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名刺管理から営業DXにシフト――企業活動に不可欠なサービスへと
進化するSansanの勝ち筋とは

Sansan株式会社

※このインタビューは2023年10月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。

小川泰正氏
Sansan株式会社 執行役員/Sansan事業部 事業部長 小川 泰正氏

2022年6月に名刺管理サービスから営業DXサービスへとシフトした「Sansan」。

従来は、名刺交換を通じて接点を持った顧客へのアプローチに活用されていましたが、営業DXサービスへの進化を経て、名刺以外のさまざまな接点も一元管理できるようになりました。加えて、企業データベースを独自に拡充。メールマガジンや郵便によるDM、セミナー開催の案内といったマーケティング活動に役立つ機能や、名刺交換やコンタクト履歴を随時付与できる機能も盛り込みました。

営業活動のDX化を一手に担う方針への転換は功を奏し、2023年5月期決算は増収増益。DX時代の企業活動に欠かせないSaaSとして、新たな成長フェーズを迎えています。
営業DXサービスとしてのSansanの可能性と、成長著しい組織の中で働く魅力について、Sansan株式会社(以下、Sansan社)執行役員/Sansan事業部 事業部長 小川泰正氏にインタビューしました。

「Sansan」は名刺管理から営業DXへ、トップダウンで方針転換

―名刺管理サービスから営業DXサービスへと大きく方針転換した経緯について教えてください。

当社は2007年に創業し、日本に名刺管理サービスという市場を生み出しました。創業から5年間はサービスの浸透に苦労し、売上が伸びない時期が続きましたが、2013年に初めて実施したTVCMで認知が広がり、業績も好転しました。

私たちはすでに市場があるところに事業を作るのではなく、新たな市場を切り拓くことで成長してきました。風が吹いているところに行くのではなく、自ら風を起こすイメージです。このような形で成長してきたのですが、2019年末からのコロナ禍で初めて逆風が吹きました。

人と人との接点が失われ、Sansanや名刺アプリ「Eight」に取り込まれる名刺のデータ量が一時大幅に減少しました。このままでは事業継続が難しくなるという危機感の中で、Sansanは名刺管理サービスから営業DXサービスへと、サービスの定義を変えたのです。

名刺は営業活動上の接点の一つであると位置付け、それ以外に存在するメールやウェブフォームの入力内容、セミナー参加情報などの接点もデータベースとして可視化することで、さまざまな軸を持った接点データベースへシフトしました。

さらに、そこに企業情報を搭載し、まだ接点のない企業の情報も確認できるようにしました。このことで検索性が向上し、営業やマーケティング活動に有効活用できる機会が増えました。例えば、帝国データバンクをはじめとした複数のパートナー企業のデータなどから、企業情報や業績、展示会への出展動向、導入しているITツールなどの把握ができるようになることで、営業先として見込みがある企業かの判断が可能になります。

こうした一連の方針転換を経てコロナ禍を乗り切ったというのが、これまでの経緯です。

―類似するサービスとして、既にさまざまなCRMが存在する中で、Sansan独自の強みはどこにあるのでしょうか。

まず、これまでの名刺管理サービスとしての延長線上で捉えると、名刺管理サービスとしてのSansanには、自社の人脈をマネジメントできるという独自性に強みがあります。この機能が営業DXに派生した際、営業活動の業務効率を大きく高めるメリットに置き換わります。

例えば、退職者からの引き継ぎ業務はかなり大変な業務ですよね。古くからある大企業で世代交代が起きる際、年長者の方は自社が持つ人脈をかなり把握している一方で、若い方はあまり人脈を持っていないという状況が起きるケースがあります。そういった属人的な情報をデジタル化して継承できることが、一つ目の強みです。

今、当社が進めている営業DXサービスはそこから進化していて、人脈起点だったデータベースが、企業情報と紐付いたものに発展しています。例えば、100万社の企業群に対し、業種や「業績が好調か」「導入しているITツールは何か」といった検索条件を選択することで、営業先の優先順位を設定できるようになります。営業先の企業概要は検索エンジンで調べることが多いですが、信頼性の高い企業情報データベースを、公開されている情報とは別に、自分たちが欲しい情報を独自に集めて自社内で管理・利用できる点が二つ目の強みとなっています。

また、営業DXサービスとしての真価は「収益の最大化」に寄与できるかどうかにあると考えています。そして「収益の最大化」に寄与するためには、社内の取引状況を把握できる機能が欠かせません。 収益を最大化していくアプローチは、顧客を新たに開拓するか、既存顧客のアップセルを狙うかの2通りしか存在せず、現状の取引状況を把握することは営業をする上で重要な情報になるからです。

現状のSansanには企業リストがあり、営業に役立つ拠点や業績の情報が用意されています。そこに取引状況や、営業活動の履歴データを連携することで、サービスの価値は「収益を最大化するためのデータベース」へとアップデートされます。

―営業DXサービスへとシフトしても、今後も名刺管理ツールとして培ってきた強みは生かされるのでしょうか。

今ある強みをレバレッジポイントとしながら、その次のレバレッジポイントを作っていくサイクルを継続しないことには企業として淘汰されます。Sansanに加えて、Bill Oneが新しいレバレッジポイントとなりつつある中で、これから生み出す新しいビジネスやグループ会社の事業も含めたエコシステムを形成できるかが重要なポイントです。

急成長を実現する事業開発戦略

小川 泰正氏

―Sansanを営業DXサービスに変える決断をするに当たって、どのような議論や検討があったのでしょうか。

当社では感覚的な直感と、定量的な情報の両方を重視する文化があります。その当時を振り返ると、コロナ禍で対面での接点が減った状況で、客観的に見てSansanというサービスを顧客が買うのかという議論がありました。一方で、名刺の取り込み枚数が一時的とはいえ約6割減少した際に、ビジネスが存続できるのかという論点がありました。

Sansanはサブスクリプションのビジネスモデルで、月次の解約率が低いことが強みでした。しかし、コロナ禍で受注率が下がり、解約率が上がった結果、単月のMRR(月次固定収入)がマイナスになったのです。これは創業以来、初めての状況で、トップダウンでサービスの方向を変える決断がなされました。

現場ではコロナ禍でも名刺管理のニーズはあり、事業も回っているという感覚もありましたが、このままでは沈没するかもしれないという経営陣の強い意志があったと思います。

―その決断が無ければ、今のSansanは無かったということでしょうか。

もし、その決断が無かったとしても、企業情報を紐付けたデータベース化や、接点情報としてメールを取り込むといったアプローチは自然な営みとしてあったはずです。しかし、コロナ禍によって、その判断が早まったのではないかと思います。おそらく数年先には実現していたことが市場の環境変化によって早まる一方で、ピンチを逆にチャンスに変えたのだと私は捉えています。

―ベンチャーとはいえ、貴社ほどの規模になると意思決定のプロセスに時間を要する印象がありますが、現在もスピード感を失っていないように感じます。

当社はOKR(目標と成果指標)を3カ月単位で設定し、振り返って必要な要素は残す一方で、不要な要素は手を引くいう進め方をしています。新規事業を作る際にも、新しいモノを生み出すという挑戦はいとわない一方で、3カ月、半年というスパンで定性・定量の両面から評価しているのです。その結果、何かしらズレが生じているようであれば、サービスを閉じることも辞さないスピード感で進めています。

―新たな成長フェーズに突入し、さらに組織も拡大する必要があるかと思います。特に採用を強化しているポジションや求めている人材があれば教えてください。

より力強く事業を進めるためには営業を中心としたフロントラインに経験者を採用したいと思っています。当社ではSaaSやサブスクリプションモデルを学びながら、これまでの経験を活かして活躍する環境を整えているので、他業界からのチャレンジも歓迎しています。もちろん同じ業界で切磋琢磨してきた方々からもジョインしてほしいと思っています。

多様なキャリアパスがあるSansan社

―SaaS業界の営業職で経験を積んだ方が、Sansan社に入社するメリットについて教えてください。

企業を選ぶ際、最も重要な指標は成長性です。当社は直近の第一四半期における売上高が前年同月比31.3%増と伸びており、営業DXという市場で成長できるエンジンを持っています。今の不透明なビジネス環境において、なぜ私たちが高い成長性を担保できているかというと、SansanやBill Oneといった強いビジネスがあり、その延長線上に新しいビジネスを続々と作ろうとしているからです。

会社全体が成長する環境であることから、社内で活躍している人が、そのまま同じ環境に居続けることはあまりありません。活躍した人たちが次の環境で新しい芽を出そうとすることと並行して、新しい人にポジションを引き継いでいく体制が当社にはあります。

同業経験者の方が入った際にも、まずはご自身の強みを発揮していただいた後に、新規事業やマネジメント、異なるポジションへの異動など、さまざまなキャリアパスを描くことができます。

―それぞれのキャリアパスについて、具体的にお聞かせください。

同業経験者の方であれば、これまでの営業のスキルを活かして、新しい知識やプロセスを学びつつ、半年から1年ほどで成果が出るようになります。

その先の営業としてのスキルを汎用的に広げる選択肢の一つとして、マネジメントがあります。当社は年間を通じて多くの社員がキャリア採用で入社しますので、慢性的にマネジメント層は不足しています。

2つ目の選択肢として、プロダクトに対する知見が高い方の場合には、PMM(プロダクトマーケティングマネジャー)に進む道があります。プロダクトに携わりながら、新しい機能をどのように営業やお客様に展開していくかの戦略を立てる役割を担います。よりプロダクト開発に近いポジションであれば、PdM(プロダクトマネジャー)に進む道もあります。また、カスタマーサクセスとして、Sansanを導入したお客様に対して利用推進やアップセル提案を担当するキャリアパスも考えられます。

PMMから派生して幅広くマーケティングに携わりたい場合には、マーケティング部に進むケースもあります。一例をご紹介すると、エグゼクティブ向けの施策として、男子プロゴルフトーナメントを企画したり、美術館を貸し切って上場企業のエグゼクティブを招待して講演会を開催したりといった取り組みを進めています。

Sansanには「Jump!」という社内制度があり、社内公募による人事異動を半年毎に実施しています。本人がやりたいことと部署のニーズが合致していれば、スムーズに新しいポジションへチャレンジすることが可能です。

ひとつのゴールのために、意思決定から関わる醍醐味

―さまざまなキャリアパスがあるだけなく、自ら選択する余地もあるのですね。その他にも、Sansan社に入社する醍醐味はありますか。

当社には「七人八脚」という言葉があります。この言葉が表す通り、私たちはミッションを達成するために集まった仲間です。マーケティングやセールス、プロダクト開発と、役割は異なっていてもゴールは皆一緒です。

外資系企業であれば、ヘッドクォーターが決めたことの中で日本支社は販売だけを担うことが多いと聞きます。しかし、当社は日本が本社ですので、経営層となにか意思決定する際にもSlackでやり取りしたり、直接話したりすることも可能です。本社でのプロダクト開発やマーケティングにおける意思決定の段階に、自ら関われる点は同業の方から見ても圧倒的に面白いポイントです。

―最後にSansan社へのエントリーを検討されている方に向けて、メッセージをお願いします。

社会人になって、さまざまな紆余曲折を経て、当初のパッションが薄れてしまった、だけど本当はやりがいを大切にしていきたい、次のチャレンジを考えたいという想いを持った方が居れば、当社には活躍できるチャンスがたくさんあります。まずはぜひ、エントリーいただきたいです。

もちろんスキル面も重要ですが、「出会いからイノベーションを生み出す」 というミッションに共感できる方であれば、当社でチャレンジしていただきたいと思います。

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