なるほど。まずは地域の方々の支持を集めることが先決ということですね。どのような形で地方創生に貢献していこうとお考えですか?
たとえば、本数が決められている電車に比べ、車はいつでも移動できる便利さがあります。しかし、車は家から目的地までダイレクトに移動するため、途中でお金を使う機会がありません。週末に遠方の大型ショッピングセンターで、買い物をすべて済ませるという方も多いでしょう。それでは、地元の商店は衰退する一方です。
例えばヨーロッパでは1万人規模の街でも商業施設、郵便局、銀行など、生活に必要な施設がすべて揃っているんです。というのもヨーロッパでは、自分たちの街を守るために「1ヵ月に1度は地元の喫茶店に行く」など、地元でお金を使って街の商売を支える、そんな想いが根づいているんです。さらには魅力的なお店であれば、沿線全体へと商圏が広がるチャンスもあるんです。
フランスでもLRT (次世代型路面電車システム)ができるまでは、半径数十メートルの人を対象に商売をしていましたが、LRTができてからは、沿線の人に対象が変わりました。今後、電車だけではなく、バス、サイクルシェアリング、カーシェアリングなど、駅から降りた後の多様な移動手段を、ひとつのサービスとして提供できれば、すごく便利になると思います。
鉄道による乗り継ぎのストレスをどれだけ少なくするか。どこに商店街を作るか。公共交通の整備と、街づくりの計画を一致させることで、何のストレスもなく公共交通で目的地に行ける仕組みを作り、街のお店で買い物をしてもらえるようにしたい。そのためには、各社バラバラではなく、共同でマーケティングや宣伝活動をしていくことが必要だと思っています。。