社内SE30代の転職事情|平均年収や求められるスキル経験を解説

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公開日:2026/01/30 / 最終更新日: 2026/01/30

IT基盤の強化が進められている現代において、ITインフラの整備や運用を担う社内SEは、企業の成長戦略の可否を握る重要な役割を果たしています。ITの専門知識に加え、豊富な経験から培ったビジネス理解を備えた30代の社内SEに対し、企業から将来の幹部候補として期待されるケースが増えています。

30代は社内SEとしてのキャリアの方向性を決定づける重要な時期です。この時期の決断は将来に大きな影響を与えます。転職を成功させるうえでも、理想のキャリアを実現するうえでも、30代の社内SEに企業が何を求めているのかを把握することは重要です。そのために、採用側のニーズを確認しましょう。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が社内SEを目指す30代の転職動向について詳しくご説明します。

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社内SE30代の現状と転職動向

JACが保有する求人やサポート事例をもとに、30代の社内SEを取り巻く状況や求人の特徴などについて解説します。

多様な業界において、ERP導入関連求人が増加

DX推進が進む中、社内SEは企業成長に直結する重要ポジションとして注目度が高まっています。30代は技術スキルとビジネス理解の両面が評価され、採用ニーズが高まっています。

特に、近年は製造業や流通・小売業、建設業、金融業、物流業、通信業など、幅広い業種においてERPの導入が急速に進められており、こうしたERP導入プロジェクトの求人が増加しています。そのほか、サプライチェーン領域全体における課題解決に向けた求人も多数見られます。

新技術の知識や経験を重視する傾向が顕著に

デジタル技術の進化により、新技術の活用が企業競争力を左右するようになっています。特に、製造業や流通業の業務効率を高めるIoTやビジネスインテリジェンスを向上させるAIなど、先端技術に関する知見と実務経験をもつITスペシャリストへの求人が増加中です。

また、ITシステムを支えるインフラ部門の募集においても、オンプレミス環境の運用スキルに加え、AWSやAzureなどクラウドサービスの構築・運用経験が重視されています。

攻めのDX推進の中核を担う社内SE

JACが取り扱う求人を見ると、業務効率の改善にとどまらず、ITの活用によって市場での競争優位性を目指す「攻めのDX」を推進する企業が増加しています。

従来の運用・保守に加え、新規事業創出や既存事業の高度化への参画が求められています。

企業の成長をITの側面から支えるためには、経営戦略や事業方針の理解が欠かせません。つまり、30代の社内SEには、以前のようにIT関連の知識や経験だけが求められるのではなく、ビジネスモデルを深く理解する、ビジネスサイドの視点も求められるように変化しているのです。

  • DX推進で求められる人材と企業の課題

    「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を経営課題に掲げる企業が、年を追うごとに増加しています。日本では2018年頃から大企業を中心にDXへの対応が始まりました。環境変化も相まって、さまざまな業界でDXを活用したビジ… 続きを読む DX推進で求められる人材と企業の課題

幹部候補性としての期待と支援体制の整備

30代社内SEで未経験者を募集している事例はほとんどありません。30代の採用では、ITエンジニアとしての十分な実務経験が前提となります。さらに、昨今では、幹部候補生として将来、IT部門を牽引できるリーダーシップに長けた人を歓迎する動きも強まっています。

30代は、ライフステージに大きな変化がみられる時期でもあります。多くの企業ではリモートワークやフレックス制度など、多様な働き方を認めるとともに、スキルアップやキャリアアップを叶える環境を整備しています。つまり、企業は単なる欠員補充として募集しているのではなく、将来的にIT部門のトップになり得るポテンシャルの方を採用し、中長期的な視野で育成する狙いが強まっているのです。

社内SE30代で求められるスキル・経験・マインド

前述のように、30代の社内SEには、将来の幹部候補として成長を期待する企業も多く、次のようなスキルや経験、マインドを備えた方が歓迎されます。

  • ・幅広いIT知見とビジネス理解
  • ・マネジメント経験と強力なリーダーシップ
  • ・プロジェクトを成功に導く高度なコミュニケーション力

幅広いIT知見とビジネス理解

30代の社内SEの募集要件は、実務経験としてC#、ASP.NET、JavaScript、SQLなどを使ったアプリケーション開発経験、データベースシステムの開発・運用、システム開発プロジェクトへの参画経験、インフラの企画・運用経験などが必須とされている求人が目立ちます。加えて、SAPなどERP導入経験やクラウド構築経験などがある場合、特に歓迎される傾向が見られます。

しかし、30代の社内SEに求められているものは、こうした経験だけではありません。豊富な知見に加え、ビジネス全体の流れを理解し、ITの活用によってビジネス課題の解決や企業価値向上をもたらす戦略的思考を備えていることが求められています。

マネジメント経験と強力なリーダーシップ

20代と比較すると30代には、マネジメント経験を求める求人が増加します。IT戦略の立案・実行リーダーの役割を期待する企業が多く、技術力に加え組織を動かす力を備えていることが求められる傾向です。

プロジェクト成功の鍵は、プロジェクトマネージャーのマネジメント力です。技術知識だけでなく、関係部署を巻き込み推進した経験が評価されます。こうした背景から、プロジェクトマネジメント経験者の採用が増えています。

予期せぬトラブルに冷静に対応し、時間と品質を管理するスキルは、マネジメント経験からこそ得られるものです。特に、ERP導入プロジェクトなどの大規模プロジェクトは、多様なステークホルダーとの合意形成が欠かせません。プロジェクトを成功させた経験は、高度なマネジメントスキルの証明になるのです。

プロジェクトを成功に導く高度なコミュニケーション力

30代の社内SEには、高度な傾聴力や調整力が求められます。自社の業務プロセスにマッチする最良のシステムを構築するには、社内の各部門やベンダーとの交渉や調整を戦略的に進めることが必須です。また、社内の要望を正確に把握し、潜在的なニーズも踏まえて技術的要件に落とし込む力が求められます。さらに、ベンダーからの提案を、IT専門用語から現場で理解しやすい言葉に置き換えて説明する能力も重要です。

そのほか、プロジェクトを完遂するためには、チームマネジメントも重要な要素です。メンバーのモチベーションを高く維持し、パフォーマンスを最大化させるには、チームケアが欠かせません。例えば、プロジェクトの進捗を可視化してチーム全員が全体を把握できるようにしたり、心理的安全性を確保するなどチームケア能力も必要になります。

ITプロジェクトを成功させるには、多様な局面において高いコミュニケーションスキルが求められます。多くの企業では、面接を通じ、これまでの経験を確認しながら、技術力だけでなく、ソフトスキルを深く見極めようとする傾向が強まっているのです。

社内SE30代の平均年収は721.1万円

JACのサポート事例を見ると、30代の社内SEの平均年収は721.1万円です。20代の社内SEへの転職者の平均年収である559.3万円と比較すると150万円以上高くなっています。経験・スキルが高度化し、担当領域が広がることが年収上昇の背景です。

■役職別平均年収

役職平均年収
メンバー707.9万円
管理職884.4万円

役職別の平均年収を見ると、管理職とメンバー職では180万円程の年収の開きが見られます。特に、年収1,000万円超で転職をしている方を見ると、課長職以上で決定された方も多くなっています。30代での社内SEの転職では、管理職への就任が年収アップの重要な選択肢になるともいえます。

■企業属性別平均年収

企業タイプ平均年収
日系企業716.4万円
外資系企業813.2万円

平均年収を日系企業と外資系企業で比較すると、外資系企業の方が約100万円高くなっています。日系企業には退職金制度が採用されていることが多く、退職金の引当金を計上していることなどから、年収に差が生じていると考えられます。

社内SE30代の転職を成功させる4つのポイント    

30代が社内SE職への転職を成功させるうえで重要なポイントを以下の4つの軸に沿ってご紹介します。

  • ・業界知識と課題の本質を見抜く力を示す
  • ・プロジェクトマネジメント経験を成果とともに示す
  • ・グローバル環境下での調整経験や英語力のアピール
  • ・30代ならではの明確なキャリアプランとソフトスキルの提示

業界知識と課題の本質を見抜く力を示す

社内SEにはDX推進の中心的な役割が期待されており、組織のDXを推進するうえでは、業界の構造や業務プロセスなどの把握が欠かせません。業界ごとに異なるビジネスモデルや業務プロセスを理解していなければ、組織が抱える課題の本質を捉えることは難しくなります。

IT知識に加え、応募先企業が属する業界の知識や業務プロセスの理解は、課題の発見や課題解決策の立案に大きく貢献します。また、特定の業界における業務経験や知識は、転職時の大きなアドバンテージとなるでしょう。

面接時には、同業界での業務経験やプロジェクト関与経験などを積極的にアピールすることが大切です。ただし、単に業務遂行経験を伝えるだけでなく、どのような工夫によって成果を出せたのか、ビジネス的な視点で説明することが重要です。社内SEとして、技術的知見に加え、戦略的な思考のアピ―ルを行えば、応募企業に早期の活躍の期待を強力に示すことができるでしょう。

プロジェクトマネジメント経験を成果とともに示す

先にも述べましたが、企業は30代の社内SEに、プロジェクトマネージャーとしての役割を求めています。しかし、その経験を主張するだけでは、十分なアピールにつながりません。

成功例を示す際には、プロジェクトの計画からステークホルダー調整、実行フェーズ、予算管理など、それぞれの局面において、「何をどのように変え、どのような効果を得たか」という具体的な効果と数値をセットで説明することが大切です。

要件定義からリリースまでの一連の工程において、戦略立案・スケジュール管理・品質管理・コスト管理を総合的にマネジメントできる能力の提示は、自身の市場価値を大きく向上させます。

グローバル環境下での調整経験や英語力のアピール

世界シェアの拡大に向け、海外のグループ会社との連携や海外拠点とのITシステムの統一などを進める企業も増加中です。日本は少子高齢化により市場の縮小が予測されており、持続的に組織を成長させるうえで、海外進出が現実的な選択肢となりつつあります。

一方で、海外と日本でITシステムが分断される場合、データの連携の不整合や業務プロセスのばらつきなど、業務効率の低下や情報共有の遅れにつながるさまざまな支障が生じます。これらの課題を解消するため、海外拠点も含めて社内システムの統一やIT基盤の充実を図る企業が増えています。そのため、グローバル環境下でのビジネス経験は大きなアドバンテージとなります。実績を示す際には、プロジェクトの規模や担当範囲、対象地域、成果などを具体的に示しましょう。

また、海外拠点と連携を進めるうえでは、英語によるコミュニケーションが欠かせません。ビジネスで英語を使用した経験がある場合は、使用シーンや使用頻度などを具体的にアピールしましょう。そのほか、ビジネス上での英語使用経験がない場合でもTOEICのスコアは英語力の客観的な証明となります。グローパルな環境での業務を希望する場合には、TOEICを受験するなどして、英語力を証明できるよう準備を進めましょう。

参照:TOEIC

30代ならではの明確なキャリアプランとソフトスキルの提示

ここまでで述べてきたように、30代の社内SEに対し、ITの知見や技術だけを求める企業は減少しています。企業の競争力を高めるIT部門の中心的な役割を担える人を求めており、技術スキルに加え、業務理解やコミュニケーション能力、課題解決力、戦略的思考などのソフトスキルを総合的に発揮できることが望まれます。

30代は、今後を見据えて、進むべきキャリアの方向性を明確にする時期でもあります。転職活動において、目指すキャリア像を明確に示すことは、自律的なキャリア形成を目指す姿勢の表れであると捉えられます。IT領域は、特に変化が激しい領域であり、その中でもキャリアを自ら設計し、キャリア実現のために必要な技術やスキルを主体的に更新し続ける姿勢は、高い評価につながります。

自律的に学び続ける姿勢は高く評価されます。30代では、転職理由と目指すキャリアを一貫性をもって説明することが重要です。

社内SE30代の転職成功事例

JACのサポートによって社内SE職へ転職された30代の方の事例をご紹介します。

SAP FI/CO × 海外導入経験で、IT戦略部の管理職候補へ

Bさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前製造業SAP FI/CO導入コンサルタント950万円
転職後エネルギー関連業社内SE1,200万円

Bさんは、大手消費財メーカーにおいてSAP導入プロジェクトに携わってこられた方です。特に、財務会計や管理会計の分野に詳しく、海外の関連会社へのSAP導入も担当。業務にやりがいを感じていたものの、40歳を前にキャリアを再考し、経験を生かしながらIT企画やマネジメントにも関われる環境を希望し、転職を決意されたとのこと。

Bさんの意向を尊重し、JACではエネルギー関連会社のIT戦略部の業務をご紹介。このポジションは管理職候補として、SAP関連プロジェクトの企画立案とともに、プロジェクトのマネジメントや社内外のステークホルダーの調整を担当する業務であり、Bさんのスキルを生かし、かつキャリアアップも叶えられる求人でした。

将来的には海外拠点への異動の可能性もあり、面接では、SAPに関する豊富な経験に加え、海外拠点との連携経験なども高く評価され、見事採用が決定しています。

金融インフラPMの経験を基盤に、成長企業のIT基盤リーダーへ

Tさん(男性/30代前半)

業種職種年収
転職前金融商品取引業ITインフラエンジニア・IT統括部門プレイングマネージャー950万円
転職後リース業社内SE(インフラ)1,100万円

Tさんは、サーバーやネットワーク、クラウドなどのインフラ部門の運用、セキュリティ対策強化、ヘルプデスク業務を担当されてきた方です。金融機関向けの管理システムや決済システムの構築・運用経験もあり、上流から下流まで、幅広い業務に対応されてきました。現在の環境では新規技術を学ぶ機会が少なく、将来を見据え、キャリアアップを叶えられる環境を目指したいと転職を決意されました。

JACでは、リース会社の社内SEの業務をご紹介。グループ会社を含めたITインフラ基盤とセキュリティ対策の企画・設計、運用に関わる業務です。この求人をご紹介したのは、新たな技術を積極的に取り入れ、課題解決や業務改善を図る方針で、成長意欲の強いTさんの希望に合致しているのではと判断したためです。

ITインフラに関する専門的な知識とプロジェクトのマネジメント経験、自律的なキャリア形成を目指すTさんの姿勢は高い評価につながり、面接後すぐに採用が決定しています。

社内SEでの経験や専門性を生かす転職ならJAC Recruitment

あらゆる業界においてDXが推進される中、社内SEには、業務プロセスの向上だけでなく、新たなビジネスモデルや価値創造をもたらす、重要な役割が期待されています。特に、十分な知識や経験を備え、ビジネス視点も培った30代には、即戦力かつ、将来の管理職候補としての期待をかける企業が目立ちます。

JACでは、各業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、業界の特徴はもちろん、各企業の組織文化や募集の背景まで、求人票だけではわからない詳細な情報を把握しています。

豊富な求人の中から経験やスキルを最大限に発揮でき、理想のキャリア実現につながる最適な求人をご紹介します。30代の今、社内SEとして企業をITから支えていきたいとお考えの方は、ぜひお気軽にJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。