福岡へのUターン・Iターン・Jターン事情|働く魅力や年収相場などを解説

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公開日:2025/04/28 / 最終更新日: 2025/04/28

福岡エリアでは製造業やITを中心に、管理職クラス以上の採用ニーズがあります。Uターン・Iターン・Jターン転職を考える方に、福岡で働く魅力やメリット・デメリット、求人動向、年収相場、Uターン転職成功事例などをお伝えします。JAC Recruitment(以下、JAC)福岡支店のコンサルタントが解説します。


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福岡で働く魅力、メリット・デメリット


まずは福岡で働く魅力についてお伝えします。メリットとして挙げられるのは以下のポイントです。

●生活コストの低さ

住居費用の低さが魅力の一つです。賃貸住宅の家賃相場を見ると、一人暮らしの1K~1DKなら東京23区の場合は最低でも6万円台以上であるのに対し、福岡市内では3万円台~4万円台が中心です。新築ファミリーマンションを購入する場合も、東京なら7,000~8,000万円レベルの物件が福岡であれば4,000~5,000万円程度が相場という感覚です。

●豊かな自然環境

海と山、両方のレジャーを楽しめます。玄界灘に面したエリアには海水浴場が複数あり、釣りやサーフィンをする人も多数。一方、福岡市の繁華街から1時間以内に山があり、登山やハイキングを趣味とする人にもいい環境でしょう。九州は温泉地も豊富であるため、泊まりがけの旅行の楽しみも多いといえるでしょう。

●美味しい食文化

屋台街が複数あり、飲み歩きが楽しい街。近隣に良い漁場があり、海鮮系、特に青魚が美味しい地域です。もつ鍋、水炊き、ラーメンなども有名で、名店が豊富です。

●通勤負担の少なさと交通の便の良さ

福岡市内への交通機関として「福岡市営地下鉄」「西鉄電車」「JR九州各路線」があり、アクセス良好。「職住近接」の文化が色濃く、都市部に通勤する人の多くは都市部に住んでいるため、通勤時間の平均は20~30分です。大都市圏と比較し、通勤の負担は少ないといえます。

●子育て支援が充実

福岡では子育て世帯への支援制度が充実しています。出産育児一時金、子ども医療費助成制度、児童手当、子育て応援パスポート、幼児教育・保育の無償化など、さまざまなサポートを活用できます。

以上のメリットのほか、デメリットと感じられている部分もありますので、下記を理解しておくといいでしょう。

●ほかの大都市圏と比較し、求人の選択肢が少なく、給与水準が低め

首都圏や関西圏などと比較すると、やはり求人の選択肢は限られます。「支店経済」のエリアであり、東京の企業の九州支社・福岡支店といった企業が多数を占めています。九州本社の企業が少ない分、「本社勤務の求人」は少ない状況です。

また、東京本社の企業と比較し、当然ながら給与水準は低めです。県民所得として見るとそれほど他地域と大差はありませんが、ハイクラス層の方々の場合、東京本社の企業と九州本社の企業では、同等ポジションでも数百万円の年収差があります。そのため、首都圏からのUターン転職では、年収ダウンに抵抗感を示す方が少なくありません。

とはいえ、先に挙げたとおり、住居費を中心とした生活コストを抑えられるため、可処分所得はそれほど変わらないといえるでしょう。

●独特な商慣習・文化への適応が必要

どのような地方にも、その土地特有の商慣習・文化があるものですが、首都圏から福岡に来た方もまた、ギャップを感じるケースが多いようです。これまで身につけてきた交渉の手法が通用しないこともあるなど、独特な商慣習になじむまで、時間とパワーがかかるかもしれません。

福岡へのUターン転職の求人動向


福岡へのUターン転職を考える方にとって、どのようなチャンスがあるのかをお伝えします。

福岡の企業が抱える課題

福岡の企業が採用活動を行う際、そもそもエリア内の労働人口が少なく、転職希望者も少ないため、応募が少ないという課題を抱えています。県外から人を呼び込む必要性があり、UターンやIターン・Jターン希望者の採用に意欲的です。

熊本に半導体大手企業が進出したことを背景に、福岡でもサプライヤー企業がビジネスチャンスの獲得・事業拡大を図っており、採用ニーズが高まっています。

福岡で求人が多い業界・職種

福岡で求人が多い業界は大きく2つ。「製造業」と「IT」です。

製造業では、半導体・自動車・食品のメーカーでの採用ニーズがあります。IT業界は、福岡本社の企業のほか、東京本社の企業の福岡拠点立ち上げが相次いでおり、求人が増えています。SIer、SaaS企業、ITコンサルティングファームなどの領域も採用が活発です。

いずれの業界でも、エンジニア・営業・企画・管理部門職など、あらゆる職種の求人が出てきています。対象となる層も多様であり、ミドル・ハイキャリア層のニーズも大。拠点立ち上げを担う支店長クラスの求人も出ています。

福岡の採用で求められる要素

福岡本社の企業では、採用にあたり、職種問わず次の要素を求める傾向が見られます。

九州との地縁

先述のとおり、採用活動においては県外から人を呼び込みたい意向がありますが、「九州に地縁があること」を重視する傾向があります。「入社後、定着してほしい」という考えが強いことから、「九州に実家がある」「九州に配偶者の実家がある」といった人であれば、いずれ離職して九州を去る可能性が低いと見なし、安心感を抱くようです。とはいえ、他エリア出身の「Iターン」希望者であっても、九州への定住意欲が強い方であれば歓迎されるでしょう。

「自走」できる

新たな技術やノウハウの導入、あるいは人の育成など、さまざまな面で首都圏や関西圏に後れをとっているという課題意識をもつ企業もあります。「自社では十分な教育ができない」「新しい知見を導入して実践してほしい」という理由から、主体性をもって「自走」できる方が求められています。

新たな視点・発想をもち込める

自社の存続や成長のため、変革の必要があると感じていても、地域独自の商慣習・文化にとらわれてしまっていることに危機感をもつ経営者もいます。そこで、外部から入ってくる方に対しては、自社にない視点や発想をもち込み「新しい風を吹かせてほしい」と期待しています。


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福岡の年収相場


厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、福岡の平均給与は月収30万8,000円、年収は493万1,200円です。

JAC経由で福岡本社の企業に転職した方々のデータでは、平均40代後半・課長クラスの方で平均年収相場は700万円台半ば、部長クラスの方では約900万円です。ただし、東京本社で福岡の支社・支店に配属される場合、東京本社勤務とほぼ同額かやや低い水準です。

先述のとおり、首都圏などから福岡本社の企業に転職する場合、これまでと同等の役職であっても年収ダウンとなるケースがほとんどです。とはいえ、住居費の安さ、子育て支援なども加味すると、可処分所得はそれほど変わらないかもしれません。

福岡県を代表する企業


福岡県内に本社を置く代表的な企業の一例をご紹介します。いずれの企業も採用を行っています。

TOTO株式会社……トイレ・洗面器などの衛生陶器でトップシェアを誇る住宅整備機器メーカー

株式会社安川電機……産業用ロボットを強みとするメカトロニクス製品のメーカー

株式会社久原本家グループ ……「茅乃舎だし」「あごだしのくばら」で知られる明治創業の老舗食品メーカー

株式会社ヌーラボ ……プロジェクト管理ツール「Backlog」を主力サービスとして成長中のIT企業

株式会社トライアルホールディングス ……小型から大型まで多様な規模のディスカウントストアを全国展開する小売企業

株式会社資(すけ)さん……すかいらーくグループのうどんチェーン店。2025年、東京に初出店

福岡Uターン転職の成功事例


福岡本社の企業へのUターン転職を実現された方々の事例をご紹介します。

Sさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前自動車部品メーカー海外工場長1,200万円
転職後九州の食品メーカー工場長1,300万円

Sさんは自動車部品メーカーの海外拠点で工場長を務めていた方。九州に実家があることから、先々の両親の介護を見据え、帰国+故郷へのUターンを目指して転職活動を開始しました。

当初は実家がある県内で転職先を探していましたが、経験を生かせる企業は見つかりませんでした。そこで、新幹線・フェリーで実家に帰りやすい地域に対象を広げ、福岡に本社を置く食品メーカーに転職を果たしました。自動車部品から食品へと、扱う製品は大きく変わりますが、「工場のマネジメントで心がけていたこと」「工場のメンバーとのコミュニケーションの取り方」などをアピールした結果、工場長として高く評価されたのです。「変革の推進」の役割も期待され、約100万円の年収アップで迎えられました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

Yさん(男性/50代前半)

業種職種年収
転職前SIerプロジェクトマネジャー800万円
転職後大手IT企業プロジェクトマネジャー900万円

福岡出身のYさん(男性/50代前半)は、2,000名規模のSIerのプロジェクトマネジャー(以下、PM)として東京で働いていました。両親の介護、両親が所有する不動産の管理のため、Uターン転職を決意。福岡ではIT企業の支店立ち上げにともなうPMや組織マネジメント、ITコンサルタントなど、複数の選択肢がありました。

結果、Yさんが入社したのは、東京に本社を置く1万名規模のIT企業の福岡支店。これまでの経験がそのまま生かせるPMのポジションです。年収は100万円以上アップとなりました。福岡ではPMの採用が難しく、首都圏でのPM経験者は希少であること、Yさんが生産管理・会計・販売・通信など幅広い経験をもっていることが評価され、採用に至ったのです。「リモートワーク」と「オフィス出社」を選べる、柔軟な働き方も実現しました。

福岡Uターン転職でよくある質問/注意点


福岡へのUターン転職を考える方からよくいただく質問にお答えします。

Q.通勤手段が気になります。公共交通機関かマイカーか、どちらが多いのでしょうか。

A. 肌感覚ではありますが、公共交通機関:マイカー=8:2くらいのイメージです。福岡市内勤務の場合、ほぼ100%近くが公共交通機関を利用。福岡市外で郊外の工場地帯に通勤する場合、公共交通機関が存在しない場所もあるため、マイカー通勤となります。

Uターン希望者の方々は、「この会社に勤務する場合、どの辺りに住むのが適切か」という疑問を抱くことも多いため、勤務地やご事情に応じてコンサルタントから情報提供いたします。

Q.Uターンの目的は両親の介護です。日常の介護ほか、体調が急変した場合などの早退など、柔軟な働き方は可能でしょうか。

A. リモートワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方の制度を設けている企業は多数あります。また、首都圏などと比較するとゆったりと働く文化のある企業も多く、「両親の体調が悪いので早退したい」といった希望も受け入れられやすい社風が多いといわれています。

福岡へのUIJターン転職を成功させるには


JAC福岡支店のコンサルタントは、企業の経営幹部層・管理職層と密接なコミュニケーションを取っており、リアルタイムで情報をキャッチしています。企業の課題や求める人物像を把握しているため、転職希望者の方々に対し、「この企業なら経験・スキルが生かせる」「志向や価値観に合っている」といった情報提供が可能です。

ときには、転職希望者の方のご経験・スキルを踏まえ、求人を出していない企業に対して「このような経験・スキルをもつ方がいる。御社の課題解決を担えると思うので会ってみませんか」といった提案を行い、採用に至るケースもあります。

もちろん、福岡での「暮らし」に関する情報提供やアドバイスも行います。漠然とUターン(I・Jターン)を考え始めたばかりの段階でも、お気軽にご相談ください。


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この記事を監修した転職コンサルタント

寺井写真

寺井 慎一郎

福岡支店 支店長


入社以降、5年間大阪本社の製造業専任コンサルタントとして経験を積む。 その後、福岡支店を立ち上げ、福岡(九州)エリアの企業を担当。経営企画、営業、購買、物流、海外マーケティング、技術職など幅広い職種において、サポート実績があります。九州在住者は当然のことながら、九州へのUターン・Iターンを希望される方とのご面談も数多く対応しています。お気軽にご相談ください。