設備管理の転職動向や最新求人、未経験からの転職難易度も解説

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公開日:2025/12/05 / 最終更新日: 2025/12/05

設備管理は、工場や施設の安定稼働を支える専門職の一つです。

近年は、省エネ化や脱炭素対応、スマートファクトリー化など、企業の経営課題と直結する領域を主導するポジションとして注目が高まっています。そのため、施工管理や生産技術、保全などの経験を生かして企業の事業戦略に貢献したい方や、マネジメント職へのキャリアアップを目指す方にとって、大きなチャンスが広がっています。

本記事では、設備管理職の転職市場動向や年収相場、求められるスキル・資格などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。

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設備管理の転職市場動向

設備管理の転職市場は、日本の製造業が抱える構造的な課題や、将来に向けた変革の動きという二つの大きな要因によって活発化しています。

従来は、保守・点検・修繕を担う縁の下の力もちとしての活躍が中心でしたが、現在は設備稼働率の最大化、品質の安定化、エネルギーコストの最適化など、経営視点を備えた管理機能としての役割が強まっています。特に、高度成長期に導入された生産設備やプラント機器が老朽化し、更新時期を迎えている業界では、戦略的な設備投資やリニューアルプロジェクトを主導できる経験者への需要が増えています。

また、自動車・化学・食品・半導体など、24時間365日の連続運転が求められる業界では、設備トラブルによる稼働停止を防ぎ、高い生産性を維持できる管理体制の強化が急務となっています。そのため、製造業界での設備管理経験がなくても、プラントの設計・建設を手掛けるEPC企業やゼネコンの設備部門、電気主任技術者など、親和性の高いバックグラウンドをもつ方も、即戦力として高く評価される傾向にあります。

JACが取り扱う求人からもエネルギー、メディカル・バイオ、物流・流通、消費財、建設・不動産など、多様な業界で需要が高まっている様子がうかがえます。採用の背景には、省エネ規制や脱炭素社会への移行、ZEB・ZEHといった環境配慮型建築の普及、さらには新拠点の立ち上げやグローバル展開など、経営に資する戦略的な要因が目立ちます。このような求人動向から、企業が設備管理を単なるコスト部門ではなく、事業継続や成長を支える重要な役割と考えていることがわかります。

今後は、スマートファクトリー化やIoTによる予知保全(Predictive Maintenance)の導入が進み、データ解析を活用して設備の異常傾向を検知・改善できるスキルが求められる見通しです。加えて、エネルギー価格の高騰やカーボンニュートラルの推進により、省エネルギー化と生産効率の両立を図る「エネルギーマネジメント能力」も必須になると考えられます。

設備管理は安定した需要がある一方、求められるスキルは高度化・多様化しています。設備管理への転職を検討する際は、従来の保守的な役割から脱し、データドリブンな設備戦略を担えるスキルを身につけることが今後のキャリアの成長曲線を引き上げるポイントになるでしょう。

設備管理が求められる主な転職先候補

ここでは、設備管理が求められる主な4つの転職先候補について解説します。

  • ●化学・素材
  • ●食品・製薬
  • ●自動車・機械
  • ●半導体・電池・電子部品

化学・素材

化学・素材業界における設備管理は、生産設備の安定稼働を支える要として位置づけられています。設備管理の主な役割は、反応槽や蒸留塔、配管系統、熱交換器などの定期点検・メンテナンスを通じてトラブルを未然に防ぎ、生産ラインの停止リスクを最小化することにあります。また、省エネ設備の導入や老朽設備の更新プロジェクトを主導するケースも多く、経営資源の最適化に資するポジションとしての重要性が増しています。

特に近年は、脱炭素化やGXの潮流を背景に、化学メーカー各社がエネルギー効率化や環境対応を重視した生産体制へと転換を進めています。これにより、エネルギーマネジメントや排出量削減、ZEB対応の工場・設備の構築といった分野に強みをもつ設備管理経験者への需要が急増しています。

環境規制対応や脱炭素化など、社会的課題の解決に寄与する戦略的な設備投資を推進できる点が魅力であり、企業の競争力強化に貢献できるやりがいがあります。

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食品・製薬

食品業界や製薬業界の製造現場では、製品の品質と安全性を担保する極めて高度な衛生管理や設備が求められます。設備管理は、生産設備の安定稼働に加え、厳格な製造・品質管理基準を遵守するためのクリーンルームや空調設備、超純水製造装置などの特殊なユーティリティ設備の適切な管理を担います。

特に製薬メーカーでは、GMP(適正製造基準)に準拠した設備管理が求められるため、バリデーション(適格性評価)や逸脱対応など、法規制にのっとった管理体制を構築した経験をもつ方は、高い評価を受けるでしょう。一方、食品業界では、HACCP対応や異物混入防止対策など、消費者安全を支える経験が重視されます。

近年は、生産効率の向上とコスト削減を目的とした「自動化・ロボット化」も進展しており、PLC制御やIoTを用いた稼働データ管理の経験をもつ設備管理者は多くの企業で求められています。加えて、カーボンニュートラルや廃棄物削減など、環境配慮型の生産体制構築を支えるエネルギー管理の知見をもつ設備管理経験者も重宝されています。

製品の品質と安全を直接支える領域であり、人々の健康と生活に貢献するやりがいを感じられる転職先候補です。

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自動車・機械

自動車や産業機械の設備管理は、24時間体制で稼働する生産ラインの停止時間を限りなくゼロに近づけ、生産性を最大化する役割を担います。高い生産性を維持するには、定期点検だけでなく、異常検知やトラブル未然防止を目的としたデータドリブンな保全力が必須となります。

特に、自動車メーカーやTier1サプライヤーでは、EV化や自動運転技術の進展を受け、機械や電子、ソフトウェアが複合するスマートファクトリー化が加速しています。このような技術の進展にともない、IoTデバイスやMES(製造実行システム)を活用した設備管理の知見を有する経験者は特に高い需要を得ています。

また、製造装置の一新を図る企業では、設備更新やライン再構築プロジェクトを主導した経験が求められることもあります。加えて、国内外の生産拠点統合やBCP対策の観点から、複数工場を横断的に管理できるリーダー層の採用に積極的な姿勢を示す企業も増加傾向にあります。

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半導体・電池・電子部品

半導体・電子部品業界では、設備稼働の安定が製品品質にも大きく影響します。そのため、設備管理には、高度な知識や経験が求められる傾向にあります。特に、半導体製造装置や二次電池の製造ラインでは、ナノレベルの精度管理が求められるため、微細加工装置やリソグラフィー装置などの設備保全を担当した経歴をもつ経験者は即戦力として高く評価されます。

さらに、脱炭素化やエネルギー効率化の観点から、再生可能エネルギーや蓄電技術と連携した生産システムの構築が進んでいます。電力や熱エネルギーの最適制御を担うエネルギーマネジメントスキルや、BIM・3D CADを活用した設備レイアウト設計の経験がある方は、開発段階から製造プロセス全体を支える存在として重宝されるでしょう。加えて、外資系半導体メーカーや電池セル開発企業では、グローバル基準の安全管理や品質保証体制への理解が求められるため、英語を用いた仕様書の読解スキルも評価対象になります。

半導体・電子部品業界における設備管理職は、技術と経営の両面で価値を発揮できる領域であり、志向に応じたキャリア形成を目指せます。

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設備管理の最新転職・求人情報

設備管理の最新の求人動向を分析すると、「脱炭素化」「省エネルギー」「DX」をキーワードとした求人が目立ちます。かつては、設備の保全・修繕・点検を中心とした設備の安定運用を担う求人が主流でした。しかし近年は、環境負荷低減や生産効率の最適化など企業の戦略的な設備投資に直結する業務を担うポジションが増加しています。

ここからは、設備管理の最新求人・転職情報を紹介します。

沢井製薬株式会社:設備管理

日本ゼオン株式会社:設備管理部_DCSエンジニア

上場機械部品メーカー:保全メンテナンス(工場インフラ設備/製造ライン設備)

製造業企業:設備管理

大手総合化学メーカーエンジニアリング会社:設備管理エンジニア(機械系/電気系)

大手産業ガス会社:海外工場の設備技術管理および操業管理

ミネベアミツミ株式会社:工場設備管理者

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年12月最新)

なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含めて設備管理に関する求人のご紹介を希望される方は、ぜひJACにご登録ください。
転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性や希望に沿う求人を紹介します。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

未経験から設備管理への転職は難しいのか

未経験から設備管理への転職は難易度が高いです。設備管理は、製造現場の安定稼働を支える極めて重要なポジションであり、ひとたび生産設備が停止すれば即座に売り上げの損失が発生します。そのため、企業は一定の知識を有する経験者を求める傾向が強く、未経験からの転職ハードルは決して低くありません。

しかし、設備管理の職務は多岐にわたるため、周辺分野での経験を生かしたキャリアチェンジは十分に可能です。具体的には、施工管理やサービスエンジニア、生産技術、品質保証など、設備の設計・導入・稼働・検証に携わった経験は設備管理業務と親和性が高く、前職での経験が評価され採用に至るケースもあります。特に、電気や計装、ユーティリティ関連の知識をもつ方は、即戦力として優遇されることも少なくありません。

一方で、完全未経験から設備管理への転職を目指す場合、事前に基礎知識を習得し、実務経験を積むことが望ましいとされています。まずは、電気や機械、安全工学などの基礎知識を習得し、その後、保全概論やリスクアセスメント(KY活動)、ロックアウト・タグアウトといった安全に関する実務知識を身につけることが求められます。

加えて、工場や設備管理会社などで保全補助やメンテナンスサポートといった補助業務から経験を積み、徐々に業務範囲を広げつつ設備管理へのキャリアアップを目指します。未経験から設備管理への転職を目指す場合は、中長期的な視点で、段階的に知識と経験を積み重ねていくことを意識しましょう。

設備管理への転職で求められる経験・スキル・マインド・資格

ここでは、設備管理への転職で求められる次の経験・スキル・マインド・資格について解説します。

  • ●製造・工場・プラント関連設備の施工管理・保全・メンテナンス経験
  • ●OEE改善・リーダーシップ
  • ●現場主義・再現可能な仕組みに落とし込む姿勢
  • ●電気主任技術者やエネルギー管理士・危険物取扱者など

製造・工場・プラント関連設備の施工管理・保全・メンテナンス経験

設備管理への転職では、製造現場やプラント設備での施工管理、保全、メンテナンスなどの経験が重視されます。製造業や化学・素材、食品、医薬、エネルギー業界などでは、生産設備の安定稼働が事業の根幹を支えており、設備停止は売り上げ損失に直結します。そのため、ポンプや圧縮機、ボイラー、配管、電気盤といった設備機器の構造理解と、異常兆候を早期に検知して対策を講じるスキルが求められます。

JACが取り扱う求人では、「実務経験5年以上」と記載されているものが多く、「建築設備(空調・電気・給排水)」について幅広い知識が求められる場合も少なくありません。また、設備の安定稼働だけでなく、改善や更新までを視野に入れた運用・管理経験をもつ方は、戦略的な設備投資の一翼を担う存在として重宝されるでしょう。

OEE改善・リーダーシップ

近年、設備管理には単なる保全管理から一歩進み、生産性や稼働率を高めるための改善力が求められつつあります。その中心となる指標が「OEE(Overall Equipment Effectiveness:総合設備効率)」です。OEEとは、稼働率・性能効率・品質率の3つの観点から設備稼働の最適化を図る考え方であり、OEEを改善できるスキルをもつ方は、即戦力として高く評価されます。

例えば、設備トラブルの発生頻度を分析し、部品交換や稼働スケジュールを最適化するなど、データをもとに改善策を立案・実行した経験は強みとなります。

また、現場では保全担当やオペレーター、協力会社など複数の関係者を巻き込みながら改善を推進するリーダーシップ力も不可欠です。JACが取り扱う求人でも、マネジメント経験やプロジェクト推進経験をもつ転職希望者は、組織全体の生産性向上に寄与できるとして高い評価を受ける傾向にあります。

現場主義・再現可能な仕組みに落とし込む姿勢

設備管理には、現場課題を数値で把握し、改善策を再現可能な仕組みに落とし込む力が求められます。具体的には、故障対応やトラブル復旧など改善活動を通じて得られた知見やノウハウを、マニュアル化やデータ化などを通じて、誰が担当しても再現可能な仕組みに落とし込む手腕が問われます。

特に、多拠点展開を進める大手メーカーや外資系企業では、過去に標準プロセスを設計・実装し、現場間の品質や稼働基準を均質化した実績や経験が高く評価される傾向にあります。

しかし、どんなに優れた提案・仕組みであっても現場視点がともなっていなければ、再現性が低くなってしまいます。そのため、経営者側の視点だけではなく、現場側の視点も意識した現場主義の考えも設備管理に不可欠な素養といえます。

電気主任技術者やエネルギー管理士・危険物取扱者など

設備管理に応募する際に必須となる資格は、担当する設備の種類によって異なります。しかし、専門性を客観的に証明する際に、資格の保有が強みになることがあります。

特に「電気主任技術者」や「エネルギー管理士」は採用要件として明記されることもあり、採用選考で評価の対象になる場合もあります。電気主任技術者は、工場やビル施設における電気設備の保安監督を行う法的責任者であり、資格保有者が社内にいなければ外部委託を余儀なくされるため、採用ニーズは常に高い状態が続いています。

一方、エネルギー管理士は、省エネや脱炭素経営に資する知見をもつことの証明となり、近年は製造業のみならずオフィスビルや物流施設でも需要が高まっています。また、「危険物取扱者」「ボイラー技士」「冷凍機械責任者」なども、設備の種類や業界によっては評価の対象となります。

加えて、外資系企業やグローバルに事業を展開する企業では、英語で記載されたマニュアルや指示書の読み解きが求められるケースも少なくありません。資格と併せて語学力を磨くことで、キャリアの幅を広げられるでしょう。

設備管理へ転職した場合の年収相場

JACが取り扱う設備管理求人の平均年収は718.7万円であり、高水準に位置しています。

年齢層別に見ると20代後半で551.3万円、30代前半で672.9万円、30代後半では712.8万円と上昇し、40代前半で766.1万円、40代後半では818.8万円に達します。各年代の平均年収を見ると、年齢を重ねるにつれて保全計画の策定やマネジメントなど、より責任の大きい業務を担当し、それに応じて報酬が上がっていることがわかります。

年代平均年収
20代後半551.3万円
30代前半672.9万円
30代後半712.8万円
40代前半766.1万円
40代後半818.8万円
50代以上784.9万円

役職別に見ると、メンバークラスの平均年収が684.9万円、管理職クラスでは810.7万円と大きな差があります。管理職になると、設備投資計画の策定や複数拠点を統括する業務など、経営的な視点での判断が必要になります。そのため、戦略的な設備投資を担う責任の重さが報酬アップに反映されています。

また、外資系企業の平均年収は839.1万円と、日系企業の701.7万円を大きく上回ります。外資系企業では、省エネや脱炭素対応、グローバル拠点の設備最適化などにおいて国際的な環境基準に基づいた専門知識が求められるほか、ビジネス英語が求められるポジションが多いことから、日系企業よりも高い報酬額が提示されると考えられます。

役職平均年収
メンバークラス684.9万円
管理職810.7万円
平均年収
日系企業701.7万円
外資系企業839.1万円

※当社実績(2023年1月~2025年9月、想定年収)

設備管理の転職事例

ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用し、設備管理への転職を成功させた事例をご紹介します。

グローバル流通企業の設備管理部門の管理職へキャリアチェンジ

Mさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前鉄鋼業技術開発1,250万円
転職後流通・小売業管理職(設備保全・管理)1,350万円

Mさんは、長年にわたり鉄鋼メーカーの技術部門におけるプロジェクトリーダーとして、新製品開発や改善活動のマネジメントに携わってきました。これまでの経験を経て、技術開発とマネジメント経験を生かし、新たな環境でより大きな挑戦をしたいという思いが芽生え、転職活動を開始しました。

JACのコンサルタントは、Mさんの強みを「現場起点の課題解決力」と「多職種を巻き込む調整力」にあると考え、流通・小売業の自動化拠点で設備保全・管理を担う管理職ポジションを提案しました。

転職後のMさんは、大手流通・小売企業のフルフィルメントセンターにて、担当拠点の安全管理、設備の維持管理・能力向上に加え、チームメンバーの育成や業務の標準化など、設備管理の責任者として活躍しています。今回の転職でMさんは、専門性とマネジメント経験の双方を発揮できる環境を手にすることができました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

設備管理部門のファシリティマネジメントエンジニアへ転職

Zさん(40代前半/男性)

業種職種年収
転職前再生可能エネルギー開発企業プラントエンジニア(建設・保全)800万円
転職後総合エネルギー企業ファシリティマネジメントエンジニア1,300万円

Zさんは、長年にわたり大手重工業メーカーや大手エンジニアリング企業にて、発電プラントや石油化学系プラントの搬送設備の見積もり、設計、据付、試運転を一貫して担当してきました。

直近では、再生可能エネルギー開発企業にてバイオマス発電所の開発から運転・保全管理までを経験し、現場駐在を通じて技術的な業務と関係各社との調整業務を両輪で担うなど、プラントライフサイクル全般に関する経験を培ってきました。多様な功績を残したZさんでしたが、経営基盤の安定した環境で自分の専門性をより深めたいと考え、転職を決意しました。

JACのコンサルタントは、運転管理から保全計画立案までを一気通貫で担えるZさんの稀有な経験を評価し、総合エネルギー企業のファシリティマネジメントエンジニア職を提案しました。

転職後のZさんは、O&M管理や設備診断、工事計画、関連事業者との協議・対応に至るまで、幅広い業務を推進しています。この事例は、一貫したプラントエンジニアリングの専門性が、長期的なエネルギー戦略を推進する大手企業の設備管理の重要なポジションとして評価された好例といえるでしょう。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

精密機器メーカーの設備管理エンジニアへ転職

Cさん(40代後半/男性)

業種職種年収
転職前精密機器メーカーファシリティエンジニア700万円
転職後精密機器メーカー設備管理エンジニア800万円

Cさんは、建設コンサルタントとしてキャリアをスタートした後、大手精密機器メーカーの生産ラインリーダーとしてQC活動やTPM活動を推進し、社内表彰を複数回受賞するなど、高い現場改善能力を発揮してきました。

その後は、ファシリティエンジニアとして更新工事の計画や工事監理、業者折衝など多岐にわたる業務に従事してきました。これまでの経験を経てCさんは、腰を据えて自身の専門性を磨きたいと考え、転職活動を開始しました。

JACのコンサルタントは、Cさんの長年にわたるクリーンルーム関連の設備導入・維持管理経験と複数の専門資格、そして海外を含むマネジメント経験に着目し、グローバル精密機器メーカーのクリーンルーム維持管理のポジションを提案しました。

転職後のCさんは、クリーンルーム向け空調機設備と排水処理施設の維持管理を外部業者と連携して推進し、省エネなどの環境対応、トラブル対応、そして将来に向けた改善や新たなスキーム構築を主導しています。今回の転職によってCさんは、大幅な年収アップと中長期的な設備戦略にも関与できるキャリアを実現することができました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

設備管理へ転職後のキャリアパス

本章では、設備管理への転職後に考えられる次の3つのキャリアパスについて解説します。

  • ●現場統括や工場FM・全社設備戦略ポジションへの昇進
  • ●計装・電力・空調・水処理など専門領域に特化
  • ●生産移管・品質保証・EHSマネジメントなど周辺領域へ展開

現場統括や工場FM・全社設備戦略ポジションへの昇進

設備管理職として経験を積んだ後のキャリアパスとして、工場や事業所全体の設備戦略を統括するポジションが視野に入ります。特に近年は、製造ラインの高効率化、エネルギー消費削減、BCP(事業継続計画)への対応が経営課題と直結しており、設備管理部門が全社戦略の中核を担うケースが増えています。工場FM(ファシリティマネジメント)や全社設備戦略部門では、単なるメンテナンス管理を超え、サプライチェーン全体の稼働最適化や新拠点の立ち上げ支援、IoTを活用した稼働データの統合管理など、より上流の経営視点が求められます。

JACが取り扱う求人でも、新工場や新施設の立ち上げにともなう設備管理体制の構築を目的とした採用ニーズが増加傾向にあり、製造業やエネルギー業界を中心に保全部長や工場長クラスへと昇進するキャリアパスが確立しています。

計装・電力・空調・水処理など専門領域に特化

マネジメントの道に進むのではなく、特定の専門領域を極めるキャリアパスも存在します。例えば、計装制御の分野では、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)やセンサー技術を学び、設備の精密制御やトラブル解析を専門とする道があります。また、電力設備分野では、電気主任技術者やエネルギー管理士の資格を生かして、高圧受電設備の保守やエネルギーマネジメント業務に携わり、省エネ推進に貢献できます。さらに、空調や給排水分野では、ZEBやZEHへの対応や環境負荷の低減などの知識を用い、効率的かつ快適な設備運用の専門家としてキャリアを形成できます。

専門性を磨くことで、プロジェクトマネジャーや技術コンサルタントへの転身も視野に入るほか、設備設計や新工場の立ち上げ支援など、より専門性を生かした多様なキャリアに発展できる点も魅力です。

生産移管・品質保証・EHSマネジメントなど周辺領域へ展開

設備管理で培った知見やスキルは、生産技術や品質保証、EHSなど、周辺領域にキャリアを展開する際にも重宝します。例えば、生産移管や新工場の立ち上げに携わる場合、設備管理時代に習得した設備設計やユーティリティ構築の知見が重宝され、プロジェクトを主導する立場に抜擢されることもあります。品質保証領域では、品質課題の原因を特定する際に設備管理で培った知見やスキルが役立ち、より実務的な改善策を立案できる点が強みとなります。

設備管理としての実績を基盤に、横断的にキャリアを展開することで、将来的なキャリアの選択肢もさらに広がるでしょう。

設備管理への転職なら、JAC Recruitment

設備管理は、製造業や建設、不動産、エネルギー、医薬、消費財など多様な業界で必要とされる専門職であり、単なる保全担当にとどまらず、企業の経営基盤を支える重要なポジションとして注目されています。近年は、老朽化設備の更新、省エネ化、スマートファクトリー化、BCP対応など、設備を取り巻く課題は高度化・複雑化しており、企業が求める人物像も多様化しています。そのため、設備管理への転職を成功させるには、業界・企業ごとの課題と求められるスキルセットを正確に把握したうえで、自身の経験をどう生かせるかを整理することが不可欠です。

その点、JACは、製造業をはじめとする技術系専門職の転職支援において豊富な実績を有しており、各企業の採用背景や組織課題を深く理解したコンサルタントが在籍しています。そのため、エネルギー管理士や電気主任技術者などの資格保有者のキャリアアップはもちろん、施工管理や保全、生産技術など隣接領域から設備管理への転職を希望される方にも、最適なキャリアをご提案できます。

また、JACは国内メーカーのみならず、外資系企業やグローバルに事業を展開する企業ともネットワークを築いており、省エネや脱炭素、GX対応といった国際基準の知見が求められるポジションの紹介も可能です。英語力やプロジェクトマネジメント経験を生かして海外拠点の設備戦略を担いたいと考える方も、希望に即したキャリア提案を受けられるでしょう。

設備管理への転職をご検討中の方は、ぜひJACにご相談ください。

  • メーカー転職情報

    メーカーの転職市場においても、JAC Recruitmentは多くの方々の転職を成功させてきました。JACは業界専任制のコンサルティングを行っているため、高い専門性や業界の知識を豊富に蓄積しており、また市場動向についても… 続きを読む メーカー転職情報

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。