40代の外資系企業転職は難しい?
求められるスキル・経験とは

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公開日:2022/03/23 / 最終更新日: 2024/04/25

40代を迎え、さらなるキャリアアップを目指す方の中には、日系企業から外資系企業への転職を考える方も少なくありません。

しかしながら、
「外資系企業と日系企業との違いは?」
「40代でも外資系企業に転職できるだろうか」
こんな疑問を抱く方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は日系企業から外資系企業へ、初めての転職を考える40代の方に向けて、転職事情や事前に知っておきたい情報を解説します。


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日系から外資に40代でも転職できる?


結論から言えば大半の職種においては問題ありません。かつては「転職は35歳まで」という考え方が広く知られていたように、一定の経験があれば若手の方が転職時につぶしが効きやすいのは事実です。しかし、特に外資系企業では経験とスキルに裏付けられた専門性を重視する傾向にあり、市場価値の高い専門性を持っている方であれば50代以降でも転職先に困ることはありません。

また、いわゆるメンバーシップ型の要素が強く、その後の異動などを含めて組織全体での年齢構成を気にする傾向が強い日系企業以上に、外資系企業はいわゆるジョブ型の面が強く、基本的に募集ポジションに限定した即戦力人材の採用がメインです。ですので、応募先のポジションと経験がマッチしていることが最も重要です。

外資系企業が40代の中途採用人材に求めるものは?


前述の通り、基本的に年齢により「求めるもの」に違いはないのですが、40代のビジネスパーソンが外資系企業で「活躍する」ためには、以下のようなスキルが必要です。

40代に求められる専門性と経験

先ほど述べたように外資系企業が求める人材は即戦力が大前提です。そのため、採用時にもポジションと合致したスキルや実績が問われます。ジョブローテーションによって、長期的にジェネラリストを育成する傾向が強い日系企業に対して、外資系企業では特定の分野・業務で活躍するスペシャリストを積極的に中途採用する傾向にあります。

外資系企業では人事異動による職種の変更はほとんどありませんが、これは逆に言えば、年齢を問わずスペシャリストとしてのスキルの研鑽を要求されるということでもあります。スペシャリストとしての道を目指すのであれば、外資系企業への転職をおすすめします。

他方で、「スペシャリスト」「専門性」について、注意していただきたいのは、その「程度」です。

外資系企業において、日本は重要拠点ではありますが、本社ではありません。

ですので、ここで求められているスペシャリストというのは、あくまでゼネラリストに対するスペシャリストということです。世界一を争うようなスペシャリストが求められているのは、外資系企業なら本国での採用、あるいは世界一の日本企業製品・サービスを持つ日本企業ということになります。

また、外資系企業は、本国では規模が大きくても、日本法人は小規模であることも非常に多いです。この場合、主要な分野での十分なスキルがあることを前提としたうえで、比較的、周辺分野も含めなんでもできるエンジニア、といった感じの方が活躍されることも多いです。

40代に求められるマネージメント能力

40代ともなればマネージメント経験を要求するポジションも増えます。売上額や利益額、あるいはそれに直結するKPIが見えやすい機能に責任と権限を持つ組織マネージャー(ラインマネージャー)といったポジションであれば、自分の部下が十分にパフォーマンスを出せるようにサポートを行いながら、KPIやチームの目標数字が課されることになります。利益に直結するKPIやチームの目標数字を大幅に達成した場合には、日系企業とは比にならないインパクトでボーナスと昇進に反映されます。

40代に求められる語学力

20〜30代前半のスタッフ職の場合、直接の上司が日本人であることが多いので語学力はあまり要求されません。しかし、40代ともなると事業部長や支社長、アジア統括責任者や本国の担当者など外国人のエグゼクティブとのコミュニケーションが必要になります。特に、外資系企業では、いわゆるマトリックス組織を採用していることも多く、この場合、日本オフィスの日本人のボス以外に、欧米本国やシンガポールのAPAC地域本社にいる外国人の機能別組織のボスにも同様にレポートする必要があり、その際に英語でのコミュニケーションが必要になります。

そのため多くのポジションにおいて、ビジネスレベルの英語力は必須になります。外資系への転職が視野に見えたタイミングで、英語力に不安がある方は英語を学習するべきでしょう。また、既にビジネスレベルの英語を身につけている方でも、能力が錆びつかないように学習することを心がけましょう。

ただし、例えば、特にエンジニアの方は違う傾向があります。例えば40代で外資系企業に転職した製造業系の技術者の方の場合、いわゆる中級以上の英語力をもっていた方は半数だけでした。エンジニアの方は自分の専門分野の英語の読み書きはできる方も多いので、本国の自分に関係する文書を何とか読めて、英文メールが何とかやり取りできれば、それで問題ないというケースも多いので、自分は英語力に自信がないから外資系企業のチャンスはないと思い込まないことが重要です。

40代に求められるコミュニケーション能力

成果主義であるがゆえに従業員同士の人間関係はドライと思われがちですが、そんなことはありません。外資系企業でも直属の上司と良好な関係を築くことは大切です。特に、外資系企業は、大手の日系企業と異なり、自分の直接のボスが、採用・評価・雇用終了まで非常に強い権限を持っていることが多く、その関係性の重要性は、一般的な大手の日本企業よりはるかに大きいものです。

例え結果の数字が客観的なものであったとしても、そのための成果を出すための環境整備などで、ボスの力を借りることの価値は非常に大きいものになります。例えば営業サイドの方であれば、自分たちや自分にどのクライアント/クライアント群を任せてもらえるか、サポートスタッフをどれくらい使わせてくれるか、といったことをイメージしてください。他のポジションの方であれば、出した成果がどれくらい重要と評価されるかが、ボス次第であることはよくお分かりになると思います。

上司からは、特に、求められる業務の質や、スピード、成果達成に対して問われることが多いです。上司にはご自身の仕事ぶりを正しく評価してもらい、信頼関係を維持できるように心がけましょう。

また、さまざまな国籍・人種が集まる点では多様性に対する順応性も欠かせません。特に近年は大企業を中心にダイバーシティを意識した組織づくりを志向しています。文化的背景や価値観の違いなどを受け入れ、上司や同僚、国外拠点のメンバーや取引先とも円滑にコミュニケーションできるスキルは外資系では必須です。

事前に知っておきたい日系企業との違い


これまでお伝えしたとおり、外資系企業は、日系企業以上に即戦力重視の採用傾向にあります。それ以外にも日系企業とは異なる特徴があります。入社後に戸惑うことがないよう、事前に外資系企業の特徴を把握しておきましょう。

外資系企業は終身雇用ではない-40代編

日本でも年功序列制度は弱まりつつありますが、現代の外資系企業では年功序列という考え方が日本企業ほどはあまりありません。

とはいえ、もちろん内部昇格でキャリアアップを図ることも可能です。例えばフォーチュン500のような超大手企業でも、新役員の3分の2程度は内部昇進で選ばれています。ただ、内部昇進だけに偏っていることがないので、新卒からずっと内部昇進で就任した役員の比率を比較すると、外資系と日系で劇的な差が出ます。

伝統的な日系大手企業では、空きポジションを埋める際に、まず社内から埋めることから考え、最後まで社内から埋めることしか考えないことが多いですが、外資系企業では、空きポジションに関しては、内外両方から候補を募るといったことが多いのが大きな違いになります。また、社内向けにはまだ秘密の離職の後任ポジションなどでは、かえって内部には候補を募りにくいケースもよくあります。

近年は、外資系企業でも、人的資本経営などの長期育成視点が強化される傾向にあり、空白ポジションをいかに内部昇進で埋めるかが重要人事マターの一つにはなってきていますが、それでも、既存の人のキャリアアップを基本に人事を組み立てていく伝統的な日系大手企業の人事管理との差は非常に大きいと考えたほうがいいでしょう。

ですので、年功はもちろんのこと、売上や利益の明白な成果を出しても、昇進先のポジションがあるかどうかは、まずポジションの空き具合次第です。さらに、ポジションが上昇しないと、高評価でも基本給の上昇が早期に天井に達することも多いです。(他方で、ボーナスは一時的な成果の精算の要素が大きいので、営業系などではボーナスは別途青天井に出ることも多いです。)

他方で、年功序列の昇進が少ない、期待されないというのことは、「昇進圧力が小さい」ことが多いと言い換えることもできます。外資系企業は、それぞれの特定のポジションに給与が紐づいており、役職定年もないことから、定年後再雇用時も50代の給与を継続して貰えている方も多いことが特徴です。一方で、転職を通じてキャリアップしていく方も多くいらっしゃいます。

要するに、外資系企業では、入社した企業に留まって、長期的なキャリア継続も可能であり、別の企業に転職して専門性を身に着けることも可能と言えるでしょう。

こうした背景からも、転職回数が日系企業ほどマイナスに評価されることはありません。社内異動と同じくらいの感覚で、他社の転職も検討することが一般的であると言えます。

外資系は徹底した成果主義-40代編

年功序列が根強い伝統的な日系企業と異なり、外資系企業は成果が利益に直結するポジションにおける成果主義を徹底しています。上司が年下、年上の部下がいるのも珍しくありませんし、高いレベルで目標を達成すれば、年齢に関係なく昇格できます。一方で目標を達成できなければ、立場は厳しいものになります。減給や降格も日系企業よりも色濃く反映されます。長期に渡って結果が残せない場合には退職勧奨などを受けるケースもあるでしょう。

なお、これらの違いがでるのは、直接的には、外資系企業だからではなく、そのような仕組みの前提で会社と社員がその前提を理解して入植して、その前提で互いにずっと運営しているからということが大きな原因です。例えば、日本では法律を守ると能力不足社員の解雇は難しいと思われている節もありますが、ポジションを限定した即戦力の高給の幹部採用に関してはそうではないということが、フォード自動車事件の裁判例で昭和の時代から示されています。

このように、外資系企業の日本法人は日本の労働基準法に則って運営されているので、突然の解雇は滅多にありませんが、日本法人自体の業績次第では日本市場から撤退するケースもあり得ます。また、企業自体が撤退せずとも、自分のキャリアが属する事業や機能分野が日本から撤退することもよくあります。

40代ともなれば家族や持ち家など、収入に対してシビアにならざるを得ない方も少なくないでしょう。会社の事業展開やご自身の成果によっては減収する可能性もあることを認識しておくと同時に、家族の理解も得るようにしましょう。

同じ職種でも外資系は日系企業と役割が異なる-40代編

外資系企業における日本支社の役割は本国が提供するサービスや製品のローカライズと、市場シェア獲得が中心となります。

そのため、日本独自の企画やアイデアが通しにくく、本国が描いたビジョンをいかに日本市場に落とし込むかが主なミッションとなります。このギャップが合わずに外資系企業が肌に合わない方もいれば、海外の最先端技術を日本に導入するというミッションに醍醐味を感じる方もいます。ご自身が仕事で重視する要素は何か、それは外資系企業でもフィットするかを事前に整理することをおすすめします。

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40代、外資系企業への転職を成功させるには


ここまで外資系企業の特徴や求められる要素について解説してきました。それらを踏まえた上で外資系企業への転職を成功させるためのポイントを解説します。

40代だからこそ、これまでの経験を棚卸しして、強みを整理する

外資系企業に応募する際は英文の職務経歴書も提出することが多いです。その際、重要なのはほとんどの日系企業で求められるように業務経験を時系列に羅列することではなく、実績や強みがはっきりと伝わる形でまとめることです。

応募先の企業・ポジションが求めるスキルや経験を満たし、即戦力として活躍できることをアピールするためにも、これまでの経験を棚卸しして、何を強調するかを考えましょう。

英語面接対策

日本のボスや海外の機能別組織のボスが日本語を理解しないことも多いことから、外資系企業では選考プロセス上に英語での面接もあることが多いです。流れやマナー、効果的に伝える話し方などを整理した上で事前準備を入念に行いましょう。特に昨今は本国やAPAC統括拠点とのオンライン面接が普及したことで日程調整しやすくなった反面で、その場の空気感や雰囲気といった五感で伝えるノンバーバル・コミュニケーションが機能しないというデメリットもあります。

そのため、スピーキングによるプレゼンテーション能力の重要度はますます高まっています。営業職など普段からコミュニケーション能力が求められる仕事についていても、商談と面接では勝手が異なります。自分を過信せず、時間をかけて面接の準備をしましょう。

外資系企業に強い転職エージェントを活用する

これまで解説した英文の職務経歴書や面接対策を効果的なものにするには、外資系企業に強い転職のプロに相談することが非常に有効です。

また外資系企業の採用情報は一般に公開されていないポジションが多く、転職エージェントのみを通じて採用活動を行なっているケースも珍しくありません。そもそも外資系企業の日本における採用のデフォルトが転職エージェント利用であることに加えて、外資系企業側の心理としては一般公開して不特定多数から選考するよりも、即戦力人材のみを選考できる転職エージェントを活用した方が合理的という考え方でもあります。

一方で応募する側にとっては求人票からは把握できない配属先部門の情報を把握できるほか、面接対策や職務経歴書の添削、内定面談時の年収・入社時期の交渉など、さまざまなサポートを無料で受けられるメリットがあります。

外資系企業への転職実績が豊富にあり、応募先企業とのコネクションがしっかりと構築できている転職エージェントを活用しましょう。JAC Recruitmentでは、外資系への転職を多数ご支援してきたコンサルタントが数多く在籍しています。40代で外資系を目指すと決めた方、選択肢に入れてみようかなと考え始めた方は、ぜひ一度JACのコンサルタントに相談してみてください。

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この記事を監修した転職コンサルタント

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黒澤 敏浩

プリンシパルアナリスト

ハイクラス・管理職の転職に強い人材紹介会社のジェイエイシーリクルートメント(JAC)でマーケット研究などを担当し、ホワイトカラー転職市場や給与の分析などで20年の経験を持つ。人材サービス産業協議会の「外部労働市場における賃金相場情報提供に関する研究会」委員や日本人材マネジメント協会執行役員「人事(HRM)の投資対効果(ROI)」担当も務める。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト。国家資格キャリアコンサルタント。ISO30414(人的資本情報開示ガイドライン)リードコンサルタント。


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