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変化しつつある管理職の転職市場企業が求める人物像とは?

 

グローバル化によって企業間のギャップが埋まり、 転職市場はかつてのイメージを払拭しつつある 

「成果主義で実力重視の外資系企業と、年功序列でプロセス重視の日系企業といった対比はグローバル化の進行によって薄まり、昨今は求められる人物像に大きな差はなくなっていると感じます。

もちろん領域や職種による違いはあるとはいえ、特に管理職の求人においては、内資か外資か、あるいは事業体系によらず、企業組織が現在どのようなフェーズにあるのかによって、フィットする人物像が変化します。
具体的に5段階のフェーズに分けて、管理職に求められる人物像を解説していきます。

小さな組織に一体感を持たせるスタートアップ期から、目的達成を目指すIPO期

創業からまだ間もなく、数人から十数人の小さな組織であることが多いのがスタートアップ期です。
営業や事業企画などの求人が中心で、コアビジネスに深い共感を持ち、ゼロからイチを起こす気概で力強く事業を推し進める必要があります。
また組織のセクショナリズムも無く、営業と開発、マーケティングなど垣根を作らない、分け隔てないコミュニケーションスキルが求められます。
組織に影響を与える力を持ったメンバーが加わることで、ビジネスが一気に加速する例もあり、ひとつのチームとして一体感を醸成することを厭わない人が向いているでしょう。
新規株式公開を目指すIPO期には、社内調整や金融交渉力、経営を後ろで支えるバックヤードの能力を持つ人材が必要とされます。
経営企画やCFO(最高財務責任者)といったポストでは、特に目的がはっきりしているため、目標達成というゴールに向けて組織を牽引する強い主体性が求められます。
新規上場に関する実務経験があれば優遇されるのはもちろん、上場企業での金融に関する交渉など、財務経験があれば評価が高まります。
もちろん、上場を目指さない企業もありますが、企業の成長フェーズにおいては、経営や財務を担う管理職の採用は必要不可欠です。


制度の充実で組織の守りを固める安定成長期と、事業改革や新たな柱を加える変革期

ある程度事業が軌道に乗り安定成長期になると、組織の内部を固めることが重要になります。
安定した時期だからこそ制度を見直したり、構造改革を行うなどコンプライアンス強化のニーズが高まり、バックオフィス系の管理職が求められます。
客観性があり、俯瞰した視座から提言できる人が必要になるので、社内で他部署とのプロジェクト協働経験や、社外との折衝やコラボレーション経験など、成し遂げた経験が歓迎されます。
そうした知識や経験を元に提言できるのが理想的な人物像です。
新規ビジネスを立ち上げたり、既存事業の抜本的な改革を行って、新たなエンジンや柱で企業に成長の余白を生み出す時期が変革期です。
新規ビジネスの立ち上げなどを行うため、スタートアップ期に近い環境ではありますが、成熟した組織があり、ステークホルダーがいるのが大きな違いです。
こうした環境を恐れずに、事業部長や営業部長レベルの部門管理職ポストへ入り、社内外の調整を行いながら変革を進めていく必要があります。
企業のニーズによって、摩擦を恐れない攻めの対人交渉能力を望むこともあれば、部門間の社内調整力を重視する場合もあります。
いずれにせよ社内も社外も一定の軋轢がある中で、事業成長のためにミッションを遂行するタフさのある推進力が必要になるでしょう。

企業のボトルネックに対する解決策を打ち出し、事業を好転させる事業再生期

事業成長が停滞し好転しないであろうという状況で、事業承継や買収など、ボトルネックになっている部分を変えようという時期が事業再生期です。
こうした義務を負う管理職のポジションは、COOやCEOに端を発し、製造部長、事業部長クラスとバラつきがあるため、どこが多いとは一概にまとめきれません。
しかし求められる人物像は共通しており、後から事業に入って難しい舵取りを行うには、過去の成功パターンや正攻法にこだわって押し付けない柔軟性が重用されます。
過去の方法を絶対と思わず、今までの事業を牽引してきた人を尊重し、対話をしながら進められる調整力を発揮できれば、結果的にうまくいくケースが多いのです。
新型コロナウイルスの影響もあり、転職市場では変革期フェーズ、事業再生期フェーズに該当する企業からの管理職人材需要が高まりつつあります。 流動的で先が見通せない不安な環境下であっても採用したいという必要性の高い求人が多く、ミッションも事業存続に関わったり新規事業を必要としていたりと重要なものに取り組むことになります。
この課題をある程度短期間で推進し、結果を出せるタフでチャレンジングな人物が求められています。

新たなチャレンジを楽しむ、タフなパーソナリティが必要不可欠になっていく

5段階の企業の成長フェーズと、そこで求められる人物像について解説しましたが、これは業界の違いや組織の大きさ、オーナー企業であるかどうか、マーケットの状況などさまざまな要因で変わるものでもあります。
ただ、共通して言えることは、管理職には調整力のほかに強い主体性が求められるということでしょう。
冒頭で外資系企業と日系企業の求める人物像に大きな差はなくなってきたと述べましたが、働く環境に差があるとすれば、外資系企業は、国内、本国、海外支店など複数のレポートラインで働くため、複雑なフローに対応する必要があり、より柔軟性やスピード感が求められることです。
また、クリティカルな合理性が求められるビジネススタイルであることも多いようです。
しかし日系グローバル企業でも同じような資質を求められるので、やはり大きな違いはないと言えます。

働き方と暮らし方、それぞれが大きく変化しつつある世の中の動向に伴い、求人市場でもさまざまな動きが見られます。
コロナショックと緊急事態宣言などの影響による緊縮状況は緩和傾向にあり、一時的に減少していた求人も復活しつつあります。
特に企業の運営管理に直接携わる管理職の求人においては、事業存続に関したミッションや事業再生を担うな人材が求められています。

コンサルタントとして管理職の方々と接し、転職理由をお伺いしていると「これからの10年をよりやりがいのある環境で過ごしたい」というポジティブな動機を持つ方が多いことに気付かされます。
こうした前向きな価値観を持ち、新たな環境とのケミストリーに興味を持って、チャレンジしようと思える人こそ、これからの時代に必要とされるパーソナリティをお持ちなのだと思います。



※本稿は執筆者の個人的見解であり、ジェイエイシーリクルートメントの公式見解を示すものではありません。

(2020年8月)

この記事の著者

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稲岡 英治

Executiveディビジョン 部長

龍谷大学を卒業後、新卒で信販会社に入社

その後、飲食店向けの広告媒体営業と制作を経験し2005年に株式会社ジェイエイシーリクルートメントに入社。
当初は大阪支店のEMC領域を担当。大阪・名古屋・福岡・東京にてEMC・IT・MED・Manufacturing・Energy・infra・Plantといった領域を経験し、 現在はExecutiveの部門長として、幹部クラスのポディションを中心に幅広い領域を支援。



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