飲料業界の転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

  1. 転職マーケット×食品/飲料業界
  2. 食品/飲料業界

公開日:2025/10/02 / 最終更新日: 2025/10/02

原材料価格の高騰にともない、飲料製品の値上げが相次いでいます。値上げと少子高齢化による国内市場の縮小に対し、多くの飲料メーカーでは、新商品や新規事業の開発、海外進出などを通じてチャンスの拡大を図っています。では、飲料業界の転職市場は活況なのでしょうか。

今回は、飲料業界の転職に求められるスキルや経験、年収相場、最新の求人情報などについてJAC Recruitment(以下、JAC)がご説明します。

業界のプロがあなたにあった転職支援を行います

今現在、

  • 経験を活かして異業界への転職を検討している
  • 業界内でより自分にあった企業へ転職したい
  • より年収を上げたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

飲料業界の転職動向


飲料業界の求人数の推移に関する公的な統計は確認できませんが、市場の回復傾向や消費動向から、採用活動が活発化している様子がうかがえます。

一般社団法人全国清涼飲料連合会のデータによると、1人当たりの清涼飲料水の消費量は年々増加傾向にあり、2024年には年間190.5Lに達しました。これは1日あたり約522mlに相当し、国民1人が毎日ペットボトル1本分の清涼飲料水を飲んでいる計算になります。中でも、健康志向の高まりを背景に、茶系飲料やミネラルウォーターの需要が特に伸びています。

こうした市場の回復と健康志向の高まりを受け、飲料業界では中途採用の動きも活発です。JACが取り扱う求人では、健康飲料の開発に関連するポジションが増加しており、あわせて健康食品や化粧品など、隣接分野における開発・品質保証職の求人も多く見られます。

飲料業界で求められるスキル・経験・マインド


JACが取り扱う求人を見ると、飲料業界では次のようなスキル・経験・マインドをもつ方が求められる傾向にあります。

マーケティングに関する知識や実務経験

飲料業界の多くの企業が、健康飲料や健康食品などの新製品開発に積極的に取り組んでいます。そのため、飲料メーカーや食品業界において、市場分析やリサーチに関わった経験をもつ方やマーケティングに関する知識を保有する方を求める求人が多く見られます。特にデジタルマーケティングに関連した実務経験がある方のニーズが高まっています。

プロジェクトマネジメントの経験

システム開発におけるプロジェクトマネジメントの経験や戦略企画に関するプロジェクトマネジメントの経験など、何らかのプロジェクトを管理した経験をもつ方を求める求人も増加中です。プロジェクトをマネジメントする際には、社内外との交渉や調整が必要となることが多く、プロジェクトを成功に導く高いコミュニケーション能力を求める求人が増えています。

ビジネスレベルの英語力

飲料業界では、国内外において積極的にM&Aが進められています。また、海外事業会社との連携や海外市場の開拓、海外向け商品の開発も進められており、ビジネスレベルの英語力をもつ方を求める企業が非常に多くなっています。

そのほか、英語以外にも日常会話レベルの中国語が可能な方を求める求人も複数見られます。グローバル展開が進む飲料業界において、転職時には、語学力は大きな強みとなるでしょう。

飲料業界の想定平均年収は928.9万円


2023年1月~2025年7月までにJACが転職をサポートした事例を見ると、飲料業界の平均年収は928.9万円となっています。また、ボリュームゾーンは700万円~850万円です。

平均年収は全体的に高く、40代に入ると平均年収は1,000万円超となります。管理職の平均年収は約1,370万円であり、40代から管理職のポジションに就くケースが増加するため、40代の平均年収も高くなっていると推測できます。

また、30代前半のマネジメント職に就いていない方でも1,000万円を超えている事例が多く見られ、実力次第で年齢に関係なく高い評価を得られる傾向があります。

役職平均年収
メンバークラス777.9万円
管理職1,368.7万円
平均年収
日系企業894.2万円
外資系企業999.3万円

※当社実績(2023年1月~2025年7月、想定年収)より

一般的な飲料業界の平均年収は500万~550万円程度といわれています。産業全体の年収水準と比べると、やや高めの金額です。また、大手の飲料メーカーになると平均年収が1,000万円を超えるケースも見られ、企業規模によって平均年収に大きな差が生じる業界であるといえるでしょう。

飲料業界の最新求人情報


JACでは、多数の飲料業界の求人を扱っています。当社が取り扱う飲料業界の求人の中から一部をご紹介します。

大手飲料メーカー:ビジネスアナリスト

大手飲料メーカー:国内外セキュリティ担当

大手飲料メーカー:DXプロデューサー

大手飲料メーカーグループ会社:食品・健康食品原料の提案型営業

大手飲料メーカー:ソリューションアーキテクト(生産計画領域)

大塚製薬株式会社:栄養製品の技術開発(飲料プロセス開発)

日系大手飲料メーカー:マーケティング(コミュニケーションデザイン)

大塚製薬株式会社:OIAA事業部生産担当(海外飲料工場生産担当)

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年8月最新)

JACでは、上記のほかにも多数の飲料業界の求人を取り扱っていますが、当社が取り扱う求人の約7割は非公開求人です。非公開求人は、当社にご登録いただいた方のみにご紹介が可能な求人であり、Web上で詳細をご紹介することはできません。

JACでは飲料業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、転職希望者一人ひとりに寄り添い、一人ひとりに最適な求人をご紹介しています。

飲料業界への転職をお考えの際には、ぜひJACにご登録ください。

>>非公開求人について詳しく知りたい方はこちら

飲料業界への転職で有利となる資格



飲料業界への転職を検討する場合、特別な資格が必須というわけではありません。しかしながら、次のような資格がある場合、スキルの証明となるため、転職時に役立つ可能性があります。

PMP®(Project Management Professional)資格

アメリカにあるPMI(プロジェクトマネジメント協会)が認定する国際資格です。プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格であり、IT部門だけでなく、さまざまな分野のプロジェクト管理に役立つ知識を保有していることの証明となります。PMPの試験は、学歴ごとに細かな受験資格要件が設定されています。例えば、4年制大学を卒業している人は3年以上のプロジェクトマネジメントの実務経験が必要です。

一般社団法人PMI日本支部:PMP®資格

マーケティング・ビジネス実務検定®

国際実務マーケティング協会®が主催する検定試験です。特定の業種、業界にとらわれない共通のマーケティング知識を保有していることの証明となる資格であり、A級、B級、C級の3つのレベルに分かれています。このうち、最も難易度が高いレベルがA級です。A級は会場での試験になりますが、B級・C級はWeb上で受験します。A級に合格するとIMSAA認定マーケティング実務士の資格が取得できます。

国際実務マーケティング協会®:マーケティング・ビジネス実務検定®

TOEIC

飲料業界では、英語力を求める求人が非常に多くなっています。具体的なTOEICのスコアについては示していない企業が多いものの、TOEICのスコアは、英語力の客観的な指標として企業にアピールしやすくなります。

TOEICのListening&Reading Testは、英語の「聞く」「読む」能力をスコアで証明できる試験です。英語を使った求人への応募を希望する場合は、TOEICスコアの取得をおすすめします。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会:TOEIC

飲料業界のキャリアパス


飲料業界関連企業では、次のようなキャリアパスが考えられます。主な職種ごとのキャリアパスをご紹介します。

商品開発職のキャリアパス

商品開発職の場合、開発する商品分野のスペシャリストを目指すか、部門全体のマネジメントを目指すケースが多くなります。技術者としてより良い製品の開発に携わりたい方はスペシャリスト、商品開発を通じて企業の売上に貢献したい方には、マネジメントのポジションが適している場合もあります。

営業職のキャリアパス

営業職の場合、プレイヤーとしての成果を上げた後、リーダーやマネージャーとして新人の育成にも関わり、所属する組織全体の目標達成に向けたマネジメントのポジションに就くケースが一般的です。また、営業職だからこそ把握できる顧客ニーズをもとに営業企画の職を目指したり、営業としての成果にこだわるスーパープレイヤーを目指すこともできます。

マーケティング職のキャリアパス

マーケティング職の場合、スペシャリストとしてマーケティングの知識を追求する方向性と部門のマネジメントを目指す方向性が考えられます。マーケティングのスペシャリストとして専門性を追求し、よりご自身のスキルを高めたいという方はスペシャリストが向いています。また、組織として成果を上げたい、スタッフ育成にも関心がある方はマネジメントのポジションが適しているでしょう。

飲料業界への転職を成功させる3つのポイント


JACの取り扱い求人をもとに、飲料業界への転職を成功させるために意識すべきポイントを3つご紹介します。

食品メーカーでの実務経験をアピールする

飲料業界は、幅広い視点で捉えると食品業界の一つになります。そのため、食品業界において生産管理や品質管理、商品開発、営業などに従事した経験は転職時のアドバンテージとなります。特に、機能性表示食品、特定保健用食品など、健康食品に関わった経験は、高く評価される可能性が高いものです。

食品業界で培ったスキルや経験を飲料業界でどのように転用できるのか、実務経験をふまえて具体的にアピールすることが大切です。

既成概念にとらわれない旺盛なチャレンジ精神

飲料業界では、ヘルスケア分野やスキンケア分野への進出を目指す企業が増加中です。異業界から別の事業に挑戦するにあたっては、すでにある製品を模倣するのではなく、既成概念にとらわれない、新しい視点が求められます。そのため、トライ&エラーから学びを得て、新しいことに積極的にチャレンジする精神は、転職時に大いに役立つはずです。面接時には、新たな発想から成果につなげた実績などを具体的なエピソードをもとにアピールすると評価につながる可能性があります。

飲料業界に詳しい転職エージェントを活用する

在職中の転職活動は簡単ではありません。効率的に転職活動を進めたい場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。しかし、転職エージェントの中でも得意分野は分かれており、転職時には飲料業界に精通した転職エージェントを選ぶことが重要になります。業界に精通したコンサルタントと面談をすると、自身の強みや将来への希望も明確になるケースが多く、よりクリアな目標をもって転職活動を進められるようになるでしょう。

飲料業界の転職事例


JACが転職をサポートし、飲料業界へ入社された方の事例をご紹介します。

1. 化学メーカーから飲料会社への転職事例

Nさん(男性/30代前半)

 業種職種年収
転職前化学メーカープラントエンジニア700万円
転職後飲料会社生産技術1,000万円

Nさんは、プラントの基本設計から実施設計、施工管理など、多くのプロジェクトに関わった経験をもつ方です。今回、よりキャリアアップできる環境への転職を希望され、当社にご相談をいただきました。

当社では、大手飲料会社の生産技術職をご紹介しました。海外の工場建設に関する設備設計のほか、AIやデジタル技術など、先端技術の導入設計も含めた幅広い業務を担う求人です。

応募先企業からはプラントエンジニアの豊富な経験が高く評価され、無事に入社が決定しています。

2. 製薬メーカーから飲料会社への転職事例

Fさん(男性/40代後半)

 業種職種年収
転職前製薬メーカー法務・知財900万円
転職後飲料会社知財活用・事業戦略1,200万円

Fさんは、製薬メーカーにおいて創薬研究に従事した後、知的財産部に異動され、特許の調査や出願権利化、訴訟対応などを担当されてきた方です。また、食品メーカーのヘルスサイエンス事業における知財部門の管理職としてマネジメントに関わった経験もあります。

さらなるキャリアアップを図りたいとのFさんの意向を尊重し、当社からご紹介したのは飲料会社のヘルスサイエンス部門における知財活用・事業戦略職です。知財の管理だけでなく、知財の活用による事業戦略の立案にまで関わる業務であり、難易度の高い業務でした。しかし、Fさんの経験と高い向上心が評価につながり、面接後、すぐに採用が決定しています。

3.インターネット関連企業から飲料会社への転職事例

Lさん(男性/40代前半)

 業種職種年収
転職前インターネット関連会社事業企画・事業開発1,200万円
転職後飲料会社事業企画・事業開発1,550万円

Lさんは、電子書籍サービスの運営会社においてマーケティング業務を経験された後、海外事業部に異動され、海外市場の開拓やサイト運営に関わってこられた方です。数々のプロジェクトにおいて事業企画を進められた実績をもつ方であり、海外現地法人の役員として事業を管理してきた経験もおもちです。

新たな環境でチャレンジしたいというご希望からJACにご相談いただき、当社からは、飲料業界のサービス事業部のマネジメント職をご紹介しました。中長期の事業戦略の立案、実行に伴う業務全領域の最終意思決定者としての求人であり、高いスキルが求められる求人でした。しかし、Lさんは経営視点での事業企画・事業開発に携わってきた経験が豊富にあることから、実績が高く評価され、部長職として見事、転職を成功させています。

飲料業界の転職なら、JAC Recruitmentへ


飲料業界では、ヘルスケア分野に注力する企業が多く、飲料だけでなく、健康食品の開発にも積極的に取り組んでいます。飲料だけでなく、食品も含めた幅広い製品の開発や品質管理などに関心のある方や、新たな分野へのチャレンジを希望する方にとっては魅力的な業界です。

JACには、飲料業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、転職希望者の希望を細かくヒアリングしたうえで、最適な求人をご紹介しています。飲料業界は再編が進んでいますが、企業によって、企業風土も求められる人物像も異なります。当社は、飲料業界を担当するコンサルタントが直接、転職希望者を担当するため、詳細な情報の提供が可能です。

飲料業界への転職をご検討の際は、ぜひJACにご相談ください。

  • 食品/飲料業界転職情報

    食品/飲料業界の転職市場においても、JAC Recruitmentは多くの方々の転職を成功させてきました。 食品/飲料業界では、少子高齢化や女性の社会進出などの社会の変化を受け、商品の作り方・売り方を変えています。そうい… 続きを読む 食品/飲料業界転職情報

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。