施工管理から転職したい方へ|主な転職先や評価されやすい経験を解説

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公開日:2025/10/07 / 最終更新日: 2025/10/07

本記事では、施工管理職の経験を生かして転職を目指す方に向けて、主な転職先や評価されやすいスキル・経験、年代別の転職傾向、成功事例までを網羅的に解説します。

「長時間労働から抜け出したい」「より大きなプロジェクトに挑戦したい」「給与アップを目指したい」など、転職理由は人それぞれ。施工管理経験者がどのような業界・職種に転職しているのか、JAC Recruitment(以下、JAC)の支援実績をもとに、具体的なキャリアの選択肢をご紹介します。

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施工管理からの転職を検討する理由


施工管理経験者が転職を目指す主な理由をご紹介します。

  • ・ワークライフバランスを重視したい
  • ・施工管理者としてよりスキルアップを目指したい
  • ・給与アップを目指せる環境に転職したい

ワークライフバランスを重視したい

建設業では、プロジェクトごとに納期が決まっています。しかし、厳しい納期設定がなされているケースも多く、天候などの影響でスケジュールどおりに工事が進まない場合、残業や休日出勤で調整しなければなりません。また、事務処理などの業務も多く、仕事中心の生活に疲弊し、よりワークライフバランスを重視できる職場への転職を検討する方もいます。

施工管理者としてよりスキルアップを目指したい

施工管理の仕事は大変ではあるものの、関係者をまとめながらプロジェクトを進め、目に見える形で成果物を残せる、やりがいの大きな仕事でもあります。しかし、勤務する企業によって携わることができるプロジェクトの内容は変わります。小規模プロジェクトを中心とした施工管理職の場合は、より大きなプロジェクトに挑戦し、スキルアップを目指したいと考える方もいらっしゃいます。

給与アップを目指せる環境に転職したい

長時間労働が多く、多方面との調整が必要な大変な業務であるにもかかわらず、施工管理職の給与は低く設定されているケースもあります。そのため、業務内容やスキルに見合った適正な評価を得られる環境や給与アップが目指せる環境への転職を希望される方も少なくありません。

施工管理経験者の主な転職先


施工管理経験者の主な転職先には次のようなものがあります。

  • ・建設業界
  • ・不動産デベロッパー
  • ・建設コンサルタント
  • ・EMC業界

建設業界

施工管理から最も転職しやすい業界は、経験やスキルを生かしやすい建設業界です。JACの転職サポート事例を見ても、建設業界に転職されるケースが最も多くなっています。

施工管理者は現在、スタッフが不足している職種であり、施工管理経験者を募集している求人は豊富にあります。そのため、経験を生かし、スキルアップや待遇改善を目指して転職される方が多く見られます。

  • 建設業界転職情報

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不動産デベロッパー

不動産デベロッパーも、施工管理職の方が経験を生かしやすい業種です。土地を仕入れ、住宅やオフィスビル、商業施設などの開発を行う不動産デベロッパーでは、街づくりという大きなプロジェクトに参加することができます。

開発を行ううえで、施工管理で培った品質管理や工程管理、安全管理などの経験を存分に生かすことができるでしょう。

  • デベロッパーの転職市場動向

    転職においては難関なデベロッパーですが、高い専門スキルや、各種プロジェクトマネジメントの経験のある方であれば、転職も可能です。建設・不動産業のデベロッパーは高収入がのぞめることから、業界の多くの方があこがれる業種といえま… 続きを読む デベロッパーの転職市場動向

建設コンサルタント

施工管理経験者の中には、経験を生かし、建設コンサルタントに転職される方もいます。建設コンサルタントとは、道路やダム、河川、上下水道など、インフラの整備に関する調査計画や設計の技術コンサルティングを行う業種です。

建設工事プロジェクトのコンサルティングを行う業務であり、工事全体の流れや工程などを把握できる施工管理の経験は転職時に高い評価につながる可能性があります。

EMC業界

EMC業界は、積極的に求人募集を行っている業界です。施工管理の仕事では、スケジュールや品質、安全面、コストなどさまざまな管理を担います。これらの経験は、EMC業界における生産管理や品質管理などにおいても役立てられるものです。

また、社内外の多様な関係者と調整をしながらプロジェクトを管理した経験も、EMC業界への転職時に評価されるでしょう。

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施工管理からの転職で強みとなる経験・スキル        


JACが取り扱っている求人情報を見ると、施工管理経験者が転職をする場合、次のような経験やスキルが評価される傾向にあります。

  • ・プラント建設に関わった経験と土木施工管理に関する専門的な知識
  • ・プロジェクトマネジメントの経験
  • ・社内外のステークホルダーとの調整を担った折衝経験

プラント建設に関わった経験や土木施工管理に関する専門的な知識

JACが取り扱う求人では、施工管理関連職として、大規模プロジェクトに関わった経験がある方を求める求人が多くなっています。特に、プラント建設に関わった実務経験者を求める求人が多く見られます。

また、土木施工管理に関する専門的な知識を保有していることの証明となる、土木施工管理技士の資格保有者を求める求人も多くなっています。

プロジェクトマネジメントの経験

プロジェクトをマネジメントするうえでは、プロジェクトに関わるメンバーをまとめ、進捗を管理しながら、納期までにプロジェクトを成功させる能力が求められます。現在、多くの業種においてプロジェクト型のビジネスモデルが採用されており、施工管理職で培ったプロジェクトのマネジメント経験は、転職時に高い評価につながる経験です。

社内外のステークホルダーとの調整を担った折衝経験

プロジェクトの管理においても、営業職においても、社内外のさまざまな立場の人との折衝が必要になります。建設プロジェクトにおいて、プロジェクトを成功に導く過程では、施工管理職は多様なステークホルダーとの折衝を経験しているはずです。業務の中で培った折衝能力は、さまざまな業界、さまざまな職種で役立てられるスキルです。

【年代別】施工管理からの転職事情        


施工管理経験者の転職事情を年代別に分けてご説明します。

 20代:現場経験をベースに幅広いキャリア選択が可能

20代の施工管理経験者は、現場での安全管理や工程調整、協力会社との折衝など、実務を通じて社会人としての基礎力と現場対応力を身につけています。そのため、建設・土木業界内での施工管理職への転職が多い一方で、設計・設備保全・事業企画など、施工管理で得た知識を生かせる職種への転職も見られます。

また、若さと柔軟性を生かし、ITエンジニアや営業職など、異業種へのキャリアチェンジを成功させるケースもあります。現場で培った「段取り力」や「トラブル対応力」は、業界を問わず高く評価される資質です。

30代:マネジメント経験を生かした転職が増加

30代になると、現場代理人や主任技術者としての経験を積み、工程・品質・安全・原価の4大管理をバランスよくこなせる人材として評価されます。建設業界内でのキャリアアップはもちろん、EMC業界や流通業界などでの技術系プロジェクトマネージャーへの転職も増えています。

また、施工管理で培った「現場と本社の橋渡し役」としての調整力を生かし、商品企画や設計、技術営業などへの転職も見られます。30代は、専門性とマネジメント力を兼ね備えた人材として、業界を超えた活躍が期待される年代です。

40代:経験値と信頼性が武器に

40代では、複数現場の統括や大型案件の現場責任者としての経験をもつ方が多く、即戦力としてのニーズが高まります。特に、ゼネコン・サブコン・施主との折衝や、若手育成の実績がある方は、施工管理職としての転職が比較的スムーズです。

JACのサポート事例でも、40代での転職は施工管理や工事監理など、これまでの経験をそのまま生かせる職種が中心となっています。一方で、マネジメント経験を生かして、工事部門の管理職や教育担当としての転職も見られます。

50代:専門性と実績でハイクラス転職も可能

50代になると、転職市場全体では選択肢が限られるものの、施工管理経験者においては、長年の現場経験と専門知識を生かした転職が可能です。特に、公共工事や大型民間プロジェクトの実績がある方は、工事部門の統括責任者や技術顧問としての採用事例もあります。

ただし、未経験職種への転職は難しく、これまでのキャリアを生かせるポジションに絞って活動することが現実的です。50代での転職では、マネジメント力・技術力・人脈の3点が評価のポイントとなります。

施工管理からの転職を成功させるためのポイント


施工管理経験者が転職を成功させるために重要となる3つのポイントをご紹介します。

  • ・再生可能エネルギー事業に関わった経験をアピールする
  • ・国や地方公共団体などのプロジェクトに関わった経験をアピールする
  • ・施工管理経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

再生可能エネルギー事業に関わった経験をアピールする

2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、さまざまな企業が再生エネルギーの開発プロジェクトを進めています。プラントの建設プロジェクトに関わった経験や関連事業の施工管理に関わった経験、再生可能エネルギーに関連する知識は、転職時に評価を受けやすい経験・知識です。

面接の際などには、再生可能エネルギー関連事業に関わった経験を具体的にアピールすることをおすすめします。

国や地方公共団体などのプロジェクトに関わった経験をアピールする

施工管理職では、河川やダム、港湾、道路などのインフラ事業の整備、災害の復旧・復興事業に携わるケースが多くなります。公共工事は大規模な工事が多く、工期も長くなるため、民間工事とは異なる調整が必要になるケースも少なくありません。

そのため、国や地方公共団体と関わりながらプロジェクトを進めた経験がある場合は、転職時のアドバンテージとなるでしょう。

施工管理経験者のサポート実績が豊富な転職エージェントの活用

転職活動を成功させるうえでは、転職エージェントの活用も検討すべきです。特に、施工管理経験者のサポート実績を豊富にもつ転職エージェントの場合、経験やスキルを生かしやすい業界や職種を把握しています。

想定外の業界や職種の提案を受けることもあり、スキルや経験を生かせる求人に出会える可能性が広がります。転職時には、施工管理に詳しい転職エージェントの活用も検討してみましょう。

>>JACの転職コンサルタント一覧(建設・不動産業界)

施工管理からの転職事例


実際にJACが転職をサポートし、施工管理からの転職を成功された方の事例を3つご紹介します。

施工管理から土木エンジニアへの転職事例

Kさん(男性/40代前半)

 業種職種年収
転職前電力会社施工管理850万円
転職後エネルギー関連会社土木エンジニア1,350万円

Kさんは、1級土木施工管理技士の資格をもち、電力会社においてプラントの施工管理や維持管理などに携わってこられた方です。土木エンジニアとしてより大きなプロジェクトに関与したいとのご希望から当社にご相談をいただきました。

当社からご紹介したのは、電力会社における再生可能エネルギー事業の土木エンジニアの職です。採用後は、洋上風力、陸上風力、バイオマス発電、水力発電など、多様な再生可能エネルギー電源の計画や技術選定、詳細設計の照査、工事監理など、幅広い業務を担当することとなります。

Kさんは再生可能エネルギーへの関心も強く、また、電力会社での施工管理によって培った豊富な経験が高く評価され、大幅な年収アップの提示を受け、見事、採用が決定しています。

施工管理からプラントエンジニアへの転職事例

Aさん(男性/40代後半)

 業種職種年収
転職前ガス会社施工管理1,000万円
転職後エネルギー関連会社プラントエンジニア1,050万円

Aさんは、ガス管敷設の施工監理に関わった経験をおもちの方です。また、工事の品質向上を目的とした業務や業務効率化向上に向けたDX化の推進など、幅広い業務を担当してこられました。

キャリアアップを目指し、転職を検討されたとAさんに対し、当社がご紹介したのはエネルギー関連会社のプラントエンジニアの仕事です。カーボンニュートラル事業に関わるパイプラインの設計から計画立案、マネジメントまでを担当する、非常に幅広い能力が求められる業務です。

厳しい要件の求人でしたが、Aさんは、道路管理者である行政や近隣住民などとの折衝経験も多く、高い折衝能力や施工管理の豊富な経験が評価につながり、面接後はすぐに採用が決定しています。

施工管理から施工管理への転職事例

Nさん(男性/30代後半)

 業種職種年収
転職前地方自治体施工管理620万円
転職後エネルギー関連会社施工管理950万円

Nさんは、地方自治体において、道路や河川、砂防、港湾などのインフラ整備に関わる工事監理業務や設計調査などに関わってこられた方です。地元住民や関係機関との調整経験も豊富におもちでしたが、より技術者としてのスキルを高められる職への転職を決意されたとのこと。

当社からご紹介したのは、エネルギー関連会社の土木分野の技術職の求人です。国内外のさまざまな土木設備の新設や維持、発電プロジェクトの計画や設計、施工監理などを担う業務ですが、Nさんの発注サイドでの経験、実直なお人柄が高く評価され、見事、採用が決定しています。

実際、施工管理出身者はどのような業種/職種に転職している?


JACが転職をサポートした施工管理出身者は、どのような業種や職種に転職しているのでしょうか。施工管理出身者の転職先の業種と職種のトップ10を以下の表にまとめました。

【施工管理出身者が転職先として選んだ業種トップ10】

施工管理経験者の転職先を見ると、最も多いのは経験を生かせる建設・不動産業界です。またEMC業界へ転職した方も35.7%と多く、合わせると約80%の方が、建設・不動産またはEMC業界に転職していることが分かります。

順位業種割合(%)
1建設・不動産41.8
2EMC35.9
3コンサルティング・シンクタンク・事務所7.6
4IT・通信4.7
5商社3.5
6流通3.5
7メディカル・バイオ1.2
8金融0.6
9消費財0.6
10サービス0.6

【施工管理出身者が転職先として選んだ職種トップ9】

施工管理出身者が転職した職種を見ると、土木系が最も多く41.5%、次いで技術系が24.0%。建築系が18.1%となっており、経験を生かした仕事へ転職される方が多いことが分かります。

順位職種割合(%)
1土木系41.5
2技術系24.0
3建築系18.1
4経営・事業企画6.4
5営業4.1
6IT2.3
6コンサルティング・アドバイザリー2.3
8総務・広報0.6
8購買・物流・生産管理0.6

施工管理からの転職なら、JAC Recruitmentへ


JACでは、これまでに数多くの施工管理出身者の転職活動をサポートしてきた実績があります。現在、施工管理経験者は不足傾向にあり、多くの企業が施工管理の経験をもつ方を募集しています。施工管理の仕事は、大きなプロジェクトや公共性の高い事業にも関われるやりがいの大きな仕事ですが、長時間労働が発生するケースも少なくありません。そのため、安定した就業を目指すのであれば、事前の企業研究が非常に重要になります。

JACには、建設業界や不動産業界、エネルギー関連業界など、現在、施工管理職を多く募集している業界に詳しいコンサルタントが在籍しています。そのため、これまでの経験や今後のご希望を丁寧にヒアリングしながら、理想のキャリアを実現できる最適な求人のご案内が可能です。募集背景や企業の雰囲気、就業環境など、詳細な情報も事前に提供できるため、ミスマッチの少ない転職活動を実現できます。

施工管理の経験を生かした転職をご検討の際には、ぜひJACにご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。