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投資家目線で語る、ビジネスをグロースさせる経営層の特徴
~キャリアの次の一手に必要な“経営視点”とは?~

SBIインベストメント株式会社

イベントレポート

スタートアップの10年後の生存率は数%程度で、さらに上場する確率は1%未満といわれるほど狭き門です。この狭き門を突破するには、経営者を支える右腕としてのCxOの存在が鍵となります。今回は「投資家目線で語る、ビジネスをグロースさせる経営層の特徴」と題したセミナーを実施いたしました。

Forbes JAPAN 2025年版「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」4位のSBIインベストメント株式会社の松本祐典氏に、多くのIPOを実現させてきた実体験を踏まえ、投資判断軸やCxOの重要性、投資家に一目置かれるCxOの特徴についてお話しいただきました。

*本記事は2025年11月にJAC Digitalが開催したオンラインイベントを一部抜粋、再構成したものです。また、文章表現を統一するため言い回しも変更しておりますのでご留意ください。

<登壇者・登壇企業紹介>

  • 松本 祐典 氏
    松本 祐典 氏
    SBIインベストメント株式会社
    執行役員 投資部長
    松本 祐典氏
    2008年SBIホールディングスに新卒入社。ネット事業部門でWebマーケティングや法人営業に携わり、2011年にSBIインベストメントへ転籍。現在は、2023年に立ち上げた1000億円のジェネラルファンドの国内投資部門管掌役員としてベンチャー投資に従事。
    Forbes JAPANが選ぶ「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家」2022年、2024年、2025年ランクイン。
  • 澤 円氏
    澤 円氏
    JAC Digitalアドバイザー
    株式会社圓窓 代表取締役
    澤 円氏
    元日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフト株式会社へ。ITコンサルタントやプリセールスエンジニアとしてキャリアを積んだのち、2006年にマネジメントに職掌転換。幅広いテクノロジー領域の啓蒙活動を行うのと並行して、サイバー犯罪対応チームの日本サテライト責任者を兼任。2020年8月末に退社。2019年10月10日より、(株)圓窓 代表取締役に就任。2021年4月22日よりJAC Digitalアドバイザーに就任。
    現在は、数多くの企業の顧問やアドバイザーを兼任し、テクノロジー啓蒙や人材育成に注力している。美容業界やファッション業界、自動車業界の第一人者たちとのコラボも、業界の枠を超えて積極的に行っている。テレビ・ラジオ等の出演多数。
    Voicyパーソナリティ。武蔵野大学専任教員。

1. SBIインベストメントでの通常業務・投資家としての仕事

澤氏:投資家として、投資先企業の成長を加速させた具体的な事例についてお聞かせください。特に、ペイディやインフキュリオンの事例で、成功の要因はどこにあったのでしょうか。

松本氏:ペイディでは、ビジョナリストの創業者ラッセル氏と、日本のビジネスに精通した杉江氏のユニークな化学反応により急成長し、当時トップクラスの評価額でのM&Aにつながりました。インフキュリオンでは、多様なスタッフの登用によりグループ会社全体で最適な経営体制を構築し、総合的なシナジーを生み出したことが上場の要因です。

澤氏:外資系の会社で日本人の経営陣を入れるという発想が面白いですね。次に投資家として、投資先の経営者に対し、具体的にどのような関わり方で支援されるのでしょうか。

松本氏:経営者が社員や現場メンバーには相談できない悩みを抱えていることが多いため、その壁打ち相手となります。むやみにアドバイスをしすぎるのではなく、経営者の話を客観的にしっかりと聞き、考える視点の一つとして冷静な意見を提供するよう心がけています

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2. SBIインベストメントの仕事の面白さ

澤氏:SBIインベストメントで働かれていて、どのような点に最も面白みを感じていらっしゃるのでしょうか。

松本氏:グループ全体として、金融を核としながらもエンタメやIP事業など、多角的に事業を成長させているダイナミズムが面白い点です。また、SBIインベストメントに異動して15年近く経ちますが、パワフルな経営者に数多くお会いし、そのユニークな人柄の面白さに魅了され、飽き性の私もこの業界を抜けられずにいます。

澤氏:投資される領域はオールジャンル・オールステージとのことですが、グローバルな投資展開はどのように行っているのでしょうか。

松本氏:特定の領域に限定せず、日本だけでなくグローバルに投資しています。以前は日本からのリモートが主でしたが、より良い案件に早期に参画するため、今年はアメリカ、マレーシア、ドイツにメンバーを派遣しました。現地で人のネットワークを構築することで、投資のタイミングや機会を逃さないように取り組んでいます

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3. 投資家として定量的に見られるか

澤氏:投資家として企業を見る際、定量的な情報で判断することはできるのでしょうか。

松本氏:投資のステージにより使い分けが必要です。企業規模が大きくなったミドルやレイターステージであれば数値を重視しますが、シード段階やアーリーステージでは直感や嗅覚に頼る部分が多くなります。キャピタリストは多くの修羅場を経験し、多様な経営者に会うことを通して、この嗅覚を磨いていくことが重要です。

4. 成功している方の共通項

澤氏:投資家として、投資したいと考えるスタートアップの経営層にはどのような共通点があるのでしょうか。

松本氏:私が投資する上で重視するのは、大きく分けて「圧倒的な誠実さ」と「運をもっていること」の2点です。

誠実であれば、その周りには近しい価値観をもった方々が集まり、強固なコミュニティが形成されます。何かトラブルが発生した際にも「この人なら助けてやろう」と思ってもらえる関係性があれば、難しい局面を乗り越えてチャンスを掴む確率が上がります。

また、どれほど優れたビジネスモデルや優秀なチームがあっても、事業の時流のタイミングやさまざまな外部要因でうまくいかないケースが多々あるため、最後は運がものをいう世界です。運の構成要素が大きいスタートアップ業界だからこそ、運をもつ経営陣であるかどうかを必ず投資の条件としています。

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5. 北尾社長との関係性

澤氏:北尾社長は一言でいうとどのような方でしょうか。また、そのもとで働く経験についてお聞かせください。

松本氏:北尾社長は、当社の約2万人のグループ社員の中で最もパワフルな方です。来年75歳になるにもかかわらず、事業欲が非常に強く、常に新しいことに挑戦する勉強熱心さには圧倒されます。私も何とか追いついていこうと必死に勉強しています。

毎週、相談の時間をいただいてお話しする機会があり、投資家と事業家が半々だという北尾社長と、「こういう事業を作ると面白いのではないか」といったディスカッションをともに行っています。また、誠実さや運の良さといった人としての本質を見極めるプロ中のプロであり、その視点や姿勢は私たちのキャリアにとって非常に参考になっています。

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6. キャピタリストの育て方/起業家について

澤氏:ファンドを代表する次世代のキャピタリストを育てる上で、どのような課題があり、育成のためにどのような機会を提供されていますか。

松本氏:運や誠実さといった要素が重要になる業界のため、キャピタリストの育成には再現性をもたせるのが難しい点が課題です。そのため、新しい教育方針を日々試行錯誤しています。基本方針としては、人生をかけてチャレンジしている起業家ととにかく多く接する機会を提供し、良い意味での失敗を経験させ、そこから学び、考察して次に生かすというトライ&エラーを繰り返す環境を重視しています。

澤氏:投資先となる起業家の年齢層はどの程度がメインでしょうか。また、起業を目指す方が最初に取り組むことは何でしょうか。

松本氏:起業家のメインの年齢層は20代から30代です。まず、起業したい方が取り組む必要があるのは、「リスクを取って自分と一緒にやってくれるメンバーを何人イメージできるか」です。会社経営は一人では難しいため、最もリスクの高い状況で人生をかけてくれるメンバーを事前に集める努力をすることが、初めの一歩として非常に重要です。一流の起業家には必ずフォロワーが存在します。

澤氏:逆に、起業する際に「これはやらない方が良い」と考える具体的な行動があれば教えてください。

松本氏:役員報酬を不適切なタイミングで上げすぎることです。役員報酬を不適切な形で上げると、思考が金額に偏ったり、社内に不健全な競争意識や不幸感が生まれたりして、バランスを崩すケースが多く見られます。また、創業者が自信過剰になること自体は重要ですが、それが誠実さのない「虚勢」である場合、トラブルの元でしかないため、ベースには誠実さが必要です。

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7. 質疑応答

Q. CEO人材として成長しキャリアアップするために、投資家目線ではどのような資質が求められるか、ご意見をお聞かせください。

A. 松本氏:プロ経営者のような形でしっかりと実績を積んでいけば、特に心配することはありません。欧米に比べ、日本は複数の会社のトップを経験されている方が圧倒的に少ないのが現状です。3社目、4社目とCEOとしてキャリアを積んでいかれることは、さまざまな組織やスタッフと関わっているという意味で非常にアドバンテージが高いポジションです。今のキャリアを信じ、経験を積んでいかれることが最適だと考えます。


Q.運のいい人の特徴や、運を良くするためのトレーニングなどがあれば教えてください。

A. 松本氏:トレーニングというものは難しく、何をもって徳を積むかは人によりますが、世間一般に良いとされる行いを重ねることが基本です。日々、大切に時間を過ごすことが、オーラとなって現れ、それが同じような価値観をもつ方々を巻き込む力になります。この巻き込みがご自身の運の強さにつながるため、飛び道具ではなく、人としてどう生きるかという非常にベタな部分が重要だと考えます。

A. 澤氏:知り合いの経営者は社員に「ゴミを見つけたらまたいで通るな」と口酸っぱく言っていました。これは、何か気になることや、こうした方が良いと思うことがあれば、必ず行動せよという教えです。人を助けることや、細かい行動を意識することが、運を良くするポイントだと感じます。


Q.今後伸びるだろうと予想される人に共通する特徴はありますか。

A. 松本氏:基本的に、自分で考えて行動するアントレプレナー精神が必要です。その中でも、特に若手には「とにかく失敗しろ」と伝えています。走って転んでもすぐに立ち上がり、ボールを追いかける少年のような動き方をする人は伸びが早いです。また、周りの優秀な人のまねをすること、良いところを貪欲に盗み、それを自分の中で消化して自分の形に再構築できる方もすぐに成果が出ています。


Q.ビジネスをグロースさせている方は、好きなことと得意なことのどちらを仕事にしているケースが多いでしょうか。

A. 松本氏:好きなことを仕事にしている方のほうが、成功している確率が高いと感じています。経済的な成功はもちろん、精神的な豊かさという点から見ても、自分の好きなことに時間を割いている方が良いでしょう。好きな仕事であれば、24時間365日そのことを考えていても苦にならず、割り切って仕事をする人よりも成果が出やすいからです。


Q.ベンチャー企業が事業を伸ばしていく上での、各項目に関する優先順位について見解をお聞かせください。

A. 松本氏:優先順位が高いのは「営業」と「人材」です。この2つが機能すれば、たとえプロダクトが厳しくても実績を作れます。実績ができればファイナンスが可能となり、その資金でさらに良いスタッフを引っ張ってこられ、プロダクトも磨かれていきます。プロダクトだけで成功する事例は少なく、最後は営業力に頼る部分が大きいため、「人」が非常に大切です。

8. 澤氏まとめ

今回のまとめとして最も重要なポイントは、起業家を含め全てのビジネスパーソンに必要な要素が「誠実であること」と「運を逃さないこと」の2つに尽きるということです。これは生き様そのものであり、誠実さを土台に運を掴むことがキャリアの成功に直結します。

次に、起業するなら、「一人目の仲間の顔をイメージせよ」というのも欠かせないポイントです。会社を起こすかどうかにかかわらず、新しいプロジェクトやチャレンジをはじめる際に、最初に行動をともにするフォロワーが思い浮かぶかどうかが、成功の鍵となります。

そして最後に挙げたいのは、情熱に正直であれ、ということです。パッション(情熱)は人生を面白くする源であり、ビジネスをグロースさせる原動力です。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、ビジネスを本気で、馬鹿正直に、必死にやること以外に近道はありません。この情熱こそが全てを推進します。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。

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