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個×組織でイノベーションを起こす人財が、次の100年をつくる

日東電工株式会社

※このインタビューは2023年10月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
村上奈穗氏氏
日東電工株式会社 執行役員 全社技術部門新規事業本部長 村上奈穗氏

日東電工株式会社(以下、Nitto)は、スマートフォンやタブレットなどの表示デバイス用向け光学フィルムをはじめ、工業用テープ、自動車用部材、医療用関連製品など、幅広い業界で製品を提供する企業です。ニッチトップ戦略を推し進め、多種多様な製品を生み出し続けています。また、売上の8割が海外を占めるグローバル企業でもあります。

2016年には新規事業本部を設立。100年超の歴史を有する企業でありながら、スタートアップのようなスピード感で新規事業を立ち上げ、既存の枠組にとらわれない新製品を続々と市場に投入しています。

今回のインタビューでは、次の100年に向けてNittoが目指すビジョンと、新規事業本部で働く魅力について、同社執行役員の村上奈穗氏にうかがいました。

仲間を失いたくないという思いからスタートした新規事業部門

村上 氏

―村上様は2000年に新卒でNittoに入社され、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

新卒で入社した際は、エンジニアとして尾道事業所に配属されました。当時はテレビがブラウン管から液晶に移り変わる時期で、当社のフィルム技術が液晶テレビ市場拡大に大きく寄与。私自身も1年目からスピードのはやい環境で、無我夢中で働いていました。

2008年頃のリーマンショックを機に、お客様の企業が日本国内から海外にシフト。液晶フィルムもテレビだけでなく、スマートフォンなどに多様化が進む時期でした。当時は営業や品質保証のメンバーと一緒にトライ・アンド・エラーを繰り返しながら、試作開発を行っていました。そうして完成した製品がお客様に喜ばれることに、醍醐味を感じていました。

―2016年に新規事業本部を立ち上げたのは、どういった経緯からでしょうか。

当社はディスプレイ関連事業以外にも、さまざまな事業を展開していますが、ポートフォリオ全体を見るとエレクトロニクス関連が非常に多いという特徴があります。

エレクトロニクス関連のビジネスは成長も早い一方で、市場が飽和するのも早いため、バランスの取れた事業ポートフォリオへの移行が経営課題となっていました。IoT(インターネット・オブ・シングス)が台頭してきた2016年頃になると、さまざまなテクノロジーや産業が大きな変革を迎えていることを肌で感じるようになりました。既存事業でしっかりと売上を伸ばしているうちに、今から新たな事業を立ち上げ、時代の変化に対応し続ける企業でありたいという思いが燃え上がってきたのです。

ちょうどその頃に市況の影響もあり、当社のディスプレイ事業の収益性が悪化しました。24時間稼働していた工場が止まってしまい、工場に誰もいない状況を入社以来、初めて経験して、「企業は成長しないと、一緒に働く仲間を失う」という危機感を覚えました。

そうした思いを当時の社長に伝えたところ、「やってみなさい」と言われて、10年以上いた尾道を離れ、新規事業本部を立ち上げることになりました。

―新規事業の経験がなくても、使命感を持った方に任せるというスタンスなのですね。

私が好きなNittoの文化でもあります。私自身、このまま尾道でずっと働くのだと思っていたのですが、「自分がやらなければ誰がやる」と一念発起して、仲間とともに尾道から大阪に異動しました。

企画から製造まで一気通貫で担う新規事業本部

―新規事業本部について教えてください。

新規事業本部のメイン拠点は大阪府茨木市にあります。特徴としては研究開発にとどまらず、企画やマーケティング、製造、品質保証、生産技術のメンバーを揃えていて、新規事業本部単独で事業をスタートできる構成になっています。

技術だけを開発していきなり事業部門に移してしまうと、既存事業との兼ね合いの中でうまく機能しないケースがあります。多くの企業が新規事業で苦労している点でもあります。

私たちはそういった事態を打破するため、事業をスタートするために必要な機能を新規事業本部の中に揃えることによって、スモールスタートから事業化まで責任を持ってやり切れる組織にしています。

茨木以外にも三重県の亀山事業所と埼玉県にある関東事業所にも拠点があり、海外のリサーチおよび研究開発拠点としてアメリカ、タイ、シンガポールがあります。全体で約300名強の社員が新規事業本部に所属しています。新卒から当社にいる社員もいますが、約4割がキャリア採用で入社した社員です。さまざまな経験・スキルを持った仲間が活躍し、新規事業を生み出す原動力となっています。

―新規事業本部が手掛けた事業として、どういったものがあるのでしょうか。

2023年に製品化したものが2つあります。一つは屋内でも使用できて、高速通信にも対応したプラスチック光ファイバーケーブルです。屋外で使用されているガラス光ケーブルは壊れやすく屈曲しにくいことから、狭い機器内や建物内での使用が難しいというデメリットがありました。

当社が開発したケーブルは、屈曲性に優れ耐熱性が高いことで、医療機器や高精細ディスプレイ、輸送機器への搭載も可能です。従来のNittoであれば、ファイバーなど材料の一部だけの供給に留まっていました。材料や部品供給で留まるのではなく、エンドユーザーに届く最終製品まで手がけた点が、これまでと異なるところです。

―材料供給だけでなく最終製品に仕上げるとなると、これまでとは異なるノウハウが要求されるかと思います。どのようにして製品化にこぎつけたのでしょうか。

それまでの当社の知見だけでは実現できませんので、キャリア採用で入社した方が製品化に大きく貢献しています。
技術面や品質保証だけでなく、戦略的に市場投入する方法など、社員が一丸となって生み出した成功事例だと思います。

当社のエンジニアは7割近くが化学系なのですが、新規事業本部では化学系は2割で、電気系や機械系、通信系など多様な専門性を持ったエンジニアが集まっています。こうした組織だからこそ実現できた事例として、パッチ型ホルター心電計があります。

これまでの当社であればデバイスに使用するテープだけを提供していたのですが、それだけでは社会に新しい価値を届けることができないという考えから製品を直接手がけ、医療系事業に参入した事例です。

また、この事業の特徴としてパッチ型心電計の製造のみならず、計測したデータを医師と共有できる「データ解析サービス」までを社外パートナーと一緒に一連の事業として進めています。この事業は医療機器のマーケティングに長けた方や、ハードウェア開発やソフトウェアのエンジニア、臨床開発経験者がキャリア採用で入社したことで実現できました。

―部品の供給から、製品やサービスにまで領域を広げる背景について教えてください。

新規事業本部を立ち上げた原点にも関わることですが、「モノを売るだけでは、メーカーとして社会に十分な価値を提供できない時代」にいることを痛感しています。

より社会に貢献するためにも、材料や部品の供給だけでなく、エンドユーザーに直接価値を届けられるような製品やサービスまで事業領域を広げたいと考えていました。

もちろん、当社の強みである機能性部材にも継続して取り組みますが、バリューチェーンを伸ばした先にあるビジネスにチャレンジをしたかったということが背景にあります。

Nittoが求めるのは、組織を牽引する尖った人財

村上氏

―キャリア採用で活躍している方の共通項はありますか?

キャリア採用では、これまで自社になかった知見を持つ方を積極的に採用しています。前職での経験やスキルを重視していますが、いわゆる専門人財ではなく「尖った人財」を求めています。

Nittoには平均より少し高い能力を定常状態で発揮できる方が揃っており、だからこそ100年以上続く企業として成長できたのだと思います。そのバランスが取れた方が集まった組織が、新たに加わった尖った方を包み込むようにして、双方のパフォーマンスを高めます。

ですから、私たちがやりたいことに対してしっかりとパフォーマンスを出し、組織と会社をより強いものにできる方を求めています。

―尖っているがゆえに協調性を欠くことを懸念する企業も多いと思います。選考時に重視している点はありますか。

当社が重視している二つの項目があります。

一つはチームの中でパフォーマンスを発揮した経験、もう一つが「自分」という一人称で課題認識を持ち、解決するために行動できる資質です。

相反することかもしれませんが、この二つを兼ね揃えていないと、当社では活躍できません。面接でも過去の経験を振り返って、どのような経緯で結果を出したかを詳しくうかがいます。自分自身にどういう思いがあって行動し、それがチームや組織全体に対してどのような影響を及ぼしたのかをうかがっています。

―選考を経てキャリア入社した方は、御社での仕事をどのように捉えていますか?

ご入社後は、1on1での定期的な面談や、人事も交えたアンケートを実施しています。その中で、「自分の意見が言いやすく、意見を述べても周囲が静まることはなく、ディスカッションする雰囲気がある。これは前職にはなかったことだ」という回答が非常に多く寄せられました。私自身も感じるNittoの良さが、キャリア採用で入った方にも伝わっていることを嬉しく思います。

―新規事業本部にフィットする方はどのような指向性をお持ちの方とお考えでしょうか。

たとえば「有機合成をやりたい」という方は専門的な企業へと転職するキャリアパスがありますが、当社の場合には有機合成をバックグラウンドにしながらも、メカや電気、ITの知識を取り入れることで、さまざまな技術や業界に触れる経験ができます。 多様性を持ちながら自分自身の技術を磨きたいという方には、ベストな環境があると思います。

―エンジニア以外のポジションも採用強化しているとうかがいました。特にどういったポジションが必要だとお考えでしょうか。

当社の事業はBtoBだけでなく、BtoBtoCにも広がっています。今後はエンジニアだけでなく、事業企画・推進やマーケティング領域でも尖った人財の力が必要です。これまで培った技術を部品・材料として市場に送り出すだけでなく、製品として送り出すプロセスに長けた人財を募集しています。

次の100年の礎を築く事業に携わる

村上氏

―今後の展望についてお聞かせください。

当社は先人の方々が積み上げてきた歴史の中で、確実に社会に貢献できている点も多々あるかと思います。次の100年を続けていくためにも、「新規事業」という、成長するためのエンジンを備えておく必要があります。それは新製品を出し続けるということではなく、新たな事業の柱を複数生み出すような大きな改革に取り組むという考え方です。

自社のみでは実現できませんので、さまざまな企業とパートナーシップを組むのと並行して、一人称で行動しながらもチームの一員として貢献できる方に、1人でも多く入社してほしいと願っています。2023年に策定した中期経営計画でも、「ニッチトップクリエーターとして驚きと感動を与え続ける“なくてはならないESGトップ企業”」を、2030年のありたい姿としています。

当社には幅広い経験を活かせるフィールドが多数あり、同時に、時代の最先端のエレクトロニクス技術に触れられる事業拠点が国内に展開されています。技術の先端に触れながら、幅広い業界に向けた新規事業に携わる環境は整っていますので、今後もスピード感を持って社会のニーズに応える事業を展開していきます。

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