金融の高度化、デジタル化、グローバル化が進む中で、銀行業界の年収構造にも大きな変化が生まれています。従来の年齢や役職による年収水準に加え、IT・リスク管理・データ分析などの専門分野では、スキルや経験によって年収が大きく上昇するケースが増えています。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)の実績データをもとに、銀行業界の年収傾向や職種別・役職別の違い、年収アップを実現した転職成功事例などについても、詳しくご紹介します。
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銀行業界の平均年収は948.0万円、年代別年収・年収傾向など詳しく解説
JACの実績※によると、銀行業界の平均年収は948.0万円です。年収のボリュームゾーンは800万円〜1,200万円であり、特に30代後半以降から大幅に年収が伸びる傾向があります。
業界的に年功序列の昇給制度が依然として残る一方で、専門性や語学力、マネジメント経験によって年収が大きく変わるケースも多くみられます。特に、外資系銀行やメガバンクの本部では、30代で年収が1,200万円を超え、40代後半から50代以上では1,500万円を上回る事例も珍しくありません。

| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代後半 | 674.9万円 |
| 30代前半 | 865.7万円 |
| 30代後半 | 957.7万円 |
| 40代前半 | 1,050.5万円 |
| 40代後半 | 1,097.8万円 |
| 50代以上 | 1,130.7万円 |
年齢が上がるにつれて年収も上昇する傾向はありますが、専門性・語学力・マネジメント経験の有無が年収に与える影響は非常に大きく、同年代でも300万円以上の差がつくこともあります。
役職別年収
| 役職区分 | 平均年収(万円) |
| メンバー(課長未満) | 892.0万円 |
| 管理職(課長以上) | 1,188.0万円 |
領域別年収(日系/外資)
| 企業タイプ | 平均年収 |
| 日系 | 715.0万円 |
| 外資 | 952.6万円 |
職種別平均年収(抜粋)
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| コンサルティング・アドバイザリー | 1066.7万円 |
| Web関連 | 1035.7万円 |
| 経営・事業企画 | 1005.1万円 |
| IT系エンジニア | 953.4万円 |
| マーケティング・商品開発 | 951.1万円 |
| 金融 | 948.9万円 |
| 人事・労務 | 891.5万円 |
| 経理・財務 | 866.7万円 |
| 総務・広報 | 861.0万円 |
| 営業 | 848.0万円 |
※当社実績(2023年1月~2025年8月、想定年収)より
年収が高くなりやすいスキル・分野は、以下のとおりです。
- ●リスク管理・内部統制・監査
バーゼル規制対応やEUC管理など、金融機関のリスク管理を担うスキルが高く評価されており、平均年収は約970万円です。 - ●データ分析・情報システム系
BIやDWHのエンジニア、AIや機械学習(ML)エンジニアといった職種は、平均年収が1,000万円を超えています。近年ではFinTech企業との連携やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が進んでおり、データサイエンス系のスキルは年収に直結するポイントとなっています。 - ●語学力(英語)
英語力が「上級」の人では平均年収が約1,200万円、「中級」でも約980万円と、語学力が高いほど年収も高くなる傾向があります。 - ●コンサルティング・アドバイザリー経験
経営企画や事業戦略に携わるスキルが高い評価を受けています。コンサルタント出身者の平均年収は約1,070万円です。
さらに、職種別で見ると「クオンツ・金融工学」「経営企画」「システム監査」などが高年収職種としてあげられます。
また、異業種(電機、商社、マスコミなど)から銀行業界に転職した人も平均して約900万円前後の年収で転職を成功させています。デジタル化やサステナビリティ、FinTech連携など新しい分野への対応力をもつ方が、特に高く評価される傾向が強まっています。

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銀行業界の最新求人情報
JACでは、銀行業界に特化した多様な求人を取り扱っています。以下は、現在募集中の求人の一部です(※一部非公開求人を含みます)。
●楽天銀行株式会社:【楽天銀行】 : 【新銀行設立を担う事業企画担当】Startup Studio室_東京(田町)
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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年11月最新)
JACでは、上記以外にも多くの求人をお預かりしています。当社が取り扱う求人の約7割は、当社にご登録いただいている方だけにご紹介が可能な非公開求人です。
銀行業界で年収アップを目指すには?
銀行業界で年収アップを目指すには、企業が求める専門性や業務領域の変化を的確に捉え、自身の経験を戦略的に活かすことが重要です。ここでは、JACの実績から年収が高い方々に共通するポイントを解説します。
「金融×IT」の経験を“DX推進力”として打ち出す
銀行業界では、デジタル化・DX推進が急務となっており、ITと金融の両方に精通したスキルが高く評価されています。特に、勘定系システムの刷新やデータ基盤の構築、業務効率化プロジェクトなどに取り組んだ経験は、年収の向上につながる重要な要素です。職務経歴書には、「業務部門とIT部門の橋渡し役として全社横断プロジェクトを推進した」などと、具体的な成果を書くことで、実務能力をより明確にアピールできます。
「リスク管理経験」を“経営視点の統括力”として表現する
AML(アンチマネーロンダリング)やコンプライアンス、オペレーショナルリスクなどの領域は、銀行業界の中でも専門性が高く、年収が高くなりやすい分野です。特に、複数部門を横断してリスク統括を行った経験や、海外拠点との連携を含むグローバル対応力をおもちの方は、管理職ポジションへの採用につながりやすくなります。「リスク評価から改善提案までを自走し、経営層へのレポーティングを実施」など、戦略的な視点による業務経験を強調しましょう。
「語学力」を“グローバル対応力”として活かす
外資系銀行やメガバンクの国際部門では、英語力が年収に大きく影響します。TOEICスコアだけでなく、「英語での業務遂行経験」や「海外拠点とのプロジェクト推進」など、実務において語学力をどのように活用したか、具体的な実績を示すことが大切です。特に、海外規制対応や国際金融商品に関わるポジションでは、語学力と専門性の両方が求められる傾向にあります。

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「マネジメント経験」を“組織変革力”として打ち出す
銀行業界では、部門横断的なプロジェクトや組織再編に関わるマネジメント経験が高く評価されます。特に、ITやリスク管理、企画などの専門部門でマネジメント経験がある場合は、年収アップにつながりやすい要素となります。「10名規模のチームを率い、業務プロセスを抜本的に見直した」など、成果とあわせて具体的なリーダーシップを記載することで、管理職ポジションへ登用される可能性が高まります。
銀行業界の年収アップ転職成功事例
JACの実績から、銀行業界で年収アップを実現した2件の転職成功事例をご紹介します。いずれも専門性やマネジメント経験が評価され、年収が大きく上昇したケースです。
交通系グループ企業からメガバンクのデジタル戦略部門へ
40代後半/男性
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 交通系グループ企業 | データエンジニア | 750万円 |
| 転職後 | メガバンク | ITアーキテクト | 1,430万円 |
Fさんは、交通系グループ企業でシステム企画、データ分析、基盤整備の統括を担うポジションで活躍してきました。特に、顧客目線に立ったデータ活用を中心に、事業戦略やマーケティング施策の意思決定をサポートしてきた実績があります。さらに、データウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)環境の整備、マルチクラウド構成の企画・推進といった分野にも精通しており、データエンジニアリングやシステム設計の両面から、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に大きく貢献しました。
その後、金融業界でデータ活用に挑みたいという強い思いから、JACに相談。コンサルタントとの面談では、Fさんの高い技術力だけでなく、事業部門との連携やプロジェクトを推進する力を具体的に言語化。最終的にJACからはメガバンクのデジタル戦略部門を提案しました。
選考の場では、クラウド環境の構想力や、会社全体を横断するデータ基盤整備への豊富な経験が高く評価され年収も大きくアップ。現在は、全社規模のデータ基盤・分析基盤の企画や推進を担うITアーキテクトとして、グループのデータドリブン経営を支える即戦力として活躍されています。
証券会社のLBO担当からメガバンクの与信管理部門へ
30代後半/男性
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 証券会社 | LBO担当 | 1,000万円 |
| 転職後 | メガバンク | 与信管理部門 | 1,200万円 |
Aさんは証券会社の投資銀行部門で、LBOローンのオリジネーション(組成)やシンジケーション(融資団形成)の業務を担当。ディールマネージャーとして、複数の案件を主導した経験があります。これまでに不動産ファイナンスやストラクチャードファイナンスなどの分野で豊富な実務経験を積みつつ、制度設計や都市開発に関する知識をもちあわせていました。
より安定的で長期的に自分の専門性を活かせる職場を求めJACに相談。コンサルタントとの面談ではAさんの金融スキルだけでなく、制度理解力やさまざまな関係者との調整力もしっかりと整理されました。その結果、JACからはメガバンクのLBOファイナンス分野における与信管理ポジションを提案。 選考過程では、Aさんの財務分析力や契約管理の実務経験、さらにPEファンドや他の金融機関と協働した実績が高く評価されました。現在は、LBOファイナンス実行後のポートフォリオ(融資資産群)の管理を担当し、社内外の関係者と連携を取りながら、戦略的な与信管理業務に取り組んでいます。
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