特定の事業に対して融資を行い、その事業から生まれるキャッシュフローを返済原資とする資金調達手法「プロジェクトファイナンス」。金融業界でも専門性が高く、やりがいのあるキャリアとして注目されています。
本記事では、プロジェクトファイナンスの転職市場動向や最新求人情報に加え、未経験からの転職可能性や求められるスキル・経験についても、JAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく解説します。
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目次/Index
プロジェクトファイナンスの転職市場動向
再生可能エネルギーやデジタルインフラなど、社会課題と直結する分野への投資が世界的に加速しています。プロジェクトファイナンスは、今や金融・ビジネス両面において欠かせない資金調達手段といえます。
それにともない、同分野での転職ニーズも大きく拡大しており、ハイレベルなスペシャリストにとって、キャリアアップの好機が広がりつつあります。
本章では、現在の市場動向を再生可能エネルギー(以下、再エネ)とESG・デジタル領域の2つの観点から整理します。
再エネ領域を中心にプロジェクトファイナンス市場は世界的に拡大傾向
プロジェクトファイナンス市場は、現在再エネプロジェクトの急成長を背景に、世界的な拡大局面を迎えています。特に太陽光発電がマーケットの主導役となっており、風力発電、燃料電池、グリーン水素といった次世代エネルギーへの投資も活発化しています。
このトレンドは、単なる環境意識の高まりにとどまりません。
金融機関にとっても再エネプロジェクトファイナンスは、長期的かつ安定的な収益を生み出す“戦略的な投融資先”として位置づけられています。
また、各行がESG規制や投資家の期待に応えるかたちでポートフォリオの再構築を進めています。
日本においても、この流れに積極的に乗っている企業が存在します。例えば、三菱UFJ銀行は、再生可能エネルギー向けプロジェクトファイナンスにおいて、世界的にも高い実績を誇っています。
こうした背景のもと、プロジェクトファイナンス領域では、経験者を対象としたハイクラス求人が着実に増加しています。財務モデリングやストラクチャードファイナンス、ESGリスク評価に通じた方は、メガバンクや再エネデベロッパー、外資系ファンドなどから高く評価されており、キャリアアップや年収向上を狙える市場環境が整いつつあります。
デジタルインフラ投資・ESG投資トレンドがプロジェクトファイナンスの重要性を高める
現在、プロジェクトファイナンスの対象領域は、従来のエネルギー・社会インフラ分野にとどまらず、今後数兆円単位の成長が見込まれる「デジタルインフラ」分野へと急速に拡大しています。
代表的な投資先としては、データセンター・通信インフラ・光ファイバー網などが挙げられます。
この拡大の背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI導入の加速にともない、IT基盤整備に対する巨額の投資がグローバルに不可避となっていることがあります。なかでもデータセンターは、長期契約に基づく安定収益モデルを有しており、プロジェクトファイナンスにおける典型的なファイナンス構造と非常に親和性が高い領域です。こうした特徴から、国内外で関連ファイナンス案件が急増しています。
さらに、ESG投資の拡大もこのトレンドを、さらに後押ししています。EUをはじめとする各国でESG開示規制が強化される中、環境・社会課題に対応したインフラ事業や再生可能エネルギープロジェクトには、投資資金が継続的に流入する傾向が見られます。
こうした背景から、プロジェクトファイナンスは単なる資金調達スキームにとどまらず、企業が中長期的な経営戦略の中で活用すべき“主要な資金調達手段”としての役割を強めつつあります。
このような動向を背景に、転職市場においても「再エネ × デジタルインフラ」の両軸に対応可能な方へのニーズが急速に高まっています。
具体的には、以下のようなスキルや経験をもつプロフェッショナルが高く評価されています。
- ●電力契約・設備設計・通信インフラの知識を兼ね備えた方
- ●ESG開示やコンプライアンス対応に強いストラクチャードファイナンス経験者
- ●海外デベロッパーやPEファンドで、プロジェクトオリジネーションの実務経験を有するVPクラス以上の方
再エネやデジタルインフラへの投資は、今後も加速が予想されており、プロジェクトファイナンスの経験者にとっては「転職市場における売り手優位」の状況が明確に形成されています。
グローバルな案件に挑戦したい方、より高い年収やポジションを目指す方にとって、今はキャリアを前進させる好機といえるでしょう。
プロジェクトファイナンスが求められる主な転職先候補
プロジェクトファイナンスの専門性は、金融機関にとどまらず、総合商社、コンサルティングファーム、再生可能エネルギー事業者・インフラデベロッパーといった多様な業界で活用されています。
ここでは、実際にプロジェクトファイナンスを積極的に採用している代表的な転職先を紹介します。
金融機関(メガバンク・投資銀行・アセットマネジメント会社など)
金融機関は、プロジェクトファイナンスの主要な担い手として、資金調達の組成からリスク管理まで幅広い業務を担います。
特にメガバンクは、国内外の再エネやインフラ案件に対して融資アレンジを行う中心的な存在であり、ストラクチャリング、キャッシュフローモデルの作成、契約交渉、協調融資の調整などが主な業務です。ESG関連の枠組みに対応したグリーンローンやサステナブルリンクローンの組成が増加しており、英語での契約・交渉スキルや国際的な規制対応力をもつ方が求められています。
投資銀行では、エクイティ投資やM&A戦略と連動したプロジェクトファイナンスが多く、より複合的で戦略的な資本設計が求められます。NPVやIRRを用いた事業評価、複雑なファイナンススキームの構築、クロスボーダーでの交渉経験が評価されやすく、外資系では高い専門性と語学力を備えたプロフェッショナルが活躍しています。
また、インフラファンドや年金基金といったアセットマネジメント会社でも、プロジェクトファイナンスの知見を活かしてインフラ資産の長期保有・投資判断を行う運用担当のニーズが拡大。ESG格付けやインパクト評価など、サステナブルな投資に関連する知識・経験がある方は特に重宝されています。

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総合商社
総合商社は、資源・エネルギー・社会インフラといった大型案件に対して、出資・融資・運営を一体で手がける「事業投資型ビジネスモデル」を展開しています。プロジェクトファイナンス実務を経験されてきた方が非常に重宝されています。
業務としては、発電所や水処理施設、鉄道、空港、再エネプロジェクトなどのインフラ案件における資金調達スキームの設計、レンダーとの交渉、投資回収のモニタリングなどが中心です。プロジェクトの立ち上げから関与し、エクイティ投資とデットファイナンスの両面を支える役割を担います。
特に、三菱商事、住友商事、丸紅、伊藤忠商事といったインフラ・エネルギー事業に強みをもつ大手商社では、海外インフラ投資やIPP事業(独立系発電事業者)などのプロジェクトにおいて、現地パートナー・金融機関・政府機関との調整役を担える方に対し継続的にニーズがあります。
また、商社は「事業のオーナー側」としての立場でプロジェクトに関わるため、銀行とは異なる“投資家目線”での判断や、事業の成長性・出口戦略まで見通す視点が求められるのも特徴です。ストラクチャードファイナンスのスキルに加え、ビジネスデベロップメントへの関心・理解がある方がより高く評価されています。

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コンサルティングファーム
コンサルティングファームでは、戦略立案・財務助言・制度設計といった多様な切り口からプロジェクトファイナンスに関与する機会が広がっている状況です。
特にインフラ・エネルギー分野を専門とするユニットや、官民連携(PPP/PFI)領域に注力するファームにおいては、PF実務の経験をされてきた方が高く評価されています。
業務内容としては、以下のような業務が中心となります。
- ●プロジェクトの事業性評価や収益性試算に基づく財務モデルの構築・検証
- ●公共インフラ投資における政策的助言や制度設計支援(自治体・中央省庁などがクライアント)
- ●資金調達戦略・出資スキームの最適化に関するアドバイザリー業務
デロイト、PwC、KPMG、EYなどのFAS(ファイナンシャルアドバイザリー)系ファームや、ボストン・マッキンゼーといった戦略系ファームのインフラセクターグループが該当します。
最近では、GX(グリーントランスフォーメーション)関連政策にともなう再エネ領域の支援業務も増加しており、PF知見を活かせる場面は年々広がっています。金融機関側からコンサルティング業界への転職も増えており、「銀行でのプロジェクトファイナンス経験をベースに、より上流工程に関わりたい」と考える人にとっては自然なキャリアパスです。

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コンサルティングファームの転職情報
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再生可能エネルギー事業者・インフラデベロッパー
再生可能エネルギー事業者やインフラデベロッパーは、プロジェクトファイナンスの最前線に立つ事業推進主体であり、資金調達・投資回収の仕組みを構築・実行する役割を担います。近年では再エネの拡大やESG投資の潮流を背景に、プロジェクトファイナンスのスペシャリストのニーズが急増しています。
業務内容は、太陽光・風力・バイオマス・水素などを対象とした発電所やインフラ施設に対し、
- ●銀行・投資家からの資金調達(デット/エクイティ)の組成
- ●ファイナンススキームの設計、事業スケジュールに沿ったキャッシュフローの管理
- ●SPV(特別目的会社)を活用した投資構造の構築と、各ステークホルダーとの調整
- ●融資実行後の財務・契約モニタリング、リスク対応
など、多岐にわたります。
代表的な企業には、大手再エネ専業事業者(例:レノバ、ジャパン・リニューアブル・エナジーなど)や、総合デベロッパー(例:大和ハウス、竹中工務店グループ系)、海外IPPsやファンド系のインフラ投資企業などがあります。特に外資系では英語での資金調達・契約交渉スキルが強く求められています。
また、今後の成長領域とされる洋上風力やグリーン水素プロジェクトでは、マルチステークホルダーの調整力・長期契約構築のノウハウが必要となるため、金融バックグラウンドに加え、事業側視点をもつ方が高く評価される傾向にあります。

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プロジェクトファイナンスの最新転職・求人情報
以下に、JACが扱うプロジェクトファイナンスの最新転職・求人情報を一部紹介します。
●大手日系銀行:【環境ファイナンス部】プロジェクトファイナンス(国内/海外)
●大手総合証券:買収ファイナンス・プロジェクトファイナンスのアレンジャー
●株式会社三菱UFJ銀行:再生可能エネルギープロジェクトファイナンス業務の推進・管理
●株式会社広島銀行:【広島】プロジェクトファイナンス(審査担当)
●大阪瓦斯株式会社(大阪ガス株式会社):投資案件に関わるファイナンス専門人材
●オリックス銀行株式会社:戦略営業第一部(太陽光・再エネに関するプロジェクトファイナンス業務)
本記事でご紹介する求人は、JACが取り扱う求人の一部にすぎません。JACが保有するプロジェクトファイナンスの求人の大部分は非公開求人となっており、Web上には掲載されていないポジションも多数存在します。非公開求人も含めた詳細な情報を得たい方は、ぜひ一度ご登録・ご相談ください。
転職支援のプロであるJACのコンサルタントが、皆さまのご経歴・志向を丁寧にヒアリングし、最適なキャリア提案を行います。
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年8月最新)
未経験からプロジェクトファイナンスに転職できるのか
プロジェクトファイナンスは、数百億円〜数千億円規模の資金調達スキームを扱う専門性の高い分野であり、金融業界の中でも高度な専門知識と経験が求められる職種です。
そのため、未経験からの転職難易度は決して低くなく、特にストラクチャリングや契約交渉、リスク分析といった実務経験が求められるケースが多く見られます。
とはいえ、すべての求人が即戦力前提というわけではありません。プロジェクトファイナンスの転職市場では、転職先企業とビジネス的な親和性が高い業界(例:金融機関、総合商社、エネルギー関連企業、電力会社など)において3~5年以上の法人営業経験や事業投資業務に携わった実績があれば、未経験からでも応募が可能なポジションが一定数存在します。
また、プロジェクトファイナンスの直接的な経験がなくても、不動産ファイナンスやリース、ストラクチャードファイナンスの周辺領域での業務経験は高く評価される傾向にあります。よって、職種や業界の枠を越えてステップアップの可能性を広げることができます。
未経験からプロジェクトファイナンス領域へのキャリアチェンジを目指す場合、現職での職務内容とPF業務の接点を整理し、履歴書や職務経歴書においてアピールする戦略が重要です。
キャリアの棚卸しや書類準備に不安がある方は、ぜひ専門コンサルタントにご相談ください。

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プロジェクトファイナンス
の職務経歴書サンプルと書き方「プロジェクトファイナンス」の職務経歴書を作成する際に役立つサンプル・テンプレートをご用意。職種別の書き方ポイントも解説しています。 プロが書類選考対策を行います 今現在、 職務経歴書に何を書けば良いのかわからない 書類… 続きを読む プロジェクトファイナンス
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プロジェクトファイナンスへの転職で求められる経験・スキル・マインド・資格
本章では、プロジェクトファイナンスへの転職で求められる経験・スキル・マインド・資格について、下記4つの観点から解説します。
- ●ストラクチャードファイナンス関連業務経験・海外経験
- ●市場/財務分析力・問題解決能力・交渉力など
- ●ストレス耐性・チャレンジ精神・当事者意識など
- ●CFA・MBA・PMPなど
ストラクチャードファイナンス関連業務経験・海外経験
プロジェクトファイナンスは、複雑な契約スキームや資金調達構造を扱うため、ストラクチャードファイナンスや不動産ファイナンス、LBO(レバレッジド・バイアウト)など、構造化金融領域での実務経験が高く評価されます。これらの経験は、リスクの分離・移転や担保設計、キャッシュフローモデルの構築に関する知識・スキルを証明するものとして見なされます。
また、海外インフラ案件ではクロスボーダーの契約や金融規制、ステークホルダーとの折衝が日常的に発生するため、英語での実務経験や国際プロジェクトへの参画歴がある方は高く評価されます。
国際的なスキーム理解や、多文化環境での柔軟な対応力も重要なポイントです。

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ストラクチャードファイナンスの転職事情|平均年収、成功のポイントを解説
ストラクチャードファイナンスとは、企業の資金調達方法を多様化し、自己資本利益率(ROE)の向上を支援する重要な金融手法です。企業の信用力を直接利用せずに、保有資産や事業の価値を活用して資金を調達することで、企業の財務指標… 続きを読む ストラクチャードファイナンスの転職事情|平均年収、成功のポイントを解説
市場/財務分析力・問題解決能力・交渉力など
プロジェクトファイナンスでは、対象となる事業の市場性や収益性、リスク要因を的確に分析する力が不可欠です。NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)などを用いた評価指標を踏まえた財務モデルを構築し、レンダーや出資者を説得する資料を作成できるスキルが求められます。
また、事業立ち上げから資金調達、契約交渉、期中モニタリングに至るまで多くの利害関係者と調整が必要となるため、交渉力・コミュニケーション能力も重要な要素です。
加えて、想定外の課題にも臨機応変に対応する問題解決力が問われるシーンも多く、日常業務の中で培った論理的思考力や対応力が求められています。
ストレス耐性・チャレンジ精神・当事者意識など
プロジェクトファイナンス業務は、金額規模が大きく、契約の複雑性や関係者数の多さから、長期間にわたるプロジェクトマネジメントが求められます。
そのため、プレッシャーのかかる場面でも冷静に対応できるストレス耐性や、困難な交渉・調整業務に対して前向きに取り組むチャレンジ精神が重視されます。
また、「自分がこの事業を成立させる」という当事者意識が求められ、自ら能動的に動ける姿勢が転職時の面接・選考でも非常に重視されています。単なる実務処理にとどまらず、プロジェクト全体を俯瞰し、ゴールに向かって多面的に貢献する姿勢がプロフェッショナルとしての資質です。
CFA・MBA・PMPなど
資格面では、プロジェクトファイナンス業務に関連する国際資格の取得も、一定のスキルや専門性を示す根拠として支持されています。
CFA(米国証券アナリスト)は、投資分析や企業価値評価に関する体系的な知識を証明する資格で、金融機関やファンドで高評価傾向です。
MBAは、財務・戦略・組織マネジメントなどを体系的に学んだ証明として、事業理解や経営視点を求められるプロジェクトファイナンス領域において有効。
また、PMP(Project Management Professional)は、プロジェクトの進行管理能力を証明するもので、大規模プロジェクトの遂行力として重視される場合があります。

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MBA(経営学修士)は転職で有利に働く?MBAホルダーが生かせる最新求人も紹介
MBAホルダーであることを生かして転職を有利に進めたいと考えている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、MBA(経営学修士)が転職で有利になりやすいケースやMBAが生かせる最新求人・転職情報をJAC Recruit… 続きを読む MBA(経営学修士)は転職で有利に働く?MBAホルダーが生かせる最新求人も紹介
プロジェクトファイナンスへ転職した場合の年収相場
2023年1月~2025年6月までにJACが転職をサポートした事例を見ると、プロジェクトファイナンス領域における転職者の平均年収は934.8万円となっています。ボリュームゾーンは700万円~1,100万円台で、30代前半から平均年収が1,000万円を超えるケースも見られ、金融関連分野の中でも高水準にあることが分かります。
また、JACの事例には2,000万円以上の年収で転職を決定したケースや、30代で1,700万円超のオファーを獲得しているケースも複数存在します。若くして責任あるポジションに就き、大型案件をリードすることで、実力がダイレクトに評価されやすい業界だといえるでしょう。
このように、プロジェクトファイナンスは高い専門性と成果がダイレクトに評価される領域であり、キャリアの積み方次第で若くして高収入を得られる可能性がある分野といえるでしょう。
一般的に、プロジェクトファイナンスの年収相場は700万円~1,400万円前後といわれています。しかし、転職先の企業規模(大手銀行、外資系ファンド、商社など)や担当するプロジェクトの規模・国際性によって年収水準は大きく変動します。特にPEファンドやインフラファンドでは成果に応じたキャリーボーナス(成功報酬)が支給されるケースも多く、シニア層では数千万円規模の年収となることも珍しくありません。
このように、プロジェクトファイナンスは高収入が期待できる一方で、高度な専門性と実務遂行力が求められる成果主義的な領域であり、戦略的なキャリア形成が重要となります。
※当社実績(2023年1月~2025年6月、想定年収)より
プロジェクトファイナンスの転職事例
ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用し、プロジェクトファイナンスへの転職を成功させた事例を紹介します
国際金融機関からエネルギー事業会社へ転職した事例
Yさん(40代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 国際開発金融機関 | インフラ系PF | 1,000万円 |
| 転職後 | 電力・インフラ事業会社 | PF(海外事業部) | 1,200万円 |
Yさんは長年にわたり、国際金融機関でインフラや農業、エネルギー分野に関する大型案件を担当し、豊富な経験を積んできました。電力や交通、水道といった公共インフラへの投融資、財務モデルの構築、リスク分析、気候変動に関する国際的なナレッジ発信まで、幅広い領域で実績を残してきた人物です。
さらに、複数の海外拠点での駐在経験を通じ、異文化の中での交渉力や語学力も高めてきました。
転職を決意した背景には、「グローバル課題への取り組みを継続しつつ、事業会社の立場でより実務的な意思決定に関わりたい」という強い思いがありました。
新天地では、エネルギー関連の海外事業部において投資案件の分析や財務デューデリジェンスを中心に担当。クロスボーダーM&Aや国際的な投資戦略の推進を担っています。
今後は海外グループ会社へのローテーションも視野に入れ、エネルギーインフラの国際展開を財務面から支える中核的存在としての活躍が期待されています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
エネルギー輸送企業から総合商社のプロジェクトファイナンス職へ転職した事例
Kさん(30代前半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 大手輸送企業 | 事業企画 | 1,300万円 |
| 転職後 | 総合商社 | エネルギー・社会インフラ系PF | 1,700万円 |
Kさんはエネルギー輸送に関わる大手企業にてキャリアを積み、投資案件の検討や合弁事業の管理、新規プロジェクトの立ち上げなど幅広い業務に携わってきました。現場での運航管理や投資回収のモニタリングに加え、本社側での戦略立案や予実管理も経験しており、実務とマネジメントの両面に通じる若手リーダーです。
転職のきっかけは、「資源を運ぶ側から、事業を創り出す立場に立ちたい」というキャリア志向でした。総合商社のダイナミックな事業ポートフォリオや海外展開への強い関心から、エネルギー部門に挑戦することを決意。
現在は再生可能エネルギーやLNG事業を中心とした部門に所属し、投資先企業の予実管理やリファイナンス対応を担当しています。中期的には海外駐在や事業会社への出向を通じて、経営視点を獲得していくことが期待されており、商社が求める「構想力と実行力」を兼ね備えた存在として新しいキャリアを歩み始めています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
金融機関でのファイナンス経験を活かし、政策系金融機関のPF業務へ転職した事例
Dさん(30代後半/男性)
| 業種 | 職種 | 年収 | |
| 転職前 | 民間金融機関 | ストラクチャードファイナンス | 800万円 |
| 転職後 | 政策系金融機関 | 中小企業向けPF | 1000万円 |
Dさんは複数の金融機関において法人融資や不動産ファイナンス、ストラクチャードファイナンスに従事してきました。案件の組成からアンダーライティング、期中管理まで一連の実務を経験し、金融スキルを着実に積み上げてきた方です。
しかし、現職では案件数が限られていたことから、より多様で実践的な案件に携わりたいという思いを強くしていました。
転職後は、政策系金融機関の新設部署において、中小企業向けのプロジェクトファイナンスや不動産金融案件を担当。これまでに培ったスキルを活かしながら、地域企業の成長支援と高度な金融スキームの架け橋となる役割を果たしています。チームの立ち上げフェーズでスキーム構築の中心的役割を担うことにやりがいを感じており、今後は「顧客本位の銀行業務」を実現するべく、さらなる専門性の深化とリーダーシップ発揮が期待されます。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
プロジェクトファイナンスへ転職後のキャリアパス
プロジェクトファイナンスは、専門性・責任ともに高い領域であるため、転職後もその経験を活かして多様なキャリア展開が可能です。以下では、代表的なキャリアパスをご紹介します。
特定セクターや金融手法に専門性を特化
再エネ、インフラ、デジタル分野など、プロジェクトファイナンスの対象となる業界は多岐にわたります。転職後に特定のセクターにおけるファイナンス業務を継続的に担うことで、専門性の高いプロフェッショナルとして評価されるキャリアも存在します。
また、ストラクチャードファイナンスやエクイティファイナンスなど、金融手法に特化することで、より高度なポジションへの登用も期待できます。
海外駐在経験の取得や管理職・執行役員への昇進
国際的なインフラ・エネルギー案件を扱うことの多いプロジェクトファイナンスでは、海外拠点での駐在経験を経て、グローバルファイナンスの現場でキャリアを積むチャンスもあります。
また、豊富なプロジェクトマネジメント経験や組織調整能力が評価され、管理職や執行役員への昇進につながるケースも増えています。

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海外駐在とは?最新の海外駐在求人やメリット・デメリットを解説
「海外駐在として働いてみたい…」という方もいるのではないでしょうか。 海外駐在として働くイメージが湧くように、最新の海外駐在求人や海外駐在のメリット・海外駐在員になる方法を、わかりやすく解説します。 海外駐在へ興味があり… 続きを読む 海外駐在とは?最新の海外駐在求人やメリット・デメリットを解説
異業種・他セクターのプロジェクトファイナンスポジションへの転職
金融機関以外にも、商社、電力・ガス会社、建設会社、ITインフラ企業などでもプロジェクトファイナンスの専門性が求められています。一度ファイナンスのスキーム構築・実行経験を積んだ後、より事業寄りの企業に転職することで、ファイナンスと事業開発の双方に精通したスペシャリストとしてキャリアを拡げることも可能です。
スタートアップ・ベンチャーのCFO・経営企画への転職
プロジェクトファイナンスで培った資金調達スキルやリスク管理の経験は、成長段階にあるスタートアップ企業でも高く評価されます。特に再エネやインフラ関連のベンチャーでは、CFOや経営企画としての登用が進んでおり、経営の意思決定に深く関わるポジションでの活躍が期待されます。
プロジェクトファイナンスへの転職なら、JAC Recruitment
プロジェクトファイナンスという高度かつ専門的な領域での転職を成功させるためには、業界に精通したコンサルタントのサポートが不可欠です。
JACは、金融・インフラ・エネルギー・デジタルインフラなど、各業界の動向に精通した専任コンサルタントを擁し、プロジェクトファイナンス関連ポジションに強みをもっています。
また、JACが取り扱う求人の多くは非公開求人であり、Web上では見つけられない魅力的なポジションに出会えるチャンスも豊富です。転職希望者一人ひとりの志向・キャリアビジョンに沿った求人提案を行い、選考対策から条件交渉まで一貫してサポートいたします。
「キャリアアップ」「年収向上」「国際案件へのチャレンジ」など、転職を通じて新たな可能性を広げたいとお考えの方は、ぜひJACにご相談ください。

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