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海外駐在員のキャリアは、現在の転職市場でどう評価されるのか


コロナウイルスの感染が再拡大したインドでは、2021年4月時点で7割の企業が現地駐在員に対する帰国命令を出しました。
多くの駐在員が後ろ髪を引かれる思いで現地を後にしている一方で、居住地によっては「(ある程度の自粛をしている限りは)日本で報道されているほど危険な状態ではない」と本社からの打診を拒否して現地に残留する駐在員も一定数はおられるようです。

ほかの国でもコロナ禍の影響でビジネスが縮小したことに伴い、個別に帰任命令を受ける駐在員は散見され、それに合わせて、現地に残留したい一心で当社に転職の相談に来られる方が増えました。今の会社では、その国のビジネスが再び拡大することはないと悟った方が、次なる機会を求めて転職活動を行うのです。そしてこれは、極めて自然なことです。

対して、企業の海外事業要員採用には、次のような変化が見られます。

経営現地化のための要員確保の動き

日本国内で日系企業各社を回ってお聞きすると、 「海外子会社のマネジメントは、現地化したい」という意向をもつ企業が再び増え始めていると感じます。多くの企業がたちまちにそれを実現することができない原因は、言語やビジネス慣習のカベなどに起因する日本人不在状態への不安です。
これに対し、現地化(ローカライゼーション)へのつなぎの役割を担う日本人を、現地法人で採用したいとするニーズも増え始めています。
さらに、よくよく話を聴いていくと、その多くの場合は「本当にいい人であれば本社雇用(駐在員待遇)でもよい」という本音を知ることができます。その際、その方に課せられるミッションは、「現地化を実現すること」に他なりません。

求められているのは「サーバント型」人材

自らが現地トップとして短期の業績確保や問題解決を行うかたわら、将来に向けて次期社長候補を見出し、徐々に仕事や権限を委譲して、満を持して経営のバトンをその方に手渡すような「サーバント型」の人材が求められています。
かつては、海外拠点の立ち上げ時など、初期段階に限られたリソースでも活躍できる「ハンズオン型」の人材が求められていましたが、周囲に仕事を任せたり後続を育成したりすることが苦手な傾向にありました。現在は、現地で経営が担える人材を育成できる方への需要が、かなり潜在していると感じます。

本社雇用で駐在員となった場合の将来

本社雇用(駐在員待遇)である限り、現地化が実現されれば、もはや現地ではその方の役割はありませんので、本社への帰任か他国への転勤を命じられることは間違いありません。従ってその国に永住することを希望する方は、いずれかのタイミングで再び転職を余儀なくされることになります。
しかし、「経営現地化を実現した経験」を持つ人材は常に貴重ですので、次の転職先を見つけるのにそれほど苦労はしないはずです。一方、本社雇用か現地雇用かの選択は、単に目先の雇用条件だけで選択しないようにしなければなりません。

本社で高まる”海外事情通”の必要性

これは前回のコラム「海外駐在員は帰任後のキャリアプランをどのように描くべき?」でも述べた通りですが、コロナウイルスの世界的流行により、日本本社からの海外渡航が制限されていることで海外現地とのコミュニケーションがオンラインに代替され、それに伴い、本社従業員の国際コミュニケーション能力不足が露呈した会社は少なくありません。
特にモノ作り企業において、実際の物を前に身振り手振りを交えて行っていたコミュニケーションが叶わなくなった際に、より言語能力の必要性が増しているというのです。そこで必要とされているのが、現地の状況、現地人材の気質などを熟知し、英語に加えて、時に現地語とのミックスで適切な意思疎通を行うことができる人材です。

言語力のみならず、文化・慣習の理解が重要

単純なボキャブラリー量は重要でなく、相手の文化や慣習を理解したうえで、適切に指示できるローカライズされたコミュニケーション能力が求められるのです。
例えば、とあるITベンダーの海外拠点が現地でITシステムを納品した際、導入に関する作業はキッチリと済ませたものの、荷解きしたパソコンなどの梱包材は客先へ置いたまま帰ってしまうことがありました。日本では持ち帰るのが常識ですが、現地では、指示がないかぎり放置されたままになってしまいます。
こうしたローカル感覚は、現地の社員の勤労意欲に関わらず、説明しないと伝わらないので、先回りしてはっきりと言語で伝えなければなりません。こういう時に、まさに現地語と英語のミックスで、適切な意思疎通できる人材も貴重な存在でしょう。

自分の実績やタイプを理解したうえで、次のキャリアの検討を

これらから言えることは、現地で働き続けるにせよ日本で働くにせよ、海外駐在員としての「実績」として最大のアピールポイントになるのは、事業や組織の「現地化(ローカライゼーション)」、「自立化」をいかに進めたか、という具体的事実だということです。単純化すれば、在任中に何人の現地人材をプロモーションしたか。
日本であれ海外であれ、「人を育てることができる」ことは優秀な管理者の必須条件です。

成功経験の棚卸しからスタート

部下のプロモーションの実績がある方は、一度その経験を振り返り、かつての部下の昇進・昇格(=成長)に自分はどのような寄与をしたのか、棚卸しをしてみると良いでしょう。現在赴任中の方は、ご自身の後任となる方を見出し、育成するための簡単なサクセッションプラン(Succession Plan/後継者育成計画)を作ってみると良いかもしれません。
職務経験や実績が充分に積まれていることが大前提ですが、特に技術・製造部門やバックオフィス部門では、常に「サーバント型」の人材需要が潜在しており、当面は減ることがないと感じます。


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この記事の著者

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佐原 賢治

海外進出支援室 室長

1990年同志社大学商学部卒業。2000年JAC Japan(現JAC Recruitment)入社。関東・関西・九州で主に日系製造業向け人材紹介コンサルティングを経験した後、本社人事部長職を経て2011年から現職。海外事業展開に伴う国内外での人材採用に対する助言を行なうほか、自治体、地方金融機関等主催イベントでの講演多数。日経産業新聞「HRマネジマントを考える」隔月連載中。



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