主な航空宇宙企業の企業一覧

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公開日:2025/12/04 / 最終更新日: 2025/12/04

コロナ禍を経て航空機需要が回復し、宇宙産業への民間参入も加速。航空宇宙業界は今、大きな転換期を迎えています。

本記事では、将来性の高い航空宇宙企業への転職を目指す方向けに、JAC Recruitment(以下、JAC)が航空宇宙業界の現状や主な企業、魅力などについて解説します。

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航空宇宙企業とは?

航空宇宙企業とは、航空機や人工衛星、ロケットなどの設計や製造、運用、整備などを行う企業。航空宇宙産業は、素材・機械・通信・ソフトウェアなど多分野の最先端技術が集結するのが特徴です。

かつての宇宙開発といえば、政府が主導で進めるものでした。しかし、現在では民間企業が積極的に参入しており、JAXAや大学、その他研究機関が連携しながら、民間主導で技術開発が進められています。

航空宇宙産業では、さまざまな技術が必要とされます。航空宇宙業界の技術は、ほか産業へ応用できることから、航空宇宙企業は、関連技術の進歩を牽引する役割も期待されています。さらに、さまざまな業界が関わることで経済への波及効果も見込まれ、各国が航空宇宙産業に力を入れています。

航空宇宙業界の市場規模

航空宇宙業界は、今後大きく成長が期待されている分野です。ただし現時点では、航空業界と宇宙業界の両方を包括した業界全体の統一的なデータは公表されていません。  内閣府や経済産業省は、航空産業と宇宙産業を分けてデータを公表しています。そのため、ここでもそれぞれの市場規模について説明します。

航空産業の市場規模

経済産業省の2024年3月発表によると、民間航空機市場はコロナ禍で一時的に落ち込みましたが、年率3~4%のペースで旅客需要が増加する見込みです。

日本の航空宇宙工業生産額は、2019年時点で約2.2兆円。一方、アメリカは約28.7兆円、フランスは約9.1兆円と、日本は欧米諸国に比べて規模が小さい状況です。


今後、航空機産業は市場拡大が見込まれ、日本の航空業界には大きな成長余地があります。

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宇宙産業の市場規模

内閣府によると、2020年の日本の宇宙産業規模は約4兆円で、その内訳は以下の通りです。

  • ●宇宙機器産業:約3,500億円
  • ●宇宙ソリューション産業:約3兆5,000億円

さらに、2030年代早期に市場規模を8兆円へ倍増する目標を掲げています。
この目標達成に向けて、政府は以下の施策を強化しています。

  • 宇宙戦略基金の創設(2023年度):官民連携で研究開発を加速。
  • 人工衛星・ロケットの国際競争力強化:打ち上げコスト低減や技術革新。
  • 衛星通信・データ提供サービスの拡充:宇宙ソリューション産業の成長促進。

また、最新データでは、2022年度の宇宙機器関連企業の売上高は約3,980億円(前年比+15.7%)と増加傾向にあり、宇宙産業の成長スピードが加速していることがわかります。

政府の取り組み/航空宇宙企業のトレンド

航空宇宙産業の発展に向けた日本政府の取り組みや航空宇宙企業の昨今のトレンドについて解説します。

航空機産業戦略の実行

国内の航空機産業は着実に成長していますが、世界的な航空需要の拡大と比べると、相対的に成長スピードが鈍化する恐れがあります。このような背景から、日本政府は、航空機産業戦略を策定し、収益性が高く規模の大きな市場での、飛躍的な成長に向けた積極的な支援を行っています。具体的には2035年頃までに、海外OEMに並ぶ立場として、国際連携による完成機事業の創出を目指すとしています。

宇宙基本計画と宇宙戦略基金

毎年、6月と12月に閣僚級の宇宙開発戦略本部が開催されており、宇宙基本計画と工程表の改定に向けた議論が行われています。宇宙基本計画では、関係省庁や民間と連携しながら、宇宙活動の自律性を維持・強化し、世界をリードする方針が示されています。

また、民間企業や大学が行う宇宙開発や関連技術の開発に対して、資金的な支援を行うため、宇宙戦略基金も創設されました。宇宙戦略基金は総額1兆円規模となっており、技術開発だけでなく、実証から商業化までをサポートする内容となっています。

空のカーボンニュートラルの推進

2022年10月に国際民間航空機関(ICAO)において、国際航空分野の長期的目標として、2050年のカーボンニュートラルの実現が採択されています。これにともない、持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進や電動ハイブリッド推進航空機、水素航空機などの技術開発が進行中です。

AIをはじめとした最新技術の活用

航空業界でもDX化が進められています。AIを活用した効率的な飛行ルートの自動計算によって、フライト時間の短縮や燃料の節約に成功した事例が増えています。また、地上での作業効率を高めたり、天候による遅延の回避にもAIが活用され始めています。

そのほかにも、衛星データの分析精度を高めたり、宇宙機の運用や制御技術をより高度にするためにもAIが生かされています。

衛星ビジネスの垂直統合

民間による宇宙輸送サービスを手掛ける企業が増加しており、衛星にかんする企画から、開発、打ち上げ、運用までを一気通貫で行う垂直統合の事例が見られるようになりました。今後、宇宙開発において、垂直統合型のビジネスモデルが増加すると予測されています。

航空宇宙企業の主な企業一覧

航空宇宙業界の団体である日本航空宇宙工業会には、2025年10月現在、正会員として87社、賛助会員として51社が加入しています。日本の航空宇宙業界は重工業メーカーが中心ですが、近年は宇宙関連事業に取り組むスタートアップ企業も目覚ましい成長を遂げています。

航空宇宙企業の主な企業を10社紹介します。

三菱重工業株式会社

三菱重工業株式会社は、日本を代表する重工業メーカーです。陸・海・空・宇宙と多様な領域で事業を展開しています。

航空機事業では、主翼や胴体を航空機メーカーに供給するなど、世界有数の技術力を誇っています。また、ロケットの製造から打ち上げまで一貫して担当し、日本のロケット製造において中心的な役割を担うことで、宇宙産業でも大きな存在感を示しています。

国際新型ロケット「H3」の試験機の打ち上げにも成功。JAXAと連携しながら、日本の宇宙開発を牽引している企業です。

株式会社IHI 

株式会社IHIも日本を代表する重工業メーカーです。航空エンジンやロケットシステム、宇宙利用、防衛機器システムなどの事業に注力しており、特に航空分野では航空エンジンのリーディングカンパニーとして知られています。また、日本のジェットエンジンのおよそ7割を製造している企業でもあります。

また、宇宙開発分野にも力を入れており、最先端技術を活用してロケットエンジンの心臓部であるターボポンプの開発・製造を行っています。さらに、次世代ロケットの開発や、宇宙ステーション内の日本実験棟「きぼう」に設置される船外実験プラットフォームの開発にも積極的に取り組んでいます。

川崎重工業株式会社

川崎重工業株式会社は、IHIと並ぶ三大重工企業メーカーの一つです。航空機の生産に着手したのは大正7年と古く、幅広い事業を展開する中、航空宇宙事業にも力を入れています。防衛相向けの航空機の開発製造を行っているほか、ボーイング社をはじめとした、民間航空機の国際的な開発・生産プロジェクトにも参加しています。

また、H-ⅡA、H-ⅡBロケット、H3ロケットで衛星フェアリングの設計・製造を担当するなど、宇宙開発事業にも注力しています。自社開発の人工衛星の軌道上での技術実証にも成功しており、開発で得た知見をもとに小型衛星の開発にも取り組んでいます。

株式会社SUBARU

株式会社SUBARUは、航空宇宙カンパニーとして、民間事業、防衛事業、ヘリコプター事業の3つを柱に、多様な航空機の開発・生産を行っています。

1973年からボーイング社の旅客機の生産に参画し、高度な技術が必要とされる中央翼の製造を担当しています。これまでに製造した大型航空機の中央翼は、累計で3,000機にのぼります。

また、自衛隊向けのヘリコプターや戦闘機、輸送機、哨戒機など、主要な防衛用航空機システムの開発にも携わるほか、部品供給や定期整備なども行います。

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、1960年代から宇宙事業に参画しており、特に人工衛星の製造において存在感を発揮している企業です。これまで、通信・放送、測位、地球観測、物資輸送などに関わる人工衛星や追跡管制局、大型望遠鏡の製造などに携わっており、約70機もの人工衛星を製造しています。

さらに、人工衛星用の搭載機器を世界各国に提供しており、その数は計500機以上に達するなど、世界の人工衛星事業をリードしている企業です。

住友精密工業株式会社

住友精密工業株式会社は、住友金属工業(現 日本製鉄)の航空機器事業部門が分離、独立したことで誕生した企業です。航空機の降着装置、降着系統制御システム、熱制御システム、プロペラ・空圧機器、油圧機器、電子機器などの製造・開発に強みがあります。

防衛省保有の航空機の8割には、住友精密工業製の部品が装備されており、その知見と実績を生かし、民間航空機分野におけるシェアも大きく伸ばしています。

株式会社ispace

株式会社ispaceは、「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を目指す」を目標に掲げる日本発の宇宙事業スタートアップ企業です。月への輸送サービスを高頻度かつ低コストで提供することを目的とした小型のランダー、月探査用のローバーを開発し、商業月面軟着陸の成功と月面レゴリス(月面の砂)の採取を目指しています。

現在、東京、アメリカ、ルクセンブルクの3拠点で研究・開発が進められています。

インターステラテクノロジズ株式会社

インターステラテクノロジズ株式会社は、2013年に設立された民間宇宙輸送のリーディング企業です。小型人工衛星専用の宇宙輸送サービスを担う小型ロケットの開発を進めており、計3回、自社開発の観測ロケットMOMOが宇宙空間に到達しています。

また、ピンポン玉サイズの超小型衛星による、高速大容量のブロードバンド衛星通信の実現を目指した研究も進行中です。世界各国の企業と戦略的パートナーシップ契約を締結し、宇宙の総合インフラ会社を目指して、さらなる開発が進められています。

ボーイング・カンパニー

ボーイング・カンパニー(The Boeing Company)は、アメリカに本社をもつ世界最大の航空宇宙機器開発製造会社です。民間航空機のおよそ半数はボーイング社製であり、世界の航空貨物の約90%がボーイング社の貨物機で運ばれています。

さらに、防衛・宇宙・セキュリティ部門では、軍用の回転翼機、衛星システム、有人宇宙船製造・開発、自動運転システム設計を進めており、世界の航空宇宙業界をリードしている企業です。

ロッキード・マーティン 

ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin Corporation)は、アメリカの航空機・宇宙機器開発企業です。戦闘機や軍用輸送機などの製造で知られていますが、人工衛星やスペースシャトルなど、宇宙開発事業にも注力しています。

月や小惑星、惑星などの宇宙探査に向けた宇宙船、ロボット、統制システムの開発、月や火星への有人宇宙船の開発、月面移動車両、宇宙居住をサポートするインフレーブル住居の開発などが進められています。

航空宇宙企業で働くメリット・デメリット

これまで培ってきた経験やスキルを生かして、今後さらなる発展が見込まれる航空宇宙企業。この業界への転職を検討している方は、航空宇宙企業の魅力だけでなく、注意点も把握しておく必要があります。では、航空宇宙企業で働くことには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

航空宇宙企業で働くメリット

航空宇宙企業で働く主なメリットは以下の3つです。

最先端の技術に関わる分野である

航空宇宙企業では、世界の先端技術を結集した技術開発が進められています。航空機や宇宙機器に使用される材料やエンジン、ターボファン、軌道や姿勢を制御するシステムなど、多岐にわたる先端技術が集結する分野です。

各分野の高い専門性と航空宇宙に関する高い熱量をもつ技術者が集う航空宇宙企業は、成長志向の高い方にとって、非常に魅力的な業界です。

グローバルなビジネス経験を積める

航空宇宙企業では、国際共同開発が標準となっているほか、原材料や部品の調達などもグローバル化しています。異なる文化や価値観を受け入れ、さまざまな国や地域のステークホルダーと密接にかかわる環境は、視座を高め、多角的に判断する能力を養い、自己成長につながります。

社会貢献につながる喜びを得られる

航空機は、人や物流を支える社会インフラです。また、カーボンニュートラルを実現する航空機の開発やAIを活用した最適な航路の設定など、地球環境の保全に向けた動きも進んでいます。さらに、宇宙産業では地球環境のモニタリングに役立つ人工衛星の開発や通信インフラの整備なども行われており、航空宇宙企業は幅広い社会貢献事業に取り組んでいます。社会全体の課題解決に貢献できることは、大きなやりがいにもなります。  

航空宇宙企業で働くデメリット

航空宇宙企業では、安全や信頼性が重視され、複雑で高度な技術が求められるため、長期的なプロジェクトが多くなります。そのため、短期間で結果が出ることはほとんどありません。また、宇宙開発においては予期せぬ事態が発生するケースも多くあります。そのため、短期間では成果を得にくい点が、航空宇宙企業で働くデメリットになります。

また、プロジェクトが必ずしも計画通りに進まず、時期によっては労働時間が長くなることもあります。  

航空宇宙企業への転職ならJAC

航空宇宙業界は、政府もさまざまな取り組みを実施しており、今後、大きく発展することが期待されている業界です。コロナ禍を経て航空機の需要は増加しており、宇宙開発事業にも民間企業が参画しています。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

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