※このインタビューは2025年9月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
採用企業インタビュー
進取の気性で未来を拓く大阪ガスの電力ビジネス
大阪ガス株式会社
- 大阪ガス株式会社 執行役員 電力事業部長 藤田 武則氏
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関西エリアを拠点とし、全国でエネルギー事業を展開する大阪ガス株式会社。電力事業は約30年の歴史をもつ大きな事業の柱に成長しています。近年は、再生可能エネルギーを含め、今後も増え続ける電力需要に応えるため、事業をさらに拡大。異業界からのキャリア採用も強化しています。
電力事業の歩みと展望、同社の強み、風土の特徴、働く魅力などについて、執行役員 電力事業部長 藤田武則氏に伺いました。
新たな発電所が運転開始。新電力業界でトップクラスの電源規模へ
――大阪ガスにおける電力事業とは、どのように位置づけられているのでしょうか。
私たちは「エネルギー」を供給することで世の中に貢献する役割を担っています。当社は社名のとおり大阪・関西エリアのガス供給事業が祖業ですが、電力事業を手がける前から、ガスのコージェネレーション――いわゆるガスによる発電設備を産業向けに提案してきましたので、電力事業とは親和性がありました。
当社グループの企業理念は、暮らしとビジネスの “さらなる進化” のお役に立つ企業グループを目指すというものです。これを果たすために「お客さま起点」「誠心誠意・使命感」「進取の気性」という3つのマインドを掲げています。常にお客さまのことを考えること、公益性の高い事業として誠心誠意・使命感をもって取り組むこと、そして新しいことに臆せずにチャレンジすることです。当社は今年120周年を迎えましたが、この3つのマインドは変わらず大切にしてきました。このように、祖業との親和性という点においても、チャレンジする姿勢においても、電力事業への進出は必然だったと思います。
――電力事業のこれまでの歩みについてお聞かせください。
スタートは1995年です。規制緩和により、既存の電力会社以外の事業者が発電して電気を卸す「独立系発電事業者(IPP)」の制度が設けられたと同時に参入しました。ですからすでに30年以上にわたって電力事業を続けています。
この間にも、いくつかの大きな転機やトピックがありました。2000年、大口電力小売事業が規制緩和され、即時にNTTファシリティーズ・東京ガス・当社の3社で設立した「エネット」で大口小売事業に参入しました。次に2004年、まだFIT制度が始まる前に、当社グループにとって初めての再生可能エネルギー(以下、再エネ)事業として、風力発電事業に参入。
2009年には、泉北の天然ガス発電所が立ち上がり、大きな飛躍の年となりました。そして2016年、電力小売の全面自由化が始まり、家庭用の電力小売事業に参入しました。
今年度には、「姫路天然ガス発電所」の運転を開始します。2026年1月に1機目、5月に2機目が稼働予定であり、これがさらに大きな飛躍のチャンスとなるでしょう。姫路は3号機まで建設が決まっており、その運開後にはグループ全体で700万kW超の電源規模へと拡大します。これは日本の電力会社でも中堅規模であり、「新電力」というカテゴリーではトップクラスの規模です。
そしてもう一つ、今年8月に当社初の蓄電所として「千里蓄電所」が運転開始しました。将来的に再エネが増えれば需給調整の必要性が高まりますが、その第1号案件が立ち上がったのです。千里は1.1万kW程度ですが、2026年度中には約30万kWまでの拡大を計画しており、2030年には100万kW規模を目指します。つまり今年度は蓄電池ビジネス拡大の転機でもあります。
電力トレーディングも拡大。培った顧客基盤と部門間連携が強み
――今後の展望を、どのように描いていますか。
小売や他社への卸売だけでなく、市場での取引――電力トレーディングも拡大し、業容が広がると考えています。トレーディングは、それによって利益を得るというより、発電所というアセットの価値を高める目的で拡大していきます。先物取引も活用し、より高度なトレーディングの実現を目指しています。
ただし、市場取引は制度が頻繁に変わるものです。付加価値を高めるには、機動的な対応力を備えなくてはなりません。姫路発電所の運転開始にともなうトレーディング拡大に向け、昨年度から実験的なトレーディングも行っています。ある程度許容できるリスク量を定め、その範囲内で経験を積む。自分たちで実際に動かしてみて、知見を蓄積しています。そうして市場の変化に機敏に対応できる力を身に付けることが、強みにつながるでしょう。安定した軸と機敏な対応の両面でビジネスを拡大していきます。
また、再エネ事業においては、単に発電ビジネスを広げることを目的とせず、「環境負荷が低い電気の供給」を大切にしています。他社からの再エネ調達にはいち早く着手しており、再エネの調達量は日本でトップクラスなのではないかと思います。2030年には、私たちが取り扱う電力販売量の半分の規模の再エネ取扱量を実現したいと考えています。
――電力事業において、大阪ガスの強みとはどこにありますか。
ベースとして、「ガス」のお客さまがいらっしゃいます。そのお客さま基盤を生かし、電気もセットで販売していくことが可能です。
冒頭で挙げたとおり、企業理念は「暮らしとビジネスのお役に立つ」ですから、エネルギー周辺のサービスも含めて提供することが私たちの使命です。電気の供給メニューも、例えばNetflixやAmazonと提携し、よりお客さまニーズに合致するメニュー開発を進めています。協力できるパートナーさんに積極的に声をかけ、Win-Winの関係を築きながら事業を展開している点も、当社の特徴であり、強みであると思います。
――組織体制としては、どのような特徴があるのでしょうか。
上流から下流までのバリューチェーン全体で取り組んでいることが大きな特徴です。送電については送配電事業者が行いますが、それ以外の、上流の燃料調達から発電設備の運営、小売まで一気通貫で手がけています。当社では、いわゆる「縦割り」感が小さく、部署間の連携が非常に良好です。
また、事業エリアの広さも特徴的だと思います。関東と比較すると関西市場の成長性は限定的であるため、必然的に他地域への展開を進めてきました。今、私たちが取り扱う再エネ電源は44都道府県に点在しています。小売についても関西を拠点としながら広域に展開しており、中部電力・当社で設立した「CDエナジーダイレクト」では関東エリアで小売を行っています。こうした広域展開も、当社の特徴といえます。
異業界出身のキャリア入社者が、新たなチャレンジをけん引
――電力事業部ではキャリア採用で入社した方が多いとのことです。
電力事業部は現在190名在籍していて、キャリア入社者の比率は約30%です。特に再エネの開発部門は比率が高く、キャリア入社者が5割を超えています。キャリア入社者を自然と受け入れる土壌ができあがっており、キャリア入社者とプロパー社員が一体となって業務に取り組んでいます。
キャリア入社の方々は外部の視点から見た大阪ガスについて、良いところも悪いところも率直に言ってくれるので、新鮮な気付きがありますね。その意見を参考に、良いところは伸ばし、悪いところは修正する。相乗効果が働いていると感じます。
――具体的に、キャリア入社者の方々からはどのような声が聞かれますか。
ほとんどの人が口を揃えるのは、「大阪ガスは堅い会社だと思っていたが、180度印象が変わった」という感想です。「職場の雰囲気がとてもフラットだ」という声も多いですね。プロパー社員とキャリア入社者のコミュニケーションや、上位職とのコミュニケーション、他事業部やコーポレートとの連携など、さまざまな場面で「これほどフラットだとは思わなかった」といわれます。
一般的には、開発部門とコーポレート部門は対立することもあるようですが、当社では「会社にとって何が良いか」を一体となって考える文化があるのです。現場視点で「やるべき」と考えたことにコーポレート側が納得すれば、案件を成就するためにサポートしてくれる。それを「良い企業文化だ」と評価していただくことは多いですね。
――フラットな関係を築けているのは、受け入れ段階での工夫があるのでしょうか。
早く組織になじみ、一体となって動けるようにサポートすることは意識しており、コミュニケーションの機会を意識的に設けています。「ワイガヤ」と呼んでいて、例えば、「電力事業の成長のためにどのような事をすべきか」といったテーマに対してワイワイガヤガヤ自由闊達に意見交換をして、その後にみんなで懇親会を行うといったことを定期的に開催しています。
仕事上では、キャリア入社の方は即戦力として一定の能力をおもちですので、入社後すぐに仕事をお任せします。キャリア入社の方に限らず、担当者に広範囲の業務を任せるのも当社の特徴ではないかと思います。任せてもらえることがやりがいにつながっていると思います。
――キャリア入社者の方々のバックグラウンドもさまざまと伺っています。
例えば、金融やコンサルティング業界出身の方は、再エネの電源調達の領域などで活躍していただいています。資産効率の向上を重視する中で、専門知識を生かし、金融機関と一緒にファンドを立ち上げ、それを資金源として再エネを調達したりしています。
トレーディングでは数理的な知識・ノウハウが重要ですが、社内には知見があまりありません。ファイナンス分野の出身者が入社直後から大車輪の活躍で、プロパー社員と上手く連携しながら急速に体制を立ち上げています。
金融やコンサル、あるいは商社出身の方々は、「実ビジネスに当事者として携わりたい」という思いをもって入社してくださった方が多いです。
その他にも、火力発電・再エネ・蓄電池に関わる技術・知見を持たれている方や、電力事業に携わるのは初めてでも営業やプロジェクト・マネジメント、財務、リスク管理の経験をお持ちの方など、多様な経歴や強みを持たれた方々に活躍いただいています。
――大阪ガス、そして電力事業部で働く魅力はどこにあると思われますか。
社会的な使命感・貢献・達成感をもてるところ、そして、成長分野で新しいことにどんどんチャレンジできるところだと思います。
また、さまざまなキャリアプランを描けるでしょう。採用時はこれまでの経験・スキルを生かせるポジションで入っていただきますが、10年後・20年後といった将来、大阪ガスの中でどう活躍していただくか、キャリアプランの整備を進めています。本人の志向により、再エネ開発を続ける、上流の燃料調達に携わる、販売を経験する、あるいは電力以外の事業を経験するなど、Daigasグループ内で多様な選択が可能となります。
――将来ビジョンをどのように描いていますか。入社を検討している方へのメッセージもお願いします。
データセンターや半導体向けを中心に、電力需要は今後も間違いなく伸びていきます。私たちの事業は世の中にとってなくてはならないもの。私たちは関西を中心としながら、すでに全国規模で活動しています。環境性に優れた電源や蓄電池などの商材を取り揃え、しっかりと価値提供することにより、事業を拡大していきます。
安定的な電力供給を行い、国のエネルギー政策である「S+3E」の実現に向け、社会に貢献する事業を進める。それと同時に新たなことにチャレンジする挑戦心をもち続ける。この両面の価値観に共感していただける方にぜひ仲間になっていただきたいと思います。
電力事業部のスローガンは「Enjoy Power Business !」です。やりがいがあることに対して一人ひとりが誇りをもち、自立的・積極的に取り組むとともに結束力の高い集団を目指します。社会への貢献や組織の発展、個々人の成長を皆で楽しもうという思いをこの言葉に込めました。この思いに共感し、一緒に挑戦したいと考えてくださる方をお待ちしています。
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