変化の激しいこの時代だからこそ、コンサルティングファームで仕事をすることが大きな意味を持ってくると。その中で御社PwCの強みは、どのような点でしょうか。
これも3つあると思います。1つ目はグローバルプロフェッショナルファームとしての組織力の高さ、2つ目は上場企業でない点、3つ目は働く社員たちの満足度の高さです。
1つ目の組織力の高さとしては、まずPwCには世界中ありとあらゆる場所でのデリバリーケーパビリティがあります。当社は世界157カ国、約20万人のプロフェッショナルを擁するグローバルネットワークファームの一員です。海外で事業を展開しようとする日本企業をサポートする際に、我々日本のスタッフだけでなく、各国のその道の専門家たちが加わることで、日本からのスタッフだけでは実現が困難な領域までリーチできるようになります。手前味噌ですが、これはすごいことだと思っています。さらに言うと、実際に海外で仕事をする際には、日本では考えられないほどのPwCプレゼンスの高さを感じることもできます。
次に2つ目ですが、当社は株式上場をしていません。他国のPwCの子会社でもありません。当社ではパートナー自らが出資して資本を構成しており、所有と経営が一体となって行われています。このことがどうして強みになるかというと、上場企業に勤めたことのある方ならお分りかと思いますが、株主や親会社が存在する場合は、どうしても彼らの意向に沿って仕事をせざるを得なくなります。株主の要望に応える=株価を上げる責務があるため、コンサルタントとしてクライアントの成功だけを考えて仕事をしたくても、株主の思いとズレが生じてしまい、フラストレーションを感じることになると思います。その点、当社は株主や親会社といったしがらみがないため、クライアントにとって何が大切かだけを愚直に考えて仕事に取り組むことができます。例えば、クライアントにとって今は必要ない取り組みだと思えば、株主や親会社の意向にとらわれることなく、ブレーキを踏むことも出来ます。
3つ目は働く社員たちの満足度の高さです。PwCの一員であることにロイヤリティを感じているか、知人にPwCへの入社を勧めるかなどを含めた従業員満足度が約70%という高さです。一時期コンサルティング業界は、いわゆるブラック企業が多いと言われていました。成長は早くスキルも身につく代わりに長時間労働であるとか、給料は高いがその分強いプレッシャーがかかる。そんなイメージを持っている人も多いことと思います。以前はPwCもそういった面が無きにしもあらずでしたが、業界でいち早く職場環境の改善やスタッフのケアに力を入れたことで、従業員満足度が徐々に改善していきました。取り組むきっかけとなったのは、以前から他国のPwCでは従業員満足度や大学生の就職人気ランキングが全業界の中でもトップクラスであるにも関わらず、日本では違っていたことが発端です。そこで「他国とどこが違うのだろう?」と地道に取り組んだ結果、現在の満足度の高さにつながったものと思います。