近年、レイオフのニュースが話題となった外資系IT企業ですが、AI関連ビジネスの活発化や「2025年(2027年)問題」などを背景に、採用ニーズが復活しています。2025年も転職市場の回復傾向は続くでしょう。今回は外資系企業の「IT営業職」にフォーカスし、採用動向・求人ポジション・求められる要素・年収相場・キャリアステップ・転職事例などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)の外資系IT企業専任のコンサルタントが解説します。
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外資IT営業職の転職市場の現状
2023年、複数の大手外資系IT企業で大規模なレイオフが実施され、転職マーケットは「冬の時代」といわれました。しかし2024年に入るとレイオフの動きは落ち着き、AI関連ビジネスの拡大に伴って採用ニーズが回復してきています。コロナ禍以前、右肩上がりで求人数が増加していたころの水準には戻っていないものの、2025年も転職マーケットの回復は進んでいく傾向が見られます。
採用活発化の背景には、AI活用の加速に加え、「SAP ERP 6.0」の標準サポートが2027年に終了する「2027年問題」があります。 また、Windows 10のサポートは2025年10月の終了を予定しています。新システムへの移行や他社ERPへの切り替えの検討が進むなか、IT各社は受注活動を強化。提案を行う営業やプリセールス、レガシーシステムの知識・経験をもつエンジニアが求められているのです。
経済産業省が2018年に発表したDXレポートで「2025年崖」と呼んだように、レガシーシステムを使用する企業の課題解決に取り組むためにも、提案力をもつIT営業職が求められています。
外資IT営業職で求められている職種・ポジション
外資系IT企業の営業職採用について、現在、出ている求人職種をご紹介します。
メンバークラスを中心に、マネジャークラスまで幅広く求人が出てきています。
- ●アカウントエグゼクティブ/シニアアカウントエグゼクティブ(直販営業)
- ●エンタープライズ アカウントエグゼクティブ(大手企業向け直販営業)
- ●パートナーセールス(代理店営業)
- ●アライアンスマネジャー(パートナーとの関係強化・プログラム開発の協業など)
- ●サービスセールス(プロダクト以外のサービスを専任とする営業)
- ●リニューアルセールス
- ●インサイドセールス
- ●ソリューションセールス
なお、外資IT営業職の求人の約8割を占めるのが「アカウントエグゼクティブ」です。
コロナ禍の時期には、オンライン上のみでアプローチからクロージングまでもっていくスタイルで営業する「デジタルセールス」の求人が増えました。現在も一部の営業活動においてはデジタルセールスのスタイルがとられていますが、リアルでの対面営業が重視されています。
外資IT営業職で求められる経験・スキル・マインド
外資IT営業職の採用において、各社がほぼ共通して求める要素が「プロアクティブ」「ハンター」です。
外資系出身・日系出身問わず、主体性をもって自走できる方、自ら仕事を取りに行ける方が求められています。また、「成長意欲」「目標達成へのコミットメント」なども選考で注目されるポイントです。
外資IT営業職の求人で求められる英語力
外資IT営業職の求人に応募する際、基本的に英語力は必要とされません。
ただし、本国から公文書が英語で送られてきたり、英文メールのやりとりが発生したりすることもあります。そのような場合に、翻訳ツールなどを使用してでも対応するという姿勢があれば、入社時点で英語力がなくても問題ありません。
一方、英語力があれば職務内容が広がります。マネジャークラスへの昇進、外資スタートアップでのキャリアを目指すなら、英語力も必要となります。
外資系IT営業職の年収相場
外資IT営業職の年収相場は以下のとおりです。
- メンバークラス:1000万 ~1500万円。企業によっては2000万円
- シニアクラス:1500万~2500万円。企業によっては約3000万円
- マネジャークラス:1500万~2500万円。企業によっては約3000万円
- ダイレクタークラス:2000万~3000万円。企業によっては約4000万円
外資系企業の年収情報|日系企業との比較や年収アップのポイント
外資系IT営業職に転職するメリットと注意すべきポイント
外資IT営業職へ転職するメリットと、注意すべきポイントをご紹介します。
メリットは「専門性の追求」「成果報酬」「最先端」
外資IT営業職へ転職するメリットとして、専門性の追求が挙げられます。
マネジメントよりも「セールスのスペシャリスト」としてキャリアを極めていきたい方にとって適した環境です。縦割りの組織であるため、役割が明確であり、セールスのみ・自身の担当職務のみに集中できます。セールスとして専門性を高めることで、外資系企業でキャリアを積んでいくほか、日系企業へ移る・戻るという選択もできます。
ほかには、「年収アップ」です。売上数字という定量評価が成果報酬に反映されるため、業績を上げれば際限なく年収を上げていくことが可能です。日系企業での勤務を続けるよりも、生涯年収は圧倒的に高くなります。
また、日系IT企業は中小企業もターゲットとしているケースが多い一方、外資系IT企業は基本的にエンタープライズ(大手)にフォーカスしています。そのため、大手企業向けの営業経験を積みやすい環境であるともいえます。
アメリカ発の企業が多く、最先端のテクノロジーを扱えるのも魅力のひとつです。外資IT営業職の方々からは「世の中を変え、それがスタンダートになっていくプロセスに初期段階から携われるところが面白い」という声が聞こえてきます。
数字に対するプレッシャーを感じやすいなら注意が必要
目標数字の達成状況が直接給与に反映されるため、その時々によって収入が変わり、生活も変わります。それを自己責任として受け入れることが難しい方、「成果報酬型」に対して過度のプレッシャーやストレスを感じる方にとっては、外資IT営業職は向いていないかもしれません。
また英語力は必須とはされないものの、英語での対応が必要となる場面もあるため、英語に対して強いアレルギーがある方にとっても厳しい環境です。
外資系IT営業職のキャリアステップ(キャリアパス)|日系企業との違い

外資IT営業職の社内でのキャリアパスの一つが「マネジャーへの昇進」です。管理職としてタイトルを上げていき、最終的には「カントリーマネジャー」日本法人の代表としてビジネス全般を管理するポジションを目指す方もいらっしゃいます。
一方、セールスのスペシャリストとしての道を極めていく方も多数。シニアアカウントエグゼクティブとマネジャークラスでは年収帯は同水準です。実際、マネジャーに昇進したものの、スペシャリストに戻る方も少なくありません。
最近では、外資系IT企業で経験を積んだ後、日系企業に戻る方も多く見られます。たとえば、外資系ソフトウェアベンダー側にいた方が、そのソフトウェアベンダーのプロダクトを扱う日系IT商社側に転職し、営業部隊の立ち上げや推進を担うなど。年収は大幅ダウンとなりますが、50代以上の方が「落ち着いた働き方に転換したい」「日本に貢献したい」といった希望から転職するケースが増えています。
外資系IT営業職に転職された方の事例
外資IT営業職から外資IT営業職へ転職された方、日系IT営業職から外資IT営業職へ転職された方の事例をご紹介します。
外資系大手から外資系スタートアップへ。年収500万円以上アップ
Mさん(30代前半/男性)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 外資系IT企業 | アカウントエグゼクティブ | 1,500万円 |
転職後 | 外資系スタートアップ企業 | アカウントエグゼクティブ | 2,000万円 |
Mさんは外資系IT企業のアカウントエグゼクティブ。現職では「やり切った」感覚があり、次のチャレンジを模索していました。希望は「エンタープライズ向けの営業経験が積める」こと。そこでJACからご紹介したのが、外資系スタートアップ企業の増員求人です。
通常、エンタープライズ向け営業の求人では、エンタープライズ向け経験者が対象となります。Mさんは未経験でしたが、「入社後に教育していけるだけの受け入れ体制がある」として、採用に至りました。
Mさんが評価されたポイントは「達成意欲の高さ」。また、「コーチャブルな人(=素直さ・謙虚さなど、コーチングを受け入れられる姿勢や性質をもつ人)」であると判断され、早期キャッチアップの期待が持たれたのです。
そのスタートアップ企業は基本の給与水準が高かったことから、エンタープライズ向け営業は未経験でありながら年収500万円以上のアップとなりました。
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【外資系企業の転職成功事例】「大手向け営業」の経験を得るためスタートアップへ。
年収500万円アップMさん(男性/30代半ば) 業 種 大手外資系IT企業 外資系ITスタートアップ 職種 アカウントエグゼクティブ アカウントエグゼクティブ 年 収 1500万円 2000万円 外資系の転職動向に詳しいコンサルタントが… 続きを読む 【外資系企業の転職成功事例】「大手向け営業」の経験を得るためスタートアップへ。
年収500万円アップ
日系ベンチャーから外資系大手へ。年収200万円以上アップ
Dさん(30代後半/男性)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 日系ITベンチャー企業 | 営業マネージャー | 800万円 |
転職後 | 大手外資系企業 | アカウントエグゼクティブ | 1,000万円 |
Dさんは日系の小規模ITベンチャーで営業マネジャーを務めていました。「高い成果を挙げても報酬に反映されない」「扱う製品がニッチで、キャリアの広がりがない」という理由で転職活動を開始されました。
結果、入社を決めたのは世界的に高いシェアをもつ大手外資系IT企業です。年収は200万円アップとなりました。
その企業では選考において「思考力」を重視しています。Dさんは前職で高い実績を挙げていたことに加え、その実績を挙げられた背景やプロセスについても面接でしっかりと回答でき、「主体性をもって行動できる」「成功体験を再現できる」と評価されたのです。
日系大手SIerから外資系大手へ。年収500万円以上アップ
Tさん(30代前半/男性)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 日系大手SIer | 営業 | 850万円 |
転職後 | 外資系IT企業 | アカウントエグゼクティブ | 1,500万円 |
日系大手SIerで、大手企業を対象とするITのソリューション営業を務めていたTさん。主任まで昇格しましたが、今後のキャリアを考えたとき、今の会社でさらに成長していけるイメージが持てなかったそうです。「実力主義の環境でチャレンジし、スキルを磨きたい」と考え、転職活動に踏み切りました。
転職先に希望した条件は「経営者クラスに対して提案ができる」と「年収アップ」でした。それを叶えられる可能性は、日系SIerより外資系IT企業の方が高いことから、外資系へのチャレンジを決意。これまでの経験から、「エンタープライズ向け案件の経験」「経営層との折衝経験」「課題が明確でない段階からの提案経験」を整理して面接でアピールした結果、プラス評価につながり、採用に至りました。年収は500万円以上アップとなりました。
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外資企業への転職事例|IT営業として日系から外資へ。年収500万円以上アップ
Tさん(男性/30代前半) 業 種 日系大手SIer 外資系大手IT企業 職種 営業 営業 年 収 850万円 1500万円 外資系企業に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。業界における市場価値は… 続きを読む 外資企業への転職事例|IT営業として日系から外資へ。年収500万円以上アップ
外資系IT営業職の転職に関してよくある質問
外資IT営業職への転職を考えている方からよくお受けするご質問について回答します。
Q. 外資系IT企業でレイオフのニュースが話題になりましたが、最近はどうでしょうか。
A. レイオフの動きは落ち着いており、IT関連職種全般で採用が動いています。当面、求人は回復傾向で推移していくと見込まれます。
Q. 転職により年収を上げられるでしょうか。
A. 多くの方は年収アップを果たしていますが、大幅なアップを想像していると、それほどでもないこともあります。外資IT営業職から外資IT営業職への転職では、10%ほど年収アップとなるケースが多く見られます。日系IT営業から外資IT営業への転職では、多くの場合、200万円程度の年収アップとなっています。
Q. 成果を出せなければ、すぐに解雇されてしまうのでしょうか。
A. そのような可能性もゼロではありません。しかし、成果が出なければ即解雇となるわけでなく、「PIP」と呼ばれる業務改善プログラムが適用されます。適用から数カ月間の間に改善できるかどうかにより判断が下されます。
JACのコンサルタントは企業と密にコミュニケーションをとり、いち早く情報を得ていますので、ぜひお役立てください。
外資系IT営業職へ転職するならJACへ
JACでは「外資系IT企業」を専任とするチームを設けています。ほかの転職エージェントと比較して専任コンサルタントの数が多く、大手からスタートアップまで幅広い求人を揃えていることから、採用実績においてNo.1 を獲得しています。
各募集ポジションについて、人事担当者だけでなく採用部門の責任者とも直接対話し、採用背景・業務内容・求める人物像などの詳細をキャッチアップしています。企業が選考で重視しているポイントもお伝えし、面接対策に役立てていただくことができます。
外資系IT企業の転職において、これまでに多くの方のサポートを行ってきた経験を踏まえ、求職者の方の経験・スキル・志向性などがどの企業・ポジションにあっているかを判断してご提案いたします。
すぐには転職を考えていなくても、ぜひ一度ご相談ください。