都心のマンション価格は高騰を続ける一方で、新築住宅の着工数は減少するなど、不動産業界を取り巻く環境は変化を続けています。そのような状況下において、40代を対象とした不動産業界の求人動向に変化はあるのでしょうか。
本記事では、JAC Recruitment(以下、JAC)が、40代の方の不動産業界への転職に役立つポイントや、求められるスキル・経験、平均年収などについて解説します。
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目次/Index
不動産40代の現状と転職動向
JACが取り扱っている求人を見ると、不動産業界では実務経験を豊富にもつ40代を積極的に採用しています。まずは、不動産業界における40代の転職動向から解説します。
住宅メーカー・不動産デベロッパーでの募集が中心
不動産業界と一口に言っても、業態は多岐にわたります。不動産の開発から販売、賃貸の仲介、管理、投資など、さまざまな業種に区分できます。
各業種で求人募集が行われてはいるものの、JACに寄せられた求人を見ると、不動産業界の中でもハウスメーカーと大手デベロッパーからの求人が中心です。
多様な職種での募集が活発化
求人の内容を見ると、建設用地の仕入れ、オフィスビル開発、プロパティマネジメント、分譲マンションや戸建て住宅の営業、賃貸物件の管理などの募集が目立ちます。
また、オフィスビルや商業施設のコンストラクションマネージャー、施工管理、設計などの求人もあり、幅広い職種で募集が行われている状況です。
海外プロジェクトに関する求人募集が拡大傾向
大手の不動産会社では、2010年代から海外事業に意欲的です。この流れを受け、JACが取り扱う不動産業界の求人でも、海外プロジェクトに関するものが多数見られます。
具体的には、東南アジアにおける用地仕入から事業計画の立案・販売、欧米の海外不動産ファンドの管理に関わる求人、アジアやアメリカ、オーストラリアでのコマーシャル不動産の取得・運営に関わる求人などで40代の海外事業経験者を募集しています。
海外事業拡大に伴うガバナンス強化を目的とした募集も増加中
海外事業の拡大に対し、海外グループ会社における会計処理フローの構築や監査対応、日本本社との会計方針の決定・推進といった、会計・経理に関連する求人の募集も見られます。
管理会計の実務経験に加え、海外グループ会社の決算や管理会計フローの構築、海外グループ会社との間に立った折衝の実務経験をもつ40代を求める企業が増加中です。
不動産40代で求められるスキル・経験・マインド
不動産業界では、次のようなスキルや経験、マインドを身につけている40代の方が歓迎される傾向にあります。
不動産開発や売買、賃貸などに関わる経験
40代には不動産業界における次のような実務経験が求められる傾向です。
・商業施設やオフィスビルなど売買仲介や賃貸提案などを行う法人営業の経験
・土地保有者に対する土地活用の提案営業の経験
・分譲住宅や分譲マンションの営業経験
・不動産開発プロジェクトの企画・開発経験
実務経験が重視される一方で、中には不動産業界が未経験の場合でも、営業経験や折衝経験があれば、応募が可能な営業職の求人なども見られます。
宅地建物取引士資格+αの専門性を求める求人が多数
不動産の売買取引や賃貸斡旋時には、宅地建物取引士による重要事項説明が必要になります。
宅地建物取引士の資格は、不動産取引に関する専門的な知識の証明となる資格です。不動産業界の求人では、宅地建物取引士の資格保有を必須にしている求人や資格保有者を歓迎する求人が多く見られます。
また、宅地建物取引士の資格に加え、管理業務主任者、ファイナンシャルプランナー資格、施工管理技士、建築士、ビル経営管理士、証券化マスターなどの資格保有者を歓迎する求人も少なくありません。
営業以外の職種でも宅地建物取引士の資格保有者を歓迎する傾向がみられることから、40代には、各職種に関する専門性に加え、不動産関連知識の保有者を求める企業が多いことが分かります。
DX化の推進やデータドリブン経営を可能にするデータ分析経験
不動産業界では、少子高齢化による労働力不足を前提とし、業務効率化を目指したDX化が進められており、DX化推進プロジェクトに関わった経験をもつ方を求める求人が増加中です。
また、データドリブン経営の実現に向け、BIツールなどによるビッグデータの解析、データガバナンスの整備、セキュリティの確保などに携わった経験がある方のニーズも高まっています。
コミュニケーション能力や折衝能力
不動産業界では、用地収用や営業、土地活用の提案など、さまざまな職種において顧客と良好な関係を築き、良い条件で取引を進めるコミュニケーション能力と折衝能力が求められます。
また、不動産開発プロジェクトにおいても、土地所有者や設計事務所、建設会社、行政機関、地域住民など、多様なステークホルターと利害を調整し、合意形成をしていかなければなりません。従って、職種を問わず、交渉力や折衝能力が重視される傾向があります。
不動産40代の平均年収は815.9万円
JACのサポートによって不動産業界へ転職された40代の方の平均年収は、815.9万円となっています。40代の前半と後半ではそれほど年収が大きく変わるわけではないことから、年齢ではなく、実力に基づいた評価がなされる業界であると判断することができるでしょう。
| 40代平均年収 | 40代前半の平均年収 | 40代後半の平均年収 |
| 815.9万円 | 818.7万円 | 813.6万円 |
また、職位別の平均年収を見ると、一般職の平均年収は660.9万円、管理職の平均年収は945.1万円と、その差は約285万円です。不動産業界においては、管理職のポジションへの転職か否かによって、年収に大きな差が生まれる可能性があります。
| 職位 | 一般職 | 管理職 |
| 平均年収 | 660.9万円 | 945.1万円 |
不動産業界では、職種によっても平均年収が変わってきます。主な職種の平均年収をまとめると、経営・事業企画、内部統制、人事・労務に関連した業務の年収が高くなる傾向が顕著です。
| 職種 | 平均年収 |
| 営業 | 708.7万円 |
| 経営・事業企画 | 1,207.8万円 |
| 経理財務 | 908.0万円 |
| 建築系 | 690.8万円 |
| 内部統制 | 1,134.9万円 |
| 人事・労務 | 1,128.2万円 |
不動産40代の転職を成功させる4つのポイント
40代の方が不動産業界へ転職する際に、転職の成功率を高めるための4つのポイントをご紹介します。ぜひ転職時に参考にしてください。
海外事業に関わる業務経験と英語力のアピール
大手不動産会社は、少子高齢化による国内マーケットの縮小を見据え、積極的に海外進出を進めています。海外での不動産開発プロジェクトにおいては、海外事業の立ち上げや推進に関わった経験、ビジネスレベルの英語力が求められます。
また、国際会計に関わる実務経験を求める求人もありますが、いずれもビジネスレベルでの英語力が必要です。
不動産業界ではなくても、グローバルビジネスに携わった経験や国際会計に関する実務経験などは、転職時に高い評価を得られる可能性があります。担当した業務の内容や業務成果などを、積極的にアピールするようにしましょう。
プロジェクト推進力とマネジメント経験のアピール
40代の転職では、マネジメント経験をもつ人が優遇される傾向にあります。営業部門のマネージャーとして、チームの数字を管理した場合は、売り上げ目標達成率などを数字で示し、目標管理力の高さをアピールするとよいでしょう。
不動産業界は離職率が高いともいわれており、育成した経験は転職時に大きなアドバンテージになる可能性があります。
さらに、社内のさまざまな部門や社外の関係者と折衝や調整を重ね、プロジェクトを推進した実績も、不動産業界で求められるスキルの一つです。具体的なプロジェクトの内容や規模を示しながら、即戦力として活躍できる素養がある点を示すことが大切です。
資格取得による信頼性の確保と成長意欲の強調
先述のように、不動産業界では宅地建物取引士の資格保有者を必須とする企業や歓迎する企業が多く見られます。
宅地建物取引士の資格を登録するには一定の条件が必要ですが、受験そのものには特別な制限がなく、誰でも受験することが可能です。
内部統制や経理、営業などの職では、業界未経験であっても、職務の実務経験があれば、採用につながる場合もありますが、その際には宅地建物取引士の資格を取得するなどして、業界について学ぼうという姿勢を示すことが、成長意欲のアピールにつながり、転職活動を有利に進められます。
転職エージェントの活用
40代の転職活動では、転職エージェントの活用もポイントとなります。40代を歓迎する不動産業界の求人のほとんどは実務経験がある人、特にマネジメント業務の経験者を募集するものです。
しかしながら、マネジメントの求人は非公開のものが多く、個人の転職活動ではなかなかキャリアを生かせる求人には出会えない可能性があります。
さらに、転職エージェントを活用すると、コンサルタントが応募先企業に積極的にキャリアやスキルを伝えるため、よりよい条件で転職を実現できるケースが少なくありません。
従って、40代の転職において転職エージェントの活用は非常に重要な意味があります。
不動産40代の転職成功事例
JACがサポートした事例の中から、40代で不動産業界へ転職された方の事例を2件ご紹介します。
① ゼネコンの経営・事業企画からハウスメーカーの事業開発・事業企画への転職
Aさん(男性/40代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | ゼネコン | 経営・事業企画 | 1,200万円 |
| 転職後 | ハウスメーカー | 事業開発・事業企画 | 1,400万円 |
Aさんは、大手ゼネコンに入社し、経理や人事などのバックオフィス業務の経験を積んだ後、MBAを取得し、海外駐在員として現地企業の買収や買収先企業のPMIに携わってこられました。
帰国後は、経営・事業企画部門において、経営に近い業務を遂行されてきたとのことです。今後、これまでのキャリアを生かし、建設・不動産業界において、海外のM&AやPMIに関する業務でさらなるキャリアアップを目指したいとの意向から当社にご相談をいただきました。
当社ではAさんからのご相談を受け、国際事業部門の強化を図っている大手ハウスメーカーに国際事業部の幹部としてAさんをご提案しました。その結果、Aさんの豊富な海外事業の経験、M&AやPMIの経験、駐在先でのマネジメント経験は高い評価につながり、面接後すぐに採用の運びとなっています。
② 大学研究者からハウスメーカーの商品企画・商品開発への転職
Bさん(男性/40代前半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 大学 | 研究職 | 670万円 |
| 転職後 | ハウスメーカー | 商品企画・商品開発 | 950万円 |
Bさんは電気機器メーカーでエアコンの企画・研究・開発・設計業務を担当された後、大学の助教として空調機器の制御に関する開発に従事されてきた経験をもつ方です。
大学では、ナッジによる行動誘発方法の提案や効果検証、電力会社の省エネサービス・空調メーカーの開発のアドバイザーも担当するなど、幅広い業務に対応されてこられました。研究にやりがいは感じていたものの、モノやサービスの提供によって、直接的に社会に貢献できる仕事に就きたいとの思いが強くなり、転職を決意されたとご相談をいただきました。
当社からは、ハウスメーカーの商品企画・商品開発部門の技術職をご紹介しました。住まい環境から取得したビッグデータの解析をもとに、IoTサービスやクラウドアプリケーションの企画、開発に携わる業務です。さらに、よりよい住環境の実現に向け、健康への影響も考え、災害に強く、環境にも調和するサービスの創出を目指す部門であり、Bさんの空調に関する専門的な知識は高い評価につながり、見事、採用が決定しています。
不動産業界における40代の転職に関するQ&A
Q.40代の業界未経験者が不動産業界に転職することは可能?
A.経理など、職種によっては不動産業界未経験の方でも転職が可能な場合があります。ただし、その場合でも募集職種に関する実務経験は必須です。
Q.40代で不動産業界の転職を成功させるために役立つ資格は?
A.不動産業界への転職であれば、宅地建物取引士の資格を保有していると、不動産に関わる専門的な知識を保有することの証明となり、転職時に役立てることができます。
そのほか、応募する職種によってはファイナンシャルプランナーの資格や不動産コンサルティングマスター、施工管理技士、会計士、簿記などの資格が役立つケースも見られます。
不動産40代の転職ならJAC
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不動産業界では、海外事業や国際会計、DX推進など、さまざまな分野の専門性を保有する40代の方を積極的に採用しています。不動産業界への転職をお考えの際には、ぜひ40代の転職サポート実績豊富なJACにお任せください。

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