採用企業インタビュー
発電ビジネスのグローバルリーディングカンパニーが、日本の電力市場のさらに先を指し示す未来像とは
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JAC Recruitment
- 代表取締役社長
- 松園 健
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シーメンス株式会社
- 代表取締役社長兼CEO
- 藤田 研一 氏
世界200カ国以上で事業を展開、ドイツ本社のグローバルメーカーであるシーメンス株式会社。日本での歴史も120年以上を重ね、近年注目のエネルギー事業でも目覚ましい躍進を見せています。今後2017年には都市ガスの小売全面自由化、2020年4月には大手電力会社の送配電部門を切り離す「発送電分離」をひかえ、ますます目が離せないエネルギー業界。その渦中にあるシーメンス社でエネルギービジネスを統括する藤田研一氏にインタビュー。JAC Recruitment 代表取締役社長の松園健が、業界の動向から同社の企業戦略、そして求められている人材までお聞きしました。
仕事の充実と働きやすさが両立したシーメンスで働く醍醐味
松 園: 競合他社と比較した御社の特長は、どのような部分でしょうか。
藤田氏:
まず会社のカラーとして、ドイツ系企業は日本企業に似た部分があります。組織としても外資系の日本法人はトップが本国から来る場合も多いですが、今のトップは日本人です。「日本市場では日本人でなければ出来ないことがある」という考え方は、ある意味で優位性があると思います。
またドイツ系企業らしく “ものづくり屋”としてのこだわりがあり、実際にマイスター制度がある。日本人の感覚にもなじみやすいと思います。もうひとつ、事業の強みは、インフラ系に注力しているところ。エネルギー分野だけではなく、製造装置や産業インフラ、鉄道など「ものづくり」を中心に据えています。欧州の新幹線ユーロスターや、上海のリニアモーターカーにも参加しています。
松 園: ドイツ系企業は、外資系企業の中でも、日本人にとっては働きやすい環境だとよく聞きます。また御社の事業展開にはバリューチェーンがしっかりあって、インフラ系が強い。リニアも手がけていらっしゃるんですね。
すべての部門が成長拡大する中、将来に向けて必要な人材とは
松 園: 御社の中で特に成長しているのが、藤田さん率いるエネルギー関連事業ですが、具体的に「このような人物を増員して強化したい」という部門はありますか。
藤田氏:
シーメンスのエネルギー事業が、日本国内市場の再強化を始めたのが2012年。どちらかというと後発ですが、激動の業界なので、実は後発ならではの面白さ、アドバンテージがあります。
昔からの会社は、すでにどこかと契約関係があるなど、どうしても日本的なしがらみが多くなる面があります。その点、後発はいろいろな新しいところと組んだり、試みたりできる。実際に競合他社にはできないような戦略を立てられるなど、自由度が大きいと思います。それは数字にも表れ、受注の平均成長率CAGRが+68%と急速に伸びています。
そんな成長著しいエネルギー事業では、すべての分野で人を求めています。大きく分けて分野は4つ。
1つは大型火力の営業またはセールスエンジニア。息の長いビジネスですが、業界自体がいま投資の時期なので、すべてのプロジェクトを加速させるには人が必要です。
2つ目は風力を中心とした再生可能エネルギー。こちらは急速に拡大しています。我々は日本では後発でありながら日本の風力発電の受注のシェアは25%を超えているので、 営業、プロジェクトマネージャーなどを強化したいと考えています。
3つ目としては、サービス、メンテナンス関係。これは火力も風力もあります。基本的にはグローバルスタンダードである長期のメンテナンスが増えています。その背景として、自由化で参入したIPP(独立系発電事業者)は、収益を重視するので安定した利益を求めます。自社でオペレーションをかけると、故障や修理などのリスクが出てきてしまう。その点、長期のメンテナンス契約をすると、メーカーは稼働率保証をかけるので魅力的。日本でもそんな傾向があります。グローバルでも長期のメンテナンス契約は増えている。そこで長期メンテナンスを担える方が多く必要です。今シーメンスは海外で70件弱の発電所経営をしており、発電所の運営までシーメンスが担っている。これが長期メンテナンスのひとつの究極の姿です。日本でも場合によっては将来的に、オペレーション要員の需要が出てくると思います。
そして4つ目に、大きく伸びているのが分散化電源。例えば京浜工業地帯のプラントでは自家発電をしていましたが、発電量が多くなく環境アセスメントにもかからない。今までは工場だけで消費していましたが使わない分は売れるようになった。そんな小規模な発電で電源を複数確保するのが分散化電源です。この分野も有望で、営業、メンテナンス、カスタマーサポートも含めて、新たな力を必要としています。
ダイバーシティ、キャリアパスなど柔軟性のある仕事環境
松 園: まさに、今が参画するチャンスですね。ダイバーシティに関する取り組みについては、いかがですか。
藤田氏: 管理職の女性もいますし、ダイバーシティは確実に広まっています。例えば我々の部門には、ガスタービンの営業を担当する女性が2名います。また外部のパートナーと、イギリスの工場をつなぐカスタマーサポートマネージャーはイギリス人。風力メンテナンスの責任者はシンガポール人です。外資系企業なので、本社を良く知った人が、各国にノウハウを伝える形で、現地化を進めています。
松 園: 御社におけるキャリアパスについてお聞かせください。また語学力はどの程度必要ですか。
藤田氏:
現在、様々な事業が伸びているので、キャリアパスとしては上を目指すだけではなく、本人の意思があれば横、つまり違う部署を経験することも可能です。受け入れ部門の状況にもよるので、必ずしも希望が通るわけではありませんが、多くの可能性があると思います。
語学力の必要度は、部門により異なります。例えば風力発電所の現場では、それほど必要ではありませんが、マネジメント以上のキャリアパスを目指す人は、ドイツの本社や、各国とやり取りする機会も多くなるため、やはり語学力は必要です。
松 園: さまざまなキャリアパスに、自分の意思で手を挙げることができるのは魅力的ですね。最後に、転職を考えている方にメッセージをお願いします。
藤田氏:
今はエネルギー業界が大きく変革していますので、とても面白い時期だと思います。我々は外資系企業ですが、日本に近いカルチャーがあります。ものごとの捉え方が長期的で、人に関しても、社内で経年的にキャリアを築いてもらいたいと考えているので、安定して働きやすい環境です。
一方で日本でのエネルギー事業の歴史はまだ浅いので、部門の約6割が過去3年以内の入社者です。急成長したので、それだけ新しい即戦力が活躍しているということです。中途採用で入社をしても、半年経てば一人前、そんな組織です。中途入社のハンディキャップなどありません。上昇気流に乗って、どんどん活躍したいと思う人に、ぜひ来ていただきたいと思います。
- インタビューを終えて
- 先日、出張先からドイツのミュンヘン経由で帰国したのですが、ドイツで出合った物はデザイン性もあってシンプル、そのうえ機能的で無駄がない。ものづくり先進国ならではのこだわりが表れていると感じました。藤田氏の言葉からも、ドイツ系企業であることの自負がうかがえました。守るものはしっかりと守りながら、合理的に改良を重ね、新しいことには積極的にチャレンジするバランスの良さ。そして何より、働く立場にとって、日本のエネルギー業界の大転換期をリードするシーメンス社に参画することは、大きなやりがいが得られるに違いないと強く感じました。 JAC Recruitment 代表取締役社長 松園 健
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