商標の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/08/07 / 最終更新日: 2025/08/15

商標は、企業の知的財産を保護し、ブランドの信頼性や競争優位性を確立するうえで重要な役割を担う専門職です。主な業務は、商標の出願・調査・管理から、係争対応やグローバルな権利戦略の策定まで多岐にわたります。近年は海外展開や模倣品対策の強化にともない、法務・知財部門を中心に商標のスペシャリストへのニーズが増加傾向です。

ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが商標の年収相場や求められるスキル・経験を解説します。

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商標の転職動向


商標の転職市場は、企業のブランド戦略強化や海外展開の加速を背景に、引き続き高い採用ニーズがあります。2025年の求人率は前年比1.5倍に達し、採用の活発化が顕著です。特に「法律事務所・会計事務所」では、知財部門の強化や新規案件対応を目的とした方へのニーズが急増しています。商標に関する専門性をもつ即戦力の採用競争が激化しつつあり、企業側の採用熱も高まっている状況です。

募集背景としては、法務・知財部門のリソース強化、ブランド価値向上に向けた体制整備、M&A・海外展開にともなうグローバル商標管理の強化などが多く見られます。また、IT・Web領域のスタートアップや消費財メーカーなどにおいても、ブランド保護の重要性が認識され始めており、事業会社からのニーズも拡大傾向です。

30〜40代を中心に、法務・知財部門での採用が多く、ほかにも通訳・翻訳、営業といった周辺領域での採用事例も見受けられます。勤務地は東京を中心に、関西圏や首都圏郊外でも案件が散見され、全国的に転職チャンスが存在しています。

仕事内容としては、商標出願・権利化・更新管理、ブランド侵害対応、ライセンス契約交渉、係争対応、社内教育や商標ポリシー策定など多岐にわたるのが特長です。単なる法務業務にとどまらず、事業戦略やマーケティングと連携するケースも多く、商標担当者には俯瞰的な視野と実務力の両立が求められます。

商標分野は、専門性を活かしながら事業の中核に関わることができる貴重な領域であり、将来性のあるキャリアパスを描きやすいポジションといえるでしょう。

商標で求められるスキル・経験・マインド


商標が転職する際に求められるスキル・経験・マインドは、以下のとおりです。

  • ・商標業務の実務経験
  • ・商標調査・出願戦略立案の経験
  • ・特許事務所や企業知財部門での就業経験
  • ・英語による業務対応力
  • ・商標係争・ブランド侵害対応の経験

ここから、それぞれの内容を確認しておきましょう。

商標業務の実務経験

企業または特許事務所において、商標調査・出願・中間処理・登録・更新・係争対応といった商標に関する一連の実務経験が求められています。そのため、主に3年以上の経験を有する方が優先的に書類選考を通過しています。

特にグローバル展開企業では、海外商標出願や現地代理人との調整経験も歓迎される傾向があります。即戦力として業務を任せられるかどうかが重要な評価軸です。

商標調査・出願戦略立案の経験

登録可能性調査や使用可能性調査、競合調査に基づく戦略的な商標出願の立案能力は、商標実務の中核を担うスキルの一つです。単なる登録作業にとどまらず、自社ブランドを守るためのリスク評価や、複数国への出願プランの立案が求められます。

特に、商標ポートフォリオ全体の構築・運用経験のある方が高く評価される傾向です。

特許事務所や企業知財部門での就業経験

特許事務所や事業会社の知的財産部門での就業経験は、基礎的な知財知識と業務慣れを証明するものとして重視されます。商標単体ではなく、特許・意匠・著作権などとの連携を求められる場面も多く、知財業務の流れを理解していることは大きな強みです。

特に、複数の業務を横断的に経験してきた方は、即戦力として幅広いポジションでの活躍が期待されるでしょう。

英語による業務対応力

海外商標の出願や、現地代理人とのやり取り、英文契約書レビューなどを行うためには、一定レベルの英語力(読み書き中心)が求められます。初級以上の英語力を条件に含む求人が多く、実務経験と併せて語学対応力が評価される傾向です。

TOEICの点数よりも、実務でどれだけ英文ドキュメントを扱ったかが重視されます。

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商標係争・ブランド侵害対応の経験

商標登録だけでなく、模倣品や類似商標によるブランド侵害への対応経験も重要視されています。企業のブランド価値を守るためには、異議申し立てや無効審判、警告書対応、場合によっては訴訟支援まで対応できるスキルが必要です。

こうしたトラブル対応を経験している方は、企業の法務・知財部門で即戦力として高く評価されています。攻めと守り両面の知財実務に精通していることが、キャリアの差別化につながるポイントです。

商標の想定平均年収は789.3万円


JACの実績※では、商標の平均年収は約789.3万円です。年収のボリュームゾーンは600万~1300万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が900万円を超えるケースや、30代で年収1,200万円以上、40代で年収1,600万円以上のケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス681.3万円
管理職1,043.9万円
平均年収
日系企業779.1万円
外資系企業939.4万円

※当社実績(2023年1月~2025年6月、想定年収)より

商標最新求人情報


本章では、商標の最新転職・求人情報を紹介します。

Astemo株式会社:特許等の出願、権利化、活用企画、調査および知財係争対応

本田技研工業株式会社:知的財産(電動・コネクテッド・ソフトウェアに関する特許実務)

日東電工株式会社:知的財産/特許調査・活用

非公開:【知財(意匠・商標)】~リーダー候補~

アクアス株式会社:知的財産(知財)・特許

日本製紙クレシア株式会社:知財 ~ティシューペーパーのスコッティ等展開~

外装建材の国内トップメーカー:特許・知的財産

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)

商標への転職で有利となる資格


商標が転職を目指す場合、以下の資格を取得しておくと有利でしょう。

  • ・弁理士
  • ・知的財産管理技能検定(知財技能士)
  • ・ビジネス実務法務検定
  • ・TOEIC
  • ・知的財産翻訳検定

ここから、各資格の内容を解説します。

弁理士

弁理士は、知的財産権の専門家として商標・特許・意匠などの出願代理業務を行う国家資格です。特に、特許事務所や大手メーカーの知財部門では、高度な専門性と代理権をもつ弁理士の有資格者が高く評価されます。

弁理士資格保有者は年収アップやマネジメント層での採用に繋がるケースが多数見られます。合格には複数年の学習期間と高い専門知識が必要とされ、難関資格の一つです。

参照:日本弁理士会「弁理士とは」

知的財産管理技能検定(知財技能士)

知的財産管理技能検定は、知財実務の基礎から応用までを幅広くカバーする国家検定で、企業知財部や事務所での基礎力の証明として役立ちます。特に2級以上を保有していると、実務スキルが一定水準にあると評価されやすく、転職時のアピール材料になるでしょう。

特許や商標に関する業務経験が浅い方が取得することで、書類選考通過率が向上しています。合格までの学習期間は3〜6ヵ月程度が目安です。

参照:国家試験「知的財産管理技能検定」

  • 知的財産の転職事情|年収相場や求められるスキル・経験を解説

    知的活動によって生み出された特許権や著作権、実用新案権、意匠権などを知的財産といいます。企業における知的財産関連の職務では、発明の発掘や権利化した自社の知的財産を経営に生かすための戦略立案、自社製品の権利の侵害についての… 続きを読む 知的財産の転職事情|年収相場や求められるスキル・経験を解説

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、企業法務の基礎知識を体系的に学べる資格で、商標業務にも通じる契約や知的財産に関する法的素養が身につきます。知財に特化した資格ではありませんが、事業会社の法務部門では「法的リスクを予測できる素地がある」として好評価されることが多い傾向です。そのため、実務未経験者の足がかりとして有効でしょう。

3級・2級は独学でも取得可能で、1級は難易度が高めです。

参照:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験」

TOEIC

商標業務では、海外出願や外国代理人との英文メール対応が発生するため、英語力の証明としてTOEICスコアを求める求人も増えています。600点以上であれば実務対応力の基礎ありと判断され、特に750点以上であれば、外資系企業やグローバル案件を扱うポジションで高く評価される傾向です。

英語力は一朝一夕で身につかないため、早めに計画的な学習が欠かせません。

参照:IIBC「TOEIC Listening & Reading Test」

知的財産翻訳検定

知的財産翻訳検定は、特許や商標、契約書など知財関連文書の翻訳スキルを評価する民間資格です。特に、英日・日英いずれかの実務的な翻訳力を測る点で、商標業務における英文調査や海外出願時の書類対応に直結します。

知財翻訳検定の中上級に合格している方は、外資系企業やグローバル対応を求める事業会社において高く評価される傾向です。専門用語の理解や精度が求められるため、準備には3〜6ヵ月以上の学習が求められます。

参照:知的財産翻訳検定協会「知的財産翻訳検定」

商標のキャリアパス


商標には、企業や法律事務所、官公庁など多様なキャリアパスが存在します。自身の志向や強み、将来像にあわせて最適な道を選ぶことが重要です。ここでは、5つのキャリアパスをご紹介します。

企業知財部の商標担当者

企業の知財部で商標を担当するキャリアパスは、製品やサービスのブランド価値を守り、企業の競争力を支える役割を担います。自社のブランド戦略や事業活動に深く関わりたい方、社内外の関係者と連携しながら幅広い業務を経験したい方に向いています。

このキャリアパスを歩むには、まず法学部や商学部などで基礎知識を身につけ、企業の知財部や法務部で実務経験を積み、商標の出願・管理・調査業務を担当することから始めます。さらに、弁理士や知的財産管理技能士などの資格取得や、英語力の強化もキャリアアップに有効です。

特許事務所の商標担当弁理士

特許事務所で商標業務を専門とする弁理士は、さまざまなクライアントの商標出願や権利化、調査、紛争対応などを担います。多様な業界の案件に携わり、専門性を高めたい方や、成果主義の環境で収入や地位を上げたい方に適しています。

大学卒業後、特許事務所に就職し、実務経験を積みながら弁理士試験に合格するのが一般的なステップです。経験を重ねていくことで、パートナー弁理士や独立開業の道も拓けます。

商標審査官(特許庁)

特許庁で商標審査官として働くキャリアは、商標制度の運用や法改正、国際協力など、公共性の高い業務に携われる点が特徴です。社会的意義の大きい仕事に関心があり、制度設計や政策立案にも関わりたい方に向いています。

国家公務員試験に合格し特許庁に入庁、審査官補を経て審査官に昇任し、経験を積んでいくことが一般的です。将来的には審判官や管理職、国際機関への出向など多様なキャリア展開が可能です。

法律事務所での商標専門弁護士・コンサルタント

法律事務所で商標を専門とする弁護士やコンサルタントは、商標権侵害訴訟やブランド戦略コンサルティングなど、より高度な法的サービスを提供します。訴訟や交渉、コンサルティング業務に強い関心があり、理論的思考力やコミュニケーション力を活かしたい方に適しています。

法科大学院修了後に司法試験に合格し、弁護士として実務経験を積み、商標や知財分野の案件に積極的に関わることで専門性を高めることが可能です。

独立開業(商標専門事務所の設立)

商標分野で独立開業するキャリアは、自身の専門性やネットワークを活かして、クライアントに直接サービスを提供したい方に最適です。自らの裁量で案件を選び、自由度の高い働き方を志向する方に向いています。

特許事務所や企業知財部で十分な実務経験を積み、弁理士資格を取得したうえで、独立開業するのが一般的です。独立後は、営業力や経営感覚も求められますが、成功すれば高収入が期待できます。

商標の転職を成功させる5つのポイント


商標領域で転職を成功されるためには、以下のポイントを押さえなくてはなりません。

  • ・商標実務経験と成果を具体的にアピールする
  • ・ブランド戦略・ビジネス視点での提案力を強調する
  • ・商標分野の最新動向・法改正への知識と対応力をアピールする
  • ・資格・語学力・専門性で差別化する
  • ・転職エージェントを活用する

ここから、各ポイントについて解説します。

1.商標実務経験と成果を具体的にアピールする

商標の転職では、実際に担当した商標出願や登録、ブランド保護の実績を具体的に示すことが重要です。担当した案件の数や種類、成功事例、難易度の高い案件への対応など、数値やエピソードを交えてアピールしましょう。特に、新しいタイプの商標(音商標、色彩商標など)や地域団体商標、地理的表示保護制度への対応経験があれば、ほかの候補者との差別化ポイントになります。

2.ブランド戦略・ビジネス視点での提案力を強調する

近年、商標業務は単なる出願・登録だけでなく、ブランド価値の向上や事業戦略と結びついた提案力が求められています。企業やクライアントのビジネス目標に沿った商標活用の提案、競合分析や市場調査を踏まえたブランド戦略への貢献経験などを自己PRや職務経歴書で強調しましょう。ブランディングやコンサルティングの視点があれば、今後さらに評価される傾向にあります。

3.商標分野の最新動向・法改正への知識と対応力をアピールする

商標分野は近年法改正や新しいタイプの商標登場など、実務が多様化・複雑化しています。最新の法改正内容や審査基準、新しい商標の登録事例などを日々キャッチアップし、変化に柔軟に対応できる知識と姿勢をアピールしましょう。即戦力としての信頼を得やすくなります。

4.資格・語学力・専門性で差別化する

商標分野では弁理士資格や知的財産管理技能士、知的財産アナリストなどの資格があると有利です。特に外国商標案件や国際的なブランド展開を扱う場合、英語力や他言語スキルも大きな強みとなります。自分の専門性やスキルセットを明確に示し、応募先のニーズに合致する点をアピールしましょう。

5.転職エージェントを活用する

商標分野の求人は特許分野に比べて少なく、非公開求人も多いため、JACのような転職エージェントの活用が非常に有効です。コンサルタントは求人紹介だけでなく、職務経歴書の添削や面接対策、業界動向の情報提供など、幅広くサポートしてくれます。自分の経歴や希望に合った求人に出会える可能性が高まるため、効率的かつ戦略的に転職活動を進めるためにも、積極的にプロの力を活用しましょう。

商標の転職事例


ここからは、JACを活用して商標へ転職した事例をご紹介します。

Aさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前公的機関特許審査官1,100万円
転職後大手インフラ系企業商標1,300万円

Aさんは、メーカーの技術系部門にて研究開発・設計業務に携わり、次世代エネルギーや高機能素材といった先進分野の製品開発を広く経験してきました。現場での実験・評価から設備導入、さらには国内外の技術パートナーとの折衝に至るまで、一貫して“ものづくり”の最前線に立ってきた実務派エンジニアです。

在職中に知的財産の重要性を感じ、弁理士資格を取得。その後は企業内で知財業務にも携わるようになり、発明発掘や特許出願、IPランドスケープ分析、社内研修など、技術と知財の融合領域で活躍してきました。

その後、公的機関へとキャリアを移し、特許審査に関する業務を経験。技術内容の精査や先行技術調査、特許性の判断といった審査実務に加え、スタートアップ支援や社会課題に関連する政策プロジェクトへの参画を通じ、制度運用や政策形成にも関わってきました。制度と現場の双方に精通した、希少性の高いキャリアの持ち主です。

JACのコンサルタントは、Aさんの実務と制度の両面における知財経験、加えて技術者としての視点を併せもつ点に注目。産業インフラ領域に強みがある企業グループの知的財産部門をご提案しました。そこでは、グループ全体の知財戦略推進に加え、商標・特許出願、先行技術調査、契約支援など、幅広いテーマに関わることが可能です。

技術とビジネスの両輪を見据えながら、企業価値の創出と保護の中心を担うポジションで、新たなステージへとキャリアを進めています。

商標への転職なら、JAC Recruitmentへ


JACは、知的財産・商標分野に精通した専門コンサルタントが在籍しており、商標関連の転職を目指す方々を幅広く支援しています。業界の動向や企業のニーズを深く理解しているため、一人ひとりの経験やスキルに応じた最適なキャリアプランの提案が可能です。

特に、専門性の高い商標実務やブランド戦略に関する知識を活かした転職を希望する方にとって、JACのきめ細やかなサポートは大きな強みとなるでしょう。 さらに、書類作成や面接対策など、転職活動の各段階で専門的なアドバイスを受けられるため、安心して次のステップに進めます。商標分野でのキャリアアップや新たな挑戦を考えている方は、ぜひJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。