医療システムへの転職は未経験でも可能?転職市場動向や最新求人を解説

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公開日:2025/09/01 / 最終更新日: 2025/09/01

医療現場のDXを支える「医療システム」分野で、今、転職のチャンスが広がっています。医療ITや電子カルテ、業務支援ツールなど、医療システムの需要は年々高まり、スペシャリストのニーズも急増中です。
本記事では、「医療システム 転職市場の最新動向」や「医療IT分野で求められるスキル・資格・マインドセット」について、JAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。

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医療システム分野の転職市場動向


医療DXの加速により、医療システム分野の転職市場は高水準を維持しています。医療現場のデジタル化が進む中、医療IT・医療システム分野では、スペシャリストのニーズが継続的に高まっています。
ここでは、医療システム分野の転職市場が活況を呈している理由を、以下の3つの観点から解説します。

  • ● 医療システムスペシャリスト需要は高水準で推移
  • ● 医療システム分野では、多様なバックグラウンドへ門戸が広がる
  • ● 医療システムは将来的にも安定した需要が見込まれる成長分野

医療システムスペシャリスト需要は高水準で推移

コロナ禍以降、医療現場では作業効率化や業務内容の見直しが進みました。これにより、IT技術を活用した医療サービスへの注目が急速に上昇。その結果、医療システム分野における需要は、継続的に高い水準を維持しています。
電子カルテや医事会計などの基幹システムに加え、PACS(医用画像管理)や臨床検査システムなどの部門別システムも導入が進んでいます。
医療現場ではIT化が進み、業務に欠かせない基盤となっています。
さらに、病院内システムのクラウド化が急速に進行しています。
この背景から、電子カルテを含む医療情報システムの導入エンジニアや導入コンサルタント、保守担当者の求人ニーズが高止まりしています。
加えて、遠隔医療や医療情報連携のニーズが拡大し、医療DXの推進も加速。これにともない、関連システム市場も拡大傾向にあります。

AIによる診断支援や、生成AIを活用した記録作成補助など、先端IT技術の導入も現場で期待されています。
医療DXの流れに乗り、医療システムの転職市場は、今後も活況を呈する見通しです。

医療システム分野では、多様なバックグラウンドへ門戸が広がる

求められるスキル面では、電子カルテや医事会計システムなど医療ITに関する知識に加え、AI・機械学習などデジタル技術への理解をもつエンジニアが高く評価される傾向が強まっています。医療機器メーカーでもソフトウェアやデータ領域の転職希望者は希少であり、自社にないスキルをもつスペシャリストを他業界から採用するケースが増えています。

一方で、医療システム導入企業(ベンダー)ではプログラミングスキルや開発プロジェクト経験を備えた即戦力となるエンジニアが期待されています。病院の情報システム部門(院内SE)では、医療現場の業務フローを理解し、ベンダーや医療従事者と橋渡しできる調整力が重視される傾向です。

このように、企業・職種によって求められる素養は異なりますが、「医療×IT」の専門知識と技術スキルを兼ね備えたハイブリッドなスペシャリストが総じて高く評価されているといえます。

医療システムは将来的にも安定した需要が見込まれる成長分野

医療システム市場は緩やかな成長が続くと予想されています。政府が推進する「医療DX令和ビジョン2030」においては、「遅くとも2030年には全国ほぼ全ての医療機関で電子カルテを導入する」という目標が掲げられています。現在、電子カルテ未導入の中小病院・診療所でも導入が、今後さらに促進される見通しです。

実際、「電子カルテ情報共有サービス」が、2025年度以降の本格展開に向けた実証段階にあります。また、地域の医療機関同士で患者情報を安全に共有できる全国プラットフォーム整備も進んでいます。
このような政策の後押しにより、医療システム導入コンサルタントやプロジェクトマネージャーの需要は、中長期的にも継続すると考えられます。

さらに、医療ビッグデータの活用やオンライン診療、AIによる診断支援ツールなど新たなサービス領域も台頭しています。よって、医療システムスペシャリストが活躍できるフィールドは、今後ますます拡大する見通しです。

出典:「医療DX令和ビジョン2030」電子処方箋・電子カルテの目標設定等について(厚生労働省)

医療システムスペシャリストが求められる主な転職先候補


医療システムスペシャリストが求められる主な転職先候補としては、以下のような部門や企業が挙げられます。それぞれの転職先の主な業務について解説します。

  • ● 病院・医療機関の情報システム部門(院内SE)
  • ● 医療システムベンダー・ソフトウェア企業
  • ● 医療機器メーカー・ヘルスケアIT企業
  • ● 医療コンサルティング・SIer
  • ● 医療システムの最新転職・求人情報

病院・医療機関の情報システム部門(院内SE)

病院内の情報システム部門、いわゆる院内SEは、医療機関に常駐して院内のITシステム全般を管理・運用するエンジニアです。対応業務としては、電子カルテや検査システム、看護支援システムなど院内各部門のソフトウェアを安定稼働させる保守・トラブル対応、医師・看護師からの問い合わせ対応、PCやネットワーク機器の管理など多岐にわたります。

院内SEは「社内のITなんでも係」として病院スタッフを支える役割を担い、システム障害時には迅速な復旧対応が求められます。医療機関特有のミッションクリティカルな環境下で、ITエンジニアとしての技術力に加えて現場職員との円滑なコミュニケーションや調整力が重要です。

大病院では複数の院内SEチームがあり、経験を積めば情報システム部門のリーダーやマネージャーへ昇進するケースも見られます。一方で、中小規模病院では専任が少なく業務範囲が広いので、外部ベンダーとの連携や折衝が発生することも多いです。

院内SEは医療現場を裏方からITで支える縁の下の力持ちであり、患者の命に関わる責任あるシステムを扱うため、高い倫理観と慎重さも求められます。

医療システムベンダー・ソフトウェア企業

医療システムベンダーとは、電子カルテや医療情報システムを開発・提供するソフトウェア企業のことです。ここで活躍する医療ITスペシャリストとしては、ソフトウェア開発エンジニアとシステム導入エンジニア(フィールドエンジニア)が代表的です。

開発エンジニアは、病院向け電子カルテや診療支援システムなどの設計・プログラミング・テストに従事します。医療現場のニーズを反映した機能開発が求められるので、要件定義力や医療ワークフローの理解が重要です。また、最近ではクラウド型サービス開発も増えており、クラウドインフラやセキュリティ知識や開発スキルがあると活躍の幅が広がります。

導入エンジニアは、自社システムを医療機関に導入・設定し、ユーザートレーニングや運用支援を行う役割です。全国の病院・クリニックへ出向いてプロジェクトを進めることが多く、スケジュール管理や対人コミュニケーション力が必要です。医療機関のカルテ移行作業やカスタマイズ要望への対応なども職務に含まれ、現場の声を開発側にフィードバックする橋渡しの役割も担います。

医療システムベンダーの企業規模はさまざまですが、大手では電子カルテで高シェアをもつ専業メーカーや、製薬・医療機器系企業が分野参入したケースもあります。プライム上場企業グループから医療DX系スタートアップまで多彩な企業が存在し、エンジニアにとっては専門スキルを磨きながら医療貢献もできる職場です。

医療機器メーカー・ヘルスケアIT企業

医療機器メーカーやヘルスケアIT企業も、近年は医療システムスペシャリストの重要な受け入れ先です。従来ハードウェア中心だった医療機器メーカーも、機器と連動するソフトウェアやデータサービスを強化しており、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストの求人が増加傾向にあります。

例えば、画像診断装置メーカーが病院内ネットワークで画像を管理・解析するシステムを開発したり、検査機器メーカーがクラウド上で検査データを集約・AI分析するサービスを提供したりと、ハードとデジタルの融合が進んでいます。

医療機器業界ではデジタルスペシャリストがまだ少ないため、IT業界出身者を破格の待遇で採用する例も見られます。具体的なポジションとしては、医療機器と連動するソフトウェア開発者やシステムインテグレーター、プロダクトマネージャーなどです。
また、グローバル医療機器メーカーでは、海外本社製の医療ITシステムのローカライズ開発や技術サポートを行うエンジニア職も存在します。

ヘルスケアIT企業とは、医療・健康データを活用したサービスを展開する新興企業を指しています。開発するシステムは、電子処方箋システムや遠隔診療プラットフォーム、健康増進アプリなど。こうした企業ではWebサービス開発エンジニアやクラウドエンジニアが求められ、比較的若いITスペシャリストが中心となって革新的サービスに挑戦しています。

医療機器・ヘルスケアIT分野は、「医療×デジタル」領域であり、市場拡大余地が大きいと考えられます。そのため、デジタル技術で医療に変革をもたらしたいと考えるエンジニアには、魅力的な転職先です。

医療コンサルティング・SIer

医療業界に特化したコンサルティングファームや、医療ITに強みをもつSIerは、医療システムスペシャリストが力を発揮できる重要なフィールドです。医療コンサルティングの分野では、病院の業務改善やIT導入計画の策定を支援するプロジェクトが数多く展開されています。
コンサルタントは医療機関の内部に深く関与し、電子カルテの最適化や医療DX戦略の立案に取り組みます。
この領域では、医療経営や診療フローに関する専門知識に加え、ITアーキテクチャへの理解も不可欠です。そのため、「医療従事者出身 × ITコンサルタント」というハイブリッド型のスペシャリストが、現場で高く評価される傾向にあります。

一方、SIerは病院情報システムの構築案件を受託するケースが多く見受けられます。パッケージベースの病院情報システム統合導入や、地域医療ネットワークの構築、公的医療データベースの開発など、規模の大きな案件にも対応可能です。
SIerに所属する技術者は、自社の医療システムを活用しながら、プロジェクトマネジメントから要件定義、設計・開発、さらには運用・保守までを一貫して担います。
また、自治体病院のシステム刷新に際しては、医療法令や補助金制度に関する知識が求められる場面もあります。

医療コンサルティングやSIerで働く意義は、複数の医療機関を支援することで、広域的な視野を養える点にあります。
特定の病院にとどまらず、さまざまな現場に対してソリューションを提供することで、医療全体の効率化と高度化に貢献することが可能です。

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医療システムの最新転職・求人情報


医療DXの推進により、医療システム分野の求人が急増中。電子カルテ刷新や病院システム統合など、注目のプロジェクトが続々と立ち上がっています。
最新の求人票には、「医療DX」「電子カルテ導入」「クラウド化」「情報セキュリティ」などのキーワードが並び、医療機関のデジタル化ニーズが色濃く反映されています。
実際、電子カルテ導入コンサルタントや院内ICT推進担当といった新設ポジションの募集が増加傾向にあります。

大病院だけでなく、クリニックや中小病院でも電子カルテの導入・更新が進んでおり、ベンダー側・院内側ともに人員不足が顕著です。地方の医療法人が初めて社内SEを採用するケースも見られ、都市部以外にも求人ニーズが広がっています。

さらに、「医療情報システム」「ヘルスケアIT」といった名称の求人も増加しており、医療業界未経験のITスペシャリストにも門戸が開かれています。「業界未経験歓迎」の条件付き募集も多く、医療システム分野はニッチながらも安定した需要が見込まれる成長領域です。

以下に、JACが扱う医療システム分野の公開求人例を一部紹介します。

日系医療ITシステム企業:≪転勤無し≫医療ITシステム導入保守エンジニア(業界未経験歓迎)

医療システム事業会社:〖全国・フルリモート可〗システムエンジニア *東証プライム上場グループ

ウィーメックス株式会社:営業(医療システムや周辺機器等)◆医療DX

株式会社ジェイマックシステム:医療システムのIT営業【大阪勤務/経験者採用】

株式会社メディカルフォース:【医療の現場からITへ】保険診療向け自社サービスの導入支援担当

非公開(医療AI企業):医療AIの拡大を最前線でリードしていくセールスポジション

株式会社ジェイマックシステム:【博多/フィールドサービスエンジニア】医療系業務システムで導入実績トップクラスのIT企業

グローバル医療機器メーカー:医療機関向けソフトウェア・システム開発担当

ウィーメックス株式会社:プリセールス・セールスエンジニア/ヘルスケアIT事業部/調剤エンタープライズセールス部

上記は公開求人の一例であり、実際には非公開求人も多数存在します。JACでは企業戦略上公にできない非公開求人を豊富に取り扱っています。より多くの選択肢を知りたい方は、転職コンサルタントに相談されることをお勧めします。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年8月最新)

未経験から医療システム分野に転職できるのか


未経験から医療システム分野への転職は可能ですが、その難易度は職種によって差があります。
まず、病院側の院内SEに未経験で転職するのは、ややハードルが高めです。院内SEは電子カルテや医事会計など医療機関特有のシステムを扱うため、医療現場の知識や専門用語への理解が求められます。
また、病院数そのものが限られ求人も多くないため、医療業界未経験者には狭き門です。

実際、院内SE求人では「即戦力」を期待される傾向が強く、病院側はSEを一から育成する余裕がないケースが大半です。院内SE未経験で採用を勝ち取るには、何らかの強みとなる要素が必要になります。
例えば、一般企業でのSE経験がある場合は、IT知識と経験が武器となり、加えて医療情報技師や医療事務資格の勉強中であることなどを示せれば、医療への意欲と最低限の下地をアピール可能です。

一方で、医療システム開発SEであれば、ITエンジニアとしての技術力があれば医療業界経験がなくとも採用されるケースがあります。開発プロジェクトで必要なのはまず汎用的なプログラミング能力であり、医療ドメイン知識は入社後に習得できるためです。実際、多くの医療IT企業が充実した研修制度やOJTを用意しており、異業種出身者でも挑戦しやすい環境を整えています。特に医療システム営業や導入コンサルタントでは、「医療知識は後から学べる」として業界未経験歓迎とする求人も増加中です。

また、近年はヘルスケアIT系スタートアップなど新興企業が積極的に他業種からエンジニアを登用しています。Webサービス開発出身者やAIエンジニアなどが医療ベンチャーにジョインし、医療従事者と協働しながらサービス開発を進める事例も増加中です。
スタートアップはスピード重視でスキルの高いスペシャリストを求めるため、医療業界経験の有無よりも技術力・適応力が重視される傾向にあります。

総じて、「医療現場寄り」の職種ほど未経験転職の難易度が高く、逆に「開発・技術寄り」の職種の方が門戸は広いといえます。
医療知識は働きながら身につけられるため、ITエンジニアとしてのベースがある方は積極的にチャレンジするとよいです。
未経験からの挑戦で不安な場合は、転職コンサルタントに相談し、自身の経験をどう生かせるかアドバイスを受けることをおすすめします。

  • 医療システム導入の職務経歴書サンプルと書き方

    「医療システム導入」の職務経歴書を作成する際に役立つサンプル・テンプレートをご用意。職種別の書き方ポイントも解説しています。 業務領域や開発環境、得意・強みのある技術分野についての経験内容を明記してください。プロジェクト… 続きを読む 医療システム導入の職務経歴書サンプルと書き方

医療システム分野への転職で求められる経験・スキル・マインド・資格


医療システム分野への転職で主に求められるのは、以下のような経験やスキルです。

  • ● ITエンジニアとしての技術経験・医療関連業務経験
  • ● 医療現場理解と他職種の橋渡しになるスキルセット
  • ● 医療品質への高い責任感やホスピタリティ精神、サポート志向
  • 医療情報技師

ITエンジニアとしての技術経験・医療関連業務経験

まず重視されるのは、ITエンジニアとしての基盤的な技術力です。プログラミングやシステム設計・運用の経験があることは、医療システム分野でも強みになります。医療業界特有の環境下でも、基本となるソフトウェア開発スキルやネットワーク知識、データベース知識は普遍的に役立つためです。

一方で、医療機関勤務や医療事務など医療現場の業務に携わった経験も貴重です。医療現場のワークフローや制約条件を理解している転職希望者は、開発・導入時に現場目線で考えられるため重宝されます。「医療情報技師」の資格取得者や病院勤務経験者は、その現場知識を生かしてIT部門への転身を図る例もあります。

理想をいえば、ITスキルと医療知識の両方を備えていることが望ましく、実際に転職成功者の多くは「IT企業でのSE経験 + 医療分野の資格勉強中」といった組み合わせが多い傾向です。

医療現場理解と他職種の橋渡しになるスキルセット

医療システム分野では、技術力だけでなく「医療現場を理解し、多職種と橋渡しできる」スキルセットが重要になります。医師・看護師・検査技師・事務スタッフなど、多様な職種が関与する環境下でITプロジェクトを進めるには、各職種の要望や懸念を汲み取り、調整する力が不可欠だからです。

システムの導入担当でも、病院側のITリテラシーや運用状況に合わせて設定を工夫し、ユーザー(医療従事者)がスムーズに使えるようフォローする姿勢が求められます。

したがって、コミュニケーション能力や折衝力、調整力、説明力が非常に重要なスキル領域となります。現場職員の不安や意見に耳を傾け、現場目線に立って信頼関係を築くことがIT担当者にも求められます。また、コミュニケーションをスムーズに進めるために、医療特有の制度への理解や専門用語の習得も大切です。

医療品質への高い責任感やホスピタリティ精神、サポート志向

医療システム分野で働くには、医療の品質に関わる仕事であることへの高い責任感が欠かせません。病院のITシステムは人命に直結する可能性があり、一度トラブルが起これば診療に大きな影響を与えかねないためです。

そのため、システムの安定稼働を保つために常に慎重な運用を心がけ、問題発生時には速やかに対処する覚悟が求められます。加えて、サイバーセキュリティや個人情報保護への配慮も厳格に求められ、ミスが許されない緊張感の中で仕事をすることになります。このように、責任の重さを自覚してプレッシャーに耐えつつ職務を全うできるメンタリティは非常に重要です。

同時に、ホスピタリティ精神やユーザーを支えるサポート志向も求められます。常に忙しい医療スタッフに対して、短時間でわかりやすく説明し迅速に問題を解決するサポート力・対応力がなければ、現場から信頼されません。「人の役に立ちたい」「医療に貢献したい」というホスピタリティと使命感を持ち、なおかつ高度な責任感でミッションクリティカルな任務に取り組める人物像が理想といえます。

医療情報技師

「医療情報技師」は医療×IT分野で代表的な資格であり、取得しておくと転職時に有用です。正式名称は「医療情報技師能力検定試験」の合格者に与えられる民間資格で、一般社団法人日本医療情報学会が2003年から認定しています。

この資格は、医療と情報技術の橋渡しを担う専門職としての知識・技能を証明するもので、医療情報の安全適切な管理・活用能力をもつことを示すものです。合格すると「医療情報技師」として認定され、医療ITに必要な医学・医療、IT技術、システム運用の能力を備えていることの証明になります。

国家資格ではありませんが、医療機関や関連企業では知名度が高く、スキルの基礎を示すスタートラインとして評価されます。未経験から医療ITを目指す方が知識習得のために受験するケースも多く、合格すれば一定の自己研鑽アピールになります。

参照:医療情報技師育成部会:医療情報技師

医療システム分野へ転職した場合の年収相場


2023年~2025年にかけてJACが転職をサポートした医療システム関連職の事例を見ると、転職した方の平均年収は約875万円、中央値は924万円です。

特に、データサイエンティストやセキュリティエンジニアのように医療IT領域で希少性の高いスキルをもつ転職希望者は、1,000万円を超える提示を受けているケースも複数確認できます。さらに40代~50代の管理職クラスでは、1,500万円以上のオファーが出ている事例もあります。

一方で、テクニカルサポートや組み込みエンジニアといった職種では600万~800万円台の成約事例も見られ、スキルセットや職位によってレンジの幅が大きい点が特徴です。

一般的に、医療システム関連職の年収は職種や勤務先によって幅がありますが、おおよその相場は600万〜900万円程度です。大手医療IT企業や外資系医療機器メーカーでは、平均年収が比較的高く設定され、プロジェクトマネージャーや部門長クラスでは1,000万円以上も可能です。他業界からの転職でも想定以上の好条件を得られる例が多く見られます。

院内SE職は病院規模によって年収に差があり、中小病院では500万円未満、大規模病院では600〜700万円程度からスタートするケースが一般的です。残業や夜間対応の有無も影響しますが、働き方改革の進展で夜間呼び出しを減らす取り組みが広がっており、安定した年収水準の中でワークライフバランスを重視できる環境も増えています。

医療システム分野の転職事例


JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させた医療システム分野の転職事例を紹介します。

医療システムのISMS管理ポジションへ転職した事例

Sさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前製造業社内SE650万円
転職後医療機器メーカーセキュリティエンジニア800万円

Sさんは大学で電子工学を専攻後、製造業でソフトウェア開発や艦船装置メンテナンス、社内SEなど幅広い業務を経験。特に近年はISMS事務局の取りまとめ、外部審査対応、基準類の更新といった情報セキュリティ管理の中心的役割を担ってきました。

また、PCセットアップやライセンス管理などのヘルプデスク業務も担当することで、社内のIT環境整備に貢献してきました。安定した企業でのキャリア構築を志向し、ISMSの経験を生かせる医療システム分野のポジションを希望。

JACのコンサルタントは、Sさんの堅実な業務遂行力や管理職としてのマネジメント志向、そして国際規格に準拠した情報セキュリティ運用経験に注目。社会貢献性の高い医療機器メーカーで、病棟・生理システムのリモートメンテナンスとISMS管理を担うリーダー候補ポジションを提案しました。

結果として、Sさんは希望年収を満たしつつ、専門性を一層深化できる環境への転職を実現しました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

医療システム組み込みソフトウェア研究職へ転職した事例

Jさん(40代後半/男性)

業種職種年収
転職前IT・エンジニアリングソフトウェア開発1,000万円
転職後医療機器メーカー組み込みエンジニア1,000万円

Jさんは電子回路設計からスタートし、医療用内視鏡やカメラ制御開発、環境評価機器の新商品開発戦略など、多彩な製品領域で開発業務を歴任。現職では車載センシングシステムやECUソフトウェア開発のプロジェクトリーダーとして活躍していました。しかし、委託業務中心で製品仕様の決定に関与できない現状に物足りなさを感じ、事業会社での開発に挑戦したいと考えるようになりました。

JACのコンサルタントは、Jさんのハード・ソフト双方にわたる知見、画像処理や制御回路設計の専門性、加えてリーダー経験を生かせる職場として、手術用ナビゲーションシステムや医療用ソフトウェアの研究開発を担う企業を提案。医療現場に直結する製品開発に関われる環境と、技術探求心を発揮できる研究フェーズの魅力が決め手となり、転職が成立しました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

医療システムテクニカル/フィールドサポート職へ転職した事例

Bさん(30代前半/女性)

業種職種年収
転職前医療機器メーカーテクニカルサポート800万円
転職後医療機器メーカーテクニカル・フィールドサポート750万円

Bさんは外資系医療機器メーカーでCTや核医学機器の保守・修理、テクニカルサポートに従事。その後は外資IT企業でクラウド製品導入支援や国際的な技術協業に携わり、現職では医療用ITプロダクトの保守企画やKPI設計、リコール対応フロー構築など、医療現場と密接に関わる業務を担当してきました。配偶者の転勤による勤務地制約とライフスタイルの変化から、フルリモートや低残業の環境を求めるようになったそうです。

JACのコンサルタントは、Bさんの高度な医療機器知識、顧客対応力、企画・運用の実務経験を最大限生かせる医療機器メーカーを選定。現場負担を抑えつつ、医療現場への貢献を継続できるポジションを提案しました。

結果として、勤務地や働き方の条件を満たしながら、専門性を生かし続けられる転職を実現しました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

医療システム分野へ転職後のキャリアパス


医療システム分野へ転職後のキャリアパスとしては、大きく開発SEと院内SEの2つに分かれます。それぞれのキャリアパスについて、どのような道があるのかを解説します。

医療システム開発SEとしてのキャリアパス

医療システム開発SEのキャリアパスの典型的な例は社内で昇進し、開発チームをまとめる立場へキャリアアップする道です。経験を積んだ開発SEは、リードエンジニアやシステム開発ディレクターといったポジションに就き、チームの技術面を牽引します。医療IT企業ではプロダクトごとにPM職が置かれ、開発〜導入までの全行程を管理するケースが多く、PMへの昇格は重要なキャリアゴールの一つです。PM経験を積めば、その先には部門マネージャーやCTO(最高技術責任者)といった経営に近いポジションも視野に入ります。

さらに、医療システム開発SEの中には専門領域のスペシャリストとしてキャリアを積む人もいます。例えば、データベース最適化のエキスパートや医療AIアルゴリズム開発のスペシャリストになる道です。プロダクト開発を続けながら特定技術に精通し、その領域の権威的存在になることで市場価値を高めることも可能です。

医療システム開発SEのキャリアはマネジメント志向で管理職を目指す道、技術専門性を極める道など多様です。開発者視点をもつ院内SEへの転向も、一つの選択肢です。

院内SEとしてのキャリアパス

院内SEのキャリアパスは、その病院規模や組織体制によって異なりますが、大きく2つの方向性があります。まず一つは、院内SEを継続しつつ規模の大きな病院でキャリアアップする道です。
例としては、中小規模病院で経験を積んだあと、さらに高度な環境を求めてより大規模な病院に転職するケースです。大病院では複数の院内SEが組織化されており、経験豊富な転職希望者は主任・係長格や情報システム部門の責任者に抜擢される可能性があります。
実際、数百床規模以上の病院ではIT部門長ポストが設置されており、院内SEとしてのキャリアを重ねればそのポジションを目指すことも可能です。「病院のCIO」のような役割を担い、経営陣に近い立場で病院全体のDX戦略を推進する道も開かれます。

もう一つの方向性は、院内SEから医療ITベンダー側やコンサルティング側にキャリアチェンジする道です。院内SE経験者は医療現場の知見が豊富なため、開発会社やコンサルティング企業からすると非常に魅力的かつ貴重です。実際に、電子カルテメーカーや医療ITコンサルティング会社が、病院業務に通じたSE経験者をコンサルタントとして迎え入れる例もあります。

さらに、院内SEのキャリア延長線上には、医療機関の枠を超えて地域医療ネットワーク推進や行政の医療情報プロジェクトに参画する道も一つの選択肢です。都道府県レベルの医療情報連携システム整備事業に、経験豊富な院内SEがスタッフとして抜擢されることもあります。

いずれの場合も医療現場理解という強みが核になるため、それを研ぎ澄ましつつ柔軟にキャリアをデザインしていく必要があります。

医療システム分野への転職なら、JAC Recruitment


医療システム分野への転職をお考えの方には、JACの活用をおすすめします。医療とIT、双方に専門性が求められる医療システム領域において、JACは医療業界・IT業界それぞれに精通したコンサルタントを擁し、豊富な支援実績と独自のネットワークを強みに最適なキャリア選択をサポートしています。

とくに、医療IT領域における求人の動向や企業ごとの文化・戦略にまで深く精通しており、たんなる求人紹介にとどまらず、応募書類や面接での対策に至るまで具体的なアドバイスが可能です。

また、JACでは一般には公開されていない非公開求人を多数保有しているため、「医療DX推進マネージャー」や「医療AIスタートアップCTO候補」など、注目度の高いポジションにもアクセス可能です。こうした求人に出会える機会を得られるのは、JACならではの大きな強みです。

求職者一人ひとりに対し複数回にわたる面談を実施し、志向やキャリアプランを丁寧にすり合わせたうえで、最適な選択肢を提案します。業界特有の専門用語や慣習にも通じたコンサルタントが伴走しながら、応募企業との調整や条件交渉も一貫して支援するので、異業界からの転職であっても安心して進められる体制が整っています。
医療システム分野への転職を成功させたい方は、ぜひ一度JACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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