米国のPMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネジメントに関する国際資格であるPMP(Project Management Professional)。
本記事では、PMPが生かせる転職先候補やPMPが生かせる最新求人・転職情報をJAC Recruitmentが解説いたします。
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PMPは転職で有利に働くのか
PMP(Project Management Professional)は、米国の非営利団体であるPMI(Project Management Institute)が認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際的な専門資格です。本資格は、PMIが策定・発行するプロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKガイド(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)に基づいており、プロジェクトの立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、そして終結に至るまでの一連のプロセスを効果的かつ効率的に遂行するための知識とスキルを習得していることを証明します。
PMPを取得することは、単に知識があることを示すだけでなく、国や文化の壁を越えて多様なプロジェクトを成功に導くことができる証左となります。特に、PMP保有者は、共通のフレームワークに基づいて議論や協業を推進できるため、企業からは即戦力として高く評価される傾向にあります。
また、一般社団法人PMI日本支部が発行する「PMI日本支部 ニューズレター vol.102(2025年 春号)」によると、2025年1月時点における日本国内のPMP資格取得者数はわずか48,811人にとどまっており、希少性の高い存在であることがわかります。そのため、PMPを取得していることは単なる資格保持にとどまらず、自身の市場価値を高め、転職市場でもほかの転職希望者との差別化を図る要素となるといえます。
出典:「PMI日本支部 ニューズレター vol.102(2025年 春号)」P.11(一般社団法人PMI日本支部)
PMPが生かせる転職先候補
本章では、PMPが生かせる、次の4つの転職先候補について解説します。
● コンサルティングファームのプロジェクトマネージャー
● 大手IT企業のPMOディレクター
● 大規模開発のプロジェクト統括
● 製造業や建設業における海外プロジェクトのPM
コンサルティングファームのプロジェクトマネージャー
コンサルティングファームのプロジェクトマネージャー職は、業種横断的なプロジェクトを戦略的に主導する役割を担うポジションであり、高度なマネジメント力や交渉力が求められます。PMPを保有していることは、グローバルに通用する高度なプロジェクトマネジメントスキルを有している証とみなされ、多くの企業で高く評価されると考えられます。
特に、企業変革やDX推進、業務改革など複雑性の高いプロジェクトでは、共通言語であるPMBOKの知識体系を活用し、関係者を巻き込みながら成果を出せるマネジメント能力が重視されるため、PMP保有者は即戦力とみなされ、採用選考でも優遇される傾向があります。
>>PM(プロジェクトマネージャー)の転職事情|難易度や成功のポイントとは
大手IT企業のPMOディレクター
大手IT企業のPMO(Project Management Office)ディレクターは、複数のプロジェクトを横断的に管理・統制し、全社的なプロジェクト品質や進捗の標準化・最適化を図る立場にあります。組織を横断したKPI設計やプロジェクト監査機能の整備など、マネジメントの高度化が進むなかで、PMP保有者はリーダーシップと体系的な知見を兼ね備えた存在として重宝されます。
特に、プロジェクトガバナンス構築やベンダーコントロールを担う際に、資格保持がプラスに働くことがあります。さらに、国内外のステークホルダーが混在する環境下では、共通の知識体系に基づいて利害調整を進めやすくなるという利点もあり、組織全体のプロジェクト遂行能力の向上に大きく貢献すると考えられます。
大規模開発のプロジェクト統括
社会インフラ整備や大規模プラント建設、大型商業施設開発などのプロジェクトは、その規模の大きさ、関与するステークホルダーの多さ、技術的な複雑性などから、極めて高度なプロジェクトマネジメント能力が求められます。
PMPを保有している事実は、このような複雑なプロジェクトにおいて、国際的なフレームワークを活用しながら成果を創出できる能力を示すことができます。特に公共案件やグローバル資本が関与するプロジェクトでは、海外基準との整合性や英文レポート作成、クロスボーダーのリスク調整力などが求められるため、PMP保有者はその即戦力性から重用される傾向があります。
製造業や建設業における海外プロジェクトのPM
グローバル市場への進出を加速させる製造業や海外でのインフラ整備に携わる建設業では、海外拠点設立、新工場建設、国際的な共同開発プロジェクト、海外プラント建設など、国境を越えたプロジェクト推進を担うプロジェクトマネージャーの需要が高まっています。
こうした環境下でPMPを保有することは、世界共通の管理知識体系を基盤としたプロジェクト運営が可能であることを意味し、多国籍の関係者との橋渡し役として機能できることから、非常に高く評価されます。また、現地パートナーやサプライヤーとの契約交渉、納期管理、コンプライアンスの確保といった重要業務においても、PMBOKを活用した体系的なアプローチが成果につながる場面は少なくありません。
PMPが生かせる最新求人・転職情報
PMP保有者に対する需要は、近年のDX推進の潮流により、急速に拡大しています。企業の成長戦略の中核にデジタルシフトが据えられる今、単なるプロジェクト遂行だけでなく、ビジネス目標と技術導入を橋渡しできるプロジェクトマネージャーが求められつつあります。特に、クラウド移行やAI導入、IoTやデータ活用、セキュリティ強化など、高度なIT知識とプロジェクトマネジメントスキルを要する分野では、PMP保有者に対する期待が膨らんでいます。
さらに、このようなプロジェクトマネジメントの需要は、IT企業だけにとどまらず、製造業、建設業、金融業など非IT業界でも顕在化しています。例えば製造業では、スマートファクトリー推進の一環としてIoT化やAI活用が急務となっており、導入プロジェクトを円滑に進めるためには、体系だった管理スキルをもつPMP保有者の存在が不可欠です。同様に、金融業界でも業務のデジタル化・オンライン化を背景に、ユーザー体験を考慮したシステム開発の推進を担うポジションにおいて、PMP保有者のニーズが高まっています。
ここからは、PMPが生かせる最新求人・転職情報を紹介します。
なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含めPMPが生かせる求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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● 非公開:Chemistry部門 プロジェクトリーダー
● 米国系グローバルITサービス企業:Application Engineering Service / Project Manager
● 富士フイルムソフトウエア株式会社:ソフトウェア開発のプロジェクトマネジメント指導/支援/品質保証推進者
● 西日本電信電話株式会社:大規模受託案件におけるプロジェクトマネージャー
● 大手総合商社系コンサルティング企業:プロジェクトマネージャー
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年7月最新)
PMPを生かした転職後の年収目安
PMP保有者は、プロジェクトを計画どおりに遂行し、目標を達成するための高度な知識とスキルを有していることが国際的に認められており、転職市場でもその価値は高く評価されます。
PMIが公表する「Earning Power: Project Management Salary Survey」第12版によると、日本国内におけるPMP保有者の年収中央値は73,448米ドル、日本円に換算すると約1,100万円前後(1ドル150円換算)に達しています。
しかし、年収は経験年数や職位、プロジェクトの規模によって大きく異なります。日本ではPMP保有者のうち、経験年数が10年以上の層では年収73,448米ドル(約1,170万円)、20年以上となると82,629米ドル(約1,240万円)と、右肩上がりに増加していることがわかります。さらに、ディレクタークラスのポジションでは、PMP保有者の平均年収は89,974米ドル(約1,350万円)に達しており、責任範囲の広さに応じて報酬水準も上昇します。プロジェクト規模も年収額に影響しており、チームメンバーが20名以上、あるいはプロジェクト予算が1,000万ドル超の大型案件をリードする場合、年収額は一段と高くなる傾向にあります。
【年代別】PMPを生かして転職を成功させるポイント
ここでは、PMPを生かして転職を成功させるポイントを年代別に解説します。
20代でPMPを生かして転職を成功させるポイント
20代でPMPを取得し転職を目指す場合、資格を保有している事実が高いポテンシャルを持ち合わせていることの証明になります。その理由として、20代のPMP保有者は数が限定的であり、企業も若くしてPMPを取得した努力を評価すると考えられるからです。
そのため、採用選考では、PMPを取得する過程で得た知識をどのように実務に生かしたいか、そして将来どのようなプロジェクトマネージャーになりたいかという具体的なビジョンと熱意を伝えることが重要です。また、ビジネスレベルの語学力を持ち合わせていれば、併せてアピールしましょう。
20代では、実務経験を積み重ねることが最優先となるため、転職先を選定する際には、多様なプロジェクトに携わる機会があり、さらに経験豊富な先輩プロジェクトマネージャーから指導を受けられるような環境を重視するとよいでしょう。具体的には、PMO部門でのアシスタント業務や、比較的小規模なプロジェクトのリーダー、あるいは大規模プロジェクトの一部を担当するメンバーとして経験を積む、などが例として挙げられます。
30代でPMPを生かして転職を成功させるポイント
30代は、プロジェクトリーダーからマネージャークラスへの昇進が現実的となるタイミングであり、PMPの有無が選考通過率や提示年収に影響を与えることもあります。また、30代は、即戦力としての活躍が期待されるため、単にプロジェクトを遂行するだけでなく、自身が担当したプロジェクトの規模、予算、期間、そしてそこから得られた具体的な成果や、困難な状況をどのように乗り越えてきたかといった実績を具体的にアピールすることが求められます。
転職活動では、マネジメント経験に加え、トラブル対応や改善提案など再現性の高い実績を示すことが有効です。また、企業によっては、特定の業界知識や最新技術トレンドへの理解、さらにはグローバル案件に対応できる語学力なども重視されるため、応募先企業の求める人物像に合わせて、自身の強みを的確に訴求することを意識しましょう。
40代でPMPを生かして転職を成功させるポイント
40代のPMP保有者には、豊富なプロジェクトマネジメント実績に加え、業界における深い知見、高度な問題解決能力、そしてチームや組織を牽引するリーダーシップが期待されます。組織内における影響力や後進育成の実績が重視されるため、プロジェクト完遂の実績だけでなく、チームビルディングや部門横断の調整経験など、組織に貢献した実績の提示が転職成功を左右すると考えられます。
そのため、採用選考では、自身の経験が応募先の企業の課題解決や事業成長にどのように貢献できるのか、具体的な戦略やビジョンを提示することが重要です。
転職先としては、企業の重要戦略に関わる大規模プロジェクトの責任者、事業部門全体のプロジェクト統括、あるいはコンサルティングファームにおけるシニアマネージャーやプリンシパルといった、組織全体に大きな影響を与える役割が視野に入ります。応募先企業を選ぶ際は、自身の価値観や業界動向に照らして長期的にスキルを生かせる業種・業態を見極めることが大切です。
50代でPMPを生かして転職を成功させるポイント
50代での転職では、PMPそのものよりも、長年の経験を通じて蓄積された知見や組織変革の実績が主たる評価ポイントとなります。ただし、PMPを保有していることで、プロジェクトマネジメントに対する一定の知識を持ち合わせている旨を企業にアピールできるため、年齢による懸念を払拭する一助になることもあります。
転職先としては、大手企業のPMO室や外資系企業の部門統括、DX推進室など、プロジェクトの中核にあたるポジションが想定されます。採用選考では、これまでのキャリアでどのような価値を創造し、困難な状況をどのように乗り越え、組織にどのような変革をもたらしてきたのかを具体的に示すとともに、その経験と知見を新しい環境でどのように生かし、貢献できるのかを明確に伝えることが重要です。
PMP保有者の転職事例
本章では、JACが提供する転職支援サービスを利用し、転職を成功させたPMP保有者の事例を紹介します。
PMPを生かし、希望のサステナビリティ事業へ転職した事例
Mさん(30代前半/女性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 事業会社 | 事業企画・事業開発 | 700万円 |
| 転職後 | EMC | 事業企画・事業開発 | 1,000万円 |
Mさんは、これまで一貫して新規事業企画やプロジェクト推進を経験し、その過程でPMPも取得するなど、着実に専門性を高めてきました。高い語学力も持ち合わせており、穏やかながらも関係者双方にとって最適な落としどころを探すことに長けたバランス感覚をもつ人物です。
転職を検討し始めた背景には、さらなるキャリアアップと、より会社全体にインパクトを与えられる環境でプロジェクトマネジメント経験を積みたいという強い思いがありました。
JACのコンサルタントは、Mさんの事業推進力や多国籍環境での調整経験、PMPに裏打ちされたプロジェクトマネジメントスキルに着目。加えて、「戦略構築から携われるポジション」という本人の希望に寄り添いながら、EMC企業の事業企画・事業開発職を提案しました。
新天地では、これまでの経験を土台に、社会的意義の高い環境事業に長期的に携わることができる環境で、その手腕を存分に発揮しながら新たなキャリアを築いています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
PMPを生かし、経営戦略ポジションへ転職した事例
Yさん(50代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | IT・通信 | プロジェクトマネージャー | 1,400万円 |
| 転職後 | EMC(電気・電機) | 経営・事業企画 | 1,500万円 |
チェンジマネジメントやITガバナンスの分野において豊富な実績をもつYさんは、これまで国内外問わず多様なフィールドで、プロジェクトマネジメントや業務改革の推進、IT投資評価プロセスの導入などに携わり、組織変革に寄与してきました。近年は、変革をリードする立場としてチェンジマネジメントの普及活動にも尽力していましたが、より大きな裁量のもとで変革を実現できる環境を模索するようになりました。
転職に際しては、企業の成長戦略やDX推進の中核を担えるポジションを希望し、企業の方向性に共感でき、現場レベルから経営層まで巻き込んで変革を主導できる環境を求めたと語ります。
JACのコンサルタントは、Yさんの豊富なマネジメント経験とPMPの保有、さらにはチェンジマネジメントに対する深い知見が、経営レベルでのDXを推進する企業において高く評価されると判断し、複数の候補の中からEMC(電気・電機)業界に属する企業の経営戦略を担うポジションを紹介しました。
結果として、Yさんは希望年収を維持しつつも、転職活動時に望んだ「大きな裁量のもとで変革を実現できる環境」を手にすることができました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
PMPと広報スキルを生かし、通信業界で新たな挑戦に臨んだ転職事例
Kさん(40代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | IT・通信 | 広報・CSR | 1,250万円 |
| 転職後 | IT・通信 | 広報・CSR | 1,300万円 |
現職で長年にわたり広報業務に携わってきたKさんは、これまでの経験と培ったスキルをより柔軟かつダイナミックな環境で生かしたいという思いから、転職活動を開始しました。前職では、業界再編に関わる対外広報、危機管理広報、マスコミ対応など、企業広報における重要な局面にも携わってきた経験を持ちます。
これまでの経験を生かし、自身の市場価値をより広く試すことを希望し、転職を決意されました。
JACのコンサルタントは、Kさんの広報における高い実績と、PMP資格に裏付けられたマネジメントスキルに着目し、「純粋に自分の実力で勝負したい」というKさんの意向を汲んだうえで、広報部門の戦略強化が急務となっていた通信系企業の部長候補ポジションを提案しました。応募先企業からもKさんの経験・スキルが高く評価され、内定獲得へと至りました。
本事例は、専門性とマネジメント力を強みにキャリアの再構築に成功した好例といえます。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

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