40代のスタートアップ転職。メリットや心構えを解説

  1. スタートアップ×転職マーケット

公開日:2023/03/23 / 最終更新日: 2024/05/02

JACデジタル
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「これまで培った経験・スキルを、これから成長する企業で生かしたい」「まだまだ新しいことにチャレンジし、キャリアを発展させたい」――そのような思いからスタートアップ企業への転職を目指す40代の方は少なくありません。

そこで、スタートアップ企業の採用動向、40代の皆様がスタートアップ企業から期待されること、転職を成功させるためのポイントなどについて、JAC Recruitment(以下、JAC)のコンサルタントが解説します。

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40代以上のスタートアップ企業への転職市場動向


スタートアップ企業は、変化を伴いながら早いスピードで事業が進むため、経験が豊富な方を求めています。そのため、40代でも多くの方々がスタートアップ企業へ転職されています。求められるスキル・経験は、その企業の成長フェーズによって傾向が異なります。

シリーズA

設立から日が浅いスタートアップ――「シリーズA」や「シード期」「アーリー期」などと呼ばれる企業では、新たな組織・部門の立ち上げへのニーズが高いです。

たとえば、「セールス部門の立ち上げ」や、セールス部隊稼働後の「カスタマーサクセス部門の立ち上げ」を推進するポジションの求人が多く見られます。

シリーズB~C

事業が軌道に乗り、「シリーズB~C」や「ミドル期」「レイター期」と呼ばれるフェーズに入った企業からは、次のプロダクトを組成・拡販していくマーケティング、セールスのポジションの求人が出てきます。

IPOを見据え、経理・財務、人事などバックオフィス部門の人材拡充も行われます。

全体

成長フェーズにかかわらず、40代の方々の場合、「経営企画」などの上流工程においては、プレイングマネジャーとしての役割を求められることが多いです。

また、CxO(最高○○責任者)クラスの求人も常に一定数出てきています(COO/CMO/CSO/CRO/CTO/CFO/CHROなど)。

成長を加速させるためには、常に変革を図っていくことが重要です。そのため既存社員から登用するのではなく、新たな風を吹き込むために外部から採用したいとするニーズが目立ちます。


年収別求人割合、採用企業例、転職成功事例などをご紹介  

スタートアップ企業で40代が期待されるスキル・経験・マインド


スタートアップは40代の転職希望者に対し、どのような期待を寄せているのでしょうか。

採用する職種での経験・実績、チャレンジ精神があることは大前提として、それ以外に求められることが多い要素をお伝えします。

社内外を巻き込んでいく推進力

PDCAサイクルを能動的、かつスピーディに回せる「実行力」、社内外の人々を巻き込み、協力を得て物事を前に進めていく「推進力」が重視されます。

経営トップの考えやビジョンを自身で咀嚼し、自身の言葉で語れること、そして関わるメンバー一人ひとりに合わせた話し方ができることが重要であるため、「伝える力」も欠かせません。

変革力/変化への適応力

40代で期待されるイメージ

マーケット状況がめまぐるしく移り変わるなか、特にスタートアップでは環境変化をとらえてスピーディに戦略を変えていきます。そのため、既存のやり方にとらわれず、新たな発想や手法を取り入れて変化させていく力があるかどうかが注目されます。

特にマーケティングやセールスの責任者の採用においては、業種・商材に関わらず「The Model(ザ・モデル)」型組織の組成・運営を経験していると、面接へ進む確率が高い傾向が見られます。

The Modelは、営業活動のプロセス「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」を分業化し、ITツールによって情報共有することで、営業効率の向上や売上増大につなげる手法です。

顧客のニーズに合わせて、それぞれのプロセスで戦略・打ち手を高速でPDCAを回してきたという経験を伝えやすいため、企業も再現性を期待しやすいのです。

ほかにも、「急激な変化」という環境にも耐えられる「胆力」や「適応力」も必要とされます。

「現場」に入り込んでのマネジメント力

規模は大きくなくても、マネジメントの経験が求められます。ただし、「デスクから指示を出し、管理する」タイプのマネジメントではなく、現場に入って推進していくプレイングマネジメントの経験・気質が望まれます。

40代以上のスタートアップ企業への転職で後悔しないためのポイントは?


40代でスタートアップに転職したものの、入社後に「こんなはずではなかった」とギャップを感じるケースもあります。後悔しないため、転職の意志決定前に考えておきたいポイントをお伝えします。

「仕組みを創りたい」か「仕組みの中で働きたい」か

「自ら仕組みを創りたい」という志向の方もいれば、「整った仕組みの中に入って働きたい」という志向の方もいらっしゃいます。スタートアップの場合、前者の方がフィットします。

自身は仕組みが整備されていない混沌とした環境にストレスを感じるのか、やりがいを感じるのかを考えてみましょう。

これまで経験してきたマネジメントスタイルが通用するか

「経営トップから下りてきた指示をそのまま下に下ろす」「部下に一方的に指示を出して動かす」といった、トップダウン型のマネジメントになじんできた方は、スタートアップでは同じやり方では通用しない可能性があります。

スタートアップには、役職関係なく一人ひとりが主体的に考えて行動するフラットな組織作りをしている企業が多い傾向があります。自身が得意とするマネジメントスタイルが応募先企業にマッチするかどうかを確認することが大切です。

価値観・カルチャーがマッチしているか

私たち転職エージェントの経験を踏まえると、スタッフクラスの採用における選考ポイントは、「スキル」が7割、「カルチャーマッチ」が3割程度。しかし、マネジャークラスでは「カルチャーマッチ」の重要度が5~6割、CxOクラスでは8割ほどに高まると感じています。

しかし、ときに「経験・スキル」を主眼とした採用が行われ、入社後に他の経営陣との価値観のギャップに気付き、早期退職につながるケースも見られます。価値観やカルチャーが合うかどうかを見極めることが大切です。

そこで、JACでは最初から「選考のための面接」を行うのではなく、まずはカジュアルな面談から入り、フラットな関係性で話し合うことをお勧めする場合もあります。

プライドやこだわりを捨てられるか

プロフェッショナルとしてのプライドやこだわりを持つことは大切ですが、たとえば「大手企業で経験を積んだ」「こんな実績を挙げてきた」といったプライドが邪魔になることもあります。

環境が変われば、これまでの経験やノウハウが通用しないこともあります。年下の経営陣に教えを請わなければならない場面もあるでしょう。

変なプライドやこだわりを一旦捨てて、新たに学ぶ姿勢を持てるかどうかを自問してみてください。

40代以上のスタートアップ企業への転職を成功させる事前準備とは?


40代の方々がスタートアップへの転職を図る際には、事前準備を行うことで成功率が高まります。

キャリアの棚卸し、強みの整理はもちろんのこと、次のような準備をして臨むことをお勧めします。

中長期視点でキャリアを考える

40代以上のスタートアップ企業への転職

大手企業からスタートアップへの転職においては、多くの場合、年収ダウンでの入社となります。家庭を持つ40代の方は、年収ダウンを受け入れられないことも。

しかし、会社の成長に貢献し、数年以内に元の年収水準に戻せる可能性もあります。IPOを達成すればストックオプションの権利を行使することも期待できます。また、スタートアップで経験を積むことで「人材市場での価値」が高まり、長期的には生涯年収がプラスになることもあります。

もちろん、企業により報酬体系や人事制度が異なるため、応募時には確認が必要です。

私たち転職エージェントは、ご家族の不安を払しょくするためにも、入社後の中長期キャリアプランや年収のシミュレーション書を作成して提供することもあります。

中長期視点で何を成し遂げたいか、得たいのかを考え、現時点でどの道を選ぶかを判断することをお勧めします。

企業研究を行い、自身の活躍イメージを描く

企業研究をしっかり行い、その企業で働く自身の姿をイメージしましょう。

現状の課題の解決や将来ビジョンの実現のために、自身の経験・スキルがどう生かせるか。目指す方向性や経営理念に共感できるか。スタートアップ企業への転職では、その2点を考えたとき、自身が心からワクワクできるかどうかが大切です。

企業研究は、コーポレートサイトやリリースなどを読み込むほか、転職エージェントから提供される情報も活用してください。

40代以上の転職成功事例


大手企業1社経験で、スタートアップへの転職を果たした方の事例をご紹介しましょう。

Mさん(女性/40代後半)は、新卒入社した大手企業で経営企画職を務めていました。転職を決意したきっかけは、希望していなかった「管理職への昇進」。Mさんの会社では管理職に就くと仕事は「管理」のみとなるため、現場の第一線に立ち続けたかったMさんは、転職活動を開始しました。

Mさんは成長意欲が高く、新たな知見を得たい、チャレンジしたいという志向が強かったため、JACのコンサルタントからは「スタートアップ企業」と「コンサルティングファーム」という選択肢を提案。両方に応募され、いずれも内定を獲得されました。

コンサルティングファームからの年収提示は現職より約200万円アップ、一方、スタートアップは約150万円ダウン。それでもMさんは最終的にスタートアップを選択し、入社されました。

「スタートアップの経営企画職の方が、自身の働きがマーケットや会社に与えるインパクト・貢献を強く感じられる。転職で実現したいことに、より近い」と判断されたのです。また、入社後の昇格・昇給の予測について社長から直接説明を受けたことで、目指す目標が明確になり、納得感を持てたのでした。

40代以上のスタートアップ企業への転職ならJAC


JACにはスタートアップへの転職支援を専門とするコンサルタントが揃っています。デジタルでのマッチングではなく、アナログにこだわったコンサルティングを大切にし、次のようなサービスを提供しています。

経営陣に直接ヒアリングして得た情報を提供

JACのコンサルタントは、人材紹介の依頼をお受けする際、人事部の担当者だけでなく経営陣にも直接ヒアリングを行います。採用の背景、この採用にかける思い、求める人材像など、生の声をお聴きしています。「血の通った情報」をお届けすることで、応募するかどうかの判断材料となります。また、面接対策にも役立てていただきます。

採用ポジションを生み出す

JACのコンサルタントは、スタートアップ各社の経営陣と対話を重ねることで、その企業の中長期戦略を理解しています。それを踏まえ、「潜在的人材ニーズ」を想定することができます。

転職希望者の方とお会いしたとき、「この方の経験・スキル・志向は、あの企業で生かせるのではないか」と判断し、その企業に対し「このような方がいますが、採用を検討してみませんか」と提案。採用ポジションを生み出すこともあります。

「不安」の解消をサポート

スタートアップへの転職となると、ご自身もご家族も多かれ少なかれ不安を抱くものです。

そこで、些細なことであっても、心に引っかかっていることを言語化していただくようにしています。気になるポイントを私たちから企業に確認をとることで、不安を解消するお手伝いをします。

まだ転職するかどうか決めていない状況であっても、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

土井

土井

デジタルスタートアップディビジョン 部長

【得意分野】

業種 :デジタル領域、スタートアップマーケット

職種 :Saas、DeepTech、CXO,ディレクターMgr

企業タイプ :シリーズBラウンドからIPO後のフェーズのスタートアップ企業

特に経営者の方と接点を持ちながら経営課題を踏まえて、ポジションのミッションや中長期のビジョンをお伝えできるようにしております。ポジションがなくとも課題感やミッションベースでご提案させていただくこともございます。