工業デザイナーは、家電・自動車・家具などの製品において、機能性と美しさを両立させる重要な専門職です。近年は、製品の差別化・UX向上・グローバル展開が加速する中で、デザイン領域の戦略的価値が高まり、転職市場でも注目度が上昇しています。
本記事では、工業デザイナーの最新転職動向、年収相場、求められるスキル・経験・資格、キャリアパス、成功事例までをJAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく解説。未経験から挑戦したい方にも役立つ知識をご紹介します。
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工業デザイナーの転職動向
工業デザイナーの転職市場は活況が続いており、当社の実績で求人数は前年比1.3倍以上と増加傾向となっています。特に「自動車・部品」業界での採用増加が顕著で、モビリティ領域やBEV化(電動化)への対応など、業界構造の変化が要因です。
募集背景としては、長期的なブランド戦略を担うデザインマネージャー層の強化や、デザイン領域拡大にともなう組織体制の刷新、新規事業・商品開発に向けた体制強化が挙げられます。仕事内容は、製品やサービスの外観・機能性を高めるプロダクトデザインをはじめ、ブランド戦略立案、ユーザー調査、インナーブランディング、販促ツール制作まで多岐にわたり、企画段階から量産化まで一貫して関わるケースが多く見られます。
グラフィックやUI/UX領域との融合、デザインによる新規ビジネス創出など、従来の枠を超えた業務も増加しています。転職成功事例をみると、決定年齢は30代〜40代前半が中心で、ポジションは課長未満から部長クラスまで幅広く、業種は自動車・機械・消費財など多様です。海外展開を見据えた企業では、英語力を評価する傾向もみられます。
工業デザイナーで求められるスキル・経験・マインド
工業デザイナーの転職時に求められるスキル・経験・マインドは、以下のとおりです。
・プロダクトデザイン経験
・インダストリアルデザインの知識・学歴
・CAD・3Dモデリングスキル
・Adobeソフトの操作スキル
・協調性とプロジェクト推進力
ここから、それぞれの内容を解説します。
プロダクトデザイン経験
工業デザイナーの求人では、3年以上のプロダクトデザイン経験が求められるケースが多く見られます。業界や製品分野を問わず、工業製品の企画から量産化まで一連の工程を理解し、実務として関わった経験が評価対象です。
特にモビリティや家電、精密機器などの分野では、造形や機構設計とデザインを融合させた提案力が重視されます。単なるデザインスキルだけでなく、製造プロセスやコスト管理を踏まえた実践的な設計経験が、即戦力としての採用につながりやすいでしょう。
インダストリアルデザインの知識・学歴
インダストリアルデザインの学士以上、または同等の教育を受けていることを条件としている企業も多くみられます。大学・専門学校での体系的な学習を通じ、デザイン理論や造形美学、ユーザーインターフェースなど幅広い基礎知識を習得していることが評価ポイントです。
また学歴だけでなく、卒業制作やインターンシップでの実践経験、ポートフォリオの完成度も重要な判断材料です。特に、ブランド戦略や製品価値向上を担うポジションでは、理論と実務の両面を備えた背景が強みとなります。
CAD・3Dモデリングスキル
工業デザイナーは、アイデアを具体的な形状に落とし込むためのCAD(Computer Aided Design)や3Dモデリングスキルが必須です。例えば、AutoCAD、RhinocerosやSolidWorks、CATIAなどの操作経験を条件とする求人が多く見られます。
特に、モビリティ分野や大型製品開発では、曲面処理や複雑形状のモデリング能力が高く評価されます。また、3Dデータを用いた試作・検証やレンダリングによるプレゼンテーション力も、選考通過に直結するスキルです。
Adobeソフトの操作スキル
PhotoshopやIllustratorなどAdobe製品の操作スキルは、コンセプトスケッチやプレゼン資料の作成、製品イメージのビジュアライズに欠かせません。多くの求人で、これらのソフトを用いたグラフィック制作経験を条件としています。
特に、初期段階でのデザイン提案や、顧客向けのビジュアル資料作成においては、短時間で高品質なアウトプットを生み出す能力が重要です。3Dソフトとの組み合わせや、モーショングラフィックス制作経験があれば、さらに活躍の幅が広がります。
協調性とプロジェクト推進力
工業デザインは、エンジニア、マーケティング、製造など多部門と連携しながら進めるため、高い協調性とプロジェクト推進力が求められます。コミュニケーション力は、経験年数やスキルと並び、採用判断に直結する要素です。
単にデザインを形にするだけでなく、関係者と共通認識を持ちながら課題を解決し、品質・コスト・納期をバランスよく満たす能力が欠かせません。チームの意見調整やスケジュール管理のほか、複数の案件を並行して進めた経験も評価される傾向にあります。
工業デザイナーの想定平均年収は763.9万円
JACの実績※では、工業デザイナーの平均年収は約763.9万円です。年収のボリュームゾーンは600万円~900万円となっています。下記の表は年代別の平均年収ですが、企業規模や担当する領域、これまでのご経験によって、20代でも年収が500万円を超えるケースや30代・40代で年収1,100万円以上になるケースもあります。
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバークラス | 693.5万円 |
| 管理職 | 857.9万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年7月、想定年収)より
工業デザイナー最新求人情報
本章では、工業デザイナーの最新転職・求人情報を紹介します。
●株式会社TJMデザイン:建築工具トップシェアブランドのデザイナー
●非公開:プロダクトデザイナー/プライム市場/高利益率の優良グローバル企業
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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年8月最新)
工業デザイナーへの転職で有利となる資格
工業デザイナーの転職時には、以下の資格を取得しておくと有利です。
・色彩検定
・CAD利用技術者試験
・TOEIC
・JIDAデザイン検定(旧プロダクトデザイン検定)
・CGクリエイター検定
ここから、各資格について解説します。
色彩検定
色彩検定は、色に関する幅広い知識と活用能力を証明する資格で、プロダクトデザインやブランディングの精度を高めるうえで有効です。製品の外観やユーザーインターフェースの設計において色彩計画を担える方が高く評価されています。
取得までの学習期間は2〜6ヵ月程度が目安で、3級から1級まで段階的に挑戦可能です。1級は高度な配色理論や心理効果の理解が必要で、難易度も高めですが、デザイン分野での説得力が大きく向上します。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、2D・3D CADソフトの操作スキルと設計知識を客観的に証明できる資格です。工業デザイナーはCADを用いたモデリング・図面作成が必須のため、CADスキルを証明できる資格保持者は選考通過率が高い傾向があります。
学習期間は2Dの場合2〜3ヵ月、3Dの場合3〜6ヵ月程度が一般的で、操作経験があれば短期間での合格も可能です。難易度はソフトの習熟度によりますが、実務経験者には取り組みやすい資格といえます。
TOEIC
グローバル展開を視野に入れているメーカーでは、英語力を備えた工業デザイナーの需要が高まっています。TOEICは国際的に認知度が高く、スコアによって英語力を明確にアピールできます。
600〜730点以上を条件としている求人が多く、海外の工場や顧客とのやり取りが発生するポジションで特に有効です。取得に向けた学習期間は目標スコアや基礎力によりますが、一般的には3〜6ヵ月程度が目安です。継続的な学習と模試での実践練習が求められます。
参照:IIBC「TOEIC」

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JIDAデザイン検定(旧プロダクトデザイン検定)
JIDAデザイン検定は、公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)が実施し、工業デザイン領域で唯一、専門的なスキルを証明する民間資格です。1級と2級に分かれ、2級は基礎知識、1級は実務レベルのスキルが問われます。
試験はCBT方式で選択式となっています。転職時には専門性や知識の客観的な証明になり、向上心のアピール材料としても有効です。デザイナーとしての基礎と実践力の両面を評価されやすくなります。
CGクリエイター検定
CGクリエイター検定は、3DCGや映像表現の制作能力を証明する資格で、製品のレンダリングやプロモーション資料の制作で力を発揮します。3Dモデリング後のビジュアル化スキルを持つデザイナーは、提案力や社内外での説得力が高まり、評価されやすい傾向にあります。
学習期間は初級で2〜3ヵ月、上級で6ヵ月程度が目安で、モデリング・テクスチャ・ライティングなど幅広い知識が必要です。
参照:公共財団法人 画像情報教育振興協会「CGクリエイター検定」
工業デザイナーのキャリアパス
工業デザイナーのキャリアは、企業内で専門性を磨く道から、チームを率いる管理職、自由な働き方が可能なフリーランス、異業界への転身、教育・研究職まで多岐にわたります。ここでは、一般的なキャリアパスを5つご紹介します。
企業内スペシャリストとして活躍
企業に所属し、特定分野で専門性を磨くキャリアです。特定ジャンルの製品に深く関わり、技術や素材、ユーザー理解を高めながら企業内の要となります。現場での継続的な挑戦や改善に意欲的な方に適しています。
新卒や第二新卒で入社後、ジュニアデザイナーから経験を重ね、中堅・シニアへ成長し、特定分野の第一人者やエキスパート職を目指すのが一般的な流れです。
マネージャー・管理職への昇進
プロジェクトやチームの指揮を担い、部門の成果に責任を持つキャリアです。人をまとめ、全体最適を考えられるリーダー志向の方に適しています。
現場で実績を積み、リードデザイナーからリーダー職へ昇格し、マネジメントや調整スキルを磨きましょう。その後、部門長やクリエイティブディレクターなど、組織運営に関わるポジションを目指します。

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フリーランスとして独立
自ら案件を獲得し、企画から納品まで全責任を負う自由度の高い働き方です。自己管理能力と営業力、柔軟な対応力が必要で、創作の自由を求める方に適しています。
企業で経験・実績を積み、人脈を広げて独立した後、ポートフォリオサイトやSNSなどで情報発信しながら取引機会を増やします。自身の得意分野やブランドを確立すれば、大手企業や海外の案件にも挑戦可能です。
異業界・異職種への転身
工業デザインのスキルを活かし、ITやUX/UI、商品企画、コンサルなど異なる業界や職種で活躍する道です。幅広い視野を持ち、新領域で価値を発揮したい方に適しています。
異業界・異職種の掛け合わせで独自性を高められる点が魅力です。現職で関連部門に関わったり、資格取得やポートフォリオ作成で能力を可視化したりなどのステップを経て転職します。

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教育・研究職としての道
経験や知識を次世代へ伝えるため、大学や専門学校、研究機関で活動するキャリアです。教育への熱意や探究心を持つ方に適しています。
現場経験を経て非常勤講師や講師職に就き、必要に応じて大学院で専門性を磨き研究実績を積みましょう。論文発表や産学連携に取り組みながら、教授や研究員として信頼と権威を確立していきます。
工業デザイナーの転職を成功させる5つのポイント
工業デザイナーの転職をスムーズに進めるためには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
・デザイン経験を“課題解決力”として言語化する
・使用ツール・技術を“即戦力スキル”として提示する
・業界・企業特性に合わせた“独自性”を打ち出す
・転職目的を“成長ストーリー”として構築する
・専門領域に強い転職エージェントを活用する
ここから、各ポイントについて解説します。
1.デザイン経験を“課題解決力”として言語化する
工業デザインの経験は、見た目だけでなく機能性・安全性・製造条件を踏まえた解決策を提示できる力に直結します。転職活動では「製品の魅力を高めた事例」だけでなく「課題発見から解決までのプロセス」を具体的に語ることで、他職種や異業界にも通じる汎用スキルとしてアピールすることが可能です。
特に、ユーザビリティの改善やコストの削減に貢献したエピソードは、面接官に即戦力として評価されやすく、ポジティブな印象を与えます。
2.使用ツール・技術を“即戦力スキル”として提示する
3DCAD、Illustrator、Photoshop、レンダリングソフトなど、扱える設計・表現ツールは明確に示しましょう。単なる使用経験ではなく、「どのような案件で使い、どう成果を上げたか」を紐づけることで技術力の実務適用度を証明できます。
近年は、DXや製造プロセスのデジタル連携が進むため、新しいツール習得への積極性も評価対象です。募集側が求める環境・仕様に合致すれば内定に近づくでしょう。
3.業界・企業特性に合わせた“独自性”を打ち出す
デザイナーとして培った知識や経験を、応募企業の特徴に合わせて換言できる力も重要です。例えば、家電メーカーでの経験はUI/UXへの知見、自動車業界では安全規格や耐久性設計の知識、といった形で明文化します。
企業研究を通じて、「自分だから提供できる価値」が何かを掘り下げ、他候補者と差別化できる表現に落とし込みます。これによって、応募企業への理解度の深さと貢献意欲を伝えることができます。
4.転職目的を“成長ストーリー”として構築する
単なる不満や環境改善ではなく、将来の成長と貢献を描いたストーリー設計が必要です。現職で成果を出しながらも、「より多様な製品カテゴリーに挑戦したい」「サステナブルデザインや新素材活用に携わりたい」といった前向きな理由を軸にします。
過去の経験とのつながりを示すことで、キャリアの一貫性が生まれ、採用側も納得しやすくなるでしょう。自身がどのような考え方や価値観を大切にしているのか、意識が向いている方向はどこか、志向性を明確化することが内定獲得率を左右します。
5.専門領域に強い転職エージェントを活用する
工業デザイン分野の求人は、非公開案件や社内のクリエイティブ部門から直接依頼された募集も多く存在します。業界に関する知識のあるJACのような転職エージェントを活用すれば、自身のスキルと市場のニーズを的確に把握できるほか、職務経歴書のブラッシュアップやポートフォリオの見せ方指導、面接対策など、包括的な支援を受けられます。
効率的に活動するためにも、専門エージェントの活用は有力な選択肢の一つです。
工業デザイナーの転職事例
ここからは、JACを活用して工業デザイナーへ転職した事例をご紹介します。
Bさん(男性/40代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 自動車部品メーカー | 工業デザイナー | 850万円 |
| 転職後 | 大手自動車関連メーカー | 工業デザイナー | 900万円 |
Bさんは新卒で自動車部品メーカーに入社以来、自動車内装部品や内装用品のデザインに従事。主に大手自動車メーカー向けの委託業務に携わり、担当・プロジェクトリーダーとして複数の新型車開発に参画してきました。
課長として十数名のチームをマネジメントしつつ、プレイングマネージャーとして最前線のデザイン業務も継続。高級車やミニバンなど多様な車種の内装デザイン実績を持ち、周囲からの信頼も厚い方です。
一方で、業務はやり切った感があり、この先のキャリアがマネジメント中心になる見通しや、企業風土への違和感から転職を検討。より自由度が高く、新たな発想を活かせる環境を求めて、JACに相談されました。
これまで培った自動車内装デザインの専門性、プロジェクト推進力、マネジメント経験が評価され、大手自動車関連メーカーのモビリティ関連デザイナー職へ採用。新天地では、未来のモビリティや新商品の企画・デザインに携わり、デジタルやモックを用いた提案から展示会発表まで、幅広く挑戦できる環境で活躍が期待されています。
工業デザイナーへの転職なら、JAC Recruitmentへ
JACは、転職支援において豊富な実績と高い専門性を持つ転職エージェントです。国内外の大手メーカーやグローバル企業との強固な信頼関係に基づく非公開求人も多く、ハイクラス層や専門職に特化した情報ネットワークを活用することができます。
ものづくり業界やデザイン分野に精通したコンサルタントが、業界特有のニーズや最新トレンドを把握したうえで、一人ひとりのキャリアに寄り添った細やかなサポートを提供します。
求人紹介だけでなく、職務経歴書やポートフォリオのブラッシュアップ、面接対策、条件交渉までをトータルで支援する体制を整えており、次のキャリアを目指す方にとって質の高い選択肢を提示できる点が強みです。
専任制のコンサルタントによる中長期的な視点でのキャリア相談も可能なため、自分の強みや将来像を明確にしたい工業デザイナーにもおすすめです。
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メーカーの転職市場においても、JAC Recruitmentは多くの方々の転職を成功させてきました。JACは業界専任制のコンサルティングを行っているため、高い専門性や業界の知識を豊富に蓄積しており、また市場動向についても… 続きを読む メーカー転職情報



