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地球と長きにわたり共存できる水素社会実現をリードするーー川崎重工と水素事業

川崎重工業株式会社

※このインタビューは2023年10月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
山本 滋氏,齋藤 文 氏
川崎重工業株式会社
執行役員 水素戦略本部 副本部長 山本 滋 氏
川崎重工業株式会社
水素戦略本部 技術総括部 規格ライセンス部 兼 Hydrogen Council 推進室 基幹職 齋藤 文 氏

川崎正蔵氏が立ち上げた川崎築地造船所を起源とする川崎重工業株式会社は、二輪や航空機、船舶、鉄道と多岐にわたる輸送機器を開発しています。また、水素サプライチェーンの構築に世界でもいち早く取り組む企業でもあります。

同社では、「船舶海洋」「舶用推進」「エネルギー」「プラント」と従来は個別であった事業を統合し、世界全体のカーボンニュートラルへの貢献を見据え水素関連事業の強化を図っています。

今回は、その事業の要となる同社 水素戦略本部の副本部長である山本滋氏と、JAC Recruitmentを通じて同社に入社し、水素社会を作るべく国内外でルールづくりに奔走する基幹職の齋藤文氏に、仕事にかける思いや、今後共に働きたい仲間像などについて伺いました。

40年来の水素事業がカーボンニュートラル政策で追い風に

山本 滋氏

―水素戦略本部が目指すビジョンやミッションについて教えてください。

山本氏:水素戦略本部は川崎重工の本社機能として、これからの水素社会実現のための事業戦略を川崎重工グループ全体で横串展開をしている組織です。従来のメーカーとしての製品開発や製造を中心とした事業とは大きく異なっています。

川崎重工は、アジアで初めて液化天然ガス(LNG)運搬船を建造するなど極低温の海上輸送技術を有しており、水素については液化水素の貯蔵タンクなど40年以上におよぶ実績があります。これらの技術を礎に水素事業を推進し、水素普及を通じた2050年のカーボンニュートラル実現に貢献したいと考えています。

具体的には、カーボンニュートラルのプレッシャーが高まる中で拡大すると予測される水素発電の需要に対応するため、液化水素の国際サプライチェーン構築を目指し、「つくる(製造)、はこぶ(船舶・輸送機器)、ためる(タンク)、つかう(発電)」を実現する技術の実用化を目指しています。

そのカギを握るのが、当社が開発・建造した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」です。水素を-253℃で液化し、気体の800分1の体積にして運搬可能です。2021年12月~2022年2月にかけて、すいそ ふろんてぃあを用いて豪州で製造したクリーン水素を日本へ海上輸送し、荷役するという世界初の実証試験を実施し成功裏に終えています。

液化水素を安定的に海上輸送できるということを技術的に証明できたので、ここからが商用化に向けた挑戦です。機器・設備を大型化して一度に運べる量を増やし、大量供給を実現していく構想です。


実証船「すいそ ふろんてぃあ」

実証船「すいそ ふろんてぃあ」(手前)と現在設計中の大型液化水素運搬船コンセプト模型(奥)

―山本さんご自身は、水素関連の技術が長くご専門だったのでしょうか?

山本氏:いいえ、私は2015年に水素事業の責任者になる前は、長年、航空・宇宙分野の事業部にいました。水素戦略本部には、私のように、水素と直接かかわりのない分野から来た人がほかにも多くいます。むしろ、8割近くがそういう方たちです。また、当部の過半数はキャリア採用(中途採用)で占めています。当本部は、社内のほかの部署と比較しても、明らかに多様な分野の方たちが集まっています。

私自身、この水素事業に携われるとなった際は非常に胸が高鳴ったものですが、水素事業本部は社内公募でもとても人気があります。社内で、従業員満足度のアンケートを定期的に実施するのですが、当部に所属する人がやりがいをもって業務を遂行していることが、その結果により可視化されています。

―2020年の政府のカーボンニュートラル宣言は、貴社の水素事業にとっての追い風になりましたよね。

山本氏:追い風どころか、「吹き飛ばされそうだ!」と言っている人もいます。2015年当時は「低炭素」という言葉が使われていて、地球温暖化ガスの削減の目標は今ほどシビアではありませんでした。この数年で、社会でのカーボンニュートラルのプレッシャーが急速に強まってきたからか、社内で水素への関心も一気に高まっています。水素戦略本部以外の、二輪や航空機といった部門においても水素燃料を使った動力の開発など、水素への取り組みが始まりました。

―水素戦略本部が今、直面している課題は何でしょうか?

山本氏:先ほど紹介した実証試験は、商用として実用化された場合の規模の100分の1程度でしたので、規模拡大が重要な課題の1つです。今は、大型化した船に搭載するための水素タンク開発などに取り組んでいます。

もう1つは、実用化された際に現実的なコストで水素燃料をお客さまに届けられるかどうかです。いくら環境問題への意識が高まっているとはいっても、従来の化石燃料より大幅にコストがかかるとなれば、なかなか利用が広まりません。船舶など機器・設備を大型化して効率の良い輸送が可能になれば、水素のコストも下げることができます。

そうしたことと合わせ、水素燃料の低炭素性を可視化するための定量的評価方法や法律を定めなければなりません。日本政府もその法制定に取り組んでおり、国際的にもISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)などで規格策定が進められている最中です。国内においては、水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)、国際的にはHydrogen Council(水素協議会)が、そうした活動をリードしています。Hydrogen Councilの新共同議長は、当社の取締役会長である金花芳則がつとめています。

川崎重工は、一民間企業としてJH2AやHydrogen Councilに参画し、ISOの規格策定も含む国内外のそういった動きに積極的にかかわりながら意見や提案を述べさせていただいています。

そして、ここにいる齋藤が、エキスパートとしてそうした活動を担当しています。水素事業の法制定における「日本代表」だと私は思っています。

JACがつないだ水素社会実現のキーパーソン

―川崎重工では、齋藤さんの採用にあたり、どのような求人を出されたのですか?

山本氏:当時は、「水素事業の国際標準策定を担当できる方」という求人を出しました。川崎重工が水素事業を展開するためには、これまでの「ものを作って売る」だけではなく、水素社会実現のための国際的な活動や議論に積極的に関与すべきであると考えました。

これまで私自身がかかわった求人は、やはりメーカーとして技術者を中心とした理系人材を募集する機会が大半でした。そのため、「水素事業の国際標準策定を担当できる方」という、文系寄り、かつ新しい事業や分野の開拓において特殊な専門性を備えた方を採用する経験が全くなく、どうすればよいか分からなかったのです。そこでJACに相談し、最終的に、齋藤さんと出会うことができました。

―齋藤さんのご経歴や、川崎重工とご縁があった経緯について教えてください。

齋藤 氏

齋藤氏:私が川崎重工に入社したのは2021年11月です。その前は、コンサルティング企業に勤めており、民間企業や政府に対する水素燃料やCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収および貯留)のコンサルティングに約20年携わっていました。転職活動をしていた当時も、その経験を活かして、引き続き気候変動問題の解決に貢献していきたいと考えていました。

川崎重工の水素事業のことは、2012年ごろに知りました。川崎重工はその当時から、大量の水素を海上で運搬する技術を開発し、サプライチェーン構築しようと考えていたのですが、「画期的で面白いことをやろうとする会社だな。これは絶対に将来、花が咲く」と、期待が高まりました。まさに憧れの会社で、私にとっての転職したい会社・ナンバーワンだったのです。

―齋藤さんは、川崎重工の求人をどのように知ったのですか?

齋藤氏: JACに相談した当初は、「あの川崎重工が水素事業関連で募集していた」とは思わず、求人票もいろいろ見ていましたが、見つけられませんでした。また、川崎重工は「技術の会社」ですので、文系寄りの私のスキルが、そこでお役に立てるのか分からないとも考えていました。

JACの転職コンサルタントの体制はとてもユニークで、それぞれ得意な分野を持っている複数の転職コンサルタントがチームプレイで、私に合った仕事をいくつも提案してくださいました。

私の希望をJACにお伝えした時も、複数の転職コンサルタントが話を聞いてくださいました。そして、その面談の場にはいなかった転職コンサルタントの方が、後から「川崎重工が、水素事業の国際標準策定を担当できる人を探しているのですが、ぴったりではないでしょうか」と私に紹介してくださったのです。

「これは、私しかいない!」「お役に立てることがあった!」と、とてもうれしく思ったのを覚えています。JACの担当間の情報連携が、憧れの川崎重工とうまく縁をつないでくださり感謝しています。


山本氏: 水素戦略本部ではキャリア採用が多いですが、JAC経由でのご入社が最も多いです。面接に来てくださる方自身が勉強していることも大事ですが、JACが候補者の方に情報を十分に伝えてくれるため、面接もスムーズに運びます。さらに入社後のサポートも手厚いです。

―齋藤さんは、憧れの会社にご入社されましたが、職場はいかがですか?

齋藤氏:もともと水素やCCSが専門ではありましたが、ここへやって来てさらに知識の幅が広がっています。また、自ら能動的に動ける実行力や積極性が求められます。常日頃、「わが社が、水素事業のルールを作るのだ」という、ワクワクする気持ちで仕事をしています。私と同じような気持ちの人が、ここには多いです。

さらにリモートワークをするか否かも個人の裁量に任せてくれるため、前職よりもワークライフバランスが整いやすくなりました。時差のある海外とのやり取りも多いため、助かっています。


山本氏: 私自身も普段は明石工場にいるのですが、オンラインで東京本社付の齋藤さんとコミュニケーションをよく取っています。リモートワークが浸透したことで、明石と東京の連携も取りやすくなりました。そもそも川崎重工は「8時間労働発祥の地(1919年、日本で最初に8時間労働制を導入した)」ですから、昔から働き方改善の取り組みも積極的です。

あらゆる領域の人材が結集し、半世紀以上に渡る一大プロジェクトを牽引

―今はどのような求人を出していらっしゃるのですか?または今後どのような方にジョインいただきたいですか?

山本氏: 船舶・プラント関連や、水素や低炭素化などに関わったことのある方は、ぜひ水素戦略本部にいらしていただきたいです。また水素事業を進めていくためには、技術の話だけに限らない、諸問題に多角的に対応していけることが重要です。理系か文系か、あるいは技術系かコンサル系かにかかわらず、さまざまな分野の専門家の方に集まっていただきたいと考えています。

今後も、水素社会を作るための国際的なルール作りにかかわり、そのような場で当社の意見を発信していくことは重要です。その基礎は齋藤さんが作ってくれましたが、仲間がもっと必要ですね。一方で、メーカーとしてのものづくりの技術もやはり大事です。法律と技術の両輪で、当社の水素事業を支えていただきたいです。



齋藤氏:実は、私の後にJACの紹介で、規格ライセンス部に来てくださった方がいます。その方も、私と同様に転職時に「気候変動の問題解決に貢献したい」という強い志を持っていたことから当社を選んでくれました。志が同じということは、やはり仕事がしやすいと感じます。たとえ議論がぶつかり合っても、最後には分かり合え、共に切磋琢磨しあえています。

脱炭素の取り組みは2050年以降もずっと続けなければいけないことであり、当社の水素事業も長年におよぶ事業となるはずです。志を同じくして、息の長い事業を共に支えていける仲間と出会いたいです。

山本さんが言うように、さまざまな分野で活躍されている方に集まっていただきたいと思っています。大きな契約交渉もありますので、銀行など金融関係の経験者の方にもぜひご入社いただきたいです。



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