシステムの利用者である事業部門の担当者など、社内の多様な関係者から、状況を正確にヒアリングし、課題やリスクを特定する必要があります。そのため、ITガバナンスに関する深い知識に加え、相手の立場を尊重しつつ、的確な質問を通じて、本質的な情報を引き出す、高度なコミュニケーション能力も必須となります。

常に問題点を想定できるリスク思考

システム監査には、マニュアルどおりに運用されているかを確認するだけでなく、業務プロセスの裏に潜む潜在的な脆弱性や非効率な仕組みが将来的に招くリスクをあらゆる角度からシミュレーションし、即座に発見・想定するリスク思考が求められます。リスク思考とは、単に懸念点を並べるのではなく、リスクの重大性や発生確率を見極め、最も優先すべき課題に着目する姿勢を指します。

さらに、リスクが顕在化した際の影響度を多角的に評価し、組織として取り組むべき対策案を提示する提案力も欠かせません。リスク思考は、企業の重大な損失を未然に防ぎ、システム監査としてのプロフェッショナリズムを高める基盤となる素養であり、システム監査には欠かせない資質です。

CIA/CISAやシステム監査技術者などの資格

システム監査への転職では、CIA(公認内部監査人)やCISA(公認情報システム監査人)などの国際的に認知された資格の取得が採用選考でアドバンテージになることがあります。

日本の国家資格であるシステム監査技術者試験も、国内においてITリスク管理の高度な知識を有している証明となります。特に金融機関や大手メーカーの監査部門では、採用選考で優遇されたり、評価の対象になったりする可能性が期待できます。

ただし、資格取得は、あくまで歓迎要件であり、資格の取得に注力するに終始しないよう留意が必要です。転職活動では、資格取得の過程で得た知識を入社後どのようにして生かせるのかを、これまでの経験や自身の強みと交えながら語れるように準備しておくことが大切です。

システム監査へ転職した場合の年収相場


システム監査職の年収は、管理部門職種のなかでも比較的高い水準にあります。

例えば、BIG4と呼ばれる大手監査法人の上級職の場合、1,500万円を超える求人も珍しくありません。このような給与水準は、業務量や責任範囲の大きさ、高度な専門性が求められる点に起因しています。そのため金融機関やグローバルに事業を展開する大手メーカーなど、ITシステムのリスクが経営に与えるインパクトが大きい企業も、高い給与水準が見込めます。具体的には、課長・部長クラスで年収1,000万円の達成が見込まれ、その後の活躍や貢献によっては、年収がさらに上昇することもあります。

また、年収を左右するもう一つの重要な要素として、保有資格や語学力が挙げられます。CIAやCISA、システム監査技術者といった専門資格を保持し、加えてグローバル案件に対応できる英語力を備える転職希望者は、報酬交渉においても有利に働く可能性が期待できます。

今後もDX化の加速やサイバーセキュリティ強化が求められることが予測されるため、システム監査職の市場価値は引き続き上昇することが見込まれます。転職活動では、自身の専門性がどの領域にフィットするのかを整理し、相場感を把握したうえで希望条件を提示することが重要です。

システム監査の転職事例


本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、システム監査への転職を成功させた事例を紹介します。

IT監査の経験を生かし、金融グループのシステム監査担当へ転職した事例

Aさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前監査法人IT監査900万円
転職後大手金融機関システム監査1,550万円

Aさんは、ITベンダーでSAPの運用保守や金融機関向けのシステム開発プロジェクトに携わり、その後、現職の監査法人で生損保、証券会社、投資銀行など金融機関向けのIT監査やセキュリティ評価に従事してきた方です。直近では、暗号資産やブロックチェーン、AI・データガバナンスといった先端領域のプロジェクトにも参画し、時代の変化に対応したスキルの研鑽に努めてきました。

転職を検討し始めた背景には、自身のキャリアアップへの強い意欲があり、より安定した環境で経営に資する監査業務に集中したいという思いから、転職活動を開始されました。

JACのコンサルタントは、AさんがもつIT監査・内部統制の専門性に加え、先端技術領域への対応力やマネジメントスキルに着目し、監査機能の強化を図る企業のシステム監査ポジションを提案しました。

結果として、Aさんは、監査主任としての業務推進と、組織マネジメントの両面を担うポジションへの転職を果たし、自身のスキルをより高い視座から発揮できる環境を得ることができました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

化学メーカーの内部統制・システム監査担当へ転職した事例

Mさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前コンサルティングファーム内部統制800万円
転職後化学メーカー内部統制・監査1,100万円

Mさんは、大学卒業後、コンサルティングファームで経理や計数管理、KPI管理を経験しました。その後、不動産会社で管理部門のマネジメントや経営企画、取締役として幅広い業務に携わり、USCPA(米国公認会計士)の取得を機に監査法人に転職しました。クライアントとの折衝や英語を用いた業務対応にも慣れており、周囲からの信頼も厚いマネージャーとして高い評価を受けてきた方です。

転職を検討し始めた背景には、企業の一員として内部統制や監査機能を担い、より戦略的に経営にかかわりたいという思いがありました。JACのコンサルタントは、Mさんのシステム監査・IT統制に関する知見に加え、グローバル環境下における高い業務遂行力に注目し、化学メーカーの内部統制ポジションを提案しました。

結果として、Mさんは、これまでの知見を生かしながら、より経営に近い立場で監査・統制の高度化に貢献する環境を得ることができました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

システム監査の経験を生かし、IT監査・IT統制担当へ転職した事例

Kさん(30代後半/男性)

業種職種年収
転職前監査法人業務監査1,000万円
転職後IT企業内部統制・SOX・コンプライアンス1,080万円

Kさんは、大手SIerで基幹システム開発に従事した後、監査法人にて国内外のシステム監査業務に携わり、システム監査の専門性を培われてきました。直近では、事業会社の監査部門でSOX対応やリスクアセスメントなど、経営に資する監査業務を幅広く担当されてきました。

JACのコンサルタントは、Kさんの基幹システム開発経験、大手監査法人でのシステム監査の専門性、IT監査リーダーとしての実践的な経験に着目し、CEO直下で経営監査を担うポジションを提案しました。結果的にKさんは、システム監査領域での一貫したキャリアと専門資格が高く評価され、経営課題に直結する領域におけるリーダー候補として迎えられることとなりました。

今回の転職は、専門性に加え、事業会社・監査法人双方での実務経験が強みとなり、安定と挑戦を両立したキャリアの再構築に成功した好例といえます。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

システム監査へ転職後のキャリアパス


本章では、システム監査から描ける次の3つのキャリアパスについて、解説します。

  • ●監査法人(パートナー)・事業会社(監査部長・CIO)内での昇進
  • ●経営企画・事業企画へのキャリアチェンジ
  • ●ITコンサルタント・セキュリティコンサルタントへの転職

監査法人(パートナー)・事業会社(監査部長・CIO)内での昇進

システム監査の経験を積んだ後のキャリアパスとして、監査法人におけるパートナー職や事業会社における監査部長・CIO(Chief Information Officer)への昇格も視野に入ります。

特に監査法人では、クライアントとの信頼関係やリスク評価の専門性が評価され、継続的に成果を残すことで、マネージャーやシニアマネージャーを経てパートナーとして経営層の一角を担うことも珍しくありません。一方、事業会社では、全社的な情報統制やIT戦略にかかわる機会が増え、監査部門の責任者として組織横断的な役割を担います。

いずれのポジションも高度なガバナンス知見とIT理解が求められるほか、経営層と対等に議論できる論理性や判断力も高いレベルで求められます。このようなハイクラスに位置づけられるポジションを目指す際は、全社のデジタル化を俯瞰できる視座を培うことが不可欠です。

  • CIOとは?役割や求められるスキル、転職事例などを解説

    近年の日本企業におけるCIOの需要増加の背景には、デジタル化やAI活用の進展にともなうIT戦略の重要性の高まりがあります。多くの企業がIT人材不足に直面するなか、CIOには経営戦略とIT戦略の融合や、IT投資の価値を経営… 続きを読む CIOとは?役割や求められるスキル、転職事例などを解説

経営企画・事業企画へのキャリアチェンジ

システム監査での経験は、経営企画や事業企画など、より上流の工程に携わるキャリアを展開する際の基盤にもなります。経営企画では企業の全社的な戦略立案を担い、事業企画では新しいビジネスの企画・実行を推進します。監査を通じて得た業務上の課題やリスクに対する深い洞察は、実効性の高い事業戦略を立案する際に重宝するでしょう。

実際、監査から事業推進側に転じた方が、リスク感度を持ちながら柔軟に事業変革を推進できるケースもあります。より経営の中核に近い視点から事業の成長に寄与したいと考える方にとって、ビジョンにマッチしたキャリアパスといえます。

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    ベンチャー企業・大手企業に関わらず、新規事業への取り組みが活発化。大手企業においては、これまで築き上げた事業についても、時代の変化に合わせて刷新を図っています。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が加速するなか、事業企画職の… 続きを読む

ITコンサルタント・セキュリティコンサルタントへの転職

監査という「評価する」立場から、クライアント企業の課題解決を支援する「アドバイザリー」の立場へと転身するキャリアパスも有望です。

システム監査の業務はITガバナンスや情報セキュリティ体制の評価・助言を含むため、監査報告の延長線上にある改善提案や体制構築支援といったコンサルティング業務と親和性が高く、転職後もスムーズなキャリア転換を図れると考えられます。加えて、近年はサイバー攻撃への備えが経営課題となっており、セキュリティ監査の知見をもつビジネスパーソンがCISO支援や脅威分析業務に携わる機会も広がっています。

自身の知見をさらに広げ、専門性を深めたいと考える方にとって、多様な企業の課題解決に携われるITコンサルタント・セキュリティコンサルタントは、挑戦しがいのある領域です。

  • ITコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

    日本では、国を挙げて社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進しており、多くの企業がITシステムの導入や見直しを検討しています。IT全般に関する深い知識をもつ適任者が不足しているため、専門的な知見をもとに最適… 続きを読む ITコンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説

システム監査への転職なら、JAC Recruitment


システム監査への転職は、企業のITガバナンスを支える、極めて専門性の高いキャリアを目指すことであり、その成功のためには、各業界のビジネスリスクと求められる人物像を深く理解した転職エージェントの活用が不可欠です。

その点、JACはシステム監査の職務に精通しているコンサルタントが一人ひとりのキャリアと真摯に向き合います。これまでのキャリアで培ってきた特定のシステムに関する深い知見や、リスク管理体制を構築した実績を適切に評価し、有益なアドバイスを提供します。

また、JACが扱う求人には、一般的な転職サイトには掲載されていない、大手金融機関の監査部長やグローバル企業のITガバナンス責任者など、経営の中枢を担うポジションも含まれます。そのため、システム監査のような専門性が高く、かつ市場価値が年々上昇している職域において、より高度なキャリアを形成できる機会を得られる可能性も期待できます。

システム監査への転職を検討している方は、ぜひ一度、JACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。