近年、金融業界はデジタル化や規制緩和を背景に、異業種からの人材登用が活発化しています。特にIT・営業・コンサルティングなどの経験を持つ人材は、未経験でも即戦力として期待されるケースも少なくありません。
本記事では、金融業界の転職市場動向や主な業種・職種などをJAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。
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金融業界の転職市場動向
本章では、金融業界の転職市場動向について、次の2つの観点から解説します。
- ●金融DXやFinTechがもたらす変革により、異業界からのキャリアチェンジも活発
- ●IT・デジタル関連職種や専門性の高い職種における採用ニーズが強い
金融DXやFinTechがもたらす変革により、異業界からのキャリアチェンジも活発
金融業界では「金融DX」と呼ばれるデジタル化の波が急速に進んでおり、AIやブロックチェーン、クラウドといった先端技術の導入により、業務効率化にとどまらず、これまでにない革新的なビジネスモデルを生み出そうとする動きが加速しています。例えば、クラウドインフラを活用したシステム構築や、IoTデバイスから得られるデータを活用した新しい保険商品の開発など、デジタルを前提としたサービス設計が広がりを見せています。
金融DXがもたらす変革は、FinTech企業との連携や異業種との協業を加速させる契機にもなっており、その影響は、金融業界の採用市場にも反映されています。
金融業界が直面する課題は多様化・複雑化しており、テクノロジー、サステナビリティ、市場変化への迅速な適応といった新しい視点が強く求められるようになりました。このような潮流もあり、近年では、異業界で活躍してきた専門家がもつ既成概念にとらわれない価値観や新しい発想が高く評価される土壌が生まれており、金融業界以外の出身者が採用される事例も増えつつあります。
金融業界の未来を創造する担い手として、異業界出身者に対する期待は高まっており、未経験からのキャリアチェンジを目指す方にとっても転職に踏み切る好機を迎えています。
IT・デジタル関連職種や専門性の高い職種における採用ニーズが強い
金融業界のDX推進は、IT・デジタル系の職種や特定分野における専門スキルを有するビジネスパーソンへのニーズを急速に高めています。従来は運用や営業などの職域が中心だった金融機関ですが、今ではシステム開発やクラウド設計、データエンジニアリング、サイバーセキュリティなど、テクノロジーを軸とした業務の比重が増しています。そのため、テクノロジーと親和性の高いスキルを有する場合、高い評価を受けることもあります。また、金融市場の複雑化や世界的に強化される規制の動向は、リスク管理や内部統制の重要性をいっそう高めており、各分野を担う監査やコンプライアンスの専門家に対する採用ニーズも旺盛です。
さらに、金融サービスが単なる商品販売から、顧客の課題を解決するコンサルティングへの移行の一端として、富裕層向けの資産運用ニーズが拡大している背景から、ウェルスマネジメント領域における採用も活発です。また、資産コンサルティングや信託設計の経験者には好機が広がっています。
採用動向が大きく変化している金融業界への転職を成功させるには、異業界出身者ならではの強みや経験を生かせる領域・ポジションを見極め、自身の能力を適切にアピールすることが重要です。
未経験から金融業界へ転職する魅力
本章では、未経験から金融業界へ転職する次の3つの魅力について解説します。
- ●高水準の年収とキャリアアップの機会
- ●資金供給を通じた経済の根幹を支える社会貢献性
- ●リスク管理と社会安定への寄与
高水準の年収とキャリアアップの機会
金融業界は、一つひとつの業務が社会の経済活動の根幹を支える高い専門性と重い責任をともなうことから、全体として高い給与水準にあります。
また、個人の成果や専門性が評価や報酬に直結しやすい風土が根付いている企業も多く存在します。特に大手銀行や証券会社、外資系金融機関などでは、年齢や経歴にかかわらず、努力と実績次第でスピーディーなキャリアアップや大幅な年収増加を実現できる場合もあります。
さらに、業務の専門性が高く、職種ごとのスキルが明確であるため、キャリアパスが描きやすい点も未経験から金融業界へ転職する魅力の一つといえます。未経験からのスタートであっても、OJTや資格取得支援制度を活用することで段階的に専門性を高められる環境があり、実績を重ねることで管理職や企画部門などへのキャリアアップの道も開かれます。
こうした高い報酬水準と成長機会の豊富さは、他業界から金融業界へのキャリアチェンジを考える方にとって、大きな後押しとなるでしょう。常に新しい知識を学び、自身の市場価値を高め続けたいと考える向上心の高い方にとって、挑戦しがいのある領域といえます。
資金供給を通じた経済の根幹を支える社会貢献性
金融業界が担う社会的使命の一つとして、個人や企業、さらには公共部門に対する資金供給が挙げられます。例えば、企業の新規事業立ち上げに必要な資金を融資や社債発行で支援することは、雇用創出や地域経済の活性化に寄与します。このように、金融業界では、自身の業務が社会全体に影響を与えている実感を得やすく、社会的意義の高い仕事に携わることに誇りをもつことができます。
未経験から金融業界への転職を考える方にとっては、稼ぐことだけでなく社会貢献という視点でキャリアを捉え直す契機にもなり、キャリアに対する考え方が広がったり、新たな価値観に気づけたりすることもあります。
リスク管理と社会安定への寄与
金融業界に身を置くことは、人々をさまざまなリスクから守り、社会全体の安定に貢献するという、公共性の高い使命を担うことでもあります。近年、経済のグローバル化や市場の複雑化などを背景に、信用リスク、為替リスク、金利リスクなど従来のリスクに加えて、サイバーセキュリティやESG関連リスク、地政学的リスクなど、リスクが多様化・高度化しています。
社会インフラを支える役割に関心がある方にとって、金融業界は自身の適性と社会的意義の両方を満たせる魅力的な領域といえます。
金融業界の主な業種と主要企業
下記は、金融業界の主な業種です。
- ●メガバンク・都市銀行
- ●証券会社・投資銀行
- ●保険会社
- ●クレジットカード
- ●アセットマネジメント
- ●FinTech
- ●不動産金融
本章では上記7種の業種・業態について解説するとともに、主要企業も併せて紹介します。
メガバンク・都市銀行
メガバンク・都市銀行は、日本の金融業界の中核を担う存在であり、全国規模で法人・個人双方に対して総合的な金融サービスを提供します。代表的な企業には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行などがあり、それぞれ国内外に広範なネットワークをもちます。主な業務は、預金・融資・為替をはじめとする伝統的な銀行業務に加え、法人向けの資金調達支援や海外進出支援、デジタル化を推進する金融ソリューション提供など多岐にわたります。
メガバンクは、業務の専門性とスケールの大きさが特徴。特に法人融資やプロジェクトファイナンスなどで、高度な分析力と業界知識が求められます。未経験からの転職であっても、論理的思考力や顧客対応力を基礎に、営業企画や法人RM補助などからキャリアをスタートする事例もあります。

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証券会社・投資銀行
証券会社・投資銀行は、企業の株式や債券の発行を支援する引受業務や、投資家のための売買を仲介する委託売買業務などを通じて、資金調達や資産運用の支援を行う組織です。主な企業としては、大和証券、野村證券、SMBC日興証券、ゴールドマン・サックス証券などがあり、それぞれリテール業務からM&Aアドバイザリー、株式・債券の引受業務まで幅広い領域を担います。
証券会社は個人・法人を問わず証券取引の仲介や提案を行い、投資銀行は特に法人向けのファイナンス支援に特化した業務を展開する傾向があります。高度な金融知識と分析力が求められる一方、近年は親和性の高いリテール営業職などをはじめとする職種からのキャリアチェンジも活発化しています。
ほかの業態と比較して成果主義が浸透しており、努力と実績次第では短期間で収入とポジションを高められるチャンスが広がっています。

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保険会社
保険会社は、生命保険と損害保険に大別され、保険商品を通じて人々や企業の将来リスクに備えるための保障を提供します。代表的な企業には、日本生命、第一生命、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険などがあります。それぞれが長い歴史を有しながらも、近年は社会のニーズ変化に応える新たな商品開発も盛んです。生命保険会社では、長期的な顧客との信頼構築が重要視され、特に対面営業ではヒューマンスキルが強く求められます。一方、損害保険会社では、法人向けの保険設計やリスク分析業務が中心となり、業界ごとの知見や数理的素養が生きる場面が多々あります。
未経験者の受け入れにも比較的寛容であり、特に営業や販売経験のある方、コミュニケーション力を強みとする方が活躍しやすいフィールドです。社会的意義の高い業務に携わりながら、自身の専門性を高めたいと考える方にとって、ニーズを満たせるキャリアになる可能性が期待できます。

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クレジットカード
クレジットカード業界は、与信審査・決済インフラ・会員サービスといった多岐にわたる業務を通じて、消費活動の円滑化を支える業態です。主要企業としては、三井住友カード、JCB、楽天カード、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルなどがあります。それぞれ発行枚数やブランド力、提携先とのネットワークを武器に市場競争を展開しています。
事業構造としては、決済処理や不正防止、加盟店営業、プロモーション企画、与信管理などの部門があり、未経験からでも職務経験を生かすことで転職できる可能性は十分にあります。特に、マーケティングやデータ分析、カスタマーサポートの分野では、異業種出身者であっても業務に直結する専門スキルが評価の対象になります。近年では、消費者のライフスタイルやデジタル習慣の変化に対応した新サービスの開発が加速しているため、変化に柔軟に対応できる方にとっては成長機会の多い領域といえるでしょう。

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アセットマネジメント
アセットマネジメント業界は、投資信託や年金基金、機関投資家の資産を運用し、長期的なリターンを最大化することを目的とした業態です。主な企業には、野村アセットマネジメント、大和アセットマネジメント、ブラックロック・ジャパン、フィデリティ投信などがあります。それぞれ国内外の投資家に向けた多様な運用商品を展開しています。職種としては、ファンドマネージャーやアナリスト、商品企画、機関営業などがあり、いずれも高い金融リテラシーとマーケット分析力が求められます。ただし、昨今ではデータ分析スキルやテクノロジーへの理解がある未経験者が業界に参入するケースもあり、理系出身者やコンサルティング経験者が活躍する例も増えている状況です。長期的なキャリア形成を志す方、または社会的インパクトのある資産運用に携わりたい方にとって、有望な選択肢となるでしょう。

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日本政府が資産運用立国を宣言し、海外の資産運用会社の日本市場参入を促すため「資産運用特区」を設ける方針を発表するなど、資産運用を巡る動きが国内で活発化しています。こうした状況下で、採用に積極的な企業が増加。業界外からの中… 続きを読む アセットマネジメントは未経験で転職可能か?年収相場や求められる経験を解説
FinTech
FinTech業界は、テクノロジーを活用して金融サービスの効率化・高度化を図る新興分野であり、既存の金融機関とは異なる発想で事業を展開する点が特徴です。主な企業には、PayPay、freee、マネーフォワード、FOLIOなどがあり、スマホ決済、家計管理、資産運用、クラウド会計など、革新的なビジネスモデルを次々と生み出しています。
スタートアップ文化が根付いている企業が多く、柔軟な働き方とスピード感のある業務環境が魅力です。未経験からの転職者にも門戸が広く、エンジニアやデザイナー、カスタマーサクセスなど非金融バックグラウンドでも活躍可能な職種が豊富に存在します。金融業界に興味をもちつつも、既存の業界文化になじみにくさを感じている方や技術志向の強い方にとって、FinTech業界は志向やニーズに合致する新しいキャリアの選択肢となる可能性があります。

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「フィンテック(FinTech)」業界の転職で求められるスキル、平均年収は?
金融領域のITサービスを提供するフィンテックが近年急成長しています。キャッシュレス決済や会計・財務・経費精算、資産運用、仮想通貨など幅広いビジネス領域に、さまざまな企業が参入しています。 今後も急拡大が見込まれるフィンテ… 続きを読む 「フィンテック(FinTech)」業界の転職で求められるスキル、平均年収は?
不動産金融
不動産金融業界は、不動産という実物資産と金融の知識を掛け合わせることで、新たな投資機会を創出する専門領域です。開発資金の調達、不動産ファンドの組成、不動産証券化などを通じて資本の効率的な活用を実現することを目指します。代表的な企業としては、三井不動産リアルティ、三菱地所投資顧問、ケネディクス、ヒューリックなどが挙げられます。業務内容は、アセットマネジメント、プロパティマネジメント、ストラクチャードファイナンスなど多岐にわたり、金融知識と不動産知識の双方が求められる点が特徴です。
未経験者が参入するには、ややハードルが高い業界ではあるものの、不動産業界での営業・管理経験や金融業界での融資・審査経験を有する方であれば、即戦力として歓迎されることもあります。景気やマーケット動向との関係性が強いため、経済全体を俯瞰する視点をもちながら、資産運用や投資に携わりたい方には挑戦のしがいがあるフィールドといえるでしょう。

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異業界から不動産金融業界へ。仕事内容や必要な資格を解説
不動産金融は、株式や債券といった伝統的資産とは異なる特性をもつオルタナティブ投資を運用する業界として、注目を集めています。近年は新たなアセット需要も生まれており、多くの企業が不動産業界や金融業界から積極的に中途採用を進め… 続きを読む 異業界から不動産金融業界へ。仕事内容や必要な資格を解説
金融業界の主な職種と仕事内容
ここでは、金融業界の主たる4種の職種における仕事内容について、担う役割や求められる経験・能力を解説します。
- ●営業職(リテール営業・法人営業)
- ●運用・投資職
- ●専門職(リスク管理・コンプライアンスなど)
- ●バックオフィス・IT職
営業職(リテール営業・法人営業)
金融業界の営業職は、サービス提供を通じて顧客のニーズを満たす役割を担います。
個人顧客を対象とするリテール営業は、預金、住宅ローン、投資信託、保険などの提案を通じて資産形成をサポートします。一方、企業を対象とする法人営業は、融資や資金調達、M&A支援、為替ヘッジ商品などを提供し、顧客の経営課題の解決に貢献します。
いずれも、顧客との深い信頼関係を築くコミュニケーション能力、顧客の潜在ニーズや課題を的確に把握するヒアリング能力、複雑な金融商品をわかりやすく伝える説明力が不可欠です。他業界の営業と比較すると、金融知識の深さと法令遵守意識が特に重視される点が特徴です。
未経験からの転職では、販売・接客経験やコミュニケーション力が評価されやすく、特にリテール営業では育成前提で採用に至るケースも少なくありません。成果主義の色が濃く、実績に応じて昇進機会やインセンティブが得られるため、チャレンジ意欲が高い方にとってやりがいのあるポジションといえます。

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法人営業の転職事情|平均年収や求められるスキル経験などを解説
法人営業は、企業や団体を対象に製品やサービスを提案・提供する営業職であり、提案力や関係構築力が求められる職種です。近年、多くの業界でBtoBビジネスの拡大が進んでおり、法人営業職の市場ニーズも高まりを見せています。企業の… 続きを読む 法人営業の転職事情|平均年収や求められるスキル経験などを解説
運用・投資職
運用・投資職は、顧客や機関の資産を効率的かつ戦略的に運用し、利益を追求する職種であり、金融業界のなかでも高度な分析力と判断力が求められます。主な職種には、ファンドマネージャー、ディーラー、トレーダー、証券アナリストなどがあり、いずれも市場動向を読み取り、収益最大化を図る役割を担います。
例えば、ファンドマネージャーは投資信託や年金基金の運用方針を定め、銘柄選定と資産配分を行います。トレーダーは短期的な価格変動を捉え迅速に売買を行い、証券アナリストは特定業界や企業の財務・業績を精緻に分析して運用判断の根拠を提供します。他業界に類似する職種は少なく、特に数学的素養やデータ分析力が必要とされるため、未経験からの参入ハードルは高めです。ただし、近年ではAIやデータサイエンスのスキルを生かせる領域が拡大しており、理系出身者やIT領域の実務経験者が新たな採用ターゲットとして注目されています。緻密さとスピードの両方が求められることに加え、成果に対するプレッシャーも高いことから、ストレス耐性の高い方や高度な業務にやりがいを感じる方には適性があると考えられます。
専門職(リスク管理・コンプライアンスなど)
金融機関における専門職には、リスク管理、コンプライアンス、アクチュアリーなどの領域があり、組織の健全性と法令遵守を支える役割を担います。リスク管理担当は、市場・信用・流動性といった多様なリスクを分析し、潜在的な損失の予防や資本の健全性維持を目指します。コンプライアンス担当は、金融庁などの監督当局のガイドラインや内部規程に照らして業務全体の法令遵守を監督します。アクチュアリーは保険数理に基づく商品設計や収益予測など、精緻な確率・統計モデルを用いた業務を担当します。各職種は専門性が極めて高く、金融業界特有の制度や数理モデルの理解が不可欠です。
未経験からの転職には法務知識や数理的素養、英語力などのスキルに対する明確な裏付けが求められるため、計画的なキャリア形成や資格取得を経ての挑戦が現実的です。リスク低減や統制機能に関心がある方にとっては、長期的なキャリア形成が見込める領域といえます。
バックオフィス・IT職
金融業界のバックオフィス・IT職は、フロント業務の円滑な遂行を支える基幹機能を担います。バックオフィス業務には、決済、清算、証券管理などが含まれ、迅速かつ正確な事務処理を通じて取引リスクの最小化を図ります。また、IT職は、金融システムの開発・保守、データベース管理、セキュリティ強化、FinTech関連の技術導入などの領域が担当範囲となり、DX推進が加速する昨今においては、特に需要が急速に拡大しているポジションです。
他業界の事務職や情報システム部門と近似する業務もありますが、制度理解や監査対応など業界独自の知識が求められる側面もあります。一方で、近年は異業界からの転職希望者を積極的に受け入れている企業も増えているため、自身の職能と経験を生かせるポジションに絞り込むことで転職成功の可能性を高められるケースもあります。
未経験から金融業界に転職できるのか
本章では、未経験から金融業界に転職できるのか年代別に解説します。
20代は金融業界未経験でもポテンシャル枠で採用される可能性はある
金融業界は、その専門性の高さから、経験者が優遇される傾向にあります。
しかし、20代であれば、金融業界での実務経験がなくとも、ポテンシャルが見込まれれば採用に至る可能性は十分にあります。金融商品に関する知識は入社後の研修などで補完可能です。現時点での専門知識よりも論理的思考力やコミュニケーション力など、中長期的な活躍を見据えた素養が見極められる傾向があります。
特に第二新卒層は、これまでの職種にとらわれず将来性や成長意欲が評価されるケースが多く、金融機関側も一から育成する余地がある年齢層と捉えています。
20代未経験で金融業界への転職を志す場合、「なぜ金融業界で働きたいのか」という強い意志と、「新しい知識を貪欲に吸収し成長していきたい」という熱意を、具体的なエピソードを交えながら伝えることが重要です。将来的な活躍イメージを採用担当者に示すことができれば、転職できる可能性は十分にあります。
30代は金融業界の関連業務経験やスキル・実績が求められる
30代で未経験から金融業界を目指す場合、20代のようなポテンシャル採用の枠は大幅に減少します。
そのため、30代で未経験から金融業界へ転職する場合、「どのような貢献ができるのか」を明確に示せるよう、これまでのキャリアで培ってきた経験やスキルと金融業界との親和性を論理的に説明することが不可欠です。
例えば、法人営業、コンサルティング、会計・財務、IT領域での業務経験は、金融機関の法人営業やバックオフィス業務、システム開発ポジションなどで転用可能なスキルです。また、ExcelやVBAの実務使用経験、英語を用いた応対、業界に関連する資格を保有していれば、職種理解と転職意欲を裏付ける要素として評価されることもあります。加えて、プロジェクトマネジメントの経験や業務改善の実績など、定量的な成果を示せる職務経歴は選考において強みになります。
業界未経験でも、これまでの経験が金融業界の業務にどのようにして転用可能かを論理的に説明できれば、採用に近づく可能性は十分にあります。
40代は金融業界と親和性が高い業界・職種における専門性が高水準で求められる
40代の場合、未経験からの金融業界への転職は、一段と難易度が高くなります。高度な専門知識や年齢相応の経験、マネジメント能力が求められるため、ポテンシャルや汎用的なビジネススキルだけでは、採用に至ることは困難です。
特に、40代は即戦力としての活躍が期待されるため、隣接もしくは直接的な業務経験の有無が採否に大きく影響します。例えば、監査法人・コンサルティングファームでの会計・財務アドバイザリー経験、不動産業界でのファイナンスや投資関連の業務を担った経験、IT業界での金融向けシステム開発やPM経験などの実績があれば、金融業界特有の業務の流れや専門用語を一定理解しているとみなされ、採用に至ることがあります。
もしくは、自身の高度な専門性と金融という新しいフィールドと掛け合わせることで、独自の価値を創造できる能力を示すことができれば、評価の対象になることもあります。例えば、弁護士としてM&Aや事業再生の法務を専門に扱ってきた方が投資銀行やファンドに転身する。あるいは、IT企業のセキュリティ専門家が金融機関のサイバーセキュリティ対策の責任者になるなどの例が挙げられます。
未経験からの挑戦であっても、これまでに培った知識・経験が明確に金融業界内の職種に置き換え可能、もしくは新たな価値創造に対する貢献が期待できる旨を示すことで、選考突破の可能性は高まります。
金融業界に転職後の年収は職種によって差異がある
本章では、JACが支援した金融業界への転職データをもとに、平均年収が高い職種Top5とその平均年収、年代別平均年収を紹介します。
金融業界への転職後の平均年収は、全体的に高水準であることがわかります。
特に、経営・事業企画など組織の中核を担うポジションや、内部統制・監査、ITなど、高度な専門知識が求められる領域は、年収が高くなる傾向があります。
【転職後の平均年収が高い金融業界の職種Top5】
| 職種名 | 平均年収 |
|---|---|
| 経営・事業企画 | 約1,200万円 |
| 内部統制・監査 | 約960万円 |
| IT | 約940万円 |
| 経理・財務 | 約930万円 |
| 営業 | 約830万円 |
※平均年収は、当社実績(2023年1月~2025年7月分データ)より
また、年代別の転職後平均年収では、20代のうちから高年収を見込むことができ、年齢に相応するスキルセットを有していれば、40代前後で1,000万円を目指すことも十分可能です。
【金融業界における転職後年代別年収】
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代 | 約680万円 |
| 30代 | 約910万円 |
| 40代 | 約1,090万円 |
| 50代 | 約1,230万円 |
※平均年収は、当社実績(2023年1月~2025年7月分データ)より
金融業界への転職なら、JAC Recruitment
金融業界は変革期を迎えており、求められるスキルも多様化しています。そのため、独力で最適なキャリアパスを見いだすことは、容易ではありません。特に未経験から金融業界への転職を目指す場合、金融業界の各分野や職種ごとの特徴を理解した転職エージェントの活用が不可欠です。
その点、JACには、証券・銀行・保険・アセットマネジメントなど各業態に精通したコンサルタントが在籍しています。丁寧なヒアリングを通じてこれまでの経験がどの業態・領域で生かせるのかを正確に評価し、最適なキャリアを提案いたします。
なお、JACでは、一般的な転職サイトには掲載されていない、外資系投資銀行の役員ポジションやアセットマネジメント会社のファンドマネージャーといった経営の中枢を担う重要な求人も多数取り扱っております。だからこそ、さらなるキャリアアップ・収入アップを実現できる可能性も期待できます。
未経験から金融業界を目指す方に対しても、これまでの職務経験がどのように金融業務に転用できるのかを具体的にアドバイスし、資格取得の提案や職種別の選考対策まで含めた丁寧な支援を実施いたします。初めての業界に挑戦する不安を抱える方も、JACではコンサルタントが具体的な業務内容や社風など細部にわたるまでリアルな情報をお伝えするため、満足度の高い転職を実現することができるでしょう。
未経験から金融業界への転職をお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

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金融業界の転職ならJAC Recruitment
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