採用企業インタビュー
建築の常識を超え、日本の価値を上げる
――NOT A HOTELが描く建築キャリアの新境地
NOT A HOTEL株式会社
写真左から
- NOT A HOTEL株式会社 執行役員 Architecture(建築部門 責任者) 綿貫 將 氏
- NOT A HOTEL株式会社 建築プロジェクトマネージャー 齊藤 有一 氏
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まだ広く知られていない魅力的なエリアにシェア型の別荘を開発・販売し、地域全体の価値向上を目指すNOT A HOTEL。別荘の小口化という独自のビジネスモデルにより、宮崎・青島エリアでは3年連続で県内の地価上昇率1位という驚異的な成果を生み出しました。直近では石垣島など人気のリゾート地にも進出しています。
従来の建築・不動産業界の常識を次々と覆している同社は、「日本の価値を上げる」という壮大なミッションのもと、唯一無二の建築と体験を生み出し続けている希有な企業です。同社執行役員で建築部門の責任者を務める綿貫將氏と、建築プロジェクトマネージャーの齊藤有一氏に、建築の枠を超えた事業づくりと、そこで得られるキャリアの可能性について伺いました。
地方創生は結果論――日本の価値を上げる建築の狙い
―― まずはお二人の経歴を教えてください。
綿貫氏:私は2021年6月にNOT A HOTELへ入社しました。 それ以前は組織設計事務所で設計業務を担当していましたが、当時のNOT A HOTELには建築に精通したメンバーが一人もいませんでした。そこで、建築領域全般を担う役割として参画し、建築組織を立ち上げることに。
入社以降は毎年新しいチームを立ち上げ、現在では合計7つのチームを統括しています。業務の範囲は幅広く、用地取得からスタートし、パートナー企業との協力体制の構築、プロジェクトマネジメントやデザインといった実務体制の編成、そして最終的には施設管理まで。土地の取得から管理・運営に至るまで、一貫して手がけています。
齊藤氏:私は2023年1月にNOT A HOTELへ入社しました。それ以前は大手ゼネコンにて約13年間、設計業務に携わり、商業施設や空港、大規模開発など幅広いプロジェクトを経験してきました。
そうした中で「建築」だけでなく「不動産領域」まで視野を広げたいと考えていたときに出会ったのが、NOT A HOTELでした。入社当時は建築メンバーがわずか5名ほどでしたが、現在では約40名もの組織へと成長してきました。 NOT A HOTELでは、一貫してプロジェクトマネジメントに携わっています。
―― NOT A HOTELが掲げる「日本の価値を上げる」というミッションについて聞かせてください。
綿貫氏:NOT A HOTELが創業期に最初に手がけたのは、栃木県・那須と宮崎県・青島でのプロジェクトでした。いわゆる超のつくほどの有名観光地ではなく、当時はまだ全国的な知名度が高くなかったエリアからのスタートです。
当時は「そうした地域に別荘を建てて、本当に売れるのか?」「高額な商品をスマートフォンで購入する人がいるのか?」といった懸念もありましたが、結果として完売となり、それから着実に実績を積み重ねることができました。現在では、8拠点をオープンするまでに成長し、日本全域で開発を進めています。
齊藤氏:日本各地には、まだ広く知られていない魅力的な場所や、バブル崩壊以降手つかずとなっていた地域が数多くあります。NOT A HOTELはそうした土地に寄り添い、もともとある魅力や価値を丁寧に編集し、プロダクトを通じて世の中へ届ける。そして、その積み重ねが日本国内外から、日本の資産として広く認められることを目指しています。
https://notahotel.com/mission
―― 青島エリアは、宮崎県内の地価上昇率3年連続1位という結果も出ていますよね。
綿貫氏:青島エリアは、私たちが進出した2022年以降、3年連続で宮崎県内の地価上昇率1位を記録しています。ただ、これはあくまで“結果論”にすぎません。ブライダルやホテル、グランピング事業者など、さまざまな企業が青島という地域に参画してくださったことで、私たちだけでは成し得なかったまちづくりや地域活性化が実現しました。その結果として移住者が増え、地価も上昇したのだと考えています。
私たちは真正面から「地方創生」という言葉を目的に掲げているわけではありません。あくまで本質は、建築の枠を超えた“超プロダクトアウト”な事業開発。結果として地域が活性化し、新しい価値が生まれる。その流れこそが、私たちの目指すあり方だと考えています。
建築の枠を超えた「超プロダクトアウト」な事業開発
Photo:Newcolor inc.
――NOT A HOTELの建築への取り組み方の特徴を教えてください。
綿貫氏:私たちの大きな特徴は「超プロダクトアウト」の思考を徹底している点です。従来のビジネスモデルとは逆に、CGパースの段階から販売を開始し、その販売実績をもとに建設の可否を判断できる仕組みを整えています。
また、すべてのプロジェクトを“フラッグシップ”と位置づけ、最高水準の体験を目指しています。たとえば最初に販売した那須の物件は30泊、約6,000万円からの価格設定でした。もし売れなければ会社にとって大きなリスクとなる挑戦でしたが、結果的に販売が成立し、その後の事業成長につながりました。
直近では石垣島のプロジェクトで一等地を取得し、40億円規模のプロジェクトに挑戦。本来であればマーケットが成立しにくい規模ですが、あえてリスクを取って進めました。大企業では取りづらいリスクだからこそ、私たちにとってはチャンスがあると考えています。
齊藤氏:建築面でのコンセプトを補足すると、1億円の予算をお持ちの方が「1億円の個人別荘を買う」のではなく「1億円を投じて12倍の価値がある建物をシェアできる」仕組みを提供しています。
通常であればオーナーが1棟を建てて別荘を持ちますが、時間の経過とともにメンテナンスや老朽化の対応、庭の管理など大きな負担が生じます。私たちのモデルでは物件をシェアすることで、圧倒的に高品質な建物に暮らし、ホテルスタッフが常駐する安心の環境で、手ぶらで訪れて手ぶらで帰れる。さらに上質な料理まで体験できるという価値を実現しています。
――社内では「琴線に触れる建築」という言葉が一つの基準になっていると伺いました。
齊藤氏:社内ではよく飛び交う言葉ですね。私たちのバリュー(行動指針)は「超ワクワク」「超クリエイティブ」「超自律」の3つ。“超”と胸を張って言えるかどうかが、琴線に触れうるかの基準です。
素晴らしい建築は世の中に数多くありますが、その一歩先の“超”が付くほど飛び抜けた新しい空間や体験を、考え抜いて実現できたときに、容易には真似できない価値になると考えています。代表の濵渦(代表取締役CEO 濵渦 伸次)と毎週のようにデザインミーティングを重ね、「それは本当に“超ワクワク”するものか?」を合言葉に議論することが多いですね。
互いによく知り、挑戦を奨励する――組織の特徴と求める人材像
――NOT A HOTELの組織の特徴について教えてください。
齊藤氏:NOT A HOTELはデベロッパーであり、ホテル運営会社であり、設計事務所であり、施設管理会社でもある。さらには自社にソフトウェアエンジニアやシェフもいる会社です。つまり、ホテルづくりに必要なすべての領域を自ら手がけています。
たとえば、一般的に設計部門にいると、通常は開発に必要なファイナンスや収益化の仕組みといった部分までは深く把握できません。しかしNOT A HOTELでは、それらを理解していないと物事が進みません。もちろん全てを完璧に把握しているわけではありませんが、「自分の専門外も理解しよう」とする人が活躍しているような気がしますね。
マーケティングやセールスの社員も建築を学ぼうとしていますし、建築の社員も事業を理解しようとしています。互いに同じ目線で理解を深め、発信し、仕事を進めている。それがNOT A HOTELらしい組織だと思います。
綿貫氏:私たちが追い求めるのは、スピードと品質の完璧な両立です。それを実現するために不可欠なのが、スタッフ一人ひとりの自律性と、プロジェクトに対する圧倒的な熱量です。 この理念を追求する中で、社外パートナーに任せきりにしない「当事者によるデザインレビュー体制」が、社内から自然発生的に生まれました。この体制により、膨大な思考と意思決定のサイクルを自社で高速に回し、驚異的なスピードと一切妥協のない品質を同時に実現しています。 このアプローチは、デザインレビューにとどまらず、土地探し、社内設計、建物管理といった全ての領域に展開されています。
私たちは常に既存の前提を疑い、ゼロベースで思考を重ねることで、これまで不可能と考えられていたレベルの精度を追求しています。 そして、その根底にあるのは、クリエイターへの深いリスペクトです。彼らが最高のアウトプットを生み出せる環境を整えることこそ、私たちの最重要ミッションです。そのための仕組みであり、社内建築組織の存在意義こそが、NOT A HOTELが提供できる独自の価値であると信じています。
――具体的にはどのような経験やスキルが活かせるでしょうか。
齊藤氏:設計のバックグラウンドを持ちながらプロジェクトマネジメントを志す方にとって、NOT A HOTELでの経験は非常に有益です。事業者の立場として不動産や企画、ビジネス、地域やまちづくりまで、幅広い知識と経験を得られると思います。
建築に限らず、船などの移動手段の開発、地元農家漁業関係者との連携、自治体との構想協業なども経験できますし、将来的に(建築士として)独立するにしても、このようなバックグラウンドや経験は大きな強みになるでしょう。
「設計者」という枠にこだわらず、設計を軸にしながらも新しい領域に挑戦していきたい方。そんな方にこそ、NOT A HOTELは最適な環境だと思います。
建築キャリアの新しい可能性
――チームや組織づくりにおいて、大切にしていることを教えてください。
綿貫氏:NOT A HOTELは、強い想いとエネルギーに突き動かされている組織です。社員一人ひとりが情熱を持ってプロジェクトに向き合い、その熱量が周囲に伝播していく。私たちは、そんな好循環が生まれる環境を大切にしています。
ここで手がけるプロジェクトは、単なる仕事ではなく、自らの人生の延長線上にあるものだと考えています。情熱を注いでつくり上げた場所が全国に広がり、自分にとっての“第二の故郷”となっていく感覚。これこそ、NOT A HOTELでしか得られない、何ものにも代えがたい価値ですし、そういう価値を大事にするような組織でありたいと常に考えています。
齊藤氏:入社時に思い描いていたビジョンは、この2年半で良い意味で大きく裏切られました。想像を絶するスピードで次々と新しいプロジェクトが生まれ、もし入社前の自分に今の状況を伝えたら、きっと度肝を抜かれることでしょう(笑)。
私たちは、単に建築をつくるのではなく、新しい暮らし方やライフスタイルそのものを提案することを事業の核としています。議論を尽くし「これが必要だ」と全員が納得したアイデアが、驚くべき速さで形になる。先日発表したモビリティ事業「NOT A GARAGE」も、「宿泊前後の移動の時間も特別な体験にしたい」「拠点間の移動をより便利にしたい」という発想から生まれた象徴的な事例です。
5年後、私たちがどこへ向かっているのか、今はまだ想像もつきません。だからこそ、この先の未来にみんなでワクワクしながら、どんな変化も原動力に変えていけるような、柔軟で力強い組織づくりを目指していきます。
――最後に、NOT A HOTELでの建築の仕事に興味をもっている方に一言お願いします。
綿貫氏:私たちは、これからも挑戦の領域を広げ、組織体制をさらに強化していきます。しかし、組織がどれだけ拡大しても、私たちの根幹にある想いは変わりません。最も大切なのは、私たちが掲げるミッションに対し「これを本気で成し遂げたい」と心から共感してくれる方に、仲間として加わっていただくことです。
専門的な知識やスキルは、入社後にいくらでも身につけることができます。事実、私たちのチームには未経験から新たな分野に挑戦している仲間が数多く在籍しており、一人ひとりが持つ多様なバックグラウンドこそが、新しい価値を生み出す源泉となっています。だからこそ、ここでは誰もが自身の専門領域にとらわれず、大胆に挑戦できる。私たちは、そうやって自らの可能性を最大限に広げられる環境でありたいと考えています。
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