強みに特化して、顧客ニーズにきめ細やかに応えるサービスも大手企業に勝つ秘訣ですね。今後の注力分野と、将来のビジョンについて教えてください。
私たちは、100周年を目前にして、もう次の200周年を目指しています。水や液体の再利用による環境への配慮や生産効率向上など、濾過のニーズは年々高まっています。また、今後も人の生命にかかわるような付加価値が高くてグレードの高い水づくりと、最高のエンジニアリングサービスを追求していきます。
またアンテナを張り巡らせて常に一歩先を見るよう心がけています。例えば菌レベルの濾過ができる強みを活かして、発酵関連のマーケット参入の可能性もあります。
濾過事業では、海外での展開も考えています。日本では水がきれいなことが当たり前でも、海外では違います。現在、海外への販売は代理店や取引先を通していますが、ゆくゆくは海外展開も視野に入れています。
プラントエンジニアリング事業では、製薬業界を中心に数にとらわれず質の向上に注力していきます。また海外製の装置を顧客に納入する場合、装置が仕様通りにできているかどうか、検収のために海外に行く場合もあります。今後は海外と直接やりとりをするシーンも出てくるでしょう。
これは前社長から引き継いだことですが、当社は、むやみやたらに拡大することを考えていません。我々の規模であれこれ手を出すと、強みである深い専門知識が積み上げられなくなってしまう。また、社会事情によるリストラなどが無いように、創業当時からのモットーである、人の命に関わる分野を中心に徐々に広げながら、事業の継続性と従業員の生活の安定を大切にしています。