イベントプランナーの転職事情|年収相場や求められるスキル経験を解説

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公開日:2025/12/12 / 最終更新日: 2025/12/12

企業のブランド価値や集客力を左右するイベント戦略は、マーケティング戦略の中核として注目を集めています。ハイブリッドイベントやブランド体験設計を軸にした企画運営に実績のあるプロフェッショナルには、年収1000万円超を提示する企業も増加。転職市場は活発化しており、キャリアアップのチャンスが広がっています。

本記事では、イベントプランナーの年収相場や求められるスキル・経験、最新求人情報を、JAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく解説します。

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イベントプランナーの転職動向

イベントプランナーの転職市場は、従来の「イベント企画・運営」から大きく職域が拡大し、求人数は前年比約2.06倍です。業種別ですが、求人数が多いのは「Webメディア・EC」「映画・音楽」「ネイティブアプリ」「デジタルマーケティング(Web広告代理店・アドテク・分析/解析系)」の順です。近年は、ブランド戦略やグローバルプロジェクト推進、デジタル施策の統合など、活動領域がいっそう拡大しています。

企業の採用傾向を見ると、「体制強化」「マーケティング機能の進化」「新規事業の立ち上げ」「会社成長による増員」などが目立ちます。単なる欠員補充ではなく、事業成長や市場拡大を目的とした採用が主流です。また、海外拠点の拡大やグローバルイベントへの対応を見据えた採用も進んでいます。さらに、デジタルメディアやライブ配信といった新しい技術を活用し、マーケティング活動の高度化を図る動きも加速しています。

職務内容も高度化しており、「プロジェクトマネジメント」や「外部パートナーとの協業」「デジタル施策の統合」、さらには「ブランド体験設計」などが中心となり、運営業務だけでなく、戦略的な思考と実行力を兼ね備えた方が求められています。実際の求人では、プロジェクトマネジメントやマーケティング戦略の立案・実行、効果測定・PDCAの推進など、企画から分析までを一貫して担う業務が多く見られます。組織強化やスタッフ多様化の観点から、マルチタスク能力や多角的な経験、語学力を有するスペシャリストの成約率が高い傾向にあります。

イベントプランナーで求められるスキル・経験・マインド

イベントプランナーの転職市場では、以下のようなスキル・経験・マインドが求められます。

・プロジェクトマネジメント能力

・デジタル活用・データ分析力

・コンテンツ制作ディレクション

・業界特有の知識・経験

・英語力・語学力

プロジェクトマネジメント能力

イベントプランナーの転職市場では、複数のイベント案件を同時並行でマネジメントする能力が高く評価されています。特に、社内外の関係者や外注先との調整、進行管理、トラブル対応を含めた全体のPDCAサイクルを回せる力が不可欠です。B2B・B2C両方の事例において、計画段階から運営、振り返りまでを包括的に担える方が求められています。

デジタル活用・データ分析力

近年は、SaaS型イベント管理ツールやデジタルサイネージ、オンライン配信技術など、最新テクノロジーの活用が一般化しています。そのため多くの企業が、SNS運用、BI(Tableau/Google Analyticsなど)を用いたイベント効果測定、データを参照した改善提案などができる方を求める傾向です。また、DX推進の観点においても、ITリテラシーは欠かせません。

コンテンツ制作ディレクション

イベントプランナーは、ステークホルダーとの協業に基づく企画・ディレクション力が重要です。制作会社や広告代理店、配信パートナーと連携しながら、既存枠にとらわれないクリエイティブ提案と実施力が求められます。よって、PR領域やIPコンテンツ、インフルエンサー施策まで広く担当できる企画力が鍵になります。

業界特有の知識・経験

イベントプランナーの転職市場において、エンタメ、ゲーム、ファッション、B2Bテクノロジーなど、対象の業界に応じた深い知見や業界内のネットワークが強みとなります。例えば、業界特有の慣行や市場動向、法規制に明るい方が、継続的な大型イベントやブランド案件を獲得しやすい傾向です。また、グローバル案件においては市場リサーチ力も重視されています。

英語力・語学力

近年、グローバルな案件や海外ベンダーとの協業が増えており、ネイティブレベルの英語力や多言語対応力が高く評価されています。具体的には、TOEIC800点以上のスコアや英語交渉・契約締結の経験者が、海外カンファレンスやインターナショナルイベントで重要な役割を果たしています。語学力は、報酬とポジションアップにも直結します。

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イベントプランナーの想定平均年収は712.9万円

JACの2023年1月~2025年9月の実績では、イベントプランナーの平均年収は約712.9万円です。年収のボリュームゾーンは700万円~800万円となっています。下記の表は役職・企業別の平均年収ですが、企業規模や担当領域、経験によっては40代で900万円以上、50代で1,000万円以上に達するケースもあります。

役職平均年収
メンバークラス658.9万円
管理職875.0万円
平均年収
日系企業705.9万円
外資系企業743.3万円

※当社実績(2023年1月~2025年9月、想定年収)より

一般的なイベントプランナーの平均年収は、300万円~600万円の範囲が主流となっています。特に、若手や地方勤務では年収300万円~400万円、中堅や首都圏勤務、大型案件担当者になると500万円~600万円が、一般的な水準です。

イベントプランナー最新求人情報

本章では、イベントプランナーの最新転職・求人情報を紹介します。

株式会社ホンダセールスオペレーションジャパン:埼玉/和光市 イベント企画立案・進行管理

株式会社OPENREC:番組ディレクター ~OPENREC.tvのオリジナル人気番組の制作ディレクション~

外資系ライブ配信サービス企業:V-Liver Event Planner

クラスター株式会社(メタバースプラットフォーム企業):イベントディレクター職

株式会社CyberZ:【イベント事業部/CyberE出向】エンタメプランナー

JACでは、取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、JACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人を紹介します。

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※掲載されている求人の中には、募集が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。(2025年12月現在)

イベントプランナーへの転職で有利となる資格

イベントプランナーへの転職を目指す場合、以下資格や試験を取得・受験しておくと有利になります。

・PMP(Project Management Professional)

・イベント業務管理士

・ウェブ解析士

・TOEIC

・MOS(Microsoft Office Specialist)

では、上記5つについて、それぞれ解説します。

PMP(Project Management Professional)

PMPは、国際的に評価されているプロジェクトマネジメント資格です。イベント分野でもプロジェクト推進力が求められるため、PM経験を証明できるPMP取得者は、企画進行や全体統括を担当できるスペシャリストとして高い評価を得られます。

重要度は非常に高く、合格までの学習期間は3~6カ月、取得難易度は比較的高めです。取得により企業からの信頼度が向上し、大手クライアント案件にも参画しやすくなるでしょう。

参照:Project Management Instiyute「Project Management Professional (PMP)」

イベント業務管理士

イベント業務管理士は、日本イベント業務管理士協会が認定する、イベント運営に必要な知識や実務力を証明する民間資格です。イベントの企画・運営、会場設営、安全管理まで幅広く網羅しているため、現場運営力を評価する企業で非常に重視されます。

受験準備期間は2~3カ月間と比較的短く、難易度は中程度で、転職活動時に「専門スキル」としてアピールしやすいのが特長です。

参照:日本イベント業務管理士協会「イベント業務管理士資格試験」

TOEIC

グローバルイベントや海外ベンダーとのやり取りが増加している現状において、TOEICは英語実務スキルの証明として高く評価されます。TOEIC800点以上は、グローバル案件や外資系企業への転職を目指す際の基準として、多くの求人票で応募要件に設定されています。特に海外プロジェクトに関与するポジションでは、英語による業務遂行能力の証明として、取得が事実上必須となるケースも少なくありません。

取得までの期間は個人の英語力や学習スタイルによって異なりますが、一般的には半年〜1年程度の継続的な学習が推奨されており、難易度は中程度とされています。

参照:IIBC「TOEIC」

ウェブ解析士

ウェブ解析士は、デジタルマーケティング領域におけるデータ活用・効果測定・PDCA運用を体系的に習得できる専門資格です。近年、SaaS型イベントやオンライン配信、SNS施策の重要性が増しており、ウェブ解析士取得者は、オンラインイベント運営やデジタルプロモーション戦略において高い専門性を発揮しています。

取得までの期間は1~2カ月と比較的短く、難易度も初級~中級レベルのため、短期習得から実務へのスムーズな応用が可能です。

参照:WACE「ウェブ解析士とは」

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSは、Excel、PowerPoint、Wordなど、Microsoft Office製品のスキル認定資格です。資料作成や進行台帳、プレゼン資料の作成業務が多いイベント業界では、MOS合格者は実務力を証明でき、事務処理能力やコミュニケーション力の面で評価されます。

取得期間は1~2カ月と、こちらも比較的短期間で取得でき、難易度は比較的低いものの、実践的なスキルの習得が可能です。

参照:Microsoft「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」

イベントプランナーのキャリアパス

イベントプランナーは、経験を重ねることでディレクターやプロデューサーなど上位職への昇進や、専門分野への特化、独立など多彩な道が開かれています。自身の強みや志向に応じてキャリアを築ける職種ともいえるでしょう。ここでは5つのキャリアパスについて紹介します。

イベントディレクター

イベント全体の進行を指揮するイベントディレクターへのキャリアパスは、企業や制作会社において、イベントプランナーの経験を積むことで得られます。企画立案に加え、現場統括やスタッフマネジメント、予算とスケジュール管理に携わることで、より大きなプロジェクトを動かすリーダーとなります。

現場を動かすことにやりがいを感じられる方に適しており、入社後は小規模なイベントでアシスタント経験を重ね現場力・調整力を磨きましょう。

イベントプロデューサー

イベントプロデューサーは、イベントの全体設計や集客戦略など、プロジェクトの考案から最終的な成果までを統括するポジションです。企画、運営、マーケティング、広報など、多角的な視点でイベント設計を担うため、クリエイティブ志向やアイデア力、ビジネス感覚を有する方に向いています。

制作会社などでディレクター職を経て、クライアント対応力や数々の実績を積み上げることで、プロデューサーへの昇進が現実的になっていきます。

専門特化型イベントプランナー

スポーツ・音楽・国際会議・展示会など、特定分野のイベントに特化してスペシャリストを目指すキャリアです。分野への興味や専門知識を強みに、専門性や独自性を追求できる方に向いています。

まずは幅広いイベントに携わり、徐々に希望領域への担当比率を増やしていくことで、専門特化のスキルやネットワークを構築しやすくなります。

フリーランス/独立系イベントプランナー

会社員として実務経験を積み、人脈を築いた後、独立して自分のペースやスタイルで企画運営を行う道です。自己管理能力や高い営業力、幅広い現場経験を有し、自由度や挑戦志向を重視する方に最適です。

まず広告代理店や制作会社でノウハウと取引先を増やし、自身を売り込みたいジャンルやサービスを整理した上で独立の道を選びましょう。

インハウス(企業内)イベント担当

商業施設や一般企業の広報、人事部、マーケティング部門で、社内外のイベントや企画を担うキャリアです。安定した環境で長期的な組織課題の解決に関わるため、企画力だけでなく組織調整力に長けた方が向いています。

未経験の場合は、営業や事務職でコミュニケーション力など社内調整の経験を積み、イベント担当や広報配属を目指すことが有効です。

イベントプランナーの転職を成功させる5つのポイント

イベントプランナーへの転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

・経験を“プロジェクト推進力”として訴求

・顧客対応力を“体験設計力”として昇華

・業務改善経験を“クリエイティブな課題解決力”に変換

・転職理由は『イベントを通じて人に価値を届けたい』を軸に明確化

・転職エージェントの活用

ここから、各ポイントについて解説します。

1.経験を“プロジェクト推進力”として訴求

イベントプランナーは多くの関係者を巻き込み、限られた期限の中で成果を出す仕事です。従って、前職で手掛けた複数案件の進行管理、スケジュール調整、チーム調整などの経験を“プロジェクト推進力”として再定義しましょう。

単なる業務遂行ではなく、「目標に向けてチームを動かす能力」としてアピールすることが効果的です。こうした主体的な推進力は、社内外の調整が多いイベント業界で大きな強みとなるでしょう。

2.顧客対応力を“体験設計力”として昇華

イベントプランナーは、顧客が求める“体験価値”を空間や演出を通じて具現化するプロフェッショナルです。そのため、営業、販売、接客など、ほかの職種で培った顧客理解力は、イベント領域において“体験設計力”として再定義され、高く評価されます。

例えば、「顧客の潜在ニーズを深掘りし、記憶に残る企画を提案・実現した経験」などを具体的に語ることで、参加者満足を重視する姿勢と企画力を効果的にアピールできます。また、思いやりや観察力といったソフトスキルも、顧客体験の質を左右する重要な評価軸といえます。

3.業務改善経験を“クリエイティブな課題解決力”に変換

イベント業界では常に想定外のトラブルが発生します。そのため面談などでは、課題発見から改善策を実行した経験を“クリエイティブな課題解決力”として伝えることが有効です。

例えば、「限られた予算で成果を出すために行った工夫」「部署間の連携を改善した仕組みづくり」などを具体的に説明すれば、実行力と柔軟な発想を併せもつ方として印象づけられます。

4.転職理由は『イベントを通じて人に価値を届けたい』を軸に明確化

イベントプランナーを志す理由は、「企画を通じて多くの人に喜びや感動を届けたい」という軸を中心に整理すると説得力が増します。前職で得た経験を否定せず、「組織や商品を支える立場から、今度は人の心を動かす現場に立ちたい」というストーリーにすることで、自身の成長意欲と業界適性の双方を伝えられます。

面接では、イベントの価値を自分なりの言葉で語る準備をしておくとよいでしょう。

5.転職エージェントの活用

イベント業界は非公開求人やプロジェクト単位のポジションが多く、専門知識をもつ転職エージェントの支援が大きな武器になります。JAC のような転職エージェントでは、イベント、広告、制作業界の知見をもつコンサルタントが、あなたの経歴を活かせる職種や会社を紹介してくれます。また、面接対策や履歴書添削なども受けられるため、効率的に転職を進めることが可能です。

客観的に自身のキャリアを整理し、目指すポジションに合わせた戦略を立てることが転職成功への近道です。

イベントプランナーの転職事例

ここからは、JACを活用してイベントプランナーへ転職した事例をご紹介します。

Fさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前総合インターネットサービス業プロデューサー850万円
転職後出版・メディア業イベントプランナー(管理職)900万円

Fさんは、新卒でセールスプロモーション会社に入社し、広告代理店をクライアントに、各種イベントやキャンペーンの企画・制作・運営を一貫して担当。プレイングマネージャーとして部下の育成にも携わり、その後、総合インターネット企業にてオンラインイベントのプロデュース経験を積みました。企画立案から営業・制作を一気通貫で担える実行力が強みです。

JACのコンサルタントは、Fさんの「現場とマネジメントを両立できる推進力」を高く評価し、グローバルメディア企業のイベント統括ポジションを提案。事業撤退を機に新たな環境を求めたFさんは、オフラインイベント事業の再拡大フェーズにおける管理職として採用され、キャリアの幅をさらに広げる転職を実現しました。

イベントプランナーへの転職なら、JAC Recruitmentへ

JACは、長年にわたり企業経営層との直接的な関係を築いており、イベント業界を含む専門職・管理職向けの転職をサポートしています。業界ごとに専任コンサルタントが配置されているため、求人票だけでは把握できない企業の課題や組織風土、ポジションの背景まで詳細に把握しています。

特にイベントプランナーへの転職を希望する場合、リーダーシップや企画力などの専門スキルを理解したうえで、一人ひとりに最適なポジションを提案しています。

書類添削や面接対策、情報提供も充実しているため、イベント業界で新たなステージを目指す方はぜひJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。