40代ベンチャー企業の転職事情｜平均年収や求められるスキル経験を解説 

ベンチャー企業の成長が加速する中、40代の転職希望者にも新たなチャンスが広がっています。
本記事では、JAC Recruitment（以下、JAC）が40代のベンチャー転職希望者に向けて、平均年収・求められるスキル・成功事例・企業の見極め方を詳しく解説します。

「挑戦できる環境で働きたい」「専門性を活かしてキャリアアップしたい」──そんな方に向けて、JACが保有する非公開求人やプロの支援内容もご紹介します。

40代ベンチャー企業転職の現状      

JACが取り扱っている求人やJACのサポートによってベンチャー企業への転職を成功させた40代の方の事例を参考にしながら、ベンチャー企業の求人動向や40代の方の転職動向についてご説明します。

多様な業界において採用は活発化

ベンチャー企業の数は増加を続けており、多様な分野のベンチャー企業で活発に採用が行われています。JACが取り扱う求人の場合、特に、メディカル・バイオ分野、WEB業界、IT業界での募集が目立ちます。

メディカル・バイオ分野では、近年、AIやIoTを活用した画像診断、オンライン診療アプリなどの開発が進められています。
さらに、バイオテクノロジーを生かして低分子医療薬や再生医療の分野に進むバイオベンチャーの設立も盛んです。

また、オンラインプラットフォームやWebアプリケーションなどにより、新たなサービスを提供するWeb業界のベンチャー企業でも積極的な採用の動きが見られます。

アーリー期やミドル期企業の事業企画・営業の募集が顕著

40代を歓迎するベンチャー企業の多くは、サービスや製品のリリースをし、本格的な事業化をはじめたアーリー期や、事業が成長軌道に乗り事業規模の拡大を目指すミドル期にあります。

シード期と呼ばれる立ち上げ直後は、新たな従業員を雇用する余裕はありません。事業化の見通しが立ったタイミングこそ、スピード感をもって市場を拡大するタイミングであり、経験豊富な40代の転職志望者を歓迎する傾向がみられるのです。
特に、成長戦略立案や事業計画策定、売り上げ拡大施策の実施に関わる事業企画や営業職において40代の専門的なノウハウを求める企業が多く見られます。

IPO準備やマーケティング強化、技術力強化を目的としたスペシャリストの採用

ベンチャー企業では、スピード重視の成長戦略のもと事業を拡大しているケースが多く見られます。
しかし、資金調達などを目指し、新規株式公開を実現するにあたっては、コンプライアンスルールやガバナンス体制の整備、財務体制の透明性の強化など、さまざまな準備が必要です。そのため、IPOを視野に入れ、内部統制や資金調達、経理・財務・法務などのスペシャリストに対する求人が増えています。

また、製品やサービスのシェア拡大に向けたマーケティングの強化、製品のさらなる改善を目指した技術開発担当者など、特定領域のスペシャリストへの求人も増加中です。

40代ベンチャー企業の転職で求められるスキル・経験・マインド

JACのサポート事例や取り扱い求人をもとに、ベンチャー企業が40代に求めるスキルや経験、マインドなどについてご説明します。

IT技術に関する知識＋専門領域の実務経験

JACの取り扱い求人では、IT技術を生かしたサービスや製品を提供しているベンチャー企業からの募集が多くなっています。
求人内容を見ると、エンジニア職だけでなく、営業やマーケティング職にも、自社サービスや製品に関わる技術の理解が求められる傾向が強く見られます。

ITを活用したベンチャー企業では、マーケティングや営業といった専門領域での実務経験はもちろん、AIやクラウドシステム、Web系の技術知識も必要になると考えておいた方がよいでしょう。

経営的視点と横断的対応力

ベンチャー企業では、40代の方へ即戦力としての期待値が高く、特定分野の専門性を重視した採用が行われています。
しかしながら、まだ規模の小さいベンチャー企業の場合、大手企業のように業務を明確に区分しておらず、一人が複数の部門にまたがり業務を兼務する事例が少なくありません。そのため、一つの業務に専念するのではなく、部門や役職の枠を超え、中長期的な視野で全社的な課題に対応できる能力、つまり経営視点が必要です。

状況に応じた柔軟な判断と主体性、スピード感

ベンチャー企業は組織が小さく、ある程度の裁量権をもって業務を進められる一方で、状況に応じた臨機応変な対応と主体性をもった行動が求められます。
経営層との距離が近いため、意思決定までの時間が短く、よいアイデアはどんどん形にしようとするチャレンジ精神が強い点もベンチャー企業の特徴です。
よって、40代にはこれまでの経験を生かした柔軟な判断と経営層にも積極的に意見提案をするなどし、会社を成長させるという主体的な関り、市場の変化にも迅速に対応できるスピード感が求められます。

40代ベンチャー企業転職の平均年収は892.3万円    

JACのサポートによってベンチャー業界へ転職された40代の方の平均年収は、892.3万円です。
より具体的に見てみると、40代前半の平均年収は886.5万円、40代後半の平均年収は895.6万円となっており、若干40代後半の年収の方が高いものの、大きな差は見られません。

40代平均年収	40代前半の平均年収	40代後半の平均年収
892.3万円	886.5万円	895.6万円

また、職位別の平均年収を見ると、メンバークラスの平均年収は791.2万円であるのに対し、管理職の平均年収は1,074.4万円と約280万円もの差が生じています。

職位	メンバークラス	管理職
平均年収	791.2万円	1,074.4万円

職種別に見ると、主な職種による年収の差は次のようになっています。

職種	平均年収
営業	939.4万円
経営・事業企画	1,025.8万円
メディカル・バイオ業界	714.0万円
IT	854.0万円

40代ベンチャー企業転職を成功させる4つのポイント

40代のベンチャーへの転職を成功させるうえで重要となるポイントを4つご紹介します。

ベンチャー企業の特性を十分に把握しておく

ベンチャー企業は、大手企業が手を出しにくい分野において、新たな価値の創造を目指す企業です。まだ他社が事業化できていない分野であるため、成功すれば大きな利益が期待できる一方で、安定性には課題もあります。

しかし、ベンチャー企業では一人の従業員に与えられる裁量権が大きく、安定した企業では得られない経験を積むことが可能です。
自身の働きが会社の成長に貢献しているという実感を得ながらスピード感をもって過ごせる日々は、大きなやりがいにつながるでしょう。

40代を迎えても、変化の激しい環境で失敗を恐れずにチャレンジを続けたいと考える方にとって、ベンチャー企業は魅力的な転職先といえます。
一方で、安定した環境を望む場合やスピードよりも確実性を重視する志向の方は、ベンチャー企業には向いていない可能性が高いです。

40代で初めてベンチャー企業への転職を検討する際には、まずは、ベンチャー企業の特性を抑え、自身の指向性と合致するかどうかを見極めることが重要です。

自らの手も組織も動かす心構えを主張する

ベンチャー企業では少数精鋭の従業員で事業を進めています。よって、大手企業のように管理職がマネジメントだけに注力できる環境ではありません。管理職は、自らの手も組織も動かすプレイングマネージャーとしての役割が求められます。プレイヤーとしても管理者としても貢献していく意思をアピールすることが重要になります。

戦略立案経験・新規事業立ち上げ経験×挑戦者マインドをアピールする

JACがサポートした40代のベンチャー企業への転職事例を見ると、事業企画職や事業開発職に転職されたケースが最も多く見られます。
ベンチャー企業の成長過程においては、市場の拡大や新たなビジネスチャンスの創出が欠かせず、マーケティング戦略や営業戦略の立案経験、新事業の立ち上げ経験は、即戦力としての期待を高めるものです。
ベンチャー企業には挑戦を恐れず、変化を楽しむマインドが好まれます。よって、これまでの成果だけを伝えるのではなく、新たな環境で自身のアイデアを試したいという“挑戦者マインド”のアピールが欠かせません。

転職エージェントの活用によるベンチャー企業の見極め

40代は、住宅ローンや教育費などの負担が大きな時期でもあり、新たな分野への挑戦に魅力を感じても、事業の不確実性に対する不安からベンチャー企業への転職をためらうケースも見られます。
しかし、ベンチャー企業として設立された企業も、大手企業に匹敵する業績を残しメガベンチャーにまで成長している事例も少なくありません。

ベンチャー企業への転職を検討する際には、将来性を見極める目も重要です。現在の業績だけでなく、企業理念、市場の成長、資本金の額、資金調達の実績状況、離職率、昨今の採用人数なども踏まえ、将来性に期待できる企業を見極める必要があります。
ただし、個人の転職活動で応募先企業の詳細な状況を調査することは簡単ではありません。
そのため、40代でベンチャー企業へ転職される方の多くは、転職エージェントを活用されています。

ベンチャー企業への転職をサポートしているエージェントの場合、社風や事業の安定性など、内部の事情も詳しく把握しています。エージェントを活用すると、事前に知りたい情報を確認できるため、ベンチャー企業への転職に不安感がある場合でも軽減できるでしょう。
また、市場動向についてもエージェントに確認することで、より正確な情報をもとに応募先企業の見極めが可能になります。

40代ベンチャー企業転職の成功事例

JACでは、これまで多数の40代の転職希望者をサポートしてきました。ここではその中から、40代後半でベンチャー企業への転職を成功させたSさんの事例をご紹介します。

 ヘルステック企業の事業開発・促進職からヘルステック企業のコマーシャルダイレクターへの転職

Sさん（男性/40代後半）

	業種	職種	年収
転職前	ヘルステック企業	事業開発・促進	1,000万円
転職後	ヘルステック企業	コマーシャルダイレクター（営業管理職）	1,100万円

Sさんは、大学卒業後、MRIやCTなどを製造する大手外資系医療機器メーカーにおいてフィールドサービスエンジニアの職に従事された後、営業にキャリアチェンジされた経歴をもつ方です。クライアントである医療施設の課題を丁寧にヒアリングし、ニーズに合わせた製品提案によって医療の質の向上に貢献するなど、顧客視点の営業姿勢が高く評価され、営業所長、エリアマネージャーのポジションも経験されてきました。

その後、AIを活用したヘルステック企業に転職し、営業部門の立ち上げに携わり、精力的に営業活動をされてきましたが、IT×医療技術に大きな可能性を感じられたとのこと。さらに高い技術をもつベンチャー企業で医療に貢献したいとの思いが強くなり、当社に相談いただきました。

当社では、Sさんの意向を尊重し、前職と同じ、ヘルステック分野のベンチャー企業をご紹介しました。AIを活用した診断解析により、患者さんと医療従事者の負担を減らす医療機器の営業推進に携わるポジションです。営業戦略やマーケティング戦略の立案、営業チームの育成、テクニカルチームの指導など、幅広い業務を担える方を募集する求人でした。

当初、応募先企業では特定疾患の診断や治療に関する営業経験保有者を希望されていました。
しかし、Sさんの医療機器メーカーでの豊富なマネジメント経験、転職理由や志望動機を分かりやすく説明する説明能力、医療分野に対する強い貢献意識が高く評価され、見事採用が決定しています。

ベンチャー企業への転職ならJAC Recruitment

JACには、ベンチャー企業への転職を希望する40代の方を多数サポートしてきた実績があります。ベンチャー企業といえば、若い世代が中心の企業をイメージしている方も多く、事業内容に関心はあるものの、応募をためらうケースは少なくありません。
しかし、歴史の浅いベンチャー企業だからこそ、実務経験豊富な40代を歓迎する企業は多くあります。

これまでに培ってきた知識や経験を存分に生かせるポジションへの転職であれば、40代のベンチャー企業への転職が十分に可能です。ベンチャー企業への転職は年収が低下するともいわれていますが、経験やスキルを存分に生かせるポジションであれば、年収が大きく下がることはありません。

JACにはベンチャー企業に造詣の深いコンサルタントが在籍しています。求人の紹介はもちろん、ベンチャー企業への転職にあたっての不安や心構えなどについてもご相談を承っています。40代となり、ベンチャー企業も含め、よりキャリアアップできる環境、やりがいのある仕事への転職を希望されている方は、ぜひミドルエイジやハイクラスの転職支援に定評のあるJACにご相談ください。