回路設計の転職動向や最新求人、未経験からの転職難易度も解説

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公開日:2025/12/05 / 最終更新日: 2025/12/05

回路設計エンジニアは、高度な専門知識と設計力を生かし、製品開発の中核を担う職種です。近年、自動車の電動化や産業機器のスマート化、半導体・通信分野の高性能化が進む中で、回路設計職の重要性はさらに高まっています。なかでも特定分野に専門性をもつ技術者にとっては、今が挑戦の好機です。

本記事では、回路設計の転職市場動向や最新求人情報に加え、未経験からの転職難易度も併せて、JAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく解説します。

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回路設計の転職市場動向

回路設計エンジニアの転職市場は、半導体需要の拡大や産業構造の変化を背景に、活発な採用活動が続いています。自動車、通信、産業機器などの分野では、製品の高性能化や省エネルギー化が進むにつれ、電子回路設計の専門性が求められる場面が増加傾向にあります。とりわけ、電動化や自動運転技術の進展が加速するモビリティ領域、IoTやAIを活用した次世代機器の開発分野では、採用ニーズが一段と高まりを見せており、経験豊富な技術者を対象とした採用が、各社で継続的に展開されています。

転職市場では、デジタル回路設計とアナログ回路設計の双方に関して専門性の高い方が評価される傾向にあります。デジタル領域ではFPGA設計や高速伝送路設計、SoC/ASICなどの大規模LSI設計の経験が重宝されています。アナログ領域では、高周波(RF)回路、電源回路、AD/DAコンバータ、EMC対策といった分野で、知見が深いエンジニアの評価が高い傾向です。さらに、両領域に精通し全体最適の視点から設計ができる方は、開発組織の中核として採用されるケースが増えています。

また、JACが保有する求人データからは、より具体的な動向も見て取れます。実際の求人では、電源回路、センサ回路、EMC対策、FPGA、マイコン周辺回路など、多岐にわたる技術領域が対象となっています。また、OrCAD、Altium、CR-5000などのCADツールスキルやノイズ解析・熱設計の経験を求める企業も、多く見られます。さらに、海外拠点との共同開発が進む中で、TOEIC600〜800点程度の英語力を生かせるポジションも増加傾向です。採用背景としては、新規事業や次世代製品の開発に加え、技術継承や設計体制の内製化を目的とした採用も目立っています。

今後の市場を見通すと、AIやIoTの進展、エッジコンピューティングの普及などにより、回路設計エンジニアの重要性は、さらに高まると予想されます。低消費電力・高性能な半導体開発が求められるなかで、センサーデバイスから得られる膨大なデータを効率的に処理し、システム全体の最適化を構想できる方が重視されるでしょう。

回路設計エンジニアは、製品価値や事業競争力を左右する戦略的ポジションとして評価されています。JACが保有するデータからも、今後は技術力に加え企画・開発・生産を横断的に理解し、上流工程を主導できるエンジニアがよりいっそう求められることが示されています。

回路設計が求められる主な転職先候補

回路設計エンジニアの転職先は、半導体を軸に産業構造が広がる中で多岐にわたります。総合電機メーカーをはじめ、自動車業界、通信インフラ分野、さらにはテック系スタートアップまで、幅広い領域で採用ニーズが高まっています。ここでは、主な4つの業種における回路設計が担う役割や、求められるスキル・志向性の傾向について整理します。

  • ●総合電機メーカー・半導体メーカー
  • ●自動車完成車メーカー・自動車部品メーカー
  • ●通信インフラ企業
  • ●テック系ベンチャー・スタートアップ

総合電機メーカー・半導体メーカー

総合電機メーカーおよび半導体メーカーは、回路設計エンジニアの主要な転職先として、常に高い需要を維持しています。これらの企業では製品群が多岐にわたるため、デジタル・アナログ双方の設計スキルが求められます。特に半導体メーカーでは、LSIやASICなどの論理回路設計、レイアウト設計、検証業務までを一貫して担当するケースが多く、開発の上流工程から製品量産に至るまで、携われる環境があります。

一方総合電機メーカーでは、家電や産業機器、医療機器などの製品開発において、電子制御ユニットの回路設計を中心に担当します。アナログ回路の安定性設計や電源制御、ノイズ対策など、製品品質を左右する重要な要素を担う役割です。特に、グローバル展開を進める大手メーカーでは、海外拠点との協業や国際規格への対応が求められるため、英語力やプロジェクトマネジメント力を併せもつ方が評価されやすい傾向にあります。

 この領域では、技術の深さに加えて、製品全体を俯瞰し最適なアーキテクチャを設計できる“システム思考”をもつエンジニアが、次世代開発の中心を担う存在となっています。

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自動車完成車メーカー・自動車部品メーカー

自動車業界では電動化・自動運転・コネクテッド化の進展により、電子回路設計の重要性が急速に高まっています。特にパワートレイン制御、バッテリーマネジメントシステム、ADAS(先進運転支援システム)などの領域では、電子制御ユニット(ECU)の高性能化が不可欠であり、回路設計エンジニアが果たす役割は、年々拡大しています。

完成車メーカーでは、車両全体の電装アーキテクチャ設計を統括する立場での採用が多く、システム全体の信頼性と安全性を見据えた設計スキルが求められます。一方部品メーカーでは、センシングデバイスやモータ制御ユニットなど、特定機能に特化した製品開発を担うことが多く、アナログ回路・高周波設計・電源回路のいずれかに強みをもつ方が重宝されています。

 また、自動車業界では、品質に対する要求水準が極めて高いため、機能安全規格(ISO 26262)やEMC/EMI設計に精通した技術者は、即戦力として高く評価される傾向があります。

近年は、車載半導体や制御ユニットを内製化する動きも進んでおり、企画段階から量産設計まで、一貫して関われるポジションも増加しています。技術進化が早い領域であるため、電気回路のみならず、ソフトウェア制御や通信プロトコルまでを俯瞰できる知見が、今後の市場価値を左右するでしょう。

通信インフラ企業

通信インフラ分野では、5G・Beyond 5G・次世代通信網の整備を背景に、回路設計エンジニアの活躍範囲が広がっています。通信基地局や光伝送装置、ネットワーク機器の開発には、高速信号伝送・高周波設計・電源安定化技術といった専門性が欠かせません。特に、通信信号の高周波化にともない、ミリ波帯域での信号処理に対応できるRF回路設計スキルを備えた方が重宝されています。

通信キャリアや通信機器メーカーでは、装置開発の上流設計から評価・検証、さらにはフィールドでの運用最適化まで、幅広く携われる点が特徴です。また近年は、データセンター需要の増加により、電源効率の改善やノイズ低減を目的とした、回路最適化にも注目が集まっています。これにより通信分野での回路設計は、単なる信号処理の範囲を超え、ネットワークの信頼性を支える基盤技術として位置づけられています。

今後、アナログ高周波技術やアンテナ制御回路に関する高度な専門性を備えた技術者は、国内外を問わず、次なるキャリア機会を得やすい状況が続くと見込まれます。通信技術の発展に合わせ、設計・実装・検証の全工程を俯瞰できるエンジニアの需要は、さらに拡大すると見込まれます。

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テック系ベンチャー・スタートアップ

テック系ベンチャーやスタートアップにおいても、回路設計エンジニアの採用が活発化しています。これらの企業では、既存の技術を改良するよりも、AIデバイスやIoTセンサー、ウェアラブル端末など、新しい価値を生み出す製品設計に重点が置かれています。そのため、構想段階から回路アーキテクチャを設計し、試作・検証・量産までを、スピード感をもって進められるエンジニアが高く評価されます。

特にIoT分野では、低消費電力・高密度実装・無線通信制御といった複合的な技術課題を解決できるスキルが求められます。スタートアップでは開発チームが小規模であるため、ハードウェアとソフトウェアの境界を横断しながら、課題解決を図る柔軟性が重視されます。加えて、ビジネスモデルの企画段階から関与し、技術的な視点から製品戦略を支えることができる技術者は、企業成長を牽引する中核としての活躍が期待されます。

また、海外スタートアップとの協業や外部資金による共同開発が増えており、グローバル志向のエンジニアにもチャンスが広がっています。将来的には、回路設計技術を基盤にプロダクトマネジメントや事業開発へとキャリアを拡張できる可能性も高く、挑戦志向の方にとって魅力的な転職先といえるでしょう。

回路設計の最新転職・求人情報

回路設計エンジニアの求人は、経験者を中心に継続的に展開されています。特に、パワーエレクトロニクス、RF(高周波)、超高速AD/DAコンバータといった高度な専門性が求められる分野では、実務経験を有する技術者へのニーズが一段と高まっています。これらの領域では、代替が難しいスキルとして市場価値が高く評価される傾向にあります。

例えば、パワーエレクトロニクスでは、電動車や再生可能エネルギーシステムの普及にともない、高効率な電力変換回路の設計経験が重宝されています。RF回路では、5Gや次世代無線通信に対応する高周波設計のニーズが拡大しており、通信・計測機器メーカーを中心に採用が進行中です。また、超高速AD/DAコンバータの設計スキルは、高精度なデータ処理が求められる医療・産業機器分野での需要が高まっています。

さらに近年では、デジタル・アナログの両領域を横断し、システム全体を俯瞰した設計ができるエンジニアが特に評価されています。上流工程での仕様策定や、他部門との連携をリードできる能力も重視されており、単なる設計担当にとどまらず、製品開発全体を統括するリーダーとしての活躍が期待されています。

ここからは、回路設計の最新求人・転職情報を紹介します。

なお、本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACが取り扱う求人は、大半が非公開となっています。そのため、非公開求人も含め回路設計に関する求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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未経験から回路設計への転職は難しいのか

回路設計は電気・電子工学の専門知識と高度な設計スキルが求められる職種であり、実務未経験からの転職は、非常に難易度が高い領域です。企業が求める人物像は、理論を理解するだけでなく、回路設計ツールの操作や、検証工程における実践的な知識を備えた即戦力であることが多く、教育コストを前提とした採用は限られます。そのためポテンシャル採用が期待できるのは、第二新卒層や理工系出身者にほぼ限定され、30代以降での完全未経験からのキャリアチェンジは現実的に難しいといえます。

ただし、すべての未経験者に道が閉ざされているわけではありません。親和性の高い職種からのキャリアチェンジであれば、回路設計職に移行できる可能性は十分にあります。具体的には、評価・実験、品質保証、半導体デバイスのプロセス開発、組み込みソフトウェア開発といった職種からの転向が多く見られます。これらの経験者は、電気信号の特性や製品仕様の理解など、設計に通じる基礎知識を有しているため、企業側も育成対象として評価しやすい傾向です。

特に、自身が携わった製品の回路構造や動作原理を深く理解し、設計部門と協働しながら不具合分析や改良提案を行ってきた経験は、設計職への意欲を裏付ける具体的なアピールとなります。加えて、CADツールやシミュレーション環境を自主的に習得している方は、ポテンシャル枠での採用対象として評価される場合があります。

回路設計職は専門性が高く入り口は狭いものの、関連領域で実務経験を積みながら、段階的に設計へシフトする戦略を取ることで、キャリア転換の可能性を広げることは可能です。

回路設計への転職で求められる経験・スキル・マインド・資格

回路設計職では、高度な専門性と再現性のある成果を出せる実務能力が重視されます。企業が重視するのは、設計技術を通じて製品の価値向上に貢献できる力です。個々の知識だけでなく、開発全体を理解しながら設計・検証・改良を進められることが求められます。以下では、転職市場で、特に評価されやすい経験・スキル・マインド・資格について整理します。

  • ●デジタル/アナログ/高周波など専門分野における設計・評価経験
  • ●CADツールスキル・シミュレーション技術
  • ●関連部署や社外と円滑に連携しプロジェクトを進めるマインド
  • ●EMC設計技術者資格やCAD利用技術者試験など

デジタル/アナログ/高周波など専門分野における設計・評価経験

回路設計職では、専門領域における実務経験の深さが最も重要な評価ポイントとなります。
デジタル回路分野では、FPGA設計やLSI/SoC/ASICなどの大規模ロジック設計の経験が高く評価されており、高速通信や高密度実装を前提とした設計スキルは、多くのメーカーで即戦力と見なされています。一方、アナログ回路分野では、電源回路、AD/DAコンバータ、高周波(RF)設計などに関する高度な知識と実務経験をもつ技術者へのニーズが高まっています。これらの領域では、製品性能の最適化を担う役割として、専門的な判断力と設計力が強く求められています。

また、評価・検証の実務経験も極めて重要です。シミュレーションによる設計検証や、実機を用いた測定・解析のスキルを通じて、「理論と実装の両立」を図れる方は、設計段階での品質保証を担える存在として評価されます。特に、高周波回路や電力制御回路では、ノイズ対策や信号整合性を見極める実践的な知見が、企業の競争力向上に直結する要素となっています。

CADツールスキル・シミュレーション技術

回路設計では、EDA(Electronic Design Automation)ツールを駆使した開発効率の向上が不可欠です。代表的なツールとしては、Cadence、Mentor Graphics、Altium Designer、OrCADなどが挙げられ、回路図作成からレイアウト設計、検証までを一貫して扱えるスキルが重視されます。ツール操作の習熟度は、開発スピードだけでなく、設計品質にも大きく影響するため、転職時の選考で具体的に評価されるポイントです。

さらに、SPICEやHSPICE、ADSなどのシミュレーション環境を用いて、特性の評価やノイズの解析を行える技術も求められます。近年は、AIやIoTデバイスの高集積化が進み、試作の前段階で正確な性能予測が重要になるため、シミュレーションを設計検証の基盤として活用できる方は、特に重宝されます。単なるツール操作ではなく、「どの条件下で、どの指標を検証すべきか」を判断できる構造的思考力が、設計者としての力量を左右します。

関連部署や社外と円滑に連携しプロジェクトを進めるマインド

回路設計は、専門職ではありますが孤立した職種ではありません。仕様策定、機構設計、ソフトウェア開発、生産技術、品質保証など、多くの部門との協業によって製品開発が進むため、円滑なコミュニケーション力と合意形成力が欠かせません。特に上流工程では、顧客の要望を技術仕様に落とし込み、設計意図を正確に共有する調整力が問われます。

転職市場では、技術力と並んで「プロジェクトを推進するマインド」が評価されています。課題が発生した際に、自ら解決策を模索し、他部門と協働しながら最適解を導き出せる方は、開発現場で信頼を得やすい傾向にあります。また、グローバル企業や海外サプライヤーと連携する場面も増えており、英語による技術的なコミュニケーション力に加え、多様な文化的背景をもつ環境において柔軟に対応できる力も、重要な資質の一つとされています。こうした専門職であってもチームで成果を出すという意識をもっている方は、設計者としてだけでなくリーダー候補としての評価も高まります。

EMC設計技術者資格やCAD利用技術者試験など

回路設計における資格は、スキルの客観的な証明として評価されやすい要素です。なかでもEMC設計技術者資格は、ノイズや電磁干渉への対策が求められる設計現場で高く評価される資格です。電磁両立性(Electro Magnetic Compatibility)に関する実践的な知識を有していることの証明となります。EMC設計技術者資格を通じて得られる知識は、国際規格対応や製品信頼性の向上に直結するため、メーカーからの評価が高まっています。

またCAD利用技術者試験(電気分野)は、設計ツールを用いた実務能力を客観的に示す資格として有効です。これらの資格を有していることで、ツールスキルや設計理解を裏付ける証拠となり、転職時に、「教育コストが少ない即戦力」としての印象を与えやすくなります。

近年は、半導体製造プロセスや回路実装技術に関連する認定資格を取得する方も増えており、知識の幅を体系的に広げることで専門性を高める動きが見られます。資格自体が採用の絶対条件になることは少ないものの、継続的に技術を学び更新し続ける姿勢が評価される職種であることは間違いありません。

参照:EMC設計技術者資格

参照:CAD利用技術者試験

回路設計へ転職した場合の年収相場

回路設計エンジニアは、製品性能や信頼性を左右する中核的な役割を担う専門職であり、その高度な技術力と責任の大きさが報酬水準にも反映されています。JACが取り扱う回路設計関連求人データによると、全体の想定平均年収は769.3万円と、エンジニア職の中でも高水準に位置しています。

年代平均年収
20代後半823.8万円
30代前半681.7万円
30代後半748.9万円
40代前半777.0万円
40代後半878.8万円
50代前半756.6万円

年齢別にみると、20代後半で823.8万円と非常に高い水準に達している一方、30代前半では681.7万円と一時的に下がる傾向が見られます。その後、30代後半で748.9万円、40代前半で777.0万円と再び上昇し、40代後半には878.8万円と最も高い水準に達します。50代以降は756.6万円とやや減少するものの、依然として高水準を維持しており、専門職として長期的に安定したキャリアを築ける職種であることがうかがえます。

役職平均年収
メンバークラス721.8万円
管理職956.8万円

役職別にみると、メンバークラスの平均が721.8万円であるのに対し、管理職クラスでは956.8万円と大きな差が見られます。開発チームを率いるリーダーやマネージャー層は、複数製品の設計統括や開発戦略への関与が求められるため、その責任に見合った報酬が設定されています。

平均年収
日系企業759.0万円
外資系企業929.8万円

また企業タイプ別に見ると、日系企業の平均は759.0万円、外資系企業では929.8万円と、外資系が約170万円高くなっています。グローバル企業では、英語での技術文書対応や海外拠点との共同開発が発生するため、語学力や国際標準設計に精通していることが年収に反映されていると考えられます。

総じて回路設計職は、専門性の高さに応じて明確な報酬差が見られる領域です。経験を重ねるごとに評価が上がりやすく、マネジメントや海外プロジェクトの経験を積むことで、さらなる高収入を狙える職種といえるでしょう。

回路設計の転職事例

ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用して、回路設計エンジニアが転職を成功させた事例を紹介します。

アナログ設計からデジタル高速化開発へ、回路設計エンジニアが新たな領域に挑戦

Sさん(40代後半/男性)

業種職種年収
転職前半導体製品の開発・製造・販売アナログ回路設計1,000万円
転職後自動車部品の研究・開発・製造デジタル回路設計、高速化技術開発1,200万円

Sさんは、半導体メーカーで20年以上にわたりアナログ回路設計に携わってきたベテランエンジニアです。電源系ICの設計を中心に、海外市場向け製品の開発にも多数関与し、グローバルな視点をもちながら、設計・評価・量産までを一貫して担当してきました。
また、顧客向けの開発支援やアプリケーションツールの作成にも取り組み、設計技術と応用力の両面に精通。豊富な経験に裏打ちされた技術力と課題解決力により、社内外から高く評価される存在となっていました。

一方でSさんは、半導体産業の変化に対応すべく、設計技術の活用範囲を広げることを志向するようになりました。AIや自動化による開発効率化、高速化技術への関心が高く、アナログ回路に限定されないキャリアの可能性を模索していました。

JACのコンサルタントは、Sさんの豊富なアナログ設計の知識と国際的な開発経験を高く評価し、半導体設計基盤の開発を担う大手自動車部品メーカーのデジタル回路設計ポジションを紹介しました。

このポジションでは、AIや設計探査を活用した最適化技術の導入、論理合成・テスト設計・自動検証環境の構築などを通じて、回路設計の生産性向上を目指す業務が中心となります。

Sさんにとっては、これまで培ってきた設計知識を生かしながら、より効率的な手法やシミュレーション環境の開発に取り組める点が、キャリア志向と一致していました。

転職後は、半導体製品の設計自動化・最適化・高速化を目的とした開発に携わり、ツールベンダーとの協働や社内設計環境の改善を担う予定です。開発現場の課題を可視化し、効率的な設計フローを構築することがミッションであり、これまでの経験を新たな形で発揮できる環境といえます。年収は200万円上昇し、専門性を保ちながら技術領域を広げた転職事例となりました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

アナログ回路設計から電源回路設計へ。高度な開発環境でキャリアを飛躍

Cさん(20代後半/男性)

業種職種年収
転職前重工業・総合機械メーカーアナログ回路設計700万円
転職後半導体製造装置メーカー電源回路設計1,150万円

Cさんは大学院で電気電子工学を専攻後、総合重工メーカーに入社。入社以来、大型冷凍機のコントローラ設計に従事し、インバータ回路設計や制御基板のアナログ回路設計、EMC評価、海外規格対応など幅広い開発業務を経験してきました。設計だけでなく下請け企業を巻き込んだ製品開発プロジェクトにも携わり、技術面とマネジメント面の双方で確かな実績を積んできています。

一方でCさんは、キャリアの早い段階から「電気設計技術をさらに高めたい」という明確な志向をもっており、より高度な開発環境で専門性を磨くことを目指して転職活動を開始。特に光学設計や電源回路設計など、学術研究と実務を横断できるポジションを志望していました。また勤務地を移してグローバルに展開する企業でキャリアを形成したいという意向もありました。

JACのコンサルタントは、Cさんのアナログ回路設計と制御技術に加え、EMC対策や海外規格対応といったスキルを総合的に評価。こうした技術基盤を生かせる環境として、半導体製造装置メーカーの電気設計エンジニア職を提案しました。同ポジションでは、センサーから200Vの電源回路までを幅広く設計し、仕様検討から設計、検証、客先対応までを一貫して担当します。加えて、海外売上比率が高くグローバル展開する装置開発に携われる点も、Cさんのキャリア志向と合致しました。

転職後は、製品開発の上流から下流までを包括的に経験できる環境で、電源回路設計の専門性を高めながら、海外市場を意識した製品開発に挑戦する予定です。結果として、年収は450万円上昇し、キャリアアップとスキル深化の両立を実現した転職となりました。JACは、技術的専門性の棚卸しから志向整理、適職提案までを一貫してサポートし、Cさんが次世代の製造技術に関わる確かな一歩を踏み出す支援を行いました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

回路設計マネージャーがベンチャーで再び現場へ──50代で選んだ最後の挑戦

Cさん(50代前半/男性)

業種職種年収
転職前電気機器メーカー回路設計マネジメント1,100万円
転職後エネルギー系スタートアップ回路設計エンジニア900万円

50代前半で転職を果たしたCさんは、大学で電気電子工学を専攻後、複数のメーカーで電源・アナログ回路設計を中心にキャリアを築いてきた方です。入社当初は電源モジュールの設計や量産立ち上げを担当し、海外顧客向け製品の開発にも携わるなど、グローバル視点で製品開発を経験。その後は大手電機メーカーにて複写機の電源・高圧回路設計を経て、複数の設計チームを統括する開発責任者へと昇進し、20名規模の組織マネジメントも担ってきました。直近では、電気設計部門の部長として、設計・ソフトウェア品質・生産プロセスの最適化を指揮してこられました。

しかし、企業全体の成長停滞により新規開発への投資が鈍化したことから、Cさんは「キャリアの集大成として、技術の進化を事業成長に結びつけたい」という思いを強くしました。すでにマネジメントの実績は十分に積んでいたため、今度は現場により近い立場で、革新的な技術開発を行い、社会的インパクトを残したいと考え、転職活動を開始しました。

JACのコンサルタントは、Cさんの豊富な設計・マネジメント経験、特に強電・アナログ回路領域の知見を生かせる新興企業として、ワイヤレス給電技術を開発するエネルギー系スタートアップを提案。同社は、空間伝送型ワイヤレス給電ソリューションを手掛ける技術ベンチャー。Cさんは、送電・受電機の回路設計を中心に、量産導入や品質管理、海外サプライヤとの折衝などの実務も担うポジションで採用されました。これまで培ってきた設計力を基盤に、ベンチャーのスピード感ある開発環境で、再び技術者としての手腕を発揮できる点が魅力です。

転職後は、社会実装を見据えた回路設計開発に携わり、製品の小型化・高効率化といった課題解決に挑戦しています。年収は一時的に下がりましたが、Cさんは「最後の10年を成長分野で挑戦したい」という意思をもち、自身の経験を社会的意義のある技術に還元したいと考え、満足度の高い転職を実現しました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

回路設計へ転職後のキャリアパス

回路設計エンジニアは、技術の進化にともない、さまざまなキャリアの可能性が広がる職種です。設計技術を深めて専門領域を極める道、開発全体を統括するマネジメント職へのステップアップ、さらに技術をビジネスに応用するコンサルタント職やアプリケーションエンジニアへの転身など、進む方向によって求められるスキルや役割は大きく異なります。ここでは、回路設計職を出発点とした代表的な4つのキャリアパスをご紹介します。

  • ●特定領域(電源回路や高周波回路など)において技術を極める
  • ●PMやPLとして開発プロジェクトを成功に導くマネジメント力を磨く
  • ●技術コンサルタントへの転職
  • ●半導体・電子部品メーカーのフィールドアプリケーションエンジニアへの転職

特定領域(電源回路や高周波回路など)において技術を極める

最も王道のキャリアパスが、特定分野における専門技術を深化させる道です。電源回路設計、高周波(RF)回路設計、アナログ信号処理、AD/DAコンバータなど、特定領域の技術を極めることで、開発組織における技術的リーダーとしての地位を確立できます。特に電源やRFといった分野は代替要員が少なく、深い知見をもつスペシャリストの市場価値は高い傾向にあります。

このキャリアでは、回路全体の動作原理を理解し最適なアーキテクチャを構想できる力が鍵となります。例えば高周波設計では、通信性能を左右するノイズ特性や伝送損失を最小化する設計思想が求められます。電源回路では電力効率・放熱性・安全規格の遵守を両立させるバランス感覚が重要です。こうした専門性を高めることで、社内外の開発プロジェクトで技術顧問的な役割を担うことも可能になります。

また専門性を基盤として大学・研究機関・規格団体との共同開発に携わるケースもあり、研究開発型キャリアへ発展させることも現実的な選択肢です。

PMやPLとして開発プロジェクトを成功に導くマネジメント力を磨く

二つ目のキャリアパスは、プロジェクト全体を統括するマネジメントキャリアです。回路設計職からPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)へとステップアップすることで、製品開発の上流から下流までを俯瞰し、複数の技術領域を束ねる役割を担います。

このキャリアでは技術知識に加え、工程管理・品質管理・コストマネジメントのスキルが求められます。特に、多様なサプライヤーや外注先と連携しながら、設計スケジュールを守りつつ品質を担保する力が不可欠です。また、チームメンバーの育成や技術的課題の整理・優先順位付けを行う能力も評価されます。

PM/PL職は、設計実務から離れるわけではなく、技術的判断を下す立場として高い専門理解を維持することが前提です。近年では自動車や半導体業界を中心に、グローバル規模の開発案件をリードできるマネージャー層の需要が拡大しており、英語による技術文書の読解力や国際標準への対応経験も評価ポイントとなっています。回路設計から培った論理的思考と問題解決力は、このキャリアにおける最大の強みです。

技術コンサルタントへの転職

設計現場で得た知識を企業の課題解決や技術戦略策定に生かすキャリアとして、技術コンサルタントへの転職があります。コンサルタントは企業の製品開発や生産プロセスにおける課題を特定し、最適な技術導入・設計方針を提案する役割を担います。特に、半導体・電子部品・車載機器業界では、設計から量産化までのプロセス全体を理解している方が求められており、現場経験に裏打ちされた技術的洞察力が強みになります。

このキャリアでは、「技術を経営目線でどう活用するか」を考える力が求められます。例えば、製品コスト低減や設計品質の向上、開発リードタイムの短縮など、企業の収益改善に直結する提案を行うことが期待されます。回路設計で培ったロジカルシンキングやトラブルシューティングの経験は、クライアントの課題を構造的に整理する上で有効です。

また、ITやAIなど他領域と組み合わせたコンサルティング案件も増加しており、設計知識をもとにデジタルエンジニアリング領域へ関与する道も開かれています。技術の応用範囲を広げたい方にとって、挑戦しがいのあるキャリアといえるでしょう。

半導体・電子部品メーカーのフィールドアプリケーションエンジニアへの転職

回路設計経験を生かせるもう一つの代表的キャリアが、フィールドアプリケーションエンジニア(FAE)です。FAEは、半導体メーカーや電子部品メーカーにおいて、自社製品を顧客企業に最適な形で提案・導入する技術職であり、「開発現場と顧客をつなぐ橋渡し役」を担います。

FAEには顧客の製品設計課題を理解し、自社デバイスを活用した最適な回路構成を提案するスキルが求められます。そのため、回路設計で培ったアナログ・デジタル双方の知識、回路動作の原理理解、評価ツールの使用経験などが、直接的に生かされます。また、顧客対応の中でプレゼンテーションや課題のヒアリングを行う場面も多く、技術説明をわかりやすく伝える力や、折衝力・協調性といったビジネススキルも重要です。

FAEは、技術職でありながら営業的な視点も必要であるため、エンジニアとしての専門性を維持しながら、顧客価値創造の最前線でキャリアを広げられる点が魅力です。特に、グローバル市場を相手にする外資系メーカーでは、英語での技術提案や海外顧客との協業が日常的に求められるため、語学力と国際感覚を兼ね備えた設計者にとっては理想的なキャリアパスといえるでしょう。

回路設計への転職なら、JAC Recruitment

回路設計職への転職を成功させるには、業界特有の技術トレンドと企業ごとの採用要件を正確に把握することが欠かせません。半導体、電子部品、自動車、産業機器といった各分野で求められるスキルや経験は細分化が進んでおり、専門性を適切に合致させることが転職の成功を左右します。その点でJACは、回路設計をはじめとするエンジニアリング領域に精通したコンサルタントが多数在籍し、技術理解に基づいた実践的なキャリア支援を提供しています。

JACでは、企業が抱える開発課題や組織構成まで踏み込んで分析し、設計経験者の強みを最大限に生かせるポジションを提案します。デジタル/アナログ/高周波などの専門領域別にチーム体制を構築しているため、職務内容の精緻な理解に基づいた紹介が可能です。また、非公開求人を多く取り扱っており、表に出ないハイレベルな開発職やマネジメントポジションへの紹介実績も豊富です。

転職活動では、ご自身のスキルの棚卸しやキャリアの方向性の整理に、客観的な視点が求められます。JACは国内外の製造業・テクノロジー企業との強固なネットワークを生かし、即戦力採用からキャリアアップ転職まで、一人ひとりに最適な選択肢を提示します。

回路設計の専門性を次のステージで生かしたい方は、JACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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