SIerでの経験は、IT業界をはじめ多様な業種・職種で高く評価される資産です。
DX化の加速やクラウド・セキュリティ分野の拡大により、SIer出身者の転職先は広がりを見せています。事業会社やコンサル業界など、異業種へのキャリアチェンジも活発化しており、専門性とマネジメント力を兼ね備えた方のニーズが高まっています。
今回は、SIerから転職をしたい方向けに、SIer出身者の主な転職先や評価されやすい経験などについてJAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。
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目次/Index
SIer出身者の主な転職先
SIer出身者の主な転職先を5つご紹介します。
- ・SIer
- ・ソフトウェア会社
- ・EMC業界
- ・コンサルティング業界
- ・事業会社
SIer
SIer出身者が最も経験を生かしやすいのは、同業種であるSIerです。SIerといっても、メーカー系、ユーザー系、独立系、コンサル系、外資系など、いくつかの種類に分類されており、それぞれに担当する業務の内容は変わってきます。
JACがサポートした事例を見ても、SIer出身者が最も多く転職している業種はSIerです。上流工程に携わりたい、幅広い技術を習得したいなど、スキルアップを目指し、希望に合ったSIerを選ぶ方が多くなっています。

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SIerの転職事情|年収相場や求められるスキル・経験を解説
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ソフトウェア会社
ソフトウェア開発会社もSIerの知識と経験を生かして転職しやすい業種です。JACの転職サポート事例を見てもソフトウェア開発会社への転職者は非常に多く、ITエンジニア職の方だけでなく、IT営業や法人営業として転職されるケースも多く見られます。
SIerのようにクライアント先で作業をするのではなく、自社製品の開発や販売に携わりたい方には、ソフトウェア会社が適しています。

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EMC業界
JACのサポート事例を見ると、IT・通信業界に次いで、SIer出身者が多く転職している業種がEMC業界です。業種をさらに細かく見ると、コンピューターハードや周辺機器に関連する業種への転職が最も多くなっていますが、電気・電機業界、機械・装置、自動車・部品などへの転職事例も多く見られます。職種を見ると、SIerの知識を生かせるIT系プロジェクトマネージャーや営業、社内SEなどとして転職される方が多数を占めています。

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メーカー転職情報
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コンサルティング業界
コンサルティング業界もSIer出身者が転職しやすい業界です。上流工程に携わった経験やクライアントの課題解決に携わった経験を生かしITコンサルタントや戦略コンサルタントの職に就く方が非常に多くなっています。また、各業界においてDX化が進められており、ITコンサルタントのニーズが高まっている点を考慮しても、コンサルティング業界はSIer出身者が転職しやすい業種だといえます。

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事業会社
さまざまな産業でDX化が進められており、社内システムの開発や運用、保守などを担う社内SEのニーズも高まっています。そのため、さまざまな事業会社の社内SEは、SIer出身者に人気の転職先となっています。また、社内SEでは、外部関係者や社内の各部署との調整や交渉も必要になるため、SIerで培った知識だけでなく、業務を円滑に進めるコミュニケーション能力も生かせるでしょう。

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SIerからの転職で評価される経験・スキル
JACが取り扱っている求人情報を見ると、SIer出身者が転職する場合、次のような経験やスキルが評価される傾向にあります。
- ・プロジェクトマネジメントやプロジェクトリーダーとしての実績
- ・アプリケーション開発やソフトウェア開発の経験
- ・情報セキュリティに関する知識と実務経験
プロジェクトマネジメントやプロジェクトリーダーとしての実績
SIer出身者は、プロジェクト単位でクライアントのITシステムの開発や保守を担当しています。IT業界をはじめ、近年では、プロジェクトごとに専門スキルをもつ人を集め、チームを編成し、プロジェクトを遂行するビジネスモデルを採用するケースが増えています。そのため、SIerにおいてプロジェクト全体をマネジメントするプロジェクトマネージャーやプロジェクト内の担当領域におけるメンバー管理、進捗管理などを行うプロジェクトリーダーとしての経験を高く評価する企業が多くなっています。
アプリケーション開発やソフトウェア開発における上流工程の経験
SIerとして、クライアントの要求を分析し、システムに必要な機能や性能などを定義する上流工程に携わった経験は、多くのIT関連企業で活用できる経験です。そのため、アプリケーション開発やソフトウェア開発の中でも、特に要件定義など上流工程の実務経験がある方は、転職時に優遇される可能性があります。
情報セキュリティに関する知識と実務経験
デジタル化が進み、さまざまな情報をデータで保管するようになった現代では、顧客の個人情報や機密データを不正アクセスや情報漏えいから守る情報セキュリティの重要性が高まっています。情報漏えいは企業の信用を損ない、深刻な被害につながるため、セキュリティ強化に取り組む企業が増えています。SIerにおいて情報セキュリティシステムの開発やリスクマネジメント、セキュリティ製品の導入などに関わった経験を求める企業は多く、転職時には高い評価を得られるでしょう。
【年代別】SIerからの転職事情
SIerからの転職事情を年代別に分けてご説明します。
20代:ポテンシャルと基礎スキルを武器に幅広い選択肢
20代のSIer出身者は、要件定義や設計といった上流工程に携わる機会はまだ少ないものの、開発現場での実装経験やテスト工程、チーム開発の基礎を身につけているケースが多く見られます。特に、顧客とのコミュニケーションやドキュメント作成など、SIer特有の「調整力」や「報連相の徹底」は、他業界でも評価されやすいスキルです。
JACのサポート事例でも、同業他社への転職に加え、Web系企業や事業会社の社内SE、ITコンサルなどへの転職事例も増えています。ただし、プロジェクトマネージャーなどの上位職への転職は、実務経験が浅いため難易度が高く、まずは開発や運用保守などの実績を積むことが重要です。
30代:マネジメント経験と専門性を生かした転職が活発に
30代になると、プロジェクトリーダーやサブマネージャーとしての経験をもつ方が増え、要件定義・基本設計・ベンダーコントロールなど、上流工程の実務経験が評価されるようになります。SIerでの豊富な案件対応力を生かし、Webサービス企業やSaaSベンダー、金融・医療・製造などの業界で、ITプロジェクトマネージャーやシステム企画職として転職するケースが多く見られます。
また、クラウドやセキュリティ、データ分析などの専門領域に強みをもつ方は、ITコンサルやプリセールス、プロダクトマネージャーへのキャリアチェンジも視野に入ります。30代は、技術力とマネジメント力のバランスが求められる年代です。
40代:IT戦略や組織マネジメントを担うポジションへ
40代では、複数プロジェクトの統括や部門マネジメントの経験を生かし、より経営に近いポジションでの転職が増えてきます。SIerで培った「顧客折衝力」「課題解決力」「リスクマネジメント力」は、事業会社の情報システム部門責任者や、IT戦略担当、経営企画部門などでも高く評価されます。
また、内部統制や監査対応、ITガバナンスの知見を生かし、CIO補佐やIT統括マネージャーとしての転職事例も見られます。年収水準も上がりやすく、マネジメント経験と専門性の両立が転職成功の鍵となります。
50代:IT戦略とマネジメントの集大成としての転職
一般的に50代での転職は難易度が高いとされますが、SIer出身者においては、長年にわたるプロジェクトマネジメント経験や、顧客折衝・要件定義・ベンダーコントロールといった上流工程の実績が評価され、一定のニーズが存在します。
特に、IT部門の責任者としての経験や、複数業界にまたがるシステム導入・運用の知見をもつ方は、事業会社のCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、CSO(セキュリティ責任者)といった経営に近いポジションでの転職を成功させている事例もあります。
JACのサポート事例でも、こうしたハイクラス転職の実績が確認されており、50代での転職においては「高度な専門性」と「組織マネジメント経験」が大きな武器となります。逆に、開発実務のみの経験やマネジメント未経験の場合は選択肢が限られるため、キャリアの棚卸しと戦略的な転職活動が重要です。
SIerからの転職を成功させるためのポイント
SIerからの転職を成功させるために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
- ・自身の専門領域を生かせる業界や職種を選ぶ
- ・社内外の関係者との連携によって培った交渉力や調整力をアピールする
- ・SIer出身者の転職支援実績が豊富なエージェントの活用
自身の専門領域を生かせる転職先を選ぶ
SIer出身者でも、担当してきた職種はさまざまであり、IT系の技術者の場合でも専門領域は異なります。転職時には、まったく新しい業界や職種へチャレンジすることも可能ですが、より良い条件での転職を目指す場合は、自分の専門領域を生かせる業界や職種を選ぶのが賢明です。
SIer出身者は、SIerやソフトウェア会社など、IT業界への転職が多くなっていますが、DX化の推進にともない、現在ではさまざまな業界への転職がしやすくなっています。クライアントのニーズに応えたいのか、自社内のシステム開発や自社製品の開発に取り組みたいのかなど、転職の目的を明確にしたうえで、SIerでの実績を最大限に生かせる環境を選ぶことが重要です。
社内外の関係者との連携によって培った交渉力や調整力をアピールする
SIerでは、クライアントの課題を分析し、クライアントのニーズを満たすシステムの開発を行います。クライアントがご満足いただけるシステムを開発するためには、クライアントと丁寧なコミュニケーションを重ねることが大切です。また、開発にあたっては、社内外のさまざまな関係者との交渉や調整が必要です。SIerのプロジェクト管理で培ったこれらの能力は、転職時に高く評価されるものです。具体的なエピソードを添えながら積極的にアピールすることをおすすめします。
SIerの転職サポート実績を豊富にもつエージェントの活用
DX化の推進に伴い、SIer出身者の転職先は広がっています。転職を成功させるうえでは、転職の目的を明確にしたうえで、幅広い視野をもち、自身の目指す方向性に最も近い求人を選ぶことが重要です。
個人での転職活動では得られる情報量に限界があります。納得できる企業に転職するためには、企業の経営方針や風土なども事前に把握し、業務内容だけでなく、社風も自身に合った企業を選ぶことが重要です。転職エージェントであれば、多数の求人の中から希望に合った企業の紹介を受けられるだけでなく、求人票だけでは分からない詳細な企業情報を入手することが可能です。さらに、SIerの転職サポート実績を豊富にもつ転職エージェントであれば、SIer出身者がアピールすべきポイントについても適切なアドバイスを受けられます。
SIerからの転職事例
実際にJACが転職をサポートし、SIerからの転職を成功された方の事例を3件ご紹介します。
1. SIerから金融業への転職事例
Kさん(男性/40代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | SIer | IT系プロジェクトマネージャー | 1,200万円 |
| 転職後 | 金融業 | IT系プロジェクトマネージャー | 1,400万円 |
Kさんは、生命保険会社に関連するSIerにおいて、有価証券関連のシステム開発や有価証券のフロント・バックのパッケージシステム、資産運用に関するシステム開発のプロジェクトマネジメントなどに携わった経験をおもちの方です。
資産運用に関連するスキルをさらに伸ばしたいとの希望から当社にご相談をいただきました。当社からご紹介したのは、Kさんのスキルや経験を最大限に生かせる業務である、金融会社のIT系プロジェクトマネジメントの求人です。SIerとの調整経験を求める求人であり、SIerで就業してきたKさんの実績は、応募先企業に高く評価され、面接後、スムーズに採用が決定しています。
2. SIerから情報・通信業への転職事例
Yさん(男性/30代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | SIer | 営業 | 1,100万円 |
| 転職後 | 情報・通信業 | IT営業 | 1,650万円 |
Yさんは、SIerにおいて、システム開発やソリューション営業、顧客営業、企画業務など幅広い業務に携わってこられた方です。創意工夫を重ねながら、各部署で実績を重ねてきましたが、ソリューション営業としてより力を発揮できる環境を希望され、転職を決意されました。
当社からは、アプリケーション、データ、デバイスを接続するインテグレーション製品の営業職の求人をご紹介しました。ITシステムの高度化を検討しているクライアントの課題解決だけでなく、クライアントの期待以上の提案ができる方を求める求人です。
難易度の高い求人ではあったものの、Yさんのソリューション営業の経験、快活なお人柄、高いコミュニケーション能力が評価され、見事に採用が決定しました。
3. SIerから化学メーカーへの転職事例
Fさん(男性/40代後半)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | SIer | システムアーキテクト | 1,000万円 |
| 転職後 | 化学メーカー | BI・DWHエンジニア | 1,200万円 |
Fさんは、大手SIerにおいて、長年、さまざまな業界を対象としたシステムアーキテクトとして、上流工程に携わってこられた方です。大規模プロジェクトにも携わり、大きなやりがいを感じてきたものの、事業会社において実務経験を生かしたキャリアを積み上げたいとの意向から転職を決意されました。
当社からは、大手化学メーカーのBI・DWHエンジニアの求人をご紹介。国内外のグループ会社を含めた、企業全体のデータ戦略やデータポリシーの作成、データガバナンス体制の構築など、イノベーションを生み出すデータマネジメント全般に関わる業務です。
Fさんの長年にわたるシステムアーキテクトの経験や大規模プロジェクトに携わった経験などが高い評価につながり、面接後すぐに採用が決定しています。
実際、SIer出身者はどのような業種/職種に転職している?
JACの転職サポートにより、転職を成功させたSIer出身者は、どのような業種や職種に転職しているのでしょうか。SIer出身者の転職先の業種と職種のトップ10を以下の表にまとめました。
【SIer出身者が転職先として選んだ業種トップ10】
SIer出身者の転職先として最も多い業種は、経験を生かせるIT・通信業界です。また、EMC業界に転職するケースも約24%と高い割合となっています。
| 順位 | 業種 | 割合(%) |
| 1 | IT・通信 | 37.3 |
| 2 | EMC | 24.1 |
| 3 | コンサルティング・シンクタンク・事務所 | 13.4 |
| 4 | 金融 | 6.9 |
| 5 | WEB・アプリ・ゲーム | 3.7 |
| 6 | サービス | 3.2 |
| 7 | メディカル・バイオ | 2.3 |
| 8 | 消費財 | 2.2 |
| 9 | 流通 | 2.1 |
| 10 | 商社 | 1.6 |
【SIer出身者が転職先として選んだ職種トップ10】
SIer出身者が転職した職種としては、ITが57.0%と最多です。続くコンサルティング・アドバイザリー、営業の3つの職種が全体の約85%を占めています。
| 順位 | 職種 | 割合(%) |
| 1 | IT | 57.0 |
| 2 | コンサルティング・アドバイザリー | 17.9 |
| 3 | 営業 | 10.6 |
| 4 | 経営・事業企画 | 4.0 |
| 5 | 技術系 | 2.2 |
| 5 | 人事・労務 | 2.2 |
| 7 | 経理・財務 | 1.3 |
| 8 | WEB・アプリ・ゲーム | 1.2 |
| 9 | マーケティング・商品開発 | 1.1 |
| 10 | 内部統制・監査/法務・知財/総務・広報 | 0.5 |
SIerからの転職なら、JAC Recruitmentへ
社会のデジタル化や産業全体のDX化によって、SIer出身者が活躍できるフィールドはかつてないほどに広がっています。しかし、選択肢が広いほど、転職時には転職の目的を明確にしておかなければ、転職活動の軸がぶれてしまう可能性があります。
JACは、SIer出身者の転職サポート実績を豊富にもつ転職エージェントです。各業界に詳しいコンサルタントが在籍しており、SIerで培ったスキルや経験を最大限に生かし、理想のキャリアを実現できる求人をご案内しています。当社では、企業と転職希望者の双方を同じコンサルタントが担当しているため、求人募集の背景など、詳細な企業情報の提供が可能です。また、応募書類の作成や面接対策についても、SIer出身者が評価されやすいポイントを踏まえた的確なアドバイスが可能です。
SIerで培った専門性を生かし、理想のキャリアを実現したいとお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

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IT業界の転職ならJAC Recruitment
JAC Recruitmentはロンドン発祥の転職エージェントでイギリスとドイツ、アメリカ、アジアなど11カ国、33拠点に広がる独自のグローバルネットワークを背景として、IT系企業への転職支援でも豊富な実績を重ねてきまし… 続きを読む IT業界の転職ならJAC Recruitment



