「ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の資格を活かして転職を検討したい」という方もいるのではないでしょうか。
FPの資格を活かして自分に合った転職先を探せるように、FPの資格が活かせる最新転職・求人情報やFPの資格が活かせる主な転職先と仕事内容を、解説します。
FPが活かせる最新転職・求人情報
ここでは、FPの資格が活かせる最新の転職・求人情報を紹介します。
本章でご紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部ですが、どのような求人があるのかぜひチェックしてみてください。
● なないろ生命保険株式会社:新契約引受査定
● 三菱UFJ信託銀行株式会社:富裕層向け営業
● 株式会社三菱UFJ銀行:ウェルスアドバイザー/シニアウェルスアドバイザー
● 株式会社埼玉りそな銀行:信託商品に関する推進企画及び業務管理
● 株式会社格付投資情報センター:ファンドアナリスト(投資信託)
● 国内生命保険会社:社内SE
● スターホーム株式会社:投資用不動産営業(事業開発責任者候補)
● ハウスメーカー:事業用地・収益物件仕入
● 非公開:総合職
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年11月時点)
FPが活かせる主な転職先と仕事内容
下記は、FPの資格が活かせる主な転職先と仕事内容例です。
● 保険業界の営業・コンサルタント系職種
● 金融業界の営業・コンサルタント系職種
● 保険・金融業界のマーケティング・システム開発系職種
● 不動産業界の営業・コンサルタント系職種
● 業界問わず人事・総務系職種
● 独立系FP
● 税理士・公認会計士事務所
本章では、上記7種を例にFPの資格が活かせる転職先と仕事内容について解説します。
保険業界の営業・コンサルタント系職種
FPの資格が活かせる主な転職先として、保険業界の営業職やコンサルティング職が挙げられます。営業職は、個人や法人顧客に対し、保険商品を提案・販売するほか、販路拡大や販売戦略の立案などを行います。
コンサルティング職は、顧客のライフステージや事業戦略に応じたリスク管理や資産形成のアドバイス、運用提案などを行います。
これらの職種では、FPの資格勉強の過程で得た知識を活かし、顧客やクライアント企業の人生(事業)設計に基づいた最適な商品提案やアドバイスができるでしょう。

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金融業界の営業・コンサルタント系職種
銀行や証券会社、資産運用会社などの金融企業の営業職やコンサルティング職もFPの資格が活かせる転職先の1つです。
コンサルティング職は、主に顧客へのヒアリングを通じて、保有資産の状況やニーズ、抱えている課題を把握し、資産承継や事業承継、資産運用、資金調達、保有資産の組み換えなどの提案を行います。また、営業職では顧客のニーズを満たしたり、課題を解決に導いたりする金融商品の販売を行います。
提案やアドバイスにおいては、FPの資格取得の過程で学んだ資産運用や年金、税金などの幅広い知識を活かせるでしょう。ょう。

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保険・金融業界のマーケティング・システム開発系職種
FPの資格は、保険会社や金融機関などのマーケティング部門やIT部門などでも活かされる場合があります。
マーケティング職は、主に市場調査を基にしたマーケティング施策の企画や保険・金融商品の販売促進戦略の立案などを、システム開発では、商品情報や顧客ニーズを反映したアプリやウェブシステムの構築などを担います。
FPの資格を保有していることで保険や金融商品の特性を理解した上で、ターゲット層に合ったマーケティング戦略を立案できるでしょう。また、保険・金融商品の仕組みを理解していると、システム設計の際にユーザー視点や金融商品の特性を汲んだ設計ができるでしょう。
不動産業界の営業・コンサルタント系職種
FPの資格を保有していると、不動産業界の営業・コンサルタント系職種の求人で歓迎されるケースもあります。具体的な業務は、住宅購入希望者に対する不動産仲介や資金計画の提案などが挙げられます。ほかにも不動産収益の分析や資産管理サポートを担う場合もあります。
FPの資格取得を通じて得た知識を活かして、不動産購入や投資に関連する税金・ローン・資金計画に関するアドバイスや、顧客のライフプランに合わせた住宅や投資用不動産の提案ができるようになるでしょう。
業界問わず人事・総務系職種
FPの資格が活かせる主な転職先には、人事・総務系職も挙げられます。
FPの資格を取得するためには、社会保険や税制、年金などの仕組みを理解しなければなりません。人事・総務系職の業務においては、給与計算や社会保険手続き、退職金制度の設計などにおいて、これらの知識が活かされることもあるでしょう。

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人事コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
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独立系FP
FPの資格を保有していれば、独立したFPとして事業を展開することも可能です。
具体的には、個人顧客や法人に対する総合的な資産管理の相談などの業務が挙げられます。中には、セミナーの開催や執筆活動も行う独立系FPもいます。
中立的な立場で保険や投資、不動産、税金、相続など多岐にわたるマネープラン・ライフプランに関するアドバイスを提供したり、最適な選択肢を提示できたりするでしょう。
税理士・公認会計士事務所
税理士事務所や公認会計士事務所で税理士や公認会計士として活躍したり、スタッフとして税理士や公認会計士の補助にあたったりする仕事にも携われることがあります。具体的な業務としては、相続税や所得税の申告支援、財務アドバイス、節税プランの作成などが挙げられます。
税金や相続の知識を活かし、個人顧客や中小企業の資産管理や節税対策に関する提案をしたり、財務の観点からライフプランのアドバイスを提供したりすることもあります。

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会計コンサルタントの転職事情|仕事内容や年収、転職動向を解説
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FPは何級から転職に有利に働くのか
業界や仕事内容にもよりますが、FPの資格は2級以上を保有していると転職活動で歓迎されたり、優遇を受けられたりすることもあります。
銀行や保険会社では、業務に精通した知識を身につけるためにFP2級以上の合格を推奨しているケースが多いからです。そのため、2級を保有していると、転職の際にも金融資産運用設計や不動産運用設計などの6分野に関する専門知識を有しているとみなされるでしょう。
そのため、転職活動を見据えてFPの資格取得を考えている方は、2級以上の合格を目指しましょう。
ただし、金融業界の営業・コンサルタント系職種の求人では、1級合格が募集要項の必須条件に含まれているケースもあります。一方で、必須要件ではなく歓迎要件としてFPの資格が記載されている求人もあり、FPの資格を保有していると、実務未経験でも挑戦できる場合もあります。
JACでFP資格を保有する方の転職後の平均年収は約825万円
国税庁が発表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の民間給与所得者の平均年収は478万円で、正社員に限ると545万円です。
一方、JACが転職サポートを行った事例をみると、FPの資格を活かせる求人に応募し、転職に至った後の平均年収は約825万円で、国内平均を大きく上回っています。
FP資格を活かした転職は、年収向上につながる可能性が高いといえます。
また、業界や職種によっても、転職後の年収は異なります。ここからは、年代別や業種・職種別に、さらに詳しく見ていきましょう。出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
年代別の平均年収
FPの資格を活かして転職した方の平均年収を年代別にみると、以下のようになっています。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代前半 | 582.1万円 |
| 20代後半 | 661.3万円 |
| 30代前半 | 755.4万円 |
| 30代後半 | 818.9万円 |
| 40代前半 | 857.4万円 |
| 40代後半 | 999.4万円 |
| 50代前半 | 881.8万円 |
| 50代後半 | 1,029.5万円 |
| 60代 | 780.4万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
FP資格を活かして転職した方の平均年収は、年代が上がるにつれて着実に上昇しています。
20代前半で約582万円、30代後半では約819万円、40代後半にはほぼ1,000万円に達し、50代後半では約1,030万円と高水準です。60代ではやや減少するものの、それでも780万円以上を維持しています。
FP資格は、年代が進むにつれて年収向上に寄与する傾向が見られ、長期的なキャリア形成に有効な資格といえます。[AN1]
業種・職種別の平均年収
業種別にみたFP資格保有者の転職後の平均年収は以下のとおりです。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| EMC | 767.1万円 |
| IT・通信 | 849.7万円 |
| WEB | 753.2万円 |
| コンサルティング・シンクタンク・事務所 | 795.5万円 |
| サービス | 757.4万円 |
| その他 | 678.8万円 |
| マスコミ | 634.2万円 |
| メディカル・バイオ | 802.4万円 |
| 医療・介護・福祉 | 1,055.8万円 |
| 金融 | 888.6万円 |
| 建設・不動産 | 887万円 |
| 商社 | 748万円 |
| 消費財 | 779.5万円 |
| 流通 | 819.2万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
FP資格を活かした転職では、業種によって年収に大きな差が見られます。
最も高いのは「医療・介護・福祉」で1,055万円超、次いで「金融」「建設・不動産」が約890万円と高水準です。「IT・通信」も約850万円と安定した収入が期待できます。
一方、「マスコミ」や「その他」は600万円台とやや低めです。そのため、業種の選択によって年収に大きな差が生じるため、FP資格をどの業界で活かすかを見極めることが重要です。
職種別では以下のようになっています。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| IT | 950万円 |
| WEB・アプリ・ゲーム | 805.2万円 |
| クリエイティブ(広告・デザイン・放送関連) | 608.8万円 |
| コンサルティング・アドバイザリー | 934.1万円 |
| その他 | 607.5万円 |
| マーケティング・商品開発 | 649.1万円 |
| メディカル・バイオ | 688.3万円 |
| 営業 | 756.8万円 |
| 技術系 | 709.4万円 |
| 金融 | 892.3万円 |
| 経営・事業企画 | 963.9万円 |
| 経理・財務 | 850.5万円 |
| 建築系 | 745.4万円 |
| 購買・物流・生産管理 | 732.5万円 |
| 人事・労務 | 777.8万円 |
| 総務・広報 | 754.8万円 |
| 土木系 | 692万円 |
| 内部統制・監査 | 826.8万円 |
| 秘書・アシスタント・事務・顧客対応 | 419.4万円 |
| 法務・知財 | 1,065.4万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年10月分データ)より
FP資格を活かして転職した場合、職種によっても年収に大きな違いがあることがわかります。
最も高いのは「法務・知財」で1,065万円超、次いで「IT」「コンサルティング・アドバイザリー」「経営・事業企画」が900万円以上と高水準です。
一方、「秘書・アシスタント・事務・顧客対応」などの職種は400万円台とやや低めです。専門性や戦略性が求められる職種、特に財務関連では年収が高くなる傾向があります。転職に向けてFPの資格を取得しようか迷っている方やFPの資格を活かして転職したいと考えている方は、参考にしてみてください。
FP資格を保有する方の転職事例
FPの資格を保有する方が、JACのサポートによって転職を成功させた方の事例を3つご紹介します。
事例① M&Aコンサルから大手証券会社の資産コンサルタントへ転職した事例
Wさん(男性/30代前半):FP2級保有
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | コンサルティングサービス | M&Aコンサルタント | 400万円 |
| 転職後 | 金融 – 証券 | 資産コンサルタント | 700万円 |
Wさんは日系証券会社で法人営業を経験後、M&A仲介業務に従事していた方です。中小企業オーナーへの提案力と金融知識を活かし、顧客の課題解決に取り組んできました。営業としての行動力と人懐っこさが強みで、顧客の本音を引き出す力に定評があります。より安定した環境で専門性を高めたいとの希望から、当社にご相談いただきました。
当社がWさんにご紹介したのは、証券会社の資産コンサルタント職です。金融商品提案に加え、相続・事業承継などのソリューション提案力も求められるポジションですが、Wさんの経験と人間力が評価され、採用が決定。年収が300万円増加した成功事例です。
事例② 証券会社の営業から資産運用会社の企画職へキャリアチェンジした事例
Vさん(男性/40代前半):FP2級保有
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 金融 – 証券 | リテール営業 | 1,100万円 |
| 転職後 | 金融 – 証券 | 営業推進・企画 | 1,250万円 |
Vさんは証券会社で10年以上にわたり富裕層や法人顧客への営業を経験後、本社での商品企画・営業推進業務を行っておられました。データ分析から事業計画の立案まで幅広く対応し、直近では営業店の課長としてマネジメントも担当されていた方です。
企画職への挑戦を希望されていたため、当社から、資産運用会社の投資信託企画部をご紹介しました。公募投資信託のプランニングや市場調査、契約業務などを担うポジションです。Vさんの豊富な経験と分析力が評価され、年収アップでの採用が決定しました。
事例③ 不動産投資業界から地域ファンドの責任者へキャリア転換した事例
Xさん(男性/50代後半):CFP保有
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 金融 – 不動産投資 | プランニングディレクター | 1,200万円 |
| 転職後 | 金融 – プライベートエクィティ | 地域ファンドGP責任者 | 1,350万円 |
Xさんはクレジットカード業界からキャリアをスタートし、投資信託の運用会社や銀行で法人融資・投資家営業・マネジメントを経験。不動産業界への挑戦を経て、再び金融の本流へ戻る形で当社にご相談いただきました。
ご紹介したのは、地域企業の再生支援を担うファンド運営会社の責任者という、投融資先のモニタリングや再生計画策定など、地域密着型の支援をする役割を担うポジションです。Xさんの豊富な金融経験と柔和な人柄が高い評価につながりました。
これからFPの資格を取得するには?
FPの資格には、次の3つの種類があります。
● FP技能士
● AFP資格
● CFP®資格
FP技能士は、国家検定「ファイナンシャル・プランニング技能検定」に合格することで取得できます。この検定は「日本FP協会」または「きんざい(金融財政事情研究会)」が実施しており、1級〜3級までの等級があります。学科試験と実技試験の両方に合格することで、FP技能士として認定されます。
【FP技能検定 各等級の受験資格】
| 等級 | 受験資格 |
| 3級 | なし |
| 2級 | ●日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者 ●3級FP技能検定に合格した者●FP業務に関して2年以上の実務経験を有する者 ●厚生労働省認定の金融渉外技能審査3級に合格した者 |
| 1級 | 【学科試験】 ・FP業務に関して5年以上の実務経験を有する者 ・FP2級技能検定に合格しており、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 ・厚生労働省認定の金融渉外技能審査2級に合格した者かつ1年以上の実務経験を有する者 【実技試験】 ・FP1級学科試験に合格した者 ・CFP®認定者またはCFP®資格審査試験に合格したが認定されていない者 ・きんざいが実施する「FP養成コース」修了者かつFP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 |
AFP資格は、インタビュー技術や提案書作成、プラン実行支援などのスキルを有していることを対外的に証明できる資格です。
下記2つの要件を満たし、かつ日本FP協会に登録することで資格が付与されます。
● AFP認定研修の受講修了
● 2級FP技能検定合格
資格取得後は、2年ごとに資格更新が必要です。資格更新の際は、所定の継続教育が義務付けられています。
CFP®資格は、「教育(Education)、試験(Examination)、経験(Experience)、倫理(Ethics)」の4つの要素と、ファイナンシャル・プランニング・プロセスの6ステップに基づいた、世界25カ国や地域(2024年2月現在)で認められている国際的なファイナンシャル・プランニング資格です。
CFP®の認定を受けるためには、下記4つの要件を満たす必要があります。
● AFP認定者もしくは所定の大学院での単位取得者
● CFP®資格審査試験に合格
● CFP®エントリー研修の受講・修了
● 一定の実務経験
AFP資格と同様、2年ごとに資格更新が必要であり、資格更新の際は、所定の継続教育が義務付けられています。
参考:「FPの資格と検定の種類」(日本FP協会)
参考:「AFP資格とは?」(日本FP協会)
参考:「CFP®資格とは?」(日本FP協会)
参考:「FP技能検定 受検資格」(一般社団法人 金融財政事情研究会)
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