履歴書の書き方【完全ガイド】項目別記入例やケース別のポイント

ハイクラスの転職では、履歴書は単なる経歴の一覧ではなく、「面接に進むかどうか」を判断する一次スクリーニング資料として扱われます。
書き方次第で書類選考の結果が左右されるため、各項目のポイントを押さえて作成することが重要です。

本記事では、すぐに使えるテンプレート(Word・Excel・PDF)を紹介します。併せて、採用担当者が実際にチェックしているポイントや、項目別の書き方・注意点を、JAC Recruitment(以下、JAC)が解説します。

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履歴書の書き方サンプル・テンプレート

下記は、一般的な履歴書の書き方例を示したサンプルです。画像をクリックすると、拡大表示されます。

また、ダウンロードしてそのままご使用いただける履歴書のテンプレートを、Word・Excel・PDFの3種の形式別に用意しています。
使用したい形式のボタンをクリックしていただくと、該当形式のテンプレートがダウンロードされます。

採用担当者が履歴書を通じて確認していること

履歴書と職務経歴書は選考における役割が異なり、採用担当者はそれぞれの書類から別の観点で応募者を評価しています。

職務経歴書は、業務経験やスキルの再現性を確認するための書類です。一方、履歴書は応募条件との合致、志望意欲、応募者の人物像を把握するための書類です。採用担当者は限られた時間で多くの書類に目を通すため、履歴書には「この方と面接をすべきか」を素早く判断できる情報が求められます。ここでは、採用担当者が履歴書を通じて何を確認しているのかを、4つの観点から解説します。

  • 募集ポジションの必須要件を満たしているか
  • 職務経歴書との間に齟齬や矛盾がないか
  • 自社の組織風土やフェーズにマッチしそうか
  • 限られた枠内で要点を論理的に伝えられているか

募集ポジションの必須要件を満たしているか

採用担当者が履歴書で最初に確認するのは、応募者が募集ポジションの必須要件を満たしているかどうかです。

具体的には学歴や保有資格、職歴の年数や業界経験といった項目が照合の対象になります。例えば「大卒以上」「簿記2級以上」「マネジメント経験5年以上」など求人票に記載された条件と履歴書の内容を突き合わせ、選考を進めるかどうかを判断します。

この段階で要件を満たしていないと判断されれば、職務経歴書に目を通してもらえないケースも珍しくありません。応募先の募集要件を事前に確認したうえで、該当する資格や経歴が漏れなく記載されているか見直すことが書類通過率を高める第一歩といえるでしょう。

職務経歴書との間に齟齬や矛盾がないか

履歴書と職務経歴書の記載内容に食い違いがないかも、採用担当者が注視するポイントです。

両書類は提出時にセットで確認されるため、在籍期間や所属企業名、役職名などに矛盾があると「記載内容の信頼性に問題がある」と受け取られかねません。例えば履歴書上の退職時期と職務経歴書の在籍期間が数カ月ずれている場合や、履歴書に記載のない職歴が職務経歴書に含まれている場合は、意図的な情報操作を疑われるリスクがあります。

こうした齟齬の多くは記載ミスや確認不足から生じるものです。提出前に両方の書類を並べ、時系列や企業名の表記が一致しているか丁寧にチェックしておきましょう。ハイクラス採用では、履歴書の正確性は「前提条件」として扱われます。基本的な整合性が担保されていない場合、その時点で評価対象外となるケースも少なくありません。

自社の組織風土やフェーズにマッチしそうか

スキルや経験に加え、自社の組織風土や事業フェーズとの相性も採用担当者が履歴書から読み取ろうとしている情報です。

志望動機欄や職歴の変遷からは応募者の価値観やキャリアの志向性が見えてきます。例えば大手企業での長期勤続が中心の方がスタートアップに応募した場合、なぜ環境を変えたいのかが志望動機から伝わらなければ「カルチャーが合わないのではないか」と懸念されることもあるでしょう。反対に転職回数が多い方でも、一貫した軸が読み取れれば前向きに評価されるケースは十分にあり得ます。

採用担当者は入社後に長く活躍してもらえるかを見据えて書類を確認しています。志望動機や本人希望欄には応募先企業を選んだ理由や自身のキャリア観を具体的に盛り込み、組織との親和性を伝える工夫が大切です。

限られた枠内で要点を論理的に伝えられているか

履歴書の「書き方そのもの」も、ビジネスパーソンとしての基礎力を測る材料になっています。

履歴書は記載スペースが限られた書類です。その制約の中で、要点を整理し、読み手に伝わる構成でまとめられるかどうかは、日常業務の報告書やメール作成の質にも通じます。冗長な表現が目立つ、要点がまとまっていない、誤字脱字が残っている履歴書は、「業務上の文書でも同様の傾向があるのではないか」という印象を与えかねません。

採用担当者は内容の正確性に加え、文章の簡潔さや情報の優先順位の付け方にも目を配っています。志望動機欄一つをとっても、要点が先に述べられているか、具体的なエピソードで裏付けられているかによって印象は大きく異なるものです。「この方に会ってみたい」と思わせる履歴書に仕上げるには、伝えたい情報を取捨選択し簡潔にまとめる意識が欠かせません。

【項目別】履歴書の書き方

ここでは履歴書の各項目について、記載時のポイントや注意点を項目別に解説します。

基本情報欄から志望動機、本人希望記入欄まで、採用担当者に正確かつ好印象を与える書き方を順に見ていきましょう。

  • 基本情報欄の書き方
  • 学歴欄の書き方
  • 職歴欄の書き方
  • 免許・資格欄の書き方
  • 志望動機欄の書き方
  • 本人希望記入欄の書き方
  • 履歴書の形式によっては記載欄がある項目の書き方

基本情報欄の書き方

基本情報欄は採用担当者が最初に目にする項目であり、正確性と丁寧さが求められます。記載にあたっては以下のポイントを押さえておきましょう。

・氏名は戸籍に登録されている字体で記載する
・住所は都道府県からマンション名まで省略せずに記載する
・連絡がつきやすい電話番号を記載する
・証明写真は3カ月以内に撮影した規定サイズの写真を貼る

以下では各項目の書き方を解説します。

日付の書き方

履歴書の日付欄には提出する日(投函日やメール送付日)を記載します。事前に用意しておく場合は日付欄を空白にしておき、提出日が決まってから忘れずに記入しましょう。

西暦・和暦のどちらを使用しても問題ありませんが、学歴や職歴、保有資格の欄など履歴書全体で表記を統一することが大切です。数字や英語、ハイフンなどの記号は固有名詞を除き原則半角で記載します。

氏名の書き方

氏名は姓と名の間にスペースを空け、やや大きめのフォントサイズで記載します。使用する字体は戸籍に登録されているものを用いましょう。

ふりがな(フリガナ)は履歴書の表記に従い、ひらがなもしくはカタカナで記載します。

住所の書き方

住所は都道府県名からマンション(アパート)名まで省略せずに記載します。郵便番号や番地、部屋番号も抜け漏れなく正確に書きましょう。

ふりがなは市町村まで記載するのが通例です。マンション名などに読みにくい漢字が含まれている場合は、その部分にもふりがなを付けましょう。なお、提出時点で引っ越しが決まっている場合は新住所を記載し、「〇月〇日に転居」と併記します。

生年月日・年齢

生年月日は和暦・西暦のどちらでも問題ありませんが、履歴書内のほかの欄と表記を統一します。年齢欄に「満〇歳」と記載されている場合は送付日時点の満年齢を記入しましょう。

連絡先

連絡先欄は現住所以外の場所や別の連絡先を希望する場合に記載します。現住所と連絡先が同じ場合は空欄のままにせず「同上」と記載しましょう。空欄のままでは書き忘れと区別がつかないためです。

電話・メールアドレスの書き方

電話番号は連絡のつきやすい番号を記載します。自宅に固定電話がない場合は携帯番号で問題ありません。固定電話がある場合でも携帯の方が連絡を取りやすければ携帯番号を優先しましょう。

メールアドレスは普段使用している個人アドレスを記載します。現職の社用アドレスは記載を避けてください。個人アドレスをもっていない場合はフリーアドレスを取得しておくとよいでしょう。

証明写真の撮り方・貼り方

証明写真は3カ月以内に撮影した規定サイズ(縦4cm×横3cm)のものを使用します。万が一はがれた場合に備え、写真の裏に氏名を記載しておくと安心です。

撮影時は、髪が顔や目にかからないよう整え、スーツを着用しましょう。派手な色や柄は避け、正面を向いて姿勢を正して撮影します。歯が見えない程度の笑顔を意識すると、印象のよい写真に仕上がります。スマートフォンで撮影しても構いませんが、スナップ写真など、ビジネス書類にふさわしくないものは使用しないでください。容姿が大きく変わった場合は、3カ月以内であっても撮り直すことを推奨します。

学歴欄の書き方

学歴欄は応募者の学歴を正確に伝えるための項目です。記載にあたっては以下のポイントを押さえておきましょう。

・高等学校(入学)から時系列順に記載する
・入学・卒業年度は和暦もしくは西暦に統一する
・学校名や学部・学科名は正式名称を記載する

原則として高校入学以降の学歴を時系列順に記載し、最終学歴が最下部にくるよう構成します。最終学歴が高校までの方は中学校卒業から記載するケースもあります。英数字は固有名詞を除き原則半角を使用してください。

浪人や留年の場合は学歴欄の年度から読み取れるため特筆する必要はありません。一方で休学した場合はその旨が分かるよう期間を記載し、簡潔に理由や現状を書き添えておくと採用担当者の理解を得やすくなります。

留学経験がある場合は留学先の学校名、留学期間、国を記載しましょう。学歴欄に記載できるのは一般的に1年以上の交換留学や正規留学です。短期留学や語学留学は自己PR欄などで触れるとよいでしょう。

職歴欄の書き方

職歴欄は採用担当者がキャリアの全体像を把握するために確認する重要な項目です。記載にあたっては以下のポイントを意識しましょう。

・職歴を時系列順に記載する
・入社・退社年度は和暦もしくは西暦に統一する
・会社名・部署名・役職名は正式名称で記載する
・在籍期間が短い・転職回数が多い場合でも原則すべての職歴を記載する

所属した企業や部署名、入退社年月を時系列順に記載します。記載欄が不足する場合は入退社をまとめて記載したり、パソコンで作成し欄を追加したりするなどの工夫が有効です。役職がある場合は昇進した年月と部署名・役職名を併記し、異動があった場合も同様に異動年月と異動先の部署名を記載してください。

退社理由は通常「一身上の都合により退職」と統一しますが、結婚や出産が理由の場合は「結婚により退職」など具体的に記載しても問題ありません。会社都合による退職は「会社都合により退職」と表記します。アルバイトやインターンの経歴は正社員応募の場合は原則記載不要です。契約社員として勤務していた場合は会社名に続けて「契約社員」と明記しましょう。

在職中の方は最終職歴の下に「現在に至る」と記載し、退職済みの方は「以上」と記載して職歴の終わりを示します。

免許・資格欄の書き方

免許や資格は原則として取得年順に正式名称で記載します。

運転免許は、取得年にかかわらず最上部に記載することもあります。AT限定の場合は、「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」のように、資格名称の末尾に併記しましょう。保有資格が多く書ききれない場合は、応募先の職種やポジションとの関連性が高いものに絞って記載します。併せて、「修了」「取得」「合格」などの表記を正しく使い分けることも大切です。特筆する資格がない場合は「特になし」と記載し、記入漏れではないことを示しましょう。

以下は履歴書で記載されることの多い免許・資格の正式名称一覧です。

略称・通称 正式名称
普通免許 普通自動車第一種運転免許、普通自動車第二種運転免許
中型免許 中型自動車免許
大型免許 大型自動車免許
バイク免許 普通自動二輪車免許
TOEIC TOEIC Listening&Reading Test
英検 実用英語技能検定
漢検 日本漢字能力検定
簿記 日本商工会議所簿記検定
宅建 宅地建物取引士
FP ファイナンシャル・プランニング技能士試験
MOS Microsoft Office Specialist

志望動機欄の書き方

志望動機欄は応募先を選んだ理由と自身の強みを伝える項目です。記載にあたっては以下のポイントを意識しましょう。

・転職理由と志望動機を紐づける
・経験やスキルを示す具体的なエピソードを織り交ぜる
・全体の7割以上の記載量を目安に文量を調整する

「なぜその企業・職種を選んだのか」が採用担当者に伝わるよう、転職理由と志望動機をセットで記載することが重要です。応募先企業でなければならない理由も併記しておくと説得力が増します。加えて入社後に貢献できることを示すため、自身の経験やスキルを裏付ける具体的なエピソードも盛り込みましょう。ハイクラス採用では、志望動機は「意欲」よりも意思決定の妥当性が見られます。なぜ今そのポジションを選ぶのか、これまでのキャリアとどう接続しているのかを論理的に示すことが重要です。

文量の目安は、記載欄全体の7割以上、200〜300文字程度です。文量が多すぎると、文字が小さくなって読みにくくなったり、内容が散漫になったりする恐れがあります。一方で空白が目立つと、意欲が低いと受け取られるリスクがあります。読みやすさと内容の密度のバランスを見ながら、適切な分量に調整しましょう。

本人希望記入欄の書き方

特記事項がない場合は「貴社規定に従います」と記載します。「特になし」とは記載しないのが一般的なマナーです。

複数の職種やポジションに応募したい場合は、併願を希望する職種・ポジション名を募集要項の表記どおりに記載しましょう。希望勤務時間や入社希望日、勤務地など譲れない条件がある場合は自身の主張を一方的に押し通す書き方を避け、希望条件とその理由を簡潔に添えます。給与や待遇に関する希望は原則として履歴書には記載せず、面接や内定承諾前の交渉の場で伝えるのが適切です。

就業中などの理由で連絡が取りにくい時間帯がある場合は、連絡方法や対応可能な時間帯を記載しておくとやり取りがスムーズに進みます。

履歴書の形式によっては記載欄がある項目の書き方

使用する履歴書のフォーマットによっては、以下のような項目が設けられていることがあります。

・趣味・特技欄
・長所・短所・性格欄
・賞罰欄
・通勤時間欄
・扶養家族・配偶者欄
・健康状態欄

ここではそれぞれの記載内容と書き方のポイントを解説します。

趣味・特技欄の書き方

趣味・特技欄は応募者の人柄を伝えられる項目です。応募先企業の社風にマッチする人物であることを意識して記載しましょう。箇条書きや短文で簡潔にまとめ、冗長にならないよう注意してください。

長所・短所・性格欄の書き方

長所は応募先企業で生かせるものを一つピックアップし、具体的なエピソードを織り交ぜて記載します。短所を記載する際はネガティブな印象で終わらないよう、どのようにカバーしているかまで書くことを意識しましょう。

賞罰欄の書き方

賞罰欄には受賞歴・表彰歴および犯罪歴を記載します。受賞歴は全国・国際レベルの大会での入賞や公的機関からの表彰が一般的な記載対象です。過去に有罪判決を受けた刑事罰がある場合は詳細を記載しますが、スピード違反など行政罰に該当する軽微な違反は通常記載しません。

通勤時間欄の書き方

自宅から予定勤務地までの最短所要時間を5分単位で記載します。配属予定地が複数ある場合は「〇〇支店勤務の場合」のようにどの事業所を基準とした通勤時間かが分かるよう併記しておきましょう。

扶養家族・配偶者欄の書き方

扶養家族欄・配偶者欄には扶養している家族と配偶者の有無を記載します。扶養家族数は一般的に健康保険上の扶養数を記入します。

健康状態欄の書き方

特記事項がなければ「良好」と記載します。業務や勤務に支障が生じる懸念がある場合や会社側に把握しておいてほしい事項がある場合は必ず留意事項や希望を書いておきましょう。

通院が必要な場合は「業務に支障はありませんが(病名など)のため月に1回定期健診が必要」といった形で記載します。持病によって特定の業務に制限がかかる場合は該当する動作や条件を具体的に記しておくことが大切です。

【ケース別】履歴書を書くときのポイント

経歴やキャリアの方向性によって、履歴書で重点を置くべきポイントは異なります。

ここではハイクラス層に多いケースを7つ取り上げ、それぞれの状況で履歴書のどの部分をどのように工夫すると選考で効果的かを解説します。

  • マネジメントや管理職経験がある場合
  • 転職回数が多い・在職期間が短い場合
  • 出向や転籍が多く経歴が複雑な場合
  • 海外駐在などグローバル経験がある場合
  • 専門職でプロジェクトベースの経歴が多い場合
  • 異業種や異職種へのキャリアチェンジを目指す場合
  • 外資・グローバル企業を目指す場合

マネジメントや管理職経験がある場合

管理職経験者の履歴書で採用担当者が最初に確認するのは、「どの規模の組織を、どの立場で率いてきたか」が即座に把握できるかどうかです。

職歴欄には昇進・昇格した年月と役職名を漏れなく記載し、可能であれば部署名のあとにマネジメント人数や管掌範囲を括弧書きで補足しておくと情報の解像度が上がります。例えば「営業部 部長(部員20名)」のように記載すると、職務経歴書を読む前の段階でおおよその規模感が伝わります。

志望動機欄では組織運営の視点を盛り込むことも効果的です。応募先企業が抱える組織課題や事業フェーズに対し、自身のマネジメント経験をどのように生かせるかを簡潔に示せると、書類全体の説得力が高まります。管理職経験がある方ほど職歴が長くなりがちですが、情報の取捨選択を行い読みやすさを保つことを意識しましょう。

転職回数が多い・在職期間が短い場合

転職回数が多い履歴書を見た採用担当者は、「回数」そのものではなく、キャリアに一貫した意思決定があるかを確認しています。

職歴欄にはすべての職歴を記載するのが原則ですが、記載スペースが限られる場合は入退社をまとめて1行に収めるなどの工夫が求められます。その際も在籍企業の正式名称と入退社年月は省略せず記載しましょう。採用担当者は転職回数そのものより「なぜ短期で退職したのか」「キャリアに軸はあるのか」を気にしています。

志望動機欄はこの懸念を払拭する重要なスペースです。これまでの転職を通じて一貫して追求してきたテーマや専門性に触れたうえで、応募先企業を志望する理由につなげると納得感のある構成になります。職歴が多いからといって情報を詰め込みすぎると読みづらくなるため、簡潔さを優先しながら全体の整合性を保つことがポイントです。

出向や転籍が多く経歴が複雑な場合

出向や転籍が多い経歴は、事実関係が一目で整理されていないだけで、正しく評価されないリスクがあります。読み手が時系列を追いやすいよう整理することが欠かせません。

記載のコツは出向元と出向先の関係性を簡潔に示すことです。例えば「株式会社〇〇より株式会社△△へ出向」と1行で関係を示したうえで、出向先での所属部署や役職を記載します。転籍の場合は「株式会社〇〇より株式会社△△へ転籍」と記し、以降は転籍先での経歴として続けましょう。グループ会社間の異動が多い方は、親会社・子会社の関係が伝わるよう社名のあとに括弧書きで補足するのも有効です。

経歴が複雑になるほど職務経歴書との整合性が問われます。履歴書では時系列と所属先の事実関係を正確に示すことに徹し、業務内容の詳細は職務経歴書に委ねるという役割分担を意識するとすっきりした構成に仕上がります。

海外駐在などグローバル経験がある場合

海外経験者の履歴書では、採用担当者は「どの国で、どの裁量をもって働いていたか」をまず確認します。

記載例としては「〇年〇月 △△支社(シンガポール)へ赴任」のように、異動年月と拠点名、国名をセットで記載する形が読みやすい構成です。複数カ国での駐在経験がある場合は時系列に沿って記載し、各拠点での役職も併記します。採用担当者はグローバル経験者に対し「どの地域でどの程度の裁量をもって業務にあたっていたか」を確認したいと考えているため、赴任先の組織規模や担当エリアを括弧書きで補足しておくと効果的です。

免許・資格欄にはTOEICスコアや語学関連の資格を記載し、語学力の客観的な裏付けを示しましょう。志望動機欄では海外経験を通じて培った異文化マネジメントやクロスボーダー案件の知見が応募先でどう生きるかに触れると、書類全体の訴求力が高まります。

専門職でプロジェクトベースの経歴が多い場合

プロジェクト型の経歴をもつ専門職の場合、履歴書では「何が専門領域なのか」が瞬時に伝わるかが評価の分かれ目になります。

履歴書の職歴欄はスペースが限られているため、プロジェクトごとの詳細を書き込むには向いていません。職歴欄には所属企業名と在籍期間、役職を記載するにとどめ、プロジェクトの内容や成果は職務経歴書で詳述するのが効果的な役割分担です。同一企業内で複数のプロジェクトを経験した場合は、企業名の下に代表的な担当領域を1行で補足する程度にとどめましょう。

志望動機欄では、プロジェクト経験を通じて培った専門領域や得意分野を端的に示したうえで応募先との接点を述べると、採用担当者に「どの領域のスペシャリストか」が伝わりやすくなります。専門性が高い方ほど技術用語が多くなりがちですが、履歴書では読み手を選ばない平易な表現を心がけましょう。

異業種や異職種へのキャリアチェンジを目指す場合

異業種・異職種への転職では、採用担当者は、その選択がこれまでのキャリアとどのようにつながっているかを重視します。

職歴欄の記載方法自体は通常と変わりませんが、志望動機欄では「なぜ業種・職種を変えるのか」「これまでの経験がどのように生かせるのか」の2点を論理的に説明する必要があります。キャリアチェンジの背景に一貫した問題意識や志向性があることを伝えられると、採用担当者の納得感を得やすくなります。

例えばメーカーの営業職からIT企業の事業企画職を目指す場合、顧客課題の分析経験やデータを用いた提案の実績に触れたうえで、事業企画への志望理由につなげるといった構成が考えられます。免許・資格欄では応募先の業界で評価される資格を取得済みであれば必ず記載しましょう。学習中の資格がある場合も「〇〇取得に向け学習中」と書き添えることで、意欲の裏付けになります。

外資・グローバル企業を目指す場合

外資系企業の選考では、履歴書は「経歴の説明」ではなく「成果とスキルを要約した資料」として扱われます。

本社を構える国や地域によって求められる書類の形式は異なりますが、多くの場合CV(Curriculum Vitae)もしくはレジュメ(英文履歴書)の提出が必要になります。中華圏に本社をもつ企業では簡歴(中国語履歴書)の提出を求められることもあるため、応募先企業の指示を事前に確認しておきましょう。英文CVは日本語の履歴書と職務経歴書を単純に翻訳したものではなく、両方の内容を一つの書類にまとめる独自のフォーマットです。

和文の履歴書を作成する際も、外資系企業の選考では成果やスキルを重視する傾向が強いため、志望動機欄には実績ベースの記載を心がけましょう。英文CVの書き方について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

履歴書を書き始める前に押さえておきたいこと

履歴書の作成に取りかかる前に、形式面のルールや準備事項を確認しておくと作業がスムーズに進みます。

ここではPC・手書きの選び方からフォントの統一、データ管理、封筒の書き方、入学卒業年月の早見表まで、事前に押さえておきたい5つのポイントを解説します。

  • PC・手書きのどちらで履歴書を書くかを決める
  • 使用する文字のサイズやフォントは統一する
  • 応募企業ごとにデータやコピーを保存しておく
  • 書面で提出するなら封筒の書き方にも配慮する
  • 【参考】入学卒業年月早見表(西暦・和暦)

PC・手書きのどちらで履歴書を書くかを決める

企業から指定がない場合、PC・手書きのどちらで作成しても問題ありません。まずはどちらの方法で書くかを決めてから作成に取りかかりましょう。

PCで作成する場合はインターネット上からWordやExcel形式のフォーマットをダウンロードして使用できます。フォントは「明朝体」「ゴシック体」などビジネス文書に適したシンプルなものを選び、文字色は黒で統一します。フォントサイズは10.5pt〜11ptを目安に欄の大きさや文字量に合わせて調整しましょう。データで送信する場合は第三者による改ざんを防ぐためPDFに変換して提出します。

手書きで作成する場合はにじみやスレを防ぐため、乾きやすい黒のボールペンか万年筆を使用します。書き損じた際は修正液や修正テープの使用を避け、一から書き直すのが原則です。

使用する文字のサイズやフォントは統一する

履歴書全体を通じて文字サイズやフォントを統一することで、読みやすく整った印象を与えられます。

サイズやフォントが不揃いだと視認性が下がり、採用担当者に「丁寧さが足りない」と受け取られかねません。PCで作成する場合は本文のフォントや文字サイズを一度決めたら全項目に適用し、見出し部分のみやや大きめに設定するなど一貫したルールで仕上げましょう。

手書きの場合も文字の大きさを揃えることを意識してください。欄ごとに文字の大小がばらつくと雑な印象につながります。丁寧に書かれた履歴書はそれだけで「仕事ぶりも丁寧な方だろう」という好印象を与えやすく、書類選考においてプラスに働きます。

応募企業ごとにデータやコピーを保存しておく

履歴書は応募企業ごとに作成し、それぞれのデータやコピーを保存しておきましょう。

使いまわしをすると自身の強みを応募先に合わせてアピールできず、印象が薄れる恐れがあります。企業名を誤ったまま提出してしまうリスクも否定できません。PCで作成する場合はファイル名に企業名や日付を含め、企業別に管理すると取り違えを防げます。

個別に保存しておくメリットはもう一つあります。面接前に提出済みの履歴書を見返すことで、記載内容と一貫した受け答えができるようになる点です。履歴書と面接での発言にずれがあると信頼を損なう原因になるため、いつでも振り返ることができる状態にしておくことを推奨します。

書面で提出するなら封筒の書き方にも配慮する

履歴書を書面で提出する場合は封筒の体裁にも気を配りましょう。封筒の見た目は書類を手に取る前に目に入る最初の情報です。

封筒は白色のA4サイズ(角形2号)を使用するのが一般的です。表面には送付先の企業名と部署名を正式名称で記載し、左下に赤字で「応募書類在中」と書き添えます。裏面には自身の住所と氏名を記載しましょう。封筒が汚れていたり文字が乱雑だったりすると「細部への配慮が欠けている」と判断されかねないため、清潔感のある仕上がりを心がけてください。

郵送の場合は到着日を逆算して余裕をもって投函しましょう。提出期限が迫っている場合は速達を利用するか、企業にメール提出が可能か確認するのも一つの方法です。

【参考】入学卒業年月早見表(西暦・和暦)

以下は履歴書の学歴欄を記載する際にご活用いただける入学卒業年月の早見表です。

表内の生まれ年から自身の該当年を探すと、高校、短大・専門学校、大学の入学・卒業年度を確認できます。学歴欄の年度を正確に記載するためにお役立てください。

※休学・留年・浪人などがある場合は、ご自身の経歴に合わせて調整してください。

※既存の入学卒業年月早見表の画像をここに挿入

履歴書を書くときに避けたいこと

どれほど内容が充実した履歴書でも、基本的なミスがあると採用担当者の評価を下げてしまう恐れがあります。

ここでは提出前に必ず確認しておきたい、避けるべき3つのポイントを解説します。

  • 空欄/記入漏れがある状態で提出する
  • 誤字・脱字・略字がある状態で提出する
  • 古い日付の履歴書を使いまわす

空欄/記入漏れがある状態で提出してしまう

履歴書に空欄や記入漏れがあると「細部への注意が行き届かない」「入社意欲が低い」とみなされる懸念があります。正しい情報が採用担当者に伝わらないリスクもあるため、提出前の確認は欠かせません。

特に見落としやすいのが日付欄やふりがな、連絡先欄です。事前に作成しておいた履歴書の場合、日付を空欄のまま提出してしまうケースが少なくありません。すべての欄に目を通し、記入漏れがないか入念に確認しましょう。

特筆する事項がない項目については空欄のまま残さず、記載欄に合わせて「特になし」「貴社規定に従います」と記載し、特記事項がない旨を示すことが大切です。

誤字・脱字・略字がある状態で提出してしまう

誤字・脱字・略字が残ったまま提出すると「仕事でも同様のミスをするのではないか」とネガティブな印象を与えかねません。ビジネスマナーの観点からも略字や口語の使用は不適切とみなされる場合があるため注意が必要です。

よくあるミスとしては、企業名の漢字間違いや年号の誤記、「株式会社」を「(株)」と略す表記などが挙げられます。特に企業名や資格名称は正式名称を調べたうえで正確に記載しましょう。

履歴書を作成した後は必ず見直しを行い、可能であれば第三者にチェックを依頼することを推奨します。自分では気づきにくい変換ミスや表記のゆれも、他者の目を通すことで発見しやすくなります。

古い日付の履歴書を使いまわすこと

過去に作成した履歴書が手元に残っていても、古い日付のまま使いまわす行為は避けましょう。

日付が古い履歴書は「他社向けに作成したものをそのまま流用しているのではないか」と受け取られる恐れがあります。採用担当者は志望動機欄の内容から自社への関心度を読み取ろうとしているため、使いまわしが疑われた時点で選考上の印象は大きく下がります。

PCで作成する場合は最新の日付に更新したうえで、応募先企業に合わせて志望動機や本人希望欄の内容を見直しましょう。手書きの場合は新たに一から作成し直すのが原則です。手間はかかりますが、企業ごとに丁寧に仕上げた履歴書は採用担当者にも伝わるものです。

履歴書・職務経歴書の添削をして転職を進めたいなら、JAC Recruitment

作成した履歴書や職務経歴書に自信がもてない場合は、転職エージェントに添削を依頼するのが効果的です。

数多くの応募者の中から選ばれるには、採用担当者の関心を引く書類に仕上げる必要があります。自分一人で完成度を判断するのは難しく、客観的な視点からのフィードバックを受けることで書類選考の通過率を高められる可能性があります。

JACでは、応募書類の添削経験が豊富なコンサルタントが、履歴書や職務経歴書の内容を客観的にチェックし、応募先企業に合わせたアドバイスを提供しています。添削回数に制限がないため、必要に応じてフィードバックを重ね、書類の精度を高めることが可能です。併せて、キャリアやスキルの棚卸しもサポートするため、記載する経歴や実績にも納得感をもちやすくなります。

履歴書の書き方に迷ったときや書類選考の通過率を上げたいとお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

職務経歴書・履歴書の添削について

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

編集部

当サイトを運営する、JACの編集部です。日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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