【2024年】M&A業界 大手FASの転職市場動向

  1. M&A×転職市場動向

公開日:2022/10/06 / 最終更新日: 2024/05/02

事業拡大や海外進出などを目的としたM&Aが増加傾向にあります。それに伴い、財務の観点からコンサルティングを行うFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)に特化した大手コンサルティングファームでは、転職者の採用が活性化しています。

そこで本記事では、JAC RecruitmentのコンサルタントがM&A業界の大手ファームへの転職事情について詳しく解説します。転職で評価されるスキル・経験、転職を成功させるポイントも紹介しています。


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M&A業界全体の動向


M&A業界では、全体的にコンサルタントの需要が拡大している傾向にあります。経営難に陥った企業や経営方針を見直す企業がM&Aを検討することが多くなり、M&Aの件数が増加しているため、M&Aコンサルティングの必要性が高まっているのです。

また、中小企業と大企業ではM&Aの目的の違いが顕著になっています。

中小企業のM&Aは、後継者不足による事業承継を目的としてM&Aを行うケースが多く見られます。
一方、大企業の場合は海外企業とのクロスボーダーM&Aが増加しています。日系企業が海外進出するにあたって、海外の同業他社を買収するケースがよく見られるようになりました。

また、クライアントのM&Aを得意としているコンサルティングファームでも、近年はM&Aだけでなくさまざまな依頼を受けるようにもなっています。特にBIG4をはじめとする大手ファームでは、クライアントのDX化による業務改善のアドバイスや、フォレンジックサービス(不祥事が起きたときのサポート)、公共事業の予算管理など、M&A領域だけでなく広く事業に関わるアドバイスを任されています。
それに伴い、コンサルティングファームでも領域ごとに部署が設けられ、領域に特化したコンサルティングを行えるように体制を整えています。

業界から見た大手ファームの採用動向


M&A業界全体の好調を背景に、BIG4をはじめとする大手コンサルティングファームの求人数も高い水準で推移しています。

中堅ファームや他大手ファームからの経験者の転職だけでなく、未経験者の採用も積極的です。未経験者では、特に将来的なマネージャー層となる20〜30代前半までの若手層の需要が高まっています。

大手ファームは、以下の一例のように目的や業務内容に準じて分野が細分化しています。

           ストラテジー:M&Aの戦略策定

           デューデリジェンス:企業価値査定

           PMI:M&A後の統合サポート

他にも、公共事業やメガバンクに関わるコンサルティングに関わる分野もあります。

そのため、未経験者でも今までの経験やスキルに合わせたポジションで入社できるのが大手ファームのメリットと言えるでしょう。

企業側が高く評価するスキル・経験

コンサルティングファームでの経験がない場合、どのようなスキルや経験があると評価されるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

M&Aコンサルタントは財務諸表からクライアントの現状分析と未来予測を行うため、財務諸表を読み解けるスキルや経験が必要です。金融機関での勤務経験がなくても、学生時代に公認会計士の資格を取得した方や、社会人になってからアメリカの公認会計士資格を取得した方は、大手ファームへの転職を成功させています。

また、英語は必須と言っても過言ではないほど求められます。TOEICの点数よりも、英語を使ったビジネス経験がどの程度あるのかが評価ポイントとなります。
一方、ビジネス英語の経験がなくても、入社後に意欲的に英語を学ぶ姿勢があると企業側の高評価につながります。

さらに、デューデリジェンス部門では、専門性の高い資格を取得しておくと有利になります。たとえば、公認会計士や弁護士、税理士などの資格を求められる企業も多いため、デューデリジェンス業務を志望している場合は資格取得をおすすめします。

もちろん、今までにM&Aに携わった経験があると、なお良いでしょう。クライアントのM&Aをサポートした経験だけでなく、自社のM&Aを実現させた経験でも構いません。

異業界からの転職は可能か

大手コンサルティングファームなら異業界からの可能です。
異業界で特に多いのが、銀行などの金融機関からの転職です。財務諸表を読み解けるスキルやクライアントワークをしていた経験が高く評価されます。

また、事業会社において経営企画や財務などのコーポレート機能に携わる部署での勤務経験がある方も転職を成功させています。これらの部署は、企業価値査定や財務諸表などに関わることが多いため、そのスキル・経験が高く評価され有利になるためです。

M&A業界でのキャリアパス


未経験で大手ファームに入社すると、アソシエイトという職種からスタートすることが一般的です。
1〜2年ほどでアソシエイトという職種にキャリアアップし、その後1~4年ほどでマネージャーになります。さらに2年ほど経つとディレクターに、その後2年ほどでパートナーへとキャリアアップします。
年代の傾向としては、マネージャー層が30代前半、ディレクター層が30代後半、パートナー層が40代ということが多いでしょう。

一方、社内で注目されているM&A案件を成功させたり、大きな成果を出したりした場合は、キャリアアップの年数はさらに早まります。未経験者でも、早いうちに管理職へキャリアアップできる可能性のある職種と言えるでしょう。

大手ファームで経験を積んだ後、アドバイザリーとして経験を重ねたい場合、異業界へ転職する方よりも他ファームへ転職する方のほうが多い傾向です。大手ファーム内でスライド転職する場合もあれば、より自分の裁量を広げて働ける中堅ファームへ転職する場合も見られます。

また、アドバイザリーではなくハンズオンでM&Aや事業再生に関わりたい方は、ファンドや事業会社などに転職することが多くあります。

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モデル年収


未経験で大手ファームへ入社した場合、年収は700万円程度からスタートするケースが多いでしょう。その後の年収は、以下のように推移します。

アソシエイト:900~1300万円
マネージャー:1300~1800万円
ディレクター:2000万円前後
パートナー:2000万円以上

数年で入社時の年収の2〜3倍程度になるため、努力次第で大きく年収がアップします。

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大手ファームへの転職を成功させるには


転職を成功させるポイントは、情報収集とロールプレイングです。
面接時「なぜ、この会社を志望したか」という理由を明確に答えられるよう、そのファームの実績や過去の案件などに紐づけて志望動機を説明する必要があります。

しかし、ファームが手がけた案件はインターネット上に掲載されているものだけではありません。よりさまざまな実績を知るためには、現在ファームで働いているコンサルタントや、ファームと関係の深い人物にヒアリングすると良いでしょう。

JAC Recruitmentは、大手ファーム各社のパートナーとやり取りをしているため、ファームの過去案件の内容や成果などの情報を豊富に保有しています。自分一人では難しい情報収集も、当社をお使いいただければスムーズです。

また、大手ファームでの面接時に注意しなければいけないのが「ケース面接」と「学力テスト」です。
ケース面接では、例えば「経営難に陥っている企業に対して、データを基にどのようなアドバイスをするか」という問題を出されるため、実際にアドバイス内容を考えてプレゼンしなければなりません。回答が正しいか否かではなく、論理的に考えられているか、自分の考えを明確に伝えられるか、といった点を見られます。

学力テストでは英語などの基礎的な知識が問われ、その点数は選考時に大きなウェイトを占めます。

そのため、ケース面接や学力テストなどのロールプレイングを行っておくと、当日スムーズに進行できます。

JACは過去問題についての情報も保有しているので、転職者様に情報提供が可能です。また、過去問題に合わせた模擬面接もサポートしています。

M&A業界での転職はJAC Recruitmentへ


M&A業界は、将来性がある業界です。積極採用が進んでいる業界なので、未経験者でも転職を成功させられる可能性が高いでしょう。

JACは、M&A業界に特化した専任キャリアコンサルタントが、チームとなって転職者様を支援いたします。大手ファームだけでなく、中堅ファームやファンドなどの求人案件も取り扱っているため、今回の転職だけでなく、次の転職、その次の転職など、長期的なキャリア支援が可能です。

また、JACのキャリアコンサルタントは、求人を募集している企業様とのコミュニケーションにも力を入れています。過去案件や現在進行中の案件、1日の勤務時間や繁忙期の残業時間など、細かい情報まで把握しています。リアリティのある情報を転職者様に提供できるため、ご自身に合った転職先を見極めることができます。

M&A業界への転職を検討している方は、ぜひJACへご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

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