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医療×ITの力で「すべての人が、納得して生きて、
最期を迎えられる世界」をつくる

株式会社MICIN

※このインタビューは2023年9月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
原 聖吾氏
  • 株式会社MICIN 
    代表取締役CEO・原 聖吾氏

    「医療をもっと身近に簡単に。健康医療データから一人ひとりの生き方に新しい選択肢をつくる」をミッションとし、オンライン医療、デジタルセラピューティクスをはじめとする複数事業を展開する株式会社MICIN(マイシン)。
    2023年10月、40.5億円の資金調達を実施し、累計調達額は100億円超に到達。事業をさらに加速させていきます。

    東京大学医学部出身の医師で、政策秘書やコンサルティングファームも経験した異色の経歴を持つ代表取締役CEO・原 聖吾氏に、将来ビジョンや事業の強みについて伺いました。

臨床医として患者に接して感じた「医療システムから変える必要がある」

―原社長は東京大学医学部を卒業し、医師免許も取得されているそうですが、「政策秘書、コンサルティング業界を経てスタートアップを起業」という道を選択された経緯、理由をお聞かせください。

医学部卒業後、国立国際医療研究センターでの初期臨床研修に入りましたが、このころにさまざまな患者さんを診たことが、起業へつながる原体験となっています。

「なぜこんな病気にかかってしまったんだろう」「こんな病気になると分かっていたら、あんな生活はしていなかった」と嘆く患者さんが少なくない数でいました。健康が損なわれることを想像していなかった 人々が、病を患って自身の生き方を後悔していたのです。

誰しも大きな病気にかかるリスクを抱えているのに、気付くのは病気が進行してしまった後です。「後悔しながら最期を迎えてほしくない」という気持ちが湧き上がりましたが、臨床医にできることには限界があります。

医師は病気になった人を治療するわけですが、病気になる前に予防する選択肢があったはず。それを機能させるためには、医療システムそのものを変える必要がある……という課題意識が自分の中に生まれました。

この課題に向き合うには、政策やビジネスといった社会の仕組みを理解する必要があります。そこで、研修後は政策秘書になり、2年半、2035年の日本における医療政策に関する提言策定に携わりました。次に米スタンフォード大学のビジネススクールに留学し、MBA(経営学修士)を取得。帰国後、将来の起業につながるビジネス経験を積むため、マッキンゼーに入社し、4年ほど医療領域のコンサルタントを務めた後、MICINを立ち上げたのです。

―コンサルティングファームの方はクライアント企業などに転職して新規事業開発を手がけるケースも多いですが、ご自身での起業に踏み切ったのですね。

私が描いているビジョンを実現する取り組みをしている企業があれば、そこに入る選択肢もあったでしょうが、存在していませんでした。既存の枠組みにとらわれない立ち位置で新しいものをつくっていくことが、ビジョンの実現のために必要だったのです。何より私自身が、未知の領域へのチャレンジにワクワクするタイプですから。

オンライン医療事業・デジタルセラピューティクスをはじめ4事業を展開

原 聖吾氏

―現在は、4つの事業に取り組まれていますね。

1つ目は「オンライン医療事業」です。
2016年4月、オンライン診療サービス「curon(クロン)」の提供を開始しました。
患者さん はご自身のスマートフォン・PC・タブレットを使い、予約・問診・診察・決済・医薬品配送手続き(院内処方の場合)をオンラインで完結させることができます。薬局向けサービスや、製薬マーケティング・メディカル支援サービスもあります。

2つ目が「デジタルセラピューティクス事業」。
「MedBridge(メドブリッジ)」は、患者さんが安心して治療生活を送れるように、セルフケアの習慣化などを支援するシステムです。システムを通じて患者さんの主観情報・客観情報が収集され、医師・看護師が必要なときにアクセスしやすい形で提供。診察時のコミュニケーションを改善し、医療機関の業務効率化にも貢献するものです。他にもスマホで患者の呼吸音を取得し診察に活用できる「生体情報共有アプリ」を開発し、医療機器プログラムとして薬事承認を得ています。
最近、他社からもDTx製品は上市されていますが、私たちは2017年から開発に取り組んできました。

3つ目が「臨床開発デジタルソリューション事業」。
「MiROHA(ミロハ)」という、臨床開発のための新しいデジタルソリューションを提供しています。DCT(分散型治験)と呼ばれる新たな治験のあり方の普及を進めています。

4つ目が「保険事業」。
医療×テクノロジーにより、保険のアップデートを図ります。
これまでの保険はリスク算定の元となるデータが限られていました。私たちの上記3つのサービスの運用を通じてさまざまな患者様の詳細なデータが蓄積されていくと、個別最適化したリスク算定が可能になります。より一人ひとりに適した必要な保障を提供することができるようになるわけです。


実現しつつあるミッションと、これから実現を目指すミッション

―どのようなビジョン・ミッションに基づき、この4事業の展開に至ったのでしょうか。

「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を。」というビジョンは、創業から数年後に言語化し、現在も変わっていません。
ビジョン実現に向けて具体的に何をしていくのかについては、社内での認識を共有するため、近年になって「ミッション」を整理。2段階の観点を打ち出しました。

「医療をもっと身近に簡単に。健康医療データから一人ひとりの生き方に新しい選択肢をつくる。」

毎年オフサイトミーティングを実施していますが、今年は会社のビジョン・ミッションと社員自身が大切にしているものとどのようなつながりがあるのかを考え、議論し共有するセッションを行いました。

ミッションのうち、「医療をもっと身近に簡単に。」については、「オンライン医療事業」を中心に一定レベルで実現しつつあります。
例えば、オンライン診療サービスによって、従来では診療を受けられなかったような方がより早いタイミングで受診できるようになったり、希少疾患を持つ方が専門医に出会えたりするようになっています。

ミッションの2段階目である「健康医療データから一人ひとりの生き方に新しい選択肢をつくる。」。 ここはまだ実現まで至っていない領域です。
現在は私たちが提供しているサービスを通じ、健康医療データが少しずつ蓄積されていっている段階です。
オンライン診療であれば、患者様がいつ受診し、どの薬が処方され、どのような経過をたどったか、などの情報を取得できます。デジタルセラピューティクスでも、手術後の生活や状況といった情報が取得できます。

こうしたデータを蓄積していくと、それに基づいて、患者さん一人ひとりが新しい選択肢をより早いタイミングで検討することができるでしょう。たとえば「この症状であれば、この医療機関・診療科を受診した方がいい」「今後このように重症化していく可能性があるので、生活をこう変えた方がいい」、さらに「将来このようなリスクが考えられるので、保険でリスクをカバーした方がいい」といったようにです。
その実現に向けて、データの蓄積を進めています。


事業のシナジー効果を発揮し、提供できる価値を高める

―通常、スタートアップでは、まず1つ収益の柱となる事業を軌道に乗せ、順次新たな事業へ展開していくことが多いと思います。4つの事業をほぼ同時に推進している目的をお聞かせください。

確かに同時に進めていくことには難しさがあると思います。しかし、私たちが実現したい未来から逆算すると、デジタルヘルスと保険の組み合わせをつくることが、価値を発揮するために重要です。
医療データは大切なものですが、大切だとわかっていても、そこにメリットがなければ誰も蓄積しようとはしません。オンライン診療やDTxによって、より状態が悪くならないように、より状態がよくなるように価値をもたらす。それによってまた患者さんに使っていただける。この繰り返しでデータが蓄積されていくようになります。
私たちのミッションの「医療をもっと身近に簡単に」はこれに紐づいています。

保険は成長していくのに時間がかかる領域です。おかげさまで加入者は増えていますが、データを積み上げていくビジネスなのでいち早く始めて、足場をつくっていくことを重視しています。

医療の世界は、そう簡単には変わりません。
すでに成立しているオペレーションがあるので、それを変えていくのはすごく難しい。「オンラインで診療してみよう」「治験にデジタルを取り入れてみよう」といったそういう領域をいち早く見つけて、ある程度広がる前に足場を作っていっています。

実際、オンライン診療もデジタルセラピューティクスもDCTも、この領域が広がり始める3~4年前から私たちはスタートさせました。むしろこの領域を自分たちの手でつくってきた自負もあります。
そのように、可能性のある新たな領域にいち早く着目し、仕掛けをし、動きが広がる前に足場固めをする。そのような事業のつくり方を展開しています。

2023年10月には40.5億円の資金調達を実施し、累計調達額は100億円超に到達しました。「医療の領域で本当に価値を出していこうとするなら、こうでなければ」と我々の戦略を信じてくれる投資家の方がいらっしゃり、また成し遂げるにはチームがすごく重要で、それが難しいとわかっている中、その中でMICINのチームだったらやり切れる、という期待もあると思います。そのあたりが投資家の皆様から期待をいただいているところだと思いますし、やっていかないといけないところだと考えています。

当面、さまざまなインターフェースよりデータが蓄積されていきますが、将来的には統合されていくと思います。当社以外のデータともつながっていくことがあり得ますし、そこから新たな選択肢が生まれ、サービスとして利用者に還元されていくことでしょう。そのとき、現在の4事業のシナジーは私たちのユニークな強みとなっていると思います。

―事業の相乗効果が高まるのは、どれくらいのスパンをイメージしていますか?

何段階かありますが、いくつかの事業領域の連携は3年ほどで築くことを見込んでいます。全体がつながってシナジーを発揮していく世界の実現は、それから数年を要するでしょう。そのころには、多くの方に価値を理解し、実感していただけると思います。

私たちの究極的な顧客、エンドユーザーは「患者さん」です。
私たちのサービスを活用していくことで「自分の治療を安心して任せられる」「症状が悪化しない」「健康になったと実感できる」という体験をする方が増えていけば、事業のサイクルも活発化し、発揮できる価値が高まっていくでしょう。



―入社を検討されている方へのメッセージをお願いします。

新しい領域であるがゆえに、何かを模倣することはできないですし、各方面からの風当たりが常にあります。日々、トライ&エラーの繰り返しです。
私たちが大事にしている、チームの価値基準の一つに「initiate」という言葉を掲げています。自らが変化の起点になり、変化を起こしていくのは、非常に面白いしやりがいがあります。そんなチャレンジに価値を感じる方にとっては楽しめる環境だと思います。

また、当社は事業が4つあることもあり、バックグラウンドが異なる方が集まっています。例えば、メディカル・サイエンス寄りの方もいれば、営業・IT企画、保険などさまざまです。部門間がより連携できるよう管理職の方に対してのトレーニングを設けたり、全社の交流とは別にコミュニ―ケーションをとれる機会を作っています。バックグラウンドは違えど、ビジョンやミッション、新しい医療の実現に向けて事業を作っていくことに共感いただければ、深い医療の専門知識がない方でも活躍されています。

私たちのビジョン・ミッションに共感いただける方に、ぜひご入社いただきたいですね。

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