現在、多くの企業が「管理職」の採用や「社外取締役」の招聘において、経験豊富な女性を求める傾向が強まっています。
JACにも、「女性管理職や女性社外取締役の候補者を紹介してほしい」という依頼が増加しており、部長クラス以上の経験を持つ女性や女性経営者に対しては、複数の企業からオファーが寄せられる状況が見られます。
この背景には、女性の活躍推進に関する制度整備の進展に加え、SDGsやESGといった観点から企業経営における多様性の重要性が高まっていることがあります。一方で、企業における女性管理職の登用はまだ十分に進んでいるとはいえず、多くの組織において今後の課題として認識されています。
では、女性がより能力を発揮し、キャリアを築ける職場をつくるために、今どのような取り組みが求められているのでしょうか。本記事では、上司が意識すべきポイントや、見落としがちなアンコンシャスバイアスについて解説します。
「女性活躍推進法」「SDGs」「ESG」を背景に、女性管理職へのニーズが急増
近年、多くの企業で女性管理職の採用ニーズが高まっています。その背景には、女性の活躍を後押しする制度整備の進展だけでなく、企業経営において多様性を重視する流れが強まっていることがあります。
特に、企業の持続的成長を評価する視点として、環境・社会・ガバナンスへの取り組みが重視されるようになり、人材の多様性も重要なテーマの一つと位置づけられています。その中で、女性の登用や活躍推進は、組織の競争力を高める要素として認識されつつあります。
こうした流れから、多くの企業が管理職層における多様性の確保を意識し、女性の登用を積極的に進める動きが広がっています。単なる制度対応にとどまらず、企業価値の向上や組織力強化の観点から取り組まれている点が特徴です。への意識の高まりが色濃く反映されています。
※ESG/環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)
「女性が働きやすい制度」を導入するだけでは不足
では、女性活躍推進の先進企業は、どのような施策を実践しているのでしょうか。
主には次のような取り組みが見られます。
- 人事評価制度の刷新
- 柔軟な働き方の制度整備(在宅勤務/フレックスタイム制/時短勤務など)
- 有給休暇の取得推進(子どもの病気や行事の際、有休を取得しやすい環境を整える)
- 女性従業員対象のキャリア開発プログラムの導入
- 「ロールモデル」となる女性の登用・採用(女性従業員が管理職になるイメージを描きやすくする)
- 管理職を対象に、女性活躍推進のための研修を強化。イクボス(育児を支援する上司)を養成
テレワークが普及したことで、「在宅勤務」+「出社」を組み合わせたハイブリッド型の勤務体系の導入が進み、より育児と仕事を両立しやすい環境が整いつつあります。
職場環境における課題
しかし、制度を整えても、女性活躍がいっこうに進まない職場が多数あります。
その要因の一つに、「男性上司の思い込みや偏見」という課題が挙げられています。
「責任が重い役割や重要なプロジェクトは女性には任せられない」という意識から、自ずと男性を任命する慣習が根付いているのです。
また、男性管理職の「気配り」「思いやり」が、実は女性の活躍を阻んでいるケースも多々あります。
育児をしながら仕事をする女性に対し、「大変そうだから、負担がかからない業務を担当してもらおう」という配慮が、逆効果を生んでいるのです。
育児中であっても「責任ある役割を担い、価値あるキャリアを築きたい」「ビジネスパーソンとして成長し続けたい」と考えている女性は多数。「負担を減らすため、簡単な業務を」という上司の配慮に対し、もどかしさを感じています。
だからといって、自分から「責任ある業務を任せてほしい」とは言い出せません。「子どもの急病などで遅刻・早退などすれば、職場に迷惑をかけてしまう」といった不安があるからです。
ワーキングマザーに限らず、女性には自身の能力を過小評価する傾向があると言われています。十分なスキルを備えているにも関わらず、「私には大きな責務は担えない」「役割を果たせず、迷惑をかけたくない」という思いから、前へ踏み出せない女性が多いのです。
こうした女性たちに対し、上司が意識したいポイントは次のとおりです。
- チャレンジする機会を提供し、背中を押す
- 「困ったときにはフォローする」ことを伝え、安心感を持たせる
アンコンシャスバイアスがない組織風土づくりを
女性活躍を推進するうえで重要なのが、無意識の思い込みや偏見(アンコンシャスバイアス)を見直すことです。日常の何気ない発言や行動が、知らず知らずのうちに相手の意欲や成長機会に影響を与えている場合があります。
例えば、性別による固定観念に基づいた言葉や配慮は、本人の能力や意欲とは関係なく役割を制限してしまう可能性があります。一見好意的に見える言動であっても、結果として挑戦の機会を減らすことにつながるケースも少なくありません。
そのため、組織としては特定の属性にとらわれず、一人ひとりの能力や意思を尊重する風土づくりが求められています。管理職を含めた全社員が自身の認識を見直し、より公平な環境を整えることが、女性の活躍促進につながります。
JACでは、部長クラス以上の管理職経験を持つ女性、女性経営者の方がさらに活躍できる企業へとお繋ぎしている他、前述の課題を解決できるような管理部門の経験者の転職サポートを行っています。ご興味がある方は、ぜひJACのコンサルタントとご面談をしてみませんか。


