「あなたの弱みは何ですか?」と転職面接で聞かれたときの対策

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公開日:2022/10/27 / 最終更新日: 2024/04/22

採用面接においては、自身の弱みや短所、これまでの失敗事例を聞かれるケースがあります。このとき「正直に答えて大丈夫だろうか」と悩む方も多いことでしょう。
実際、転職希望者様が自身の弱みや短所を答えるだけでは、言葉の選び方によっては採用担当者にマイナスな印象を与えることになるため、周到な準備をしたうえで面接に臨む必要があります。

ここでは「弱み・短所の伝え方」について、採用担当者の意図や弱み・短所を伝える際のポイント、自身の弱み・短所の見つけ方など、具体的な文例を参考にしながらご紹介していきます。


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採用担当者が面接で弱み・短所を聞く意図とは?


転職活動の面接の場で、採用担当者から「あなたの弱みを教えてください」と尋ねられるケースがあります。転職希望者様の弱みや短所については、面接で問われやすい質問のひとつとされ、年齢問わず採用担当者から投げかけられます。この際に「正直に伝えるべきだろうか」「何と答えるのが最適解なのだろうか?」と答えに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

転職希望者様の弱みや短所について、採用担当者としても意味もなく聞くわけではありません。質問を通じて、転職希望者様がどのような性格の持ち主なのか、その本質的な部分を把握するために聞いていると考えられます。

ここからは、採用担当者が転職希望者様の弱みや短所を聞く目的についてさらに細かく見ていきましょう。

自分で弱みや短所を認識しているか

本来、弱みや短所といったネガティブ要素は、自分でも認めたくない部分で目を背けがちなものです。しかし面接の場では、
「自身の弱みや短所を把握できている人間こそ、自己分析がしっかりできている」とポジティブに考えられ、担当者はその点を評価します。特に、30代前半から40代前半といったある程度仕事における経験を備えている方なら、業務上必要なスキルに対して「どのような部分に弱みがあるか」を把握できていないと、採用担当者に、物事を客観視する力が不十分であるとみなされます。

「自身の弱みや短所は何なのか」「弱みや短所が仕事にどのような影響を及ぼしてきたのか」について理解できていれば、新しい企業で担当する業務に対しても、客観的視点で取り組むことができ、弱みや短所がもとで生じるトラブルや課題を事前に回避できるといったアピールにもつながります。

自分の弱みや短所にどのように改善策を施しているか

どのような人間にも長所があれば短所もあります。たとえ自身に弱みや短所があっても、その部分としっかり向き合ってどのような改善策を取っているかという具体的なアクションや考え方は、面接時の評価ポイントになります。たとえば、30代前半の方の場合には、ビジネス経験値はそれほど高くないため、失敗を数多く経験するかもしれません。しかし、その失敗からいろいろなことを学び、二回目三回目に同じような失敗をしないよう、先輩からのアドバイスに忠実に耳を傾けたり、自身で勉強したり、お客様と密なコミュニケーションを取り友好な関係性を築いたり、といった積極的な行動を取ってきたといったエピソードは採用担当者の心に響くものとなることでしょう。

採用ポジションで、その弱みや短所は致命的とならないか

採用担当者が自身の弱みや短所を聞いてくるのには、「求める人材とミスマッチにならないか」を確認するためとも考えられます。採用担当者は、転職希望者様がどんなに魅力的な人材であっても、必要な要素が欠落していれば、採用を見送ることもあります。たとえば、営業職ひとつとっても、テレアポや飛び込み営業を行っているような企業の面接で、「あまり飛び込み営業は得意ではありませんが、その分ネットツールを使った営業戦略が得意です。それで数多くの実績を上げてきました」と言ったとしましょう。企業側としては営業経験や実績には申し分ないと思っても、もし採用して自社の営業スタイルに合わないとすぐに辞めてしまわないか?また、自身の得意な営業スタイルを社内に取り入れようとしてメンバーと軋轢を生じるのでは?といった不安要素が上回り、採用をお断りする確率は高くなるでしょう。

「求める人材」とのミスマッチを回避するためにも、担当者が転職希望者様の短所を把握することはとても大事なことなのです。

弱みに関する質問だけでなく、面接で聞かれるあらゆる質問には意図があります。意図とセットで定番の質問を把握しておきましょう。

転職面接でよく聞かれる20の質問一覧と回答例

面接で弱みや短所を答えるときに気を付けるべきポイント


面接で弱みや短所を聞かれた場合、その答え方に気を付けなければ、採用担当者にネガティブイメージを植え付けるだけで終わってしまいます。弱みや短所は伝え方次第で強みにもなり得るため、あらかじめネガティブからポジティブに展開できるストーリーを用意しておくとよいでしょう。

ここからは、採用担当者に弱みや短所を伝える際、気を付けておくべきポイントを具体的に見ていきます。

具体的なエピソードと改善対策

自身の弱みや短所を伝える際の注意点として「具体的なエピソードと改善対策を添える」というのがあります。面接では自身の弱みや短所を伝えることに意味があるのではなく、それらの点とどのように向き合い、生じたトラブルにどのような対策を講じて解決させたのかというエピソードが、担当者が求めていることです。

ここで言う具体的なエピソードとは、自身の短所から生じたトラブルをベースにし、そこから問題解決に至った過去の経験を指します。その際、結果的に自身の弱みが仕事上支障をきたさないものである点をうまく伝えられると、担当者に悪い印象を与えません。

伝え方としては、最初に結論(自身の弱みや短所)を述べたうえで、その理由や仕事中のエピソード、対応策を伝えるのがよいでしょう。話の終着点としては、自身の弱みや短所を改善するため、普段から気を付けていることを伝え、ネガティブな印象のままエピソードを終えないようにすることが大切です。

ポジティブな表現に変える

「物は言いよう」という言葉があるように、短所であっても表現を変えるだけでネガティブになりすぎないケースがあります。たとえば「口下手→話すことよりも聞くことに徹する」と言い換えられたり「頑固→揺るぎない価値観を持っている」としたりすることもできます。

採用担当者に好感をもってもらうためにも、否定的でネガティブな表現は避け、できるだけポジティブな言葉を選ぶように意識しましょう。そうすれば、他の転職希望者様と天秤にかけられることがあっても、採用に至る可能性は高まります。

「短所がない」は逆効果になる

一般的に年齢が上がるにつれ、「他人に自身の弱みを見せたくない」と思う方が増えるのも事実です。30代後半から40代前半ともなれば、採用率は若い方と比べても低下傾向にあるため、採用担当者にネガティブな印象を与えないために「短所がない」と答える方もいるようです。しかし、「弱み・短所がない」という発言は、自身を良く見せたいという思いに反して、採用担当者としては「そんなことはないでしょう」と思われる可能性の高いものです。

人間であれば誰しも短所を持っているものです。それを「ない」と答えるのであれば、採用担当者からすると「自己分析ができていない」「何か隠しているのではないか」といった疑いを持つのは当然のこと。弱みや短所があることは、決して悪いことではありません。むしろないほうがネガティブな印象につながりかねないため、弱みや短所を正直に伝えたうえで、対処方法までしっかり答えられるよう準備しておくのが賢明です。

転職面接で弱みを具体的に伝える方法【例文付き】


ここまで面接で弱みや短所を尋ねられる理由や伝え方のポイントについて見てきましたが、実際に面接で弱みや短所を伝える際、採用ポジションで求められるスキルに対し、自身の弱みがどのように影響するのかを踏まえた回答を準備しておくことは重要です。

採用担当者は、現在の職場に転職希望者様が加わることで、どのような化学反応が生じるのかを考えながら面接を行っています。前述したように、もし採用することで業務に支障が出ることが想定されれば、どんなに能力値が高くても採用を見送られることは当然ながらあります。そうならないためにも、自身のこれまでの経験と照らし合わせ、応募企業に入社した場合をイメージしながら回答できると、説得力と安心感が向上します。

ここからは、具体的な弱みや短所を挙げた回答例について、企業の応募枠をイメージしながら見ていきましょう。

30代前半|Webデザイナー|慎重すぎるケース

何事にも慎重になりすぎて仕事に時間がかかってしまうタイプの方の場合、業務におけるクオリティの高さを伝えるとよいでしょう。

「私の短所は、1つ1つの仕事に慎重すぎる点です。過去に携わったWebデザインのプロジェクトでは、ページに不備がないか、どのデザインを取り入れるのがよいかなど作り込みに時間をかけすぎて、上司に指摘されたことがありました。しかし、慎重すぎるということは、クオリティの高いデザインが作れるメリットがあります。実際、私が担当したプロジェクトは後工程で修正が入る箇所が少なく、完成度が高いという評価をされています。

この経験から、クオリティの高さは維持しつつ、時間配分と優先順位を意識するようになりました。現在は業務に慎重であることを長所に変えつつも、時間を取られすぎて目的から逸脱しないよう心がけています。」

短所に対してどのような工夫・改善に取り組んでいるのかを伝えられると、面接担当者に好印象を与えられます。

面接官に好印象を与えるコミュニケーションや話し方

30代後半|人事部|マネジメント経験がないケース

コミュニケーション能力が試される人事部でマネジメント経験がない方の場合、対応力や信頼を集める力に長けている点を伝えましょう。

「私はこれまでマネジメント経験はないものの、常に管理職である上司の右腕として業務にあたって参りました。部署内では、他社員の意見をまとめたり上層部からの共有事項を社員に伝達したりする役割を任せてもらっていたため、相手の意見を聞き入れ、わかりやすく噛み砕き伝える力を備えられたと思っています。また、私が部署についてからの5年間は、社員のメンタルケアも大事と考え、他社員に対する定期的なヒアリングも行ってきました。その甲斐あってか、私が担当部署についてからの5年間は退職者を出すことなく過ごしてきております。」

役職に就いたことはないものの、相応のスキルは十分備わっている点についてアピールするようにすれば、良い印象で締めくくることができます。

40代前半|営業管理職候補|こだわりが強いケース

自身の弱みとして、こだわりが強い一面がある場合には、発言に一貫性がある点を伝えましょう。なかでも管理職候補の場合、自身の考えがブレていると企業側が求めているスキルに合致しない可能性があります。

「私は、自身の考えにこだわりが強すぎる点を短所と自覚しています。前職で営業戦略を立てるミーティングが行われた際、自身の意見を主張しすぎることがありました。しかし、他方と議論を重ねていたところ、細部の営業方法は違っていたものの、改善すべきと思っていた根幹部分は同じであることがわかったのです。

この経験から、自身の意見を大切にしながらも、他者の考えにも耳を傾け議論することが必要だと気が付きました。現在は、まず他者の意見を聞き入れることを基本とし、その中で自身の考えとの相違点を洗い出し、チームに問題解決策を打ち出していけるよう心がけています。」

自身のブレない姿勢は大事にしつつ、傾聴力をもって課題をブラッシュアップしていけるスキルを伝えられれば、採用担当者から好印象を得られることでしょう。


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転職面接で弱みや短所を伝える際のNG例


ここからは、面接で弱みや短所を伝える際のNG例について紹介します。

NG例1:非常識な短所

「短所を教えてください」という質問に対して、社会人としての基本的なマナーや常識を欠くような短所を答えることは避けるべきです。
例えば、「遅刻が多い」や「忘れ物が多い」といった回答は、採用担当者にとっては大きなマイナスポイントとなります。これは、社会人としての基本的な能力やマナーが欠けているという印象を与えるためです。
そのため、このような短所を答えるのではなく、自身の成長や改善を目指している点を伝えることが重要です。

NG例2:業務に関係ない短所

業務に直接関係がない短所を答えることも避けるべきです。
例えば、「運動が苦手」や「家事が得意ではない」といった短所は、求められている職種や業務に関係がないため、採用担当者にとっては参考になりません。
そのため、業務に関連するスキルや能力に関する短所を答えることが推奨されます。

NG例3:志望職種に支障が生じる短所

志望している職種や業界で必要とされるスキルや能力に反する短所を答えることは、採用の際に大きなマイナスとなる可能性があります。
例えば、営業職を希望している場合、「人とのコミュニケーションが苦手」という短所を答えると、その職種に適していないと判断される可能性が高まります。そのため、志望職種に関連するスキルや能力を短所として答えるのではなく、自身の成長や改善を目指している点を伝えることが重要です。

面接前に弱み・短所を見つける方法


以上弱み・短所の回答事例をいくつか挙げてみましたが、自分自身に当てはめて考えるためには、まず弱みや短所をしっかり把握する必要があります。自己分析によって短所を洗い出すには、以下2つの方法を試してみるのがおすすめです。

  • ● 過去の失敗した経験を思い返す
  • ● 第三者に自身の弱み・短所を聞いてみる

自身の弱みや短所は、失敗した経験を深掘りすることで見つけられるケースがあります。また、自身で考えるのが苦手な場合、第三者からの客観的な意見を参考にすることで見えてくることがあります。誰かの意見を踏まえて考えをまとめることで、より具体的なエピソードに落とし込むことができるようになります。

面接で話す弱みの選び方


面接で話す弱みは「自分がビジネスパーソンとして思い描いている理想像」や「応募先の企業で希望するポジション・役職」から逆算して選ぶようにしてください。
まず自分が将来どんな人材になりたいのか、を整理する必要があります。そのうえで現在足りてないスキルを洗い出しましょう。「Webマーケター職」を例に挙げると以下のような考え方です。

・どのようなシチュエーションでも事業成長できるマーケターになりたい。
・既存事業で予算が潤沢にあるケースでの広告運用は経験してきた。
・新規事業のミニマルコストで事業成長させたことはない。
・弱みは「最小限のコストでマーケティングをした経験がないこと」
・しかし応募先企業のノウハウを吸収しつつ、自身のスキルを生かして事業成長に貢献したい。

また応募先のポジションから逆算して考えることもできます。

・応募先のポジションでは「将来的にプロジェクトマネージャーになる可能性がある」と書いてある。
・現在はマネージャーポジションで働いたことはない。
・弱みは「メンバーのケアまでの経験はないこと」
・しかしコミュニケーション能力はあるので、入社後にマネジメントスキルも養っていきたい。

強みから考える弱みの見つけ方


前項目で「弱みは強みの裏返し」と解説しました。この観点から考えると、強みを先に考えることも弱みを把握するために役立ちます。ここでは自分の強みを正しく見つける手順を解説します
強みを論理的に導き出すには、以下の順番で考えます。

1.自分の強みは何なのか
2.強みとしてアピールできる根拠(実績やエピソード)
3.強みを入社後にどのように活かすのか

具体的に強みを見つける手順を解説します。

1.自分の強みは何なのか

まずは「私の強みは○○」と思いつくままに書き出してみましょう。結論だけを短文でいくつか書き出してから、そのなかでも「自分がこれは」と思うものをピックアップします。

2.強みとしてアピールできる根拠(実績やエピソード)

スキルを裏付ける実績やエピソードは可能な限り、定量的な数字や具体性のある言葉で表現しましょう。

客観的に見て、誰でも納得しやすい根拠があるとよいです。定量的に表現できれば最適ですが、自分の行動によってどのような効果があったのかを言語化できれば問題ありません。

3.強みを入社後にどのように生かすのか

「強みとなるスキルや経験が応募先の企業で具体的にどのように活かされるのか」といった観点から、文章にしていきます。ここから「自分が理想とするキャリア・職種などに『何が不足しているのか=弱み』」を考えるようにしてみてください。

そうすると、強みと弱みに一貫性が出てきます。その結果、自己分析ができていると面接官が納得感を得ることにつながるでしょう。

転職の面接で「長所・短所」を聞かれたときの答え方や例文を解説

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面接の質問として問われることの多い「弱みや短所」については、事前の自己分析をしっかり行うことで自身に足りない部分が顕在化してきます。30代前半から40代前半の方となれば、これまでの経験に基づいた短所がいくつも出てくることでしょう。なかでも30代後半から40代前半にさしかかった方の場合、短所を大きな長所として見せられなければ、内定を獲得できない可能性も高いのが実情です。

もし自己分析が苦手であったり、短所を長所に変える言葉が見つからなかったりする場合、転職エージェントを利用してプロのアドバイスを参考にするのがおすすめです。その点、「JAC Recruitment」であれば、各業界に精通したコンサルタントが転職希望者様のこれまでのキャリアを丁寧にヒアリング。応募企業が求める要素に合致するアピールポイントを引き出してくれるでしょう。

30代前半から40代前半の方に向けた求人も多く取り扱っており、履歴書や職務経歴書の添削・面接対応に至るまでしっかりとサポートしてくれるため、安心して転職活動を行うことができます。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

株式会社JAC Recruitment

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当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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