成長している新しい分野を開拓していくやりがいを感じるのでは?
そうですね。「ライフリー」というブランドを通じて我々が取り組んでいるのは、“いかに元気な高齢者の社会をつくっていくか”という課題です。現場で思うのは、まだ、このヘルスケアというカテゴリーの商品(尿ケア専用品など)をご存知でない方が圧倒的に多く、提案すればするほど消費者の方から反応があるんです。
例えば、2009年当時、日本では2,000万人近い女性が尿漏れの経験があるのに、専用の商品を知らず、生理用品で代用している方が多かった。でも匂いが気になるし、不安で「とりあえずどこに行ってもトイレを探す」とか、「安心して外出できない」という声がありました。
そこで我々は、まず商品を普及させようと、ブランドの売り場を大々的に拡げてテレビ広告への積極投資という戦略を取り、結果として1年間で約100万人の方に専用品を使っていただくことができました。実際に消費者の方から「気軽に出かけられるようになった」、「気軽に悩みを話せるようになった」という声を頂戴するにつれて、社会が少しずつ変わっていく実感があります。
また、“介護用おむつ”というと、暗くて重いイメージを持つ方もいますが、実際に商品を利用している方は、元気にみえるけれどちょっと排泄や失禁のことで悩まれているという方が大半なのです。
高齢の方々の悩みを解決し、アクティブな生活を応援することが、ユニ・チャームと、我々のブランドの存在価値だと思います。だからこそ私たちの商品で、“介護”という言葉のイメージを変えていきたいという感覚が強くあります。よくシニア世代を“第二の人生”と言いますが、実際には色々な障害や課題もある。それを少しでも解決していきたい。この仕事に社会的な意義も感じますし、まだ普及していないカテゴリーだからこそ、手ごたえも大きいです。