経営環境が複雑化し、企業のリスク管理やコンプライアンス強化が必須となる中、内部監査の需要は拡大を続けています。特に専門性と将来性を兼ね備えた30代の内部監査経験者へのニーズは急速に高まっています。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が保有するデータをもとに、内部監査への転職を目指す30代の方が把握しておきたい現在の転職市場や求められるスキル、経験などについて解説します。
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目次/Index
内部監査30代の現状と転職動向
2024年にJ-SOXが改定され、事業環境も複雑化しています。こうした中で、30代の内部監査経験者のニーズは確実に高まっています。JACの取り扱い求人を見ると、コンプライアンス強化やIT監査に関連する業務経験を求める傾向が特に強まっています。

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内部監査の転職事情
内部監査の求人が活発化しており、内部監査および内部統制の経験を持つ方に転職のチャンスが広がっています。内部監査の転職市場動向、求められる経験・スキル、年収相場、転職成功のポイント、転職成功事例などについて、JAC Rec… 続きを読む 内部監査の転職事情
外部からの専門人材を登用する動きが活発化
2008年にJ-SOXが適用され、上場企業には内部統制報告制度が義務付けられました。2024年のJ-SOX改定により、企業にはより厳格な内部統制システムの構築が求められるようになっています。
グローバルビジネスの進展やITシステムの高度化、サイバーセキュリティリスクの増大などの事業環境の複雑化にともない、内部監査の対象領域も拡大しています。
内部監査人材は育成に時間を要するため、監査法人や事業会社での実務経験者を外部から確保する企業が増えています。
法規制の複雑化とコンプライアンス強化に向けた採用の増加
AI・暗号資産の普及やサプライチェーンの複雑化により、新たな法規制も増加しています。また、海外展開を進めるうえでは、国際的な法規制への対応も必要です。
このような状況において、各企業がコンプライアンス強化を図っており、30代の監査業務経験者への積極的採用に拍車がかかっています。

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コンプライアンス職への転職は未経験でも可能?転職市場動向や最新求人を解説
企業が法律や社内規定を遵守し、倫理的な企業活動を徹底するために重要な役割を担うコンプライアンス職。 本記事では、コンプライアンスの転職市場動向や転職で求められる主な転職先候補、経験・スキル・マインド・資格をJAC Rec… 続きを読む コンプライアンス職への転職は未経験でも可能?転職市場動向や最新求人を解説
即戦力と将来のリーダー候補としての期待
内部監査の重要性が高まっている状況にありながら、内部監査に対応できる人員は不足しています。そのため、CIAやCISA、公認会計士、税理士、USCPAなどの専門資格をもち、即戦力として期待できる30代を歓迎する企業が目立ちます。内部監査においては、監査対象となる部門の業務プロセスや関連法規、ITシステムに精通していることが不可欠であり、これらの資格は内部監査に関する一定レベルの専門性を有していることの証明となるためです。
また多くの企業は、30代の内部監査経験者に対し、部門全体や組織全体を牽引するリーダー候補としての期待を寄せています。内部監査は、企業全体の事業活動を横断的に把握できる部門です。各部門の状況だけでなく、全体の運営状況も俯瞰的に捉えられます。内部監査業務を通じて養った経営的視点は、組織全体の課題を把握する力となります。
そのため近年は、即戦力としての監査スキルに加え、将来的なポテンシャルも重視した採用が進む傾向にあります。
参照:CIA
参照:CISA
参照:公認会計士
参照:税理士
IT監査やシステム監査の実務経験者の募集が増加傾向に
DXの進展にともない、多くの企業が業務効率の向上や新たな価値創造を目指して、多様な情報システムを活用しています。企業のデジタル化が進む中、サイバー攻撃や情報漏えいといったITリスクは増大しています。しかし、ITの高度化・複雑化に対応し、適切に評価を行える内部監査経験者はそれほど多くありません。
そのため、30代の内部監査経験者の求人においても、ネットワークやセキュリティの知識を備えたIT監査やシステム監査の実務経験者へのニーズが、急速に高まっています。
内部監査30代で求められるスキル・経験・マインド
内部監査関連求人を詳しく分析すると、企業は30代で内部監査への転職を希望する人に対して、次のようなスキルや経験を求める傾向が見られます。またスキル面に加え、人間性も重視する傾向が強まっている点にも注目すべきでしょう。
内部監査職を希望する30代に求められるスキル・経験・マインドを紹介します。
- ・内部監査や内部統制に関する実務経験
- ・グローバルビジネスの対応経験と語学力
- ・主体的に業務に取り組む姿勢とコミュニケーションスキル
- ・俯瞰的視点と洞察力、高い倫理感
内部監査や内部統制に関する実務経験
前述のように、企業は内部監査業務に対応できる即戦力を求めています。そのため、事業会社における内部監査や内部統制に関する実務経験、監査法人での外部監査経験を求める求人がほとんどです。
ただし30代に対しては、それほど長い経験が求められるわけではありません。経験年数は、1年~3年程度を目安にしているケースが多くなっています。
グローバルビジネスの対応経験と語学力
海外進出を進める企業が増える中で、日本国内のルールだけでなく、国際的な法規制やビジネス慣習にも精通した方へのニーズが一段と高まっています。海外では、言語はもちろん、文化や商習慣、法規制も日本とは大きく異なることから、国内では想定しにくいリスクが発生する可能性があります。今日、こうしたリスクを適切に管理し、海外拠点のガバナンスを強化することが、グローバルビジネスを進める企業の重要な課題となっています。
このような状況を背景に、海外勤務経験者や海外拠点をもつ企業での内部監査経験者、外資系企業での内部監査経験者などが高く評価される傾向が見られます。特に、国際的な内部監査基準に基づいて監査を実施した経験者は、即戦力としての期待が高まります。
また、グローバルビジネスにおいては、現地スタッフとのコミュニケーションはほぼ英語や現地の言葉で行われます。英語をはじめとした語学力は、転職時に高い評価につながるでしょう。
主体的に業務に取り組む姿勢とコミュニケーションスキル
内部監査は単なるチェック業務ではなく、ビジネスプロセス全体を理解したうえでリスクや不正の兆候を見抜く洞察力が求められます。そのため、指示を待って動くのではなく、状況に応じて柔軟に判断しながら主体的に課題を見いだし、監査を進める姿勢が必要です。
また、刻々と変化するビジネス環境や法規制に対応するには、受動的な態度ではなく、自ら情報を収集し、組織の改善につながる施策を提案する主体的な姿勢も求められます。
さらに、内部監査は各部門の担当者との連携が必要であり、協力を得られるような丁寧なコミュニケーションも欠かせません。監査で明確になった問題点の改善を促す際にも、相手が誤りに気付き納得できるよう、論理的に説明するスキルが必要になります。
俯瞰的視点と洞察力、高い倫理感
内部監査には、資料やヒアリング内容を細かく精査し、複雑な情報を整理したうえで、問題の本質を見抜く分析力が必要です。同時に、個別の事象だけでなく、業務プロセスや組織構造の全体を俯瞰で捉える視点も求められます。つまり、内部監査には全体を把握する広い視野と細部を深く観察する洞察力の両方が求められるのです。
また内部監査は、公正かつ公平な立場で報告を行う必要があり、組織や個人の利害に左右されるものであってはなりません。内部監査担当者には、組織の利害関係などに左右されることなく、正しいことを正しく、誤りを適切に指摘する高い倫理観が求められます。倫理観なくして、内部監査の信頼性を確立することはできません。内部監査において、倫理観は極めて重要な基盤になる要素だといえます。
内部監査30代の平均年収は838.7万円
JACのサポート事例を見ると、30代の内部監査の平均年収は838.7万円です。特に30代後半になると1,000万円を超える年収で転職が決定している事例も多く、内部監査においては経験年数がある程度年収に関係すると考えられます。
■役職別平均年収
| 役職 | 平均年収 |
|---|---|
| メンバークラス | 784.0万円 |
| 管理職 | 1,122.4万円 |
役職別の年収を比較すると、メンバーと管理職では300万円以上の差が生じています。30代の内部監査経験者が転職で年収アップを狙う場合は、マネジメント経験の有無やマネジメントポジションへの転職が大きなポイントになるといえます。
■企業属性別平均年収
| 企業タイプ | 平均年収 |
|---|---|
| 日系企業 | 827.6万円 |
| 外資系企業 | 978.8万円 |
平均年収を日系企業と外資系企業で比べると、外資系企業の方が約150万円高くなっています。外資系企業では、基本給にインセンティブを加えるケースが多く、成果に応じた報酬が支給されるケースがほとんどです。また、一般的に退職金が支給されるケースは少なく、その分が年収に上乗せされているケースが多くなっています。
一方、日系企業では基本給を重視した報酬制度が一般的です。また、勤務年数に比例した退職金制度が用意されていることが多く、安定的に勤務したい方には日系企業が向いているといえます。
内部監査30代の転職を成功させる3つのポイント
30代が内部監査職への転職を成功させるうえでは、次のような強みをアピールすることが重要です。
- ・専門性の可視化と成果の提示
- ・リーダーシップと成長意欲のアピール
- ・キャリア軸の明確化と志望動機との一貫性
専門性の可視化と成果の提示
30代の内部監査職で、未経験者を募集するケースはほとんどありません。選考の対象は即戦力として活躍できる実務経験者に限られるため、監査経験を列挙するだけでは強みとして伝わりにくいため、具体的な業務内容と成果を示すことが重要です。強みをアピールするためには、J-SOX対応、IT監査、海外拠点監査、コンプライアンス監査など、担当した監査の内容や業務範囲を明確にし、自身の専門性を明確にすることが重要です。
また、企業への貢献度をアピールするためには、課題の発見から原因の分析、改善策の提案、組織の価値向上に貢献した実績を具体的なエピソードとともに示すようにしましょう。
リーダーシップと成長意欲のアピール
30代は即戦力性に加え、将来のリーダーを担えるポテンシャルも求められる年代で、リーダー候補としての成長を期待されています。内部監査を実行するうえでは、他部門との協力が必要不可欠です。課題を指摘し関係部門とミーティングを重ねながら、業務改善に向けたプランを策定した経験を具体的に伝えることは、内部監査に欠かせない調整力のアピールとなります。また、OJTで20代の若手メンバーをサポートした経験なども、後進育成能力としての評価につながります。
内部監査には幅広い知識が必要ですが、昨今では、ITに関する専門的な知識も求められるなど、社会の変化にともない内部監査に求められるスキルも変化しています。変化に対応するためには継続的に学び続けなければなりません。資格取得やセミナーへの参加など、自律的に学び続ける成長意欲のアピールは、リーダー候補としてのポテンシャルを強く印象付けるものになります。
キャリア軸の明確化と志望動機との一貫性
これまでに培ってきた個々のスキルは、全ての企業で最大限に発揮できるわけではありません。内部監査の業務は、企業のコンプライアンス意識や組織風土に左右されるケースが多く、満足できる転職を実現するには、自身の価値観に合う企業を選ぶことが重要です。
自身に合う企業を見極めるには、まず、自身を見つめ直すことが必要です。そのためには、キャリアの棚卸を行い、自身の市場価値を正確に把握するとともに、目指すキャリア像を明確にする必要があります。キャリアの方向性を決定すれば、内部監査のスペシャリストとしての専門性をより高められる転職先を選定することができます。
また、自律的なキャリア形成ができる人は主体的な行動が行えるため、成長意欲が高いと評価されることが多いです。転職の際には、これまでの経験に加え、目指すキャリア像を示したうえで、なぜ入社を志望するのか、一貫性のあるストーリーで説明することが重要となります。
内部監査30代の転職成功事例
JACのサポートによって内部監査職へ転職された30代の方の事例を2つご紹介します。
法務・コンプライアンス経験者が内部監査に挑戦し年収1,350万円に
Kさん(男性/30代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | 信託銀行・投資銀行 | 金融商品企画 | 1,150万円 |
| 転職後 | 投資信託委託 | 内部監査 | 1,350万円 |
Kさんは、弁護士の資格を保有しており、法律事務所で弁護士業務を行いながら、子会社の信託銀行で営業推進業務や個人向け営業に携わってきた経験者です。その後、大手信託銀行に転職し、リテール部門のコンプライアンス業務や商品企画業務を経験されました。銀行以外の金融業で経験を生かしたいと考え、転職を決意。
JACでは、アセットマネジメント会社の内部監査業務をご紹介。なぜなら、金融機関での契約法務に携わった経験や弁護士資格の保有を必須とする求人であり、両方の要件を満たすKさんの経験や知識を最大限に発揮できる業務だと判断したためです。
面接では、Kさんの弁護士としての活動経験と銀行でのコンプライアンス業務経験が高い評価につながり、見事採用が決定しています。
監査法人→事業会社へ|育児と両立できるキャリアを実現
Kさん(女性/30代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
|---|---|---|---|
| 転職前 | サービス | 監査法人主査 | 1,000万円 |
| 転職後 | 電気・ガス業 | 業務監査 | 1,250万円 |
Kさんは公認会計士の資格を保有しており、監査法人にて会社法や金融商品取引法の監査、US-GAAP監査、IFRS監査業務などに従事された経験をおもちの方です。また、事業会社において連結決算や有価証券報告書の作成業務に携わるなど、幅広い業務を経験されてきました。主査としてチームマネジメントやクライアントの折衝を担当し、やりがいを感じていたものの、ワークライフバランス充実を重視したく、転職を決意。
大手ならではの充実した福利厚生制度と残業の少ない就業環境は、育児との両立を希望されるKさんの希望に合致すると判断し、JACでは、電気・ガス会社の内部監査業務をご紹介しました。
グループ会社を含めた内部監査業務を担当する求人であり、事業会社でも監査法人でも監査の経験者であるKさんは高く評価され、面接後すぐに採用が決定しています。
内部監査での経験や専門性を生かす転職ならJAC Recruitment
内部監査は、業務上のリスクや不正を防ぎ、内部統制システムが適切に機能していることを示す取り組みです。多くの企業がコンプライアンス重視の姿勢を強め、リスク管理を強化する中、内部監査が果たす役割は今後ますます大きなものとなるでしょう。
JACでは、さまざまな業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、転職希望者の経歴やスキル、希望に合わせ、理想のキャリアの実現につながる最適な求人をご紹介しています。
30代の監査業務経験者を求める企業は多いものの、転職を成功させるうえでは、自身のスキルや能力を最大限に発揮できる環境を選ぶことが重要です。
JACでは、これまで数多くの内部監査経験者の転職をサポートしてきた実績があります。30代の今、将来を見据え、内部監査職への転職を希望される場合には、ぜひJACにご相談ください。

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内部監査の転職事情
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