経理30代の転職事情|平均年収や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/12/28 / 最終更新日: 2026/01/27

経理職の転職市場は、DX推進や内部統制強化、グローバル化を背景に変化しています。企業が求めるスキルは高度化し、30代はキャリアの分岐点にあります。こうした変化により、即戦力がより求められ、年収やキャリア形成にも影響しています。

本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が保有するデータをもとに、30代の経理における転職動向や求められるスキル、年収傾向、成功事例を詳しく解説します。

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経理30代の現状と転職動向

企業の経理部門では、IT化やガバナンス強化、グローバル展開を背景に、求人数が増加し、30代経理職の役割も広がっています。

求人数増加と体制強化の背景

現在、経理職の求人数は右肩上がりで推移しています。その背景には以下の3つの要因があります。

属人化の解消とDX推進:ベテラン層に依存した旧来の体制を刷新し、ITを駆使して業務を標準化できる30代への期待が高まっています。

「2040年問題」を見据えた若手・中堅層の確保:労働力不足を見越し、組織の中核となる30代の採用を急ぐ企業が増えています。

ガバナンス・内部統制の高度化:上場維持基準の厳格化やJ-SOX対応のため、質の高い決算体制を構築できる方が不可欠となっています。

「記帳」から「経営支援(FP&A)」へのシフト

IT化(ERP導入やAIによる自動化)により、手入力や単純な照合作業は激減しました。これに伴い、30代経理に求められる役割は、過去の数字をまとめる「守り」から、将来の数値を予測・分析する「攻め」の業務へとシフトしています。 具体的には、財務諸表から経営課題を抽出する分析力や、他部署を巻き込んだコスト削減プロジェクトの推進力など、ビジネスパートナーとしての動きが重視されています。

グローバル志向・異業種チャレンジの拡大

日系企業の海外展開加速により、国内経理の枠を超えたミッションが急増しています。

海外子会社管理:現地の会計基準と日本基準の差異調整や、投資ガバナンスの強化。

異業種へのキャリアシフト:製造業からIT、あるいはスタートアップのCFO候補など、経理スキルを武器に業界を跨いだキャリア形成が一般化しています。 30代は、実務経験の深さに加えて、マネジメントやプロジェクト推進力といった役割の広がりが期待されるタイミングです。

経理転職30代で求められるスキル・経験・マインド

30代の経理転職では、以下の3点が市場価値を決定付ける重要な要素となります。

  • 単独での決算完遂力(月次〜年次・税務を含む実務経験)
  • IT/DXによる業務改善経験(ERP・Excel・RPA等の活用スキル)
  • グローバル対応力(英語力・会計資格・マネジメント)

30代での転職では、実務力に加えて変化に対応する柔軟性が求められます。ERPやRPA、英語力、資格を組み合わせることで、上場企業やグローバル企業への転職可能性が高まります。以下で重要なポイントを詳しく解説します。

単独での決算完遂力(月次〜年次・税務を含む実務経験)

30代で経理職へ転職する場合、仕訳入力や伝票処理といった基本業務に加え、月次・四半期・年次決算業務を自ら担えるレベルの実務経験が求められます。さらに、売掛・買掛管理、固定資産管理、原価計算、税務申告補助、予算管理、資金繰りなど、決算に関連する業務を複数年担当していることも重要です。これにより、企業側は「即戦力としてどの範囲まで任せられるか」を明確に判断できます。

特に上場企業やグローバル企業では、IFRSや日本基準に基づく決算・開示プロセス、J-SOX・内部統制対応、監査法人との折衝経験などの有無が評価を大きく左右します。単に決算に関わった事実だけでなく、担当した範囲やどのような点で創意工夫を行ったのか、他部署との連携でのポイントなどを語れることが重要です。

決算早期化の取り組みや業務フロー改善による工数削減などの具体例は、経験の深さを示すアピール材料になります。また、FP&A(予算策定・予実管理・経営企画連携)やIR・経営管理との連携経験がある方は、「攻めの経理」としてキャリアの選択肢を広げることも可能です。

IT/DXによる業務改善経験(ERP・Excel・RPA等の活用スキル)

30代経理には、ERPやクラウド会計を活用し、業務全体を設計・改善するITスキルが求められます。多くの求人では、SAP・Oracle・OBIC・freee などのERPに加え、BIツールやRPAの活用経験を歓迎要件としています。さらに、VLOOKUPやSUMIF、ピボットテーブル、XLOOKUPなどのExcel関数を使ったデータ加工・集計スキルは、現在ではほぼ標準的な要件となっています。

評価されやすいのは「システムを使える」だけでなく、業務フローの課題を見極め、IT技術で解決した経験です。例えば、紙・手入力中心のプロセスをERPやワークフローに置き換えた導入プロジェクトに参画した経験や、RPAで月次ルーティンを自動化して決算作業時間を削減した実績、BIを用いた経営指標や税務リスクの可視化などは、30代経理転職における市場価値を大きく高めます。

さらに、社内のSlackやTeams、グループウェアを使った情報共有、ChatGPTなど生成AIツールによる資料作成・チェックの効率化といった取り組みも「変化に適応し、DXを推進できるスペシャリスト」としてプラスに働くでしょう。

グローバル対応力・専門資格(英語力・会計資格・マネジメント)

30代では、経理としての基礎に加え、「英語力」「専門資格」「チームリード力」の掛け合わせが、上場企業や外資系企業では、資格や語学力が選考で評価されやすい傾向があります。多くの求人で、TOEIC600~730点以上や実務での英文メール・会議対応、海外子会社の管理・連結決算経験が歓迎要件として挙げられています。また、公認会計士(CPA)やUSCPA(米国公認会計士)、日商簿記2級以上、IFRS検定、BATICなどの資格は、会計・税務の専門性と英語での実務対応力を証明する材料になります。

 特に外資系経理や英文経理ポジションでは、TOEIC700~800点程度とERP操作スキルを前提に、レポーティング・監査対応・グローバルプロジェクトへの参加を担えるかどうかが重要視されます。同時に、30代からはプレイヤーとしての実務力に加え、後進育成や業務分担・進捗管理といったチームリード力も評価軸となります。少人数のチームリーダーとして、決算スケジュール管理、レビュー体制の構築、チェックリストやマニュアル整備、OJT・勉強会の企画運営を行った経験は、「組織全体の生産性と品質を底上げできるスペシャリスト」として高く評価されます。

英語力、資格、マネジメント経験を組み合わせてアピールすることで、「グローバルなルールを理解し、現場を率いて社内変革を推進できるスペシャリスト」として評価されます。

経理転職30代の平均年収は764.1万円

■30代全体の平均年収

JACが支援した経理転職30代の平均年収は764.1万円となっています。これは同年代の他職種と比べても高水準といえるでしょう。決算・税務に加え、管理会計や経営企画にも領域を広げている方は、専門性が評価され年収に反映されやすい傾向があります。

■役職別平均年収

役職区分平均年収
メンバークラス724.0万円
管理職988.1万円

さらに役職別に見ると、メンバークラスでは724.0万円、管理職クラスでは988.1万円と、組織内での立場に応じて水準に差があることがわかります。

■企業属性別平均年収

企業タイプ平均年収
外資系777.5万円
日系762.8万円

外資系企業(777.5万円)と日系企業(762.8万円)の差は約15万円にとどまり、企業属性による年収差は限定的であるといえます。

■転職者が多い職種別平均年収(抜粋)

職種名平均年収
FP&A861.9万円
IR819.5万円
海外子会社管理(経理・財務)993.4万円
管理会計771.8万円
管理部門責任者・ファイナンシャルコントローラー1,034.9万円
経理694.5万円
原価計算800.5万円
財務836.9万円

職種別の平均年収は約700万円台から1,000万円超まで幅広く、担当領域や職責によって大きな差があります。特に経理単体(約695万円)に比べ、管理部門責任者や海外子会社管理(約1,000万円前後)、FP&A(約860万円)など、経営判断やグローバル対応を担うポジションは高年収になりやすい傾向です。

経理30代の転職を成功させる5つのポイント

転職成功には、スキルの有無だけでなく、その伝え方が重要です。ここでは「面接や選考でどのようにアピールすべきか」という視点で、重要な5つのポイントを解説します。

・決算業務を完結できる実力の明示
・連結・開示・IPOなど高度案件の経験
・Excel・ERP・RPAなどシステム活用力
・現場への経理アドバイス・課題解決力
・転職エージェントの活用

決算業務を完結できる実力の明示

月次・四半期・年次決算を一人で完結できることは、転職市場での必須条件です。仕訳・債権債務管理・固定資産・税金計算・監査対応まで、どこまでを主担当として任されていたかを具体的に説明できるかが重要です。

特に、決算の早期化や決算品質向上につながる取り組み(締め日の短縮、ミス削減、業務フロー改善など)を数字や成果とセットで伝えられると、「単に決算を回せる方」から「経営スピードを高められる方」へと評価が一段上がります。

面接前には、自身の決算経験をフェーズ別に棚卸し、「どの規模・どの業界・何人の体制で・どの役割を担ったのか」を整理しておくことで、採用側に即戦力としてイメージされやすくなります。

連結・開示・IPOなど高度案件の経験

連結決算や開示書類の作成、IPO準備などの経験は、上場企業やグローバル企業で評価されやすいポイントです。

連結範囲の子会社数、連結売上規模、使用した連結システム(DivaSystemやHyperionなど)、有価証券報告書・決算短信・四半期報告書などの作成・レビューへの関与度合いを具体的に示すことで、専門性の「深さ」と「広さ」を裏付けることが可能です。

IPO経験については、内部統制構築、J-SOX対応、証券会社・監査法人との折衝、上場スケジュールに合わせた決算体制整備など、プロジェクト要素の強い業務をどこまで担ったかがアピールのポイントです。

これらの経験は、単なる日常の経理業務を超えて、ガバナンスや開示レベルで会社全体を支える力を示すため、管理職候補としてのポテンシャル評価にも直結します。

Excel・ERP・RPAなどシステム活用力

Excel・ERP・RPA・BIツールを活用して業務改善ができる方は高く評価されます。単にVLOOKUPやピボットが使えるだけでなく、大量データを前提にした関数設計やマクロ・VBAによる自動化、SAPやOracle、OBIC、クラウド会計などのERPでのマスタ設計・権限設計・ワークフロー構築に関わった経験があると、DXの即戦力として見なされます。

さらに、RPAによる仕訳起票や照合作業の自動化、BIツールを用いた管理会計レポートやKPIダッシュボードの構築など、「どの業務をどれだけ効率化し、どのくらい時間短縮できたか」を定量的に語れると説得力が高まるでしょう。

こうしたシステム活用力は、将来的に会計システム刷新プロジェクトや全社DXプロジェクトをリードするポジションにもつながるため、中長期のキャリアアップにも直結する強力な武器になります。

現場への経理アドバイス・課題解決力

30代経理には、数字をまとめるだけでなく、営業・事業部門・管理部門と連携しながら、ビジネスの現場に踏み込んで課題を発見・解決する役割が期待されます。

例えば、取引条件や契約内容を踏まえて売上認識や引当の妥当性を検証し、リスクを指摘するだけでなく、代替案や改善策を提案した経験があれば高く評価されます。

課題指摘だけでなく、代替案や改善策まで提示できるかが重要です。

また、各部門と協力して予算策定やコスト削減のプロジェクトに取り組んだり、業務プロセス上のボトルネックを見つけて改善提案を行ったりした実績は「社内コンサルタント」としての経理の価値を示すエピソードとして有効です。

転職エージェントの活用

30代の経理転職では、求人票からは見えにくい「ポジションの本当の役割」「組織フェーズ」「将来のキャリアパス」まで踏まえて選ぶことが重要です。その情報ギャップを埋めてくれる存在が、転職エージェントです。

経理・財務に特化したエージェントであれば、連結・開示・IPO・FPA・管理会計など、自身の経験にフィットする求人の提案に加え、職務経歴書の書き方や面接でのアピール軸の整理、年収交渉の戦略に至るまで、サポートを受けられます。

エージェントを通じてのみ紹介される非公開求人に加え、過去の紹介実績から得られる「企業が実際に評価したポイント」や「選考で重視する視点」といったリアルな情報は、30代での年収アップやキャリアアップを目指す転職において、非常に強力な武器となります。

一方で、希望条件に完全に一致しない求人を紹介される場合もあります。そのため、初回面談では希望条件や避けたい条件、今後のキャリアの方向性をしっかり伝え、主体的に情報を収集する姿勢が、転職成功の確率を高めます。

経理30代の転職成功事例

ここからは、JACを介して経理30代の転職を成功させた事例を2つご紹介します。

海外経理へ転身し年収1,600万円。グローバル専門性を最大化

Aさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前建設業 管理部門長1,200万円
転職後機械・装置メーカー海外子会社経理1,600万円

大手監査法人でキャリアをスタートし、国内外で財務・会計・税務に従事した後、日系大手企業の海外拠点にて経理・総務・法務を含む管理部門全体の統括を担ってきたAさん。海外赴任・海外留学経験も豊富で、会計資格と語学力を併せもつ、グローバル経理として幅広い管理部門を経験したスペシャリストです。

現職では経営幹部として現地法人の運営に関わっていたものの「より高い報酬水準」「グローバル展開する企業での専門性の発揮」を求め転職を検討。JACのコンサルタントは、Aさんの「国際会計」「海外子会社管理」「経営視点」という強みを高く評価し、世界各国に拠点をもつメーカーの海外経理ポジションをご紹介しました。結果、複数拠点の財務管理を担うポジションで採用が決まり、年収も大幅にアップすることとなりました。

異業種への挑戦。財務・経営企画の経験で「経理改革」をリード

Kさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前医療精密機器財務・経営企画シニアマネジメント1,300万円
転職後自動車・部品メーカー経理企画マネージャー1,450万円

医療系メーカーで財務・経理・経営企画を幅広く担当し、国内外で10年以上のキャリアを積んだKさん。海外子会社のCFOとして、事業改善やキャッシュ創出を実現。これにより、「会計」「経営」「グローバルマネジメント」を兼ね備えたスペシャリストとして高く評価されています。

しかし、現職では管理職としての数字管理が中心となり、Kさんが得意とする業務改善・改革推進の領域に関われなくなったことから転職を決意。

JACのコンサルタントは、Kさんの「FP&A」「経営企画・管理会計」「グローバル改革推進」という強みと志向を高く評価し、日系大手メーカーの経理改革ポジションをご紹介しました。その結果、Kさんは経理DXと組織変革を主導するマネージャーとして採用が決定しました。

経理の経験や専門性を生かす転職ならJAC Recruitment

経理30代の転職市場では、DX推進や内部統制強化、グローバル化を背景に、決算完遂力と経営視点を兼ね備えた即戦力へのニーズが高まってきました。それにともない、役割や担当領域によっては、年収700万〜1,000万円台のオファーが提示される例もあります。

変化の激しい市場では、自身の経験をどのポジションで生かせるかを見極めることが重要です。そのためには、求人票だけでは知ることのできない企業の期待役割や将来のキャリアパスまで踏まえて助言してくれる転職エージェントの活用が非常に重要になります。

JACは、各分野に精通した専任コンサルタントが多数在籍しており、30代ならではのキャリア課題や転職希望に応じたきめ細かな支援を提供しています。特に、上場企業や外資系企業、IPO準備企業など、年収アップが狙える高品質な経理求人が豊富なのが特徴です。

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また、非公開求人にアクセスできることで、市場価値の向上や将来の年収・ポジションアップが期待できる点も大きな強みです。経理30代でキャリアアップを目指す方は、JACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。