Webデザイナーから転職したい方へ｜主な転職先や評価されやすい経験を解説

Webデザイナーは、自身が思い描いた世界観を表現できる、やりがいのある仕事です。しかし、さまざまな理由から新たな環境への転職を考える方もいらっしゃいます。では、Webデザイナーの方は、どのような業界や職種に転職することが多いのでしょうか。

本記事では、JAC Recruitment（以下、JAC）がWebデザイナーから転職をしたい方向けに、主な転職先や評価されやすい経験などについて解説します。

Webデザイナーからの転職を検討する理由

Webデザイナー経験者が転職を目指す主な理由をご紹介します。

• ・Webデザイナーとしてよりスキルアップを目指したい
• ・納得できる収入を得られる環境に転職したい
• ・ワークライフバランスを改善したい

Webデザイナーとしてよりスキルアップを目指したい

市場価値を高めるために、新しい技術を積極的に学べる環境を求めて転職を考える方もいます。また、Webデザイナーから、Webサイト全体の企画・進行に関わるWebディレクターやWebプロデューサーへのキャリアアップを目指すケースも増えています。

納得できる収入を得られる環境に転職したい

Webデザイナーの仕事はクライアントの要望を最優先する必要があり、制作途中でも調整が発生することが多く、業務負担が大きいものです。しかし、小規模な企業では納得できる収入につながらないケースもあり、年収アップを目指して転職をするケースも多くなっています。

ワークライフバランスを改善したい

クライアントの希望が最優先され、納期も決まっていることから、デザインの修正などが必要になった際には残業が発生するケースもあります。また、受注が重なった場合などの業務負担も大きく、ワークライフバランスを改善したいという理由から転職をされる方も少なくありません。

Webデザイナー経験者の主な転職先

Webデザイナー経験者の主な転職先には次のようなものがあります。

• ・Web業界
• ・IT業界
• ・EMC業界
• ・Webデザイナー
• ・Webディレクター

Web業界

Web業界は、Webデザイナー経験者が最も転職しやすい業界です。Webデザイナーとして、積極的に新たな技術を学べる環境を目指すこともできます。また、WebディレクターやWebプロデューサーなど、デザインだけでなく、Webサイト全体のディレクションやプロデュースに関わるポジションを目指すことも可能です。

IT業界

IT業界もWebデザイナーと親和性の高い業界です。特に、Web系の知識を活かし、ブラウザ上で動くWebサイトやWebアプリケーションのシステム開発に関わるSEに転職する事例が増えています。

EMC業界

電気機器メーカーや自動車メーカー、化学メーカーなど、EMC業界でも多くの企業が自社サイトを運営しています。消費者向け製品を扱う企業では、新製品の発表に合わせてWebページの更新が頻繁に行われるため、Web関連業務を担当できる方のニーズが高まっています。このような背景から、EMC業界もWebデザイナーが転職しやすい業界だといえます。

Webデザイナー

職種で見ると、やはりスキルや経験を生かせるWebデザイナーが最も転職しやすい職種です。Web制作会社だけでなく、ほとんどの企業がWebサイトを保有している今、あらゆる業種の事業会社においてWebデザイナーは活躍できる可能性があります。

Webディレクター

Webデザイナーの経験を生かし、企画提案の際には、クライアントのニーズに沿った魅力的なデザインや構成を提案できる可能性もあるでしょう。Webについて豊富な知識を保有しているため、プロジェクトの受注から企画の提案、設計、制作進行、運用など、Webサイト制作全体のディレクションを行うWebディレクターもWebデザイナーが目指しやすい職種です。

Webデザイナーからの転職で強みとなる経験・スキル       

Webデザイナー経験者が転職をする場合、次のような経験やスキルが評価される傾向にあります。

• ・UIやUXに関連する知識と理解
• ・Webマーケティングに関する知識
• ・クライアントのニーズを的確に把握できるコミュニケーション能力

UIやUXに関連する知識と理解

Webサイトには、訪れた人の目を奪うデザインや魅力的なデザインを作るだけでなく、利用者にとって分かりやすく、利用しやすいサイトであることを重視する傾向が強くなっています。そのため、UIやUXに関連する知識があり、利用者の満足度を高められるデザインを設計できるスキルは、転職時の評価につながります。

Webマーケティングに関する知識

Webサイトを構築しても、訪問者数が少ないサイトではWebサイト制作の目的を果たすことができません。近年では、Webサイト制作の段階から、ユーザーが訪れやすいサイト構成や、離脱しにくいデザインの提案ができるWebデザイナーの価値が高まっています。

Webマーケティングに関する知識をもとに、ユーザー視点に立ったデザインの提案ができるスキルは、転職時の強い武器となるでしょう。

クライアントのニーズを的確に把握できるコミュニケーション能力

クライアントのニーズを把握するためには、クライアントの事業内容やターゲット層を調査するだけでなく、Webサイトの制作目的やWebサイト制作に至った背景なども踏まえたデザインが必要です。

より満足度の高いデザインを制作するためには、クライアントの言葉の真意や行間を読み解くコミュニケーション能力が欠かせません。クライアントのニーズを把握する能力は、Webデザイナー以外の職種でも活かせるスキルです。

【年代別】Webデザイナーからの転職事情      

Webデザイナー経験者の転職事情を年代別に分けてご説明します。

20代｜スキルを磨きながら可能性を広げるフェーズ

インターネットと共に育った20代は、まさに“デジタルネイティブ”。新しいツールやトレンドへの感度が高く、UI/UXの知識を深めながら、より市場価値の高いWebデザイナーを目指す動きが活発です。

実際、JACの転職支援事例でも、20代のWebデザイナーはポートフォリオのブラッシュアップやデザイン思考の習得を通じて、キャリアの幅を広げています。柔軟な発想力と吸収力を武器に、Webデザイン以外の職種や業界へのチャレンジも成功しやすい年代です。

30代｜経験を武器にキャリアの選択肢が広がる

30代になると、Webデザイナーとしての実務経験がしっかりと蓄積されており、企業側も即戦力としての採用を期待します。JACの事例では、Webデザインスキルを活かして異業界のWebデザイナー職に転職するケースが増加中。

また、ディレクション業務やプロジェクトマネジメントの経験を積んだ方は、WebディレクターやWebプロデューサー、グラフィックデザイナーなど、より上流工程へのキャリアチェンジも目立ちます。デザインだけでなく、企画や進行管理まで視野に入れた転職が可能な年代です。

40代｜専門性とマネジメント力が鍵に

40代では、Webデザイナーとしての転職事例は減少傾向にありますが、WebマーケティングやECサイト運営、Web系SEなど、周辺領域への転職が増えています。

Webデザイナー職への転職を目指す場合は、ユーザー心理に基づいたUI/UX設計や、ブランド構築に貢献できる高いデザインセンスなど、専門性の高さが求められます。また、マネジメント経験がある方は、チームリーダーや部門責任者としての採用ニーズも高く、転職成功の鍵となります。

50代｜“経験”と“専門性”が最大の武器に

50代になると、40代以上に「専門性」や「マネジメント経験」が重視される傾向が強まります。Webデザイナーとしての転職は難易度が高くなるものの、長年の実務経験で培ったスキルや知見は、他職種への転身において大きな強みとなります。

特に、Webサイトの構造やユーザー動線を深く理解している50代のWebデザイナーは、現状分析から課題抽出、改善提案までを一貫して行える「Webコンサルタント」への転職が現実的な選択肢です。集客やコンバージョン率向上に向けた施策立案など、デザインの枠を超えた視点が求められるポジションで活躍するケースも見られます。

また、チームマネジメントやプロジェクト推進の経験がある方は、Web制作部門の責任者や、デジタル戦略を担うポジションへの転職も視野に入ります。50代の転職では、「何ができるか」だけでなく、「どう組織を導けるか」が問われる段階に入ります。

Webデザイナーからの転職を成功させるためのポイント

Webデザイナー経験者が転職を成功させるために重要となる3つのポイントをご紹介します。

• ・UI/UXデザインやWebマーケの知識を活かしたサイトデザインのアピール
• ・ディレクションやプロジェクトのマネジメント経験
• ・Webデザイナー経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

UI/UXデザインやインタラクションデザインに関する実務経験のアピール

JACが取り扱う求人を見ると、UI/UXデザインやインタラクションデザインの実務経験者を求める求人が多く見られます。これまで担当したWebサイトでUI/UXデザインを意識した制作経験がある場合は、積極的にアピールすることをおすすめします。

ディレクションやプロジェクトのマネジメント経験のアピール

Webサイトの制作をすすめるうえで、他のデザイナーやエンジニアへのディレクションや、クライアントとの調整なども含むプロジェクトのマネジメント経験は、転職時に高く評価される経験です。

リーダーシップをもってサイト制作に携わった経験や管理者としてプロジェクトを率いた経験がある場合、具体的なプロジェクトの内容や成果などを面接時にアピールするとよいでしょう。

Webデザイナー経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

Webデザイナーが転職を検討する場合には、Web業界に精通した転職エージェントの活用も重要なポイントです。特に、WebディレクターやWebプロデューサー、Webコンサルタントなど、デザイナー以外の職への転職を検討している場合は、Web業界に詳しいエージェントの活用が、転職の成功確率に大きく影響します。

Web業界に詳しいエージェントであれば、Webデザイナーで培ったスキルや経験を発揮しやすい業界、職種を把握しており、納得できる転職活動を実現できる可能性が高まります。

Webデザイナーからの転職事例

実際にJACが転職をサポートし、Webデザイナーからの転職を成功された方の事例を3件ご紹介します。

WebデザイナーからWeb企画・開発・運用への転職事例

Sさん（男性/30代前半）

	業種	職種	年収
転職前	IT会社	Webデザイナー	550万円
転職後	SIer	Web企画・開発・運用	600万円

Sさんは、Webデザイナーとして、さまざまなWebデザインや映像制作に携わってこられました。また、業務システムのUI/UXデザインや3D-CADのコンサルティングなど、幅広い業務に携わった経験もありますが、コアキャリアを築きたいとの思いから転職を決意。

当社からは、大手電機メーカーのグループ会社であるSIerをご紹介。グループ全体のDX推進を担う企業として変革を進めているタイミングであり、DX化に携わる業務の募集です。Sさんの豊富な経験と新たな分野へも果敢にチャレンジする積極性が高く評価され、見事、採用が決定しています。

WebデザイナーからWebマーケティングへの転職事例

Tさん（女性/30代後半）

	業種	職種	年収
転職前	流通	Webデザイナー	450万円
転職後	化粧品	Webマーケティング	500万円

Tさんは、Webデザイナーとして、ECモールの制作や運営、ディレクション業務に携わってこられました。ディレクション業務を中心とする業務を希望し、転職を決意。

当社からは化粧品メーカーのWebマーケティング職をご紹介しました。商品ページやLPなどの制作のほか、販売施策の立案・実施、SNSキャンペーンの企画、運用、広告分析など、広くWebマーケティングやWebの運用に関わる業務です。

Webデザインもでき、さらにディレクションの経験ももつTさんの実績、誠実なお人柄が評価につながり、面接後、すぐに採用が決定しています。

WebデザインからWebデザインへの転職事例

Kさん（男性/30代前半）

	業種	職種	年収
転職前	ITサービス	Webデザイナー	700万円
転職後	金融	Webデザイナー	800万円

Kさんは、UI/UXの設計、ビジュアルデザイン、コーディング業務、サイトデザイン、ポスターデザインなど、幅広い業務に従事してきました。ワークライフバランスを改善できる環境を希望され、当社にご相談されました。

当社からご紹介したのは、保険会社の新サービスの企画開発や新規事業創出に関わる部門での、Webデザイナーの仕事です。Kさんの豊富なデザイン経験、プロジェクトマネージャーの経験がポイントとなり、複数の転職希望者が応募する中、見事、採用が決定しています。

実際、Webデザイナー出身者はどのような業種/職種に転職している？

JACが転職をサポートしたWebデザイナー出身者は、どのような業種や職種に転職しているのでしょうか。Webデザイナー出身者の転職先の業種と職種のトップ10を以下の表にまとめました。

【Webデザイナー出身者が転職先として選んだ業種トップ10】

Webデザイナー経験者の転職先を見ると、最も多いのはEMC業界です。以下、

IT・通信業界、消費財業界と続き、意外にもWEB業界は第4位という結果になっています。

順位	業種	割合（％）
1	EMC	20.0
2	IT・通信	17.1
3	消費財	14.3
4	WEB	11.4
5	金融	8.6
5	流通	8.6
7	コンサルティング・シンクタンク・事務所	5.7
7	サービス	5.7
7	建設・不動産	5.7

【Webデザイナー出身者が転職先として選んだ職種トップ8】

Webデザイナー出身者が転職した職種を見ると、経験を生かせるWEB関連の職種に就く人が5割超となっています。職種の詳細を見るとほとんどの方がWebデザイナーとして転職しており、そのほかWebディレクターやWebプロデューサーなどの職に就く方もいらっしゃいます。

順位	職種	割合（％）
1	WEB・アプリ・ゲーム	51.4
2	IT	17.1
3	マーケティング・商品開発	14.3
4	コンサルティング・アドバイザリー	5.7
5	技術系	2.9
5	営業	2.9
5	総務・広報	2.9
5	クリエイティブ（広告・デザイン・放送関連）	2.9

Webデザイナーからの転職なら、JAC Recruitmentへ

Webデザイナーは、クライアントの課題やニーズを形にする、やりがいのあるクリエイティブな仕事です。今後、UI/UXの知識やWebマーケティングの知識をもつWebデザイナーのニーズはさらに高まっていくでしょう。また、Webデザイナーの経験を生かし、WebマーケティングやWebプロデューサーなどの職へのキャリアチェンジも可能です。

JACは、これまでに数多くのWebデザイナー経験者の転職をサポートしてきた実績があります。当社には、Web業界をはじめ、さまざまな業界に詳しいコンサルタントが多数在籍しており、Webデザイナーの経験を生かしやすい業種や職種を熟知しています。そのため、転職に関するご希望を丁寧にヒアリングしたうえで、一人ひとりに最適な求人のご紹介が可能です。

Webデザイナーからの転職をお考えの際には、Web業界に詳しいJACにご相談ください。