
転職を考えており、「第一線で長く働き続けたい」「今いるポジションからランクを上げたい」「年収をアップさせたい」と思う転職希望者の方は多いと思いますが、その際、自身が望む将来像に向けてキャリア戦略を立てるには、まず「自分の市場価値」を正しく認識することが重要です。
近年は、仕事の範囲を明確にし、より専門性を高めていく採用方式である「ジョブ型採用」が定着しつつあります。しかし、どんなに努力して専門分野の知識やスキルを向上させたとしても、市場ニーズと合致しなければ、企業から価値を認められないのが現実です。
そこで今回は、転職希望者の方が正しい方向へ努力できるよう、市場価値を知り、それらを高めていくための方法について詳しくご紹介していきます。
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目次/Index

転職キャリアにおける「市場価値」とは?
転職キャリアにおける「市場価値」とは「企業や社会からどのくらい必要とされているかの度合い」です。また「企業における人材採用の需給バランスにどの程度マッチしているか」とも言い換えられます。
具体的な例をあげると、ある特定の経験・スキルを求めている企業が多数あり、これらを持つ人材が少ない場合「市場価値が高い」状態だといえます。
しかし、どんなにハイレベルな知見・スキルを持つ人材だとしても、求める企業がなければ「市場価値は低い」といわざるを得ません。
つまり、企業のニーズ次第で市場価値は上下するといえるでしょう。
そのため、社内で高く評価されていた方が転職市場に出てみると、企業からの評価を得られずに転職活動に苦戦してしまうケースもあります。
結果として、自身が想像していたよりも求人の選択肢が少なかったり、年収がダウンしてしまったりすることもあるでしょう。
このように、転職しやすいかどうかは人材市場における「需要と供給のバランス」が影響します。ただし、企業の風土や採用方針だけでなく、景気動向や雇用情勢などによって左右される場合もあります。
そのため、以前は市場価値が高かった方でも、ここ数年で価値が著しく下がってしまう場合も少なくありません。
市場価値は常に一定ではなく、時代と共に変化するものです。「どこかのタイミングで転職したい」「いずれ転職することを考えている」という方は、早い段階から自身のキャリアの「市場価値」をしっかりと認識しておきましょう。
「市場価値」は時代とともに変化するもの
先程「市場価値は時代によって変化するものである」とお伝えしました。ここからは、「人材市場の需給バランス=市場価値」が変化した最近の実例を5つご紹介します。
ケース1:あらゆる企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に乗り出していることを背景に、デジタル知識を持つ方をはじめ、職種問わず「システムの導入・刷新プロジェクトの経験者」のニーズが増加しています。
ケース2:「SDGs」「ESG」の取り組みを強化する企業が増えており、「環境」「CSR」といった事業分野の経験者のニーズが高まっています。
ケース3:IPO(新規株式公開)を目指すスタートアップが増え、「IPO準備経験者(CFO・管理部門責任者など)」のニーズが増えてきています。
ケース4:モノが売れなくなったと言われる昨今において、会社の売上に貢献できる「営業力のある人材」「マーケティング力のある人材」「SNS戦略に長けた人材」などが注目されています。
ケース5:デジタル化・システム化が進み、機械が代替できるような単純作業や事務作業といった仕事のニーズが減少しています。その一方、3DスキルやAI、ブロックチェーン技術などを取り扱える専門職のニーズが高まっています。
これらの人材は、現在市場価値が高まっている一例です。しかし、各社の体制整備が完了したり、景況の悪化などで投資が停滞したりすると、瞬く間に求人数が減る場合もあります。そうなると、これまでは売り手市場だった人物の市場価値も一気に下落してしまうおそれもあります。
また、法改正や社会情勢の変化などによって新たなトレンド・ニーズが生まれると、これまではマイナーだった分野の経験者が脚光を浴びるケースもあるかもしれません。
変化に流されずに転職を成功させるためには、「自身の市場価値が高いタイミングで転職する」「市場価値が高い、またはこれから高まりそうな経験・スキルを身につける」ような行動を意識することが重要です。
「市場価値」を高める4つの方法
それでは、転職においてどのように市場価値を高めていけば良いのでしょうか?
その方法は業種・職種によっても異なる部分もありますので、共通するポイントに絞ってご紹介していきます。
専門スキルを掛け合わせる

市場価値を高めるためには、今までに培ってきた経験やスキルを棚卸しする必要があります。スキルを整理することによって、自分の強みや専門スキルを明確にすることが可能です。
これまでの取り組みを客観的に振り返れば、当たり前だと思っていた技術や知識なども専門スキルとなるかもしれません。
その上で市場価値を高めるためには、各専門スキルを掛け合わせることが重要です。たとえば、「コミュニケーション力」といった一種類のスキルだけでは、持っている人材が大勢いるため差別化できません。供給量が多い場合には、よほど突き抜けたレベルでない限り市場価値は高まりません。
これらの対策としては、専門領域内で複数のスキルを身につけ、掛け算で生かすようにすることがおすすめです。
スキルの掛け算の例を挙げると、以下のようなものが考えられます。
●「コミュニケーション能力」×「営業能力」×「数字の分析スキル」
●「プログラミング能力」×「プロジェクト推進力」×「プレゼンテーション力」
●「論理的思考力」×「問題解決力」×「提案力」
各スキルを掛け合わせて「自分にはこれができる」と見せることができれば、市場価値を高められるだけでなく、会社への貢献度もアピールできます。
しかし、これらのような専門スキルはすぐに身に付くものではありません。そのため、今後どのようなキャリアプランを描いていくのか、どういった分野に転職して具体的に何をしていきたいのか、といった目標や計画を事前にしっかり立てておきましょう。
デジタルの知識・リテラシーを身に付ける
最近では企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が活発になっています。DXでは「紙の書類をデジタル文書化する」→「業務オペレーションをデジタル化する」→「デジタルを活用したサービス・事業の開発をする」といったように段階的に発展していくケースがほとんどです。
この先も、テクノロジーは進化していくと予想されるため、デジタル活用のニーズが無くなることはありません。こうした時代変化の波についていけるよう、デジタルの知識やリテラシーを身に付けておくことは、企業で働くビジネスパーソンがIT社会を生き抜く上で非常に重要です。
当然、エキスパートのようなスキルがあれば良いですが、すぐに専門的な知識や技術を身に付けるのは難しいと感じる方もいるかもしれません。そのため「ITのスペシャリストになる」「デジタル技術を極める」といった高いハードルを設定するよりも「DXの波に乗れるようにある一定の知識を身に付けておくこと」を目指すことをおすすめします。どのような職種であっても、デジタルの知識やリテラシーを高めておいて損はありません。
また、テクノロジーの発達によって、今までには無かった新サービスやビジネスが生まれる可能性もあります。このような背景から、柔軟な発想やユニークなアイディアでビジネスに対応できる人材も必要とされている傾向です。
今後も、加速する時代の波に置いて行かれないようにトレンドを察知したり、それに合わせてスキルアップしたりできるビジネスパーソンは企業にとっても魅力的な人材だといえます。
当面の転職市場において、デジタルを活用した業務改善、新規事業創出などの役割を担える人材は、高い付加価値を発揮できるとされています。そのため、今のうちからスキルを磨いておくとよいでしょう。
「立ち上げ」や「変革」の経験を積む
「立ち上げ」や「変革」の経験を積んでおくことも、転職市場にて価値を高める方法のひとつです。なぜなら、すでに出来上がった仕組みの運用や安定した組織の運営を行うだけの経験は、市場価値としてはあまり高いものではありません。
市場価値を高めるためには、新たな商材・サービス・事業の「立ち上げ」や既存の業務やビジネスモデルの「変革」などを多く経験しておくことが大切です。
転職活動をされている方の中には、大手企業に長年勤務してきたという方もいることでしょう。その場合、選考においてチェックされるポイントは以下の通りです。
1.前任者からそのまま引き続き、安定運用したという経験
2.出向先で傾いた業績の立て直し・組織の刷新を手がけた・アライアンスを組んだベンチャー企業とともに、新規事業を立ち上げた
この場合、1よりも2の経験を持つ方の方が評価を得る傾向にあります。
立ち上げや変革の経験がない方は、まずは「無い」と決めつけるのではなく、キャリアの振り返りをしっかりしてみましょう。整理をする中で、過去に携わったプロジェクトにおいて「困難を乗り越えた経験」や「ピンチをチャンスに変えて売上を伸ばした実績」などが出てくるかもしれません。思いつく限りすべてリストアップして、志望する企業や業界が求めるニーズに合ったエピソードをセレクトするのもおすすめです。
それでも思い当たる経験が無い場合には、転職活動をする前に、現在所属している企業の新規プロジェクトに参加してみたり、新しいスキルを身に付ける時間を取ったりして、市場価値を高める工夫をしてみるとよいでしょう。
多様な人々との「協業」「共創」経験を積む
近頃は、一つの会社・部門でプロジェクトが全て完結するケースは少なくなっています。社内の他部署と連携して仕事を進めることはもちろん、社外のパートナーや異業界の他社と手を結ぶケースもあるでしょう。また、業務委託のフリーランス人材・副業人材などを活用してプロジェクトを推進する場合も増えているようです。
また、LGBTQや障がいを持つ方々、インターナショナル人材の活用など、様々なバックグラウンドを持つ方とともに仕事するケースも多くなっています。このような人々との協業・共創経験は、転職市場でもプラス評価されることがほとんどです。
そのため、他の会社と連携したプロジェクト経験、フリーランスなどへの業務委託経験、多様性のある社風づくりの経験などがあれば積極的にアピールしましょう。
こうした「市場価値が高い経験」や「専門スキル」は『スクールに通ったり、新たな経験をしたりしなければいけない』と思うかもしれませんが、今の会社を辞めずとも自ら意識して身につけられます。
身に付ける方法としては、以下のような方法があります。
●セミナー・ビジネススクールなどで方法論や事例を学んで職場で実践する
●現在の在籍企業で自らプロジェクトを起案し責任者を務める
●経験できる部署への異動やグループ会社への出向などを願い出る
●副業で経験を積む
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自分の「市場価値」を知る2つの方法
ここまで、転職市場で市場価値を高める方法を紹介してきました。しかし中には、「そもそも自分の市場価値がよく分からない」「市場価値をどのように確かめればいいのか」と思う方もいることでしょう。そこで、ここからは自分の市場価値を知る方法について見ていくことにしましょう。

スカウトを待つ
自身の市場価値を最もダイレクトに知れるのは「スカウト」を待つことです。現在の自身のキャリアを求めている企業がどれくらいあるのか、どのような企業が自身のキャリアに興味を持つのか、ある程度つかむことができるかもしれません。
スカウトには、「転職エージェントからのスカウト」と「企業担当者からのスカウト」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。前者は、転職希望者の経歴が掲載されたサイトを見て、転職エージェントが自社の持つ求人案件にマッチする求職者としてスカウトメールを送るパターンです。このスカウトに応じた場合には、具体的な案件の紹介を受けることができたり、紹介された案件の選考に関するサポートを受けたりすることができます。後者の場合には、求職者の経歴や能力に興味を持った企業から、ダイレクトに「選考に参加しませんか」という連絡が来ます。
スカウトを受けるメリットは、自身の市場価値を知れる以外にも次のようなことがあります。
- ●スカウト限定の非公開求人を紹介してもらえる
- ●スカウト限定で、選考における特典が受けられる場合がある(一次選考免除・前給保証など)
- ●スカウトを受けた企業と直接条件面などでやり取りができる
- ●自分のキャリアに需要がどのくらいあるのか、どの程度の給与体系になるのか、目安を知れる
これによって条件面で有利になるほか、需要があるかないか直接把握できるため、「自分の市場価値を試したい」「自身が持つキャリアやスキルが近年の時代背景とマッチしている」と感じている方は、スカウトにチャレンジしてみると良いでしょう。
ちなみに、スカウトに似たサービスとして「ヘッドハンティング」もあります。ヘッドハンティングとは、企業で活躍している優秀な人材に声をかけ、別の企業に引き抜くことです。ヘッドハンティングで引き抜かれる人材としては、「経営幹部」や「管理職」「トップセールスマン」などがあります。ヘッドハンティング=外資系企業というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、近年では日系企業でもしばしば行われているようです。
両者の違いは、
- ●スカウトサービス⇒転職活動を行っている人が対象
- ●ヘッドハンティング⇒転職活動を行っていない有能な人材も対象(業界・企業の第一線で活躍する人材がターゲット)
となっています。よって、転職活動をしている方で企業からのスカウトを希望する方は、スカウトサービスを利用するようにしましょう。ただし、スカウトサービスを利用したからと言って必ずしもスカウトが来るとは限りません。
転職エージェントに相談する
「自分だけで市場価値を判断するのは難しい」「スカウトサービスの利用は今のところ考えていない」という方は、転職エージェントを活用して客観的な目線で分析してもらうのも一つの手です。
転職エージェントは、転職希望者と採用を検討する企業の間に立って、転職のマッチングを支援するサービスのこと。 求人動向や転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが在籍している点が特徴で、転職活動をきめ細やかにバックアップしてくれます。キャリアアドバイザーとの面談で自身の経験や希望を伝えれば、今の市場価値を評価してもらえるだけでなく、市場価値を高めるために必要なスキルや、今後注力すべきポイントについてアドバイスをもらうことも可能です。
転職エージェントを活用する具体的なメリットは以下の通りです。
- ●キャリアや転職に精通した専門のアドバイザーから市場価値を教えてもらえる
- ●キャリアの棚卸しや、今後必要となるスキルについて相談に乗ってもらえる
- ●非公開求人を紹介してもらえる
- ●企業や業界の内部情報を知れる
- ●履歴書や職務経歴書、面接などのアドバイスがもらえる
- ●転職者に代わって条件交渉をしてくれる
転職エージェントはそれぞれに得意な業界・領域を持ち、その転職市場のトレンドを常にキャッチアップしていることもあり、個人の転職活動では得られないさまざまなサポートを得ることができます。充実した支援を受けられるにもかかわらず、その利用料は「無料」であることがほとんどのため、「活用しない理由はない」と言っても過言ではありません。一生に数回しかない大切な転職の機会ですから、ぜひ積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
「JAC Recruitment」が転職をサポート
今回の記事では、転職希望者の方が市場価値を知り、それらを高めていくための方法について詳しくご紹介していきました。
転職活動をするにあたっては、自らスカウトサービスに登録したり、求人サイトから募集要項を見つけて応募したりすることもできますが、正しく市場価値を知り転職を成功させるためには「転職エージェント」を活用するのがおすすめです。
特に転職エージェントの「JAC Recruitment」では、各業界に特化した専任コンサルタントが、転職活動を徹底的にサポート。転職希望者の中には、転職エージェントには成功報酬が発生しないから、相談だけするのは迷惑ではないか」と考える方も多いのですが、JAC Recruitmentは常に面談を歓迎しています。
ただ、相談者の方のキャリア・現状を踏まえ、その方の市場価値が転職市場に出ることで下がると判断した場合には、専任コンサルタントが「今は転職しない方がよい」と言われる場合もあります。もちろん、「市場価値を下げても本当にやりたいことがある」「思い切ってチャレンジしたい」といった場合には最大限バックアップいたします。
転職エージェントをうまく活用している方は、すぐに転職しなければならない事情がなくても、時折コンサルタントに面談を申し込むケースが少なくありません。近況報告をしつつ、「最近の求人の動きは?」「今の自分の市場価値はどれくらいだろう?」などとコンサルタントから情報や意見を引き出し、今後のキャリア構築の参考にしています。
自身の市場価値を適切に判断することは、単独では難しいものです。業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集まで、この機会にJAC Recruitmentのサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
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Step 4内定・入社
条件交渉や入社日の調整などをお手伝いいたします。
ご要望によって、円満退社に向けたアドバイス等も行っております。 -
Step 5アフターフォロー
ご入社後も、キャリアについてご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。
人生を共に歩むパートナーとして、あなたのキャリアをサポートし続けます。