CIA(公認内部監査人)資格は転職で有利に働く?CIA資格が生かせる最新求人も紹介

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公開日:2025/05/29 / 最終更新日: 2025/06/18

内部監査人の能力や専門性を証明する国際資格であるCIA(Certified Internal Auditor:公認内部監査人)資格。 本記事では、CIA(公認内部監査人)資格が生かせる転職先候補やCIA資格が生かせる最新求人・転職情報をJAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。

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CIA(Certified Internal Auditor:公認内部監査人)資格は、転職において有利に働くでしょう。
本資格試験は、内部監査人の能力向上と専門性の証明を目的とした世界水準の認定制度であり、The Institute of Internal Auditors(略称 IIA:内部監査人協会)によって世界約190の国と地域で実施されています。内部監査に関する唯一の国際資格といわれており、CIA試験に合格し、内部監査または関連分野での実務経験等の要件を満たすことにより、称号が授与されます。

近年、企業のガバナンス強化やコンプライアンス遵守への意識が高まる中、内部監査の役割が再認識されており、内部監査に関する知識を持つCIA資格保有者への需要も増しています。
特に、2024年のJ-SOX法(内部統制報告制度)改正を受け、内部監査人の専門性や独立性がいっそう求められるようになりました。さらに、社会の急速なDX化の動きは、IT監査やサイバーセキュリティ監査といった新たな領域における内部監査ニーズを生み出しており、CIA資格保有者が求められる領域は拡大の一途をたどっています。

このような背景から、転職活動では、CIA資格を持っていることで、企業のガバナンス強化やリスク管理の高度化に貢献できるとして高く評価されたり、ほかの転職希望者と差別化を図れたりと、競争力を高められるでしょう。

出典:「CIA:Certified Internal Auditor(公認内部監査人)」(一般社団法人日本内部監査協会)


本章では、CIA資格が生かせる、次の4つの転職先候補について解説します。

• 事業会社の内部監査部門
• 監査法人・コンサルティングファーム
• 外資系企業
• 金融機関

事業会社の内部監査部門は、取締役会や監査役会直属の独立組織として、社内の業務プロセスや内部統制システムの有効性・効率性を評価し、改善勧告を行います。特に上場企業や大手企業では、ガバナンス強化やコンプライアンス遵守の重要性が増しており、内部監査部門における役割が高まっています。CIA資格は、内部監査の国際的な基準や手法に精通している旨を示せるため、採用選考では大きなアドバンテージとなるでしょう。
事業会社の内部監査部門の具体的な業務としては、年度監査計画の策定やリスク評価に基づく監査テーマの選定、往査による業務監査や会計監査の実施、監査調書の作成・報告などが挙げられます。近年では、J-SOX対応評価や不正調査、コンプライアンス体制の構築支援、さらにはDX推進にともなうIT監査や情報セキュリティ監査など、より専門性の高い業務への関与も増加しています。

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監査法人やコンサルティングファームも、CIA資格を生かせる領域の一つです。
監査法人やコンサルティングファームでは、クライアント企業の内部監査体制の構築支援、内部監査業務のアウトソーシングやコソーシング、IT監査などのサービスを提供します。コンサルタントとして客観的な立場から企業の課題解決に貢献できるため、事業会社の内部監査部門とは異なるやりがいを感じられるでしょう。
CIA資格を保有していることは、業務を遂行する際に必須となる高度な専門知識と実務能力を有していることの証となり、クライアントからの信頼獲得にも寄与します。また、採用選考でも即戦力として活躍できると高く評価されるでしょう。

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外資系企業の内部監査部門やコンプライアンス関連部門でも、多くのCIA資格保有者が活躍しています。

外資系企業では、日本国内の法令遵守はもちろんのこと、本国のレギュレーションやグローバルな監査基準に準拠した内部監査体制の構築・運用が求められます。具体的な業務内容としては、日本法人の業務監査やJ-SOX対応、社員へのコンプライアンス研修の実施などが挙げられます。
英語を用いたコミュニケーションや海外の監査チームとの連携が日常的に発生するため、語学力を生かしたい、あるいはグローバルな環境でキャリアを積みたいと考えるCIA資格保有者にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

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金融機関の内部監査部門やリスク管理部門、コンプライアンス部門などにおいても、CIA資格保有者は歓迎される傾向にあります。
金融業界は、公共性の高い事業を展開することから、社会に与える影響も大きいため、他業種以上に厳格な法令遵守と内部統制システムの構築・運用が求められます。具体的な業務としては、市場リスク・信用リスク等の管理態勢の評価や法令遵守状況の点検、マネーロンダリング対策(AML)などが挙げられ、業務を通じて組織の健全な運営に貢献します。
金融機関では、CIA資格の保有に加え、金融に関する専門知識があれば、即戦力として活躍できると期待され、優遇される可能性が高まるでしょう。

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CIA資格を生かせる領域は、近年の企業のガバナンス意識の高まりを背景に、従来の内部監査部門にとどまらず、リスク管理やコンプライアンス部門などにも広がっています。さらに、企業のDX化推進の加速を受け、IT監査や情報セキュリティ監査の専門知識を持つCIA資格保有者へのニーズが顕著に高まっています。

採用においては、実務経験が重視される傾向があり、特に内部監査計画の策定からチームメンバーの指導・育成、経営層への報告までを担えるマネジメント経験者の需要は非常に高く、好条件のオファーを受けるケースも少なくありません。
なお、CIA資格が生かせるポジションの求人は、CIA資格を歓迎要件として設定しているケースが大半です。求人への応募の際は、必ずしもCIA資格が求められるわけではありません。採用選考では、資格の有無だけに限らず、ポテンシャルやポータブルスキル、業界知識など、総合的に採否が判断されることを理解しておきましょう。

ここからは、CIA資格が生かせる最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含めCIA資格が生かせる求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性や希望に沿う求人を紹介いたします。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

東証スタンダード上場、40社を超える食のグループ会社:内部監査室長(もしくは室長候補)
株式会社りそな銀行:内部監査人(IT、コンプライアンス、AML/CFT、リスク管理等)
株式会社三菱UFJ銀行:内部監査担当
三菱HCキャピタル株式会社:[監査部] システム監査・経営監査・業務監査(国内・海外)
大手外資系洋菓子ブランド:内部監査室マネージャー

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年5月最新)


CIA資格を生かした転職後の年収は、企業規模や業界、ポジション、実務経験の有無によって大きく異なります。一般的には、年収500万円~1,000万円程度が相場といわれており、スタッフクラスであれば500万円~800万円前後、マネージャークラスになると700万円~900万円前後、さらに部長クラスや内部監査室長などの上級管理職になると1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
大手企業や外資系企業など年収水準が高い企業、語学力や特定の業界知識、IT監査に関する知見など付加価値となるスキルや能力を持つ場合、相場よりも高い年収帯で転職できる場合もあります。

なお、JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させたCIA資格保有者の転職後平均年収は950万円前後であり、最高年収は、1,700万円程度(役職:課長以上)でした。

年代別・役職別の平均年収は、次のとおりです。

CIA資格保有者の年代別平均年収】

年代 平均年収
20代 700万円程度
30 800万円程度
40 950万円程度
50 1,000万円程度

【CIA資格保有者の業種別平均年収】

業種 平均年収
EMC 1,000万円程度
IT・通信 900万円程度
商社 900万円程度
金融 1,000万円程度
サービス 800万円程度
メディカル・バイオ 900万円程度
建設・不動産 1,050万円程度
消費財 850万円程度

※当社実績(2019年1月~2025年4月分データ)より


ここでは、CIA資格を生かして転職を成功させるために意識したいポイントを、年代別に解説します。

20代でCIA資格取得という難関を突破した知力と向上心は、ポテンシャルと学習意欲の裏付けとなり、企業の採用担当者に好印象を与えるでしょう。そのため、実務経験が浅くても育成を前提に採用に至ることがあります。
20代は基礎的なスキルと実務感覚を養うための貴重な時期であり、幅広い経験が将来のキャリア形成の土台となります。そのため、転職先を選定する際は、段階的に実務経験を積める職場を選ぶことが大切です。また、実務経験を積むのと並行して、英語力の向上を図ることで、外資系企業やグローバル企業でのキャリアも視野に入るでしょう。

30代のCIA資格保有者の転職では、即戦力としての活躍が求められます。
そのため、転職先を選定する際は、自身のキャリアプランと照らし合わせ、より専門性を深められる分野や、マネジメントへのステップアップが期待できるポジションを検討するとよいでしょう。例えば、特定の業種や領域に特化した内部監査や、チームリーダー・監査マネージャーなどのポジションが考えられます。
採用選考では、具体的な業務実績や担当した監査プロジェクトの内容、そこから得たスキルなど、応募先企業が求める人物像に合わせて戦略的にアピールすることを意識しましょう。

40代でCIA資格を生かして転職を成功させるには、高度な専門知識と豊富な実務経験に加え、マネジメント力や部門を統率する能力、そして経営層への提言能力といった総合的なスキルが求められます。視野に入るポジションとしては、内部監査部門の責任者や特定分野のシニアエキスパート、あるいは監査役などが挙げられ、組織の監査品質を統括し、経営戦略に資する役割が期待されます。

採用選考では、自身の経験とスキルが応募先企業のどのような課題解決に貢献できるのかを明確に示すことがポイントです。加えて、企業全体のガバナンス体制構築に対する貢献意欲や若手育成に対する熱意をアピールすることも有効です。

50代の転職では、長年の実務で培った円熟した専門性、深い業界知識、高い見識が強みとなるでしょう。転職先としては、顧問やアドバイザーとして企業の内部監査体制の高度化を支援する役割、非常勤の監査役、あるいは特定プロジェクトの専門家としての参画などが挙げられます。

採用選考では、これまでのキャリアで築き上げた実績や人脈を語るだけに終始せず、新しい環境や価値観を受け入れる柔軟性、そして積み重ねた知見を次世代に伝承していく意欲を示すことがポイントです。
自身の健康状態や働き方への希望を明確にしつつ、これまでの経験を最大限に生かせるフィールドを見極め、組織にどのような価値を提供できるかを応募先企業の課題やニーズを踏まえながら伝えることが大切です。


ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させたCIA資格保有者の事例を紹介します。

  業種 職種 年収
転職前 EMC 内部統制・監査 1,300万円
転職後 建設・土木 内部統制・監査 1,650万円

EMC業界の財務・経理分野で長年にわたり実績を積み重ねてきたOさんは、海外での拠点も含め資金管理や為替対応、金融機関との折衝など、幅広い業務を担い、グローバルな視点と多様な実務経験を培ってきました。
さらに、CIA資格をはじめ、業務に必要な資格の取得や言語スキルの向上など、自ら精力的に知識習得に励む勤勉性も持ち合わせており、常に自身のスキルアップに励んできました。

転職を考えたきっかけは、グローバルな業務に携わるポジションへの着任を強く希望したことにあります。前職では、駐在からの帰国後、次第に海外業務との接点が希薄になっており、自身の経験を生かせるグローバル環境を求めて転職に踏み切ったとのことです。
転職活動では、豊富な海外駐在経験や内部統制の知見、そしてCIA資格をはじめとする多様な資格に励む向上心や勤勉性が高く評価され、海外駐在を含む監査ポジションへの転職が実現しました。

これまでの専門性や国際経験に加え、「海外業務に再び関わりたい」という明確なキャリアビジョンを持ち、希望に合致するポジションを探し続けたことが、満足度の高い転職を実現する決め手となりました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

  業種 職種 年収
転職前 銀行・信金・信組 内部統制・監査 1,000万円
転職後 IT・通信 内部統制・監査 900万円

金融機関で長年にわたり内部監査業務に従事してきたNさんは、複数の金融機関で幅広い経験を積み重ねてきました。また、監査領域における専門性向上に対して高い成長意欲を持ち合わせており、積極的に業務に取り組んできたとのことです。

転職を検討した背景には、これまでのキャリアを通じて、より高度で専門的な監査環境を求める思いがありました。転職先を選定する際に重視したポイントは、自身の専門性をさらに高められる環境であること、監査に対して経営層の関心が高い企業であることでした。未経験業界への転職も視野に入れ、多様な選択肢の中から応募先企業を絞り込んでいきました。

最終的にIT通信企業の金融監査担当としての転職が決定し、現在は金融分野で培った専門的な監査知識を生かし、さらなる専門性の向上に意欲を燃やしています。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

  業種 職種 年収
転職前 IT・通信 内部統制・監査 600万円
転職後 EMC 内部統制・監査 850万円

税理士事務所や事業会社での実務経験を経て、内部統制・監査分野のキャリアを着実に構築してきたMさんは、CIA資格など複数の関連資格を生かし、EMC業界における内部統制担当への転職を果たしました。もともとは税務・会計業務を中心にキャリアを築いてきたMさんでしたが、監査分野への関心の高まりとともに、CIAをはじめとする専門資格の取得に取り組むなど、自ら監査の専門性を高めてきました。

転職を検討し始めた背景には、専門性の高い監査メンバーや上司との協働による知見の深化を望んだことにあります。最終的にMさんは、今回の転職を経てより高度な業務にも挑戦できる環境を手にすることができました。
本事例の成功要因は、監査分野に対する高度な専門性や未経験からスペシャリストとしてキャリアを積み上げてきた自走力が評価された点にあります。また、Mさんは転職を機に、自身の専門性や能力に見合った年収アップも実現できました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。