【2024年】金融業界におけるSDGs/ESGの取り組みと転職市場動向

  1. SDGs×転職市場動向
  2. 転職マーケット×金融業界

公開日:2023/02/03 / 最終更新日: 2024/05/02

「SDGs」「ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」への意識が高まるなか、SDGsの目標達成に取り組む企業が増加し、関連する採用も活発化しています。
また、転職活動をされている方々のなかにも、SDGs関連の業務に就き、社会に貢献していきたいと考える方が増えています。

JAC Recruitment(以下、JAC)には、SDGs関連のポジションに特化したチームがあり、転職をサポート。業界の垣根を超えた多様なキャリアをご提案可能です。

本記事では、金融業界でのSDGsへの取り組みがどのように進められていて、どのような採用ニーズがあるのかを、JACの金融業界専門コンサルタントが解説。領域によっては、金融業界未経験者にも転職のチャンスが広がっています。

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金融業界におけるSDGsの取り組み/2024年の傾向


SDGs/ESGの取り組み

金融業界における「SDGs」の取り組み動向と、求められる人材像についてご紹介します。

キーワードは、下記4つです。
「サステナブルファイナンス(持続可能な経済社会を支える金融)」
「ESG投資」
「事業承継」
「投資教育」

銀行での「サステナブルファイナンス」の取り組みが活発化

銀行では昨今、専門部署を設けるなど、取引先企業のSDGs関連施策を支援しています。
これは、すべての上場企業が「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」への対応に迫られており、2024年以降はガバナンスやリスク管理に関する情報開示がより厳しく求められることが背景にあります。
こうしたことから、事業会社の統合報告書作成支援の求人が数年前から出てきており、2024年以降も拡大していくと見込まれます。

このほか、サステナブルファイナンス、リスク管理などの人材ニーズが高く、金融機関でのリスク管理、法人営業経験者の方などに転職のチャンスがあります。

また、SDGs関連の新規ビジネスを創出・推進するポジションのニーズも増えており、金融業界未経験でもSDGs関連の知見を持つ方が採用されています。

アセットマネジメント会社がESG関連商品を拡大

「ESG投資」は、グローバルで拡大しています。
国際NGOのClimate Bonds Initiativeが公開するデータによると、2015年時点でのESG投資額はグローバルで662億ドルでしたが、2021年では9281億ドルへ伸長しました。
今後もESG投資が拡大していくなか、アセットマネジメント会社でもESG投資に絡むアセットアロケーションに注力。ファンドマネジャーの人材ニーズが堅調です。

経験者にとっては「扱うプロダクトを変えたい」「外資系から日系へ移りたい」「日系から外資系へ移りたい」「年収を上げたい」といった希望が叶えられる環境です。
昨今は、「よりインセンティブが高いオルタナティブ資産の領域へかかわりたい」とチャレンジされるケースも多く見られます。

M&A仲介・コンサル企業が地方企業の事業承継を支援

地方では、経営者の高齢化やコロナ禍の影響による業績不振などを背景に、廃業に追い込まれる企業が増えています。そこで、「M&A」の手法を用いた事業承継支援が活発化しています。

地域に根付いた老舗企業が失われることは、地域のサプライチェーンや雇用の縮小につながり、地域経済にダメージを与えることになります。地方企業の事業承継は地域の衰退を防ぎ、SDGsの目標に照らし合わせると「働きがいも経済成長も」「住み続けられるまちづくりを」などの達成につながります。

これを支援するのがM&A仲介会社、M&Aコンサルティング会社などです。
M&A仲介の老舗である株式会社レコフの調査によると、日本企業のM&A件数は2011年で年間約1700件だったところ、2021年には年間約4300件と、公表件数だけでもこの10年で2.5倍以上へ拡大しています。

M&Aを手がける企業が増加し、件数も急増するなか、若手人材の採用が活発です。
金融機関で法人営業の経験を持つ20代の方が歓迎されるほか、金融業界未経験の20代の方々の採用事例も多く生まれています。
BS/PLを理解していれば望ましいものの、入社段階では財務関連知識を必須としていません。深耕型の営業で実績を持つ方などが求められています。
20代のうちにM&A分野で経験を積むことで、30代以降でアセットマネジメント、不動産ファンドなどへキャリアを展開する道も広がっています。

金融リテラシーの向上へ、「投資教育」に注力

金融機関では、SDGs達成に向けたコミットメント項目の中に「少子高齢化に起因する将来不安の解消」も掲げています。

りそなグループを例に挙げると、「金融コンサルティング、金融経済教育等の金融リテラシー向上の取り組みを通じて、将来に向けた資産の形成、承継をサポートし、生涯にわたる生活の質の向上に貢献」をうたっています。

政府が「NISA」「iDeCo」などを推奨する動きもあるように、「貯蓄」から「投資運用」への移行によって個人の資産形成を促進する支援が活発化しています。金融機関においても、子どもからシニアまで幅広い世代に向け、金融リテラシーを高めるべく「投資教育」を行っています。

この動きにともない、個人向けに資産運用の提案・アドバイスを行うポジションのニーズが高まり、株式・投資信託・保険など、金融商品に関する知識を持つ方が求められています。

「投資教育」は今後も活発化が見込まれます。そしてこの領域ではITが駆使され「金融×デジタル」の融合も加速していきます。

デジタル証券取引所の稼働にともない、個人投資家の投資対象が拡大していくなか、投資や資産運用などのサービスを手がけるIT・ネット企業はさらに増え、金融事業への参入企業が増えるとともに、「コンプライアンス」「監査」の求人ニーズも高まることが予測されます。


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金融業界におけるSDGs転職成功事例


金融業界のSDGs関連ポジションへの転職を成功された方々の成功事例をご紹介します。

監査法人から大手アセットマネジメントのスチュワードシップ・ESG推進担当へ

監査法人にて気候変動・サステナビリティ関連のアドバイザリー業務を行っていたAさん(40代前半)。投資家の立場でサスティナブルに関わることで、やりがいと市場価値を高められるポジションを探し始め、JACのコンサルタントに相談。そこで、コンサルタントからは、大手アセットマネジメントのESG推進のポジションをご提案。同社はESGファンドの増加に伴い、ESGの観点から個社別にエンゲージメントを行える担当者を募集していたところでした。
現在Aさんは、理想通りの業務、ミッションに従事し、充実しているとのことです。

エネルギー・インフラ業界から大手金融機関の新規事業開発へ

エネルギー関連企業を複数社経験し、技術的な専門知識が豊富で、新規事業開発の経験もあるBさん(30代後半)。同業界内での転職をJACのコンサルタントに相談されていましたが、複数のコンサルタントが一緒にキャリアを考えた結果、大手金融機関の新規事業開発の求人をご提案。

大手信託銀行では、サステナブルファイナンスの取り組みとして再生可能エネルギーにかかわる新規事業開発に注力していきたく、エネルギー関連の技術的知識が豊富な方を募集中でした。

Bさんは金融業界の経験はないものの、これまでのエネルギー・インフラ業界での経験を活かせる点、未経験業界でキャリアを広げられる点、それを掛け合わせることで、さらに世の中に貢献できるのではと考え、転職されました。

政府系機関の海外事業担当からメガバンクの新規事業開発へ

政府系機関で海外業務を担当していたAさん(20代後半)には、金融に関する知識や民間企業での勤務経験はありませんでした。しかし「SDGs」の観点での海外事業経験、「官」との折衝経験などが、民間企業で十分に生かせると判断し、JACのコンサルタントがメガバンクの新規事業開発のポジションをご紹介。

同メガバンクでは、「脱炭素」のテーマをはじめ、SDGsに関連する新規事業立ち上げの担当者を探していらっしゃいました。

Aさんご自身、サスティナビリティ関連の知見を民間企業で生かし、より専門性を深めていきたいと考えていたため、転職先で多くを学びながらも、存分にご経験やスキルを発揮しています。

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ESG金融とは


ESGとは、E(Environment)・S(Social)・G(Governance)の頭文字を組み合わせた言葉で、環境・社会・ガバナンスの観点から企業を評価する指標です。
地球温暖化や気候変動など、世界で直面している社会問題に貢献する取り組みとして、多くの企業で注目されています。なお、企業がESGに取り組むメリットとしては、環境問題や労働問題などの改善により、企業の長期的な発展が期待されている点が挙げられます。

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ESG金融が注目されている背景


ESG金融が注目されている背景として、経済へ与える影響力の高さが挙げられます。特に近年では、世界各国で蔓延した新型コロナウイルスにより、さまざまな地域の経済活動に大きなダメージを与えました。
地方も例外ではなく、この影響により経済活動は停滞しています。さらに、地方では労働人口の減少や高齢化が問題になっています。この原因の1つが、若年層の都市部への移住です。
これらの進行を食い止めるためには、ESGの取り組みと地域の復興による持続可能な社会への変革が求められています。

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金融機関がESG金融を実践するポイント


次に、金融機関がESG金融を実践するポイントについて解説します。

・企業価値を向上させる
・持続可能なバリューチェーンを構築する

それぞれについて詳しくみていきましょう。

・企業価値を向上させる

金融機関がESG金融を実践する際に押さえておくべきポイントは、企業や取り組む事業の価値を向上させることです。特に地方においては、企業が展開している事業の価値が見出されていないケースが散見されます。
ESG金融は、このような企業が取り組む事業のなかで、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを支援することが大切です。また、企業がESGに積極的である姿勢が取引先や、消費者に認められた場合、企業のイメージアップにつながります。
このように、地方の経済を好循環にするためには、企業価値の向上が欠かせません。

・持続可能なバリューチェーンを構築する

バリューチェーンとは、製品の製造から販売、製品の開発といった活動を価値の連鎖として捉える考え方です。このバリューチェーンを可視化することで、企業が取り組む事業の価値を明確に表します。
さらに、持続可能なバリューチェーンを構築するためには、製品をつくるために使用する原材料を持続可能なものにしたり、消費するエネルギーを天然由来のエネルギーに転換したりする工夫が大切です。
このような取り組みにより、バリューチェーンを構築できれば、企業や消費者からのよい印象を獲得でき、地域社会へより影響を与えられます。

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金融業界におけるSDGs転職ならJACへ


JACでは、銀行・証券・保険・M&A・不動産金融の領域にそれぞれ専任コンサルタントが複数在籍し、各社と密にコミュニケーションをとることで、最新の採用ニーズを収集しています。

銀行は、メガバンク・地銀ともにSDGsへの取り組み状況を踏まえ、転職を検討する方の興味・志向に合わせてポジションをご提案します。

アセットマネジメント会社は数百社と取引があり、各社の戦略や人材流動など、鮮度の高い情報をキャッチ。注力分野、新規プロジェクトなどの動向も把握しているため、複数の候補企業で迷われた場合も、各社の強み・弱みのマッピングデータをベースに、比較検討のサポートが可能です。

金融業界および金融業界以外から「M&A」の仲介・コンサルティング業界を目指す方には、「M&A」経験の先のキャリアの可能性も踏まえ、アドバイスいたします。

JACには、SDGs関連のポジションに特化したチームがあり、転職をサポートしています。

転職を検討する方が興味を寄せているSDGs関連のポジションを、業界・職種を問わず幅広くご提案が可能です。SDGs関連の仕事に興味はあるが、自分に何ができるのか分からないという方は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

若林

若林

金融ディビジョン 兼 建設・不動産ディビジョン 部長

【得意分野】

業種 : 金融全般(信託銀行、不動産ファンド、M&Aが中心)

職種 : ファンド                      

企業タイプ :日系中小~大手 

金融業界内転職及び金融業界からの異業界転職に強みを持ちます。
具体的には、金融機関・AM会社(AM+不動産ファンド)での専門職種(ミドル~エグゼ)及び、昨今話題となっているSDGs関連のポジション、異業界→金融業界参入ポジションの開拓、金融業界→異業種参入におけるアンテナを高く張っています。